伊坂幸太郎さんの大人気小説「殺し屋シリーズ」は、どれから読むべきか迷う方も多いのではないでしょうか。
結論からお伝えすると、殺し屋シリーズを読む順番は刊行順(発売された順番)である『グラスホッパー』『マリアビートル』『AX アックス』『777 トリプルセブン』の順に進めるのがおすすめです。
さらに、これら全4作品はすべてAmazonのオーディオブックサービス「Audible(オーディブル)」で配信されており、プレミアムプランの聴き放題対象となっています。この記事では、シリーズを刊行順に読むべき理由や各作品の魅力、Audibleでお得に聴く方法まで分かりやすく解説します。
伊坂幸太郎「殺し屋シリーズ」の読む順番とAudible配信状況【結論】
伊坂幸太郎さんが手がける「殺し屋シリーズ」は、裏社会に生きる個性豊かな殺し屋たちの活躍や苦悩を、軽妙な会話と緻密な伏線回収で描いたエンターテインメント作品です。まずはシリーズ全体の順番と、Audibleでの配信状況を整理しておきましょう。
読む順番は刊行順(発売日順)がベストな理由
殺し屋シリーズは、1作ごとに主人公や舞台が異なり、物語自体はそれぞれ独立しています。そのため、どの作品から手に取っても単体のミステリー小説として十分に楽しめるよう設計されています。
それでも刊行順をおすすめする理由は、作品どうしが同じ世界を共有しているからです。前の作品に出てきた人物が別の作品に顔を出したり、会話のなかで過去の出来事に触れられたりする場面があります。
たとえば、第2作『マリアビートル』と第4作『777 トリプルセブン』は、同じ「運の悪い殺し屋」七尾が中心になる物語です。伊坂作品ならではの「あの人物がここでつながるのか」という驚きを味わうなら、刊行順に読むのが安心です。
殺し屋シリーズ全4作の刊行順とAudible対応一覧表
現在刊行されている殺し屋シリーズ全4作の基本情報と、Audibleでの配信データを一覧表にまとめました。Audibleでは4作すべてが完全版で配信されており、プレミアムプラン(月額1,500円)の聴き放題対象です(2026年10月30日時点)。
| 読む順番 | 作品タイトル | 単行本刊行年 | Audible再生時間 | ナレーター | 聴き放題対象 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | グラスホッパー | 2004年 | 10時間2分 | 原島 梢 | 対象 |
| 2 | マリアビートル | 2010年 | 19時間24分 | 原島 梢 | 対象 |
| 3 | AX アックス | 2017年 | 10時間52分 | 織江 珠生 | 対象 |
| 4 | 777 トリプルセブン | 2023年 | 10時間6分 | 織江 珠生 | 対象 |
表の通り、第1作と第2作は原島梢さん、第3作と第4作は織江珠生さんが朗読を担当しています。4作で合計約50時間です。聴き放題の対象は変わることがあるため、聴く前に作品ページで確認してください。
伊坂幸太郎「殺し屋シリーズ」全4作のあらすじとAudible聴きどころ
ここからは、殺し屋シリーズ全4作それぞれのあらすじと、Audible版ならではの聴きどころを順番に紹介していきます。ネタバレには配慮していますので、未読の方も安心して読み進めてください。
第1作『グラスホッパー』:すべての始まりとなる復讐と交錯の物語
シリーズ第1作『グラスホッパー』の主人公は、妻を殺された元教師の鈴木です。復讐の機会をうかがっていた鈴木は、妻を殺した男が車に轢かれる瞬間を目撃します。どうやら「押し屋」と呼ばれる殺し屋の仕業らしく、鈴木はその正体を探るために後を追い始めます。
一方で、自殺専門の殺し屋「鯨(くじら)」と、ナイフ使いの若い殺し屋「蝉(せみ)」も、それぞれの思惑から「押し屋」を追い始めます。鈴木・鯨・蝉の3人の視点が交錯したとき、物語は一気に動き出します。2015年には生田斗真さん主演で映画化もされました。
Audible版の再生時間は約10時間です。3人の主人公の視点が章ごとに切り替わる構成ですが、章ごとに誰の視点かがはっきりしているので、音声だけでも迷わず聴き進められます。ナレーターは原島梢さんです。
第2作『マリアビートル』:東北新幹線を舞台にした密室ノンストップ劇
第2作『マリアビートル』の舞台は、東京発・盛岡行きの東北新幹線「はやて」の車内です。酒浸りの元殺し屋「木村」は、幼い息子を傷つけた中学生「王子」に復讐するため新幹線に乗り込みます。しかし王子は、見た目とは裏腹に狡猾な少年でした。
同じ新幹線には、腕利きの二人組の殺し屋「蜜柑(みかん)」と「檸檬(れもん)」、そして運の悪い殺し屋「七尾(ななお)」も乗り合わせています。疾走する密室のなかで、複数の殺し屋たちの思惑が激突するノンストップ・エンターテインメントです。
Audible版は約19時間24分とシリーズ最長の大作ですが、展開が非常にスピーディーなため長さを感じさせません。特に「檸檬」と「蜜柑」の漫才のような掛け合いは、耳で聴くとテンポのよさがいっそう伝わります。
第3作『AX アックス』:最強の殺し屋は恐妻家?心温まる連作短編集
第3作『AX アックス』は、これまでのノンストップな群像劇とは少し毛色が異なる、全5編からなる連作短編集です。主人公は、同業者からも恐れられる超一流の殺し屋「兜(かぶと)」。しかし家では妻に頭が上がらない恐妻家で、一人息子の克巳もあきれるほどです。
兜は克巳が生まれた頃から殺し屋を辞めたいと考えていましたが、引退に必要なお金を稼ぐため、仕方なく仕事を続けています。もちろん、家族は兜の裏の仕事を知りません。殺し屋としての冷徹なプロフェッショナルぶりと、家庭での情けなくも微笑ましい姿のギャップが最大の魅力です。
今作からナレーターが織江珠生さんにバトンタッチしています。全5編で約10時間52分なので、1編あたり約2時間で区切りがつきます。そのため、毎日の通勤時間で少しずつ聴き進めたい方にも最適です。
第4作『777 トリプルセブン』:不運な殺し屋が超高級ホテルで大暴れ
第4作『777 トリプルセブン』は、『マリアビートル』で活躍した不運な殺し屋・七尾(コードネーム:天道虫)が再び主人公として帰ってきます。常にトラブルに巻き込まれる体質の七尾は、今回も簡単なはずの仕事を引き受けますが、東京の超高級ホテルから出られなくなってしまいます。
そのホテルには、ほかにも物騒な人物たちが集まっていました。クセの強い殺し屋たちがうごめくホテルから、七尾は無事に抜け出せるのか。2023年に単行本が発売され、2026年6月には角川文庫版も刊行されています。
『マリアビートル』が新幹線の密室劇なら、本作は高級ホテルを舞台にしたパニック・アクションです。Audible版は約10時間6分で、ナレーターは『AX アックス』と同じ織江珠生さんです。
目的別!殺し屋シリーズの読む順番アレンジと映画版との違い
基本的には刊行順が最もおすすめですが、映画をきっかけに興味を持った方や、自分の好みに合わせて特定の作品から読みたい方もいるはずです。ここでは目的別の楽しみ方や、映像化作品との関係性について解説します。
映画『ブレット・トレイン』から入った人はどこから読むべき?
2022年に公開されたブラッド・ピット主演のハリウッド映画『ブレット・トレイン』は、シリーズ第2作の『マリアビートル』が原作となっています。映画を観て原作小説に興味を持った方のなかには、「続きにあたる『777 トリプルセブン』から読んでもいいのか?」と疑問に思う方も多いでしょう。
映画で七尾(映画での名称はレディバグ)のキャラクターが気に入ったなら、同じく七尾が主人公の『マリアビートル』と『777 トリプルセブン』を続けて楽しむのも一つの方法です。ただし、映画版は舞台設定や登場人物の背景がハリウッド流に大きくアレンジされています。
原作の『マリアビートル』は『グラスホッパー』に続く物語として書かれており、前作とのつながりもあります。原作ならではの緻密な人間関係や、映画とは異なる結末の妙味をしっかり味わうためにも、やはり第1作の『グラスホッパー』から順番に聴いていくルートをおすすめします。
殺し屋シリーズは途中の作品から読んでも楽しめる?
「まずは1冊だけ試してみたいけれど、自分の好みに合う作品から入りたい」という場合は、途中の作品から手に取っても問題ありません。特に独立性が高いのは、第3作の『AX アックス』です。
『AX アックス』はシリーズ初の連作短編集で、主人公の兜と家族の物語が中心です。「残酷すぎる描写は少し苦手」「心温まるストーリーや感動できる小説が好き」という方は、『AX アックス』から入ると伊坂作品の魅力にすんなり馴染めるはずです。
一方で、第4作の『777 トリプルセブン』を最初に読むことだけはあまりおすすめできません。主人公の七尾は『マリアビートル』で新幹線の騒動に巻き込まれた人物です。前作を知っているほうが楽しめるので、少なくとも『マリアビートル』のあとに読むのがおすすめです。
殺し屋シリーズをAudible(オーディブル)で聴く3つのメリット
紙の本や電子書籍で読むのも楽しい殺し屋シリーズですが、オーディオブックのAudibleとも相性のよい作品です。耳で聴く読書ならではの3つのメリットを見ていきましょう。
疾走感のある会話劇とプロのナレーター陣の相性が抜群
伊坂幸太郎さんの小説における最大の特徴は、登場人物たちによるウィットに富んだ会話劇です。殺し屋という物騒な職業でありながら、移動中にどうでもいい雑談で盛り上がったり、ピンチの最中にユーモラスな軽口を叩いたりするシーンが数多く登場します。
文字で追うだけでも面白いこれらの会話ですが、プロのナレーターや声優が感情を込めて読み上げることで、まるで上質なラジオドラマや舞台演劇を聴いているかのような臨場感が生まれます。間の取り方や声色の変化によって、キャラクターの個性がより鮮明に浮かび上がるのは音声ならではの体験です。
また、殺し屋シリーズは登場人物が多い群像劇ですが、声の調子で人物の違いが伝わるので、文字で読むより人物を追いやすいと感じる人もいるでしょう。
長編小説でも通勤や家事のスキマ時間で無理なく完走できる
殺し屋シリーズはどれもボリューム満点の長編小説です。特に第2作の『マリアビートル』は文庫本で600ページ近くあり、普段あまり本を読まない方にとっては、持ち歩くのもページをめくるのも少しハードルが高く感じられるかもしれません。
その点、Audibleであればスマートフォン1台で完結し、両手と目を塞がずに物語を進められます。満員電車での通勤中や車の運転中、さらには料理や洗濯、ウォーキングといった日常のルーティン作業がすべて「読書時間」に変わります。
たとえば10時間の作品であっても、通勤の往復1時間と家事の30分を組み合わせれば、1週間程度で無理なく1冊を聴き終える計算になります。さらにアプリで再生速度を上げれば、より短い時間で聴き終えられます。
プレミアムプランなら全4作品が追加料金なしで聴き放題
料金の面でも、Audibleは殺し屋シリーズと相性がよいサービスです。プレミアムプラン(月額1,500円)なら、殺し屋シリーズ全4作がすべて聴き放題の対象になっています。
4作を1か月で聴き終えれば、月額料金の1,500円だけでシリーズを聴き通せる計算です。初めて使う方なら30日間の無料体験もあり、期間中も有料会員と同じように聴き放題を利用できます。
Audibleで伊坂幸太郎の「殺し屋シリーズ」をお得に聴く方法と注意点
ここからは、実際にAudibleを使って殺し屋シリーズを聴くための具体的なプラン選びと、無料体験の利用手順について解説します。2つの料金プランの違いも押さえておきましょう。
スタンダードプランとプレミアムプランの料金・内容比較
現在のAudibleには、月額880円の「スタンダードプラン」と、月額1,500円の「プレミアムプラン」という2つの料金プランが用意されています。殺し屋シリーズ全4作を続けて楽しみたいなら、「プレミアムプラン」がおすすめです。
| 比較項目 | スタンダードプラン | プレミアムプラン |
|---|---|---|
| 月額料金(税込) | 880円 | 1,500円 |
| 利用可能な作品数 | 毎月1冊を選択して聴ける | 数十万以上の対象作品が聴き放題 |
| 殺し屋シリーズ4作の視聴 | 月1冊ずつなので4か月かかる | 初月から4作品すべて聴き放題 |
| 無料体験期間 | 新規向けに30日間 | 新規向けに30日間 |
| 単品購入時の割引 | なし | 会員割引あり |
スタンダードプランは月額料金が安い反面、月に1冊しか選べないため、4作品を聴くには4か月かかります。また、選ばなかった月の分を翌月に持ち越すこともできません。聴き放題のプレミアムプランなら、対象作品は何冊聴いても追加料金はかかりません。
30日間の無料体験を活用してシリーズを一気聴きする手順
Audibleを初めて利用する方なら、30日間の無料体験が使えます。殺し屋シリーズ全4作の合計再生時間は約50時間ですので、1日あたり1.5〜2時間ほど聴くペース(または1.5倍速で1日1時間強)を作れば、無料期間中に全作品を完走することも十分に可能です。
登録から聴き始めるまでの流れは、次のとおりです。
- AmazonのAudible無料体験ページへアクセスする
- 「プレミアムプラン」の30日間無料体験ボタンをタップする
- 普段使っているAmazonアカウントでログインし、支払い方法を確認して登録を完了する
- スマホに「Audibleアプリ」をダウンロードしてログインする
- アプリ内の検索窓で「グラスホッパー」と検索し、ライブラリーに追加して再生する
なお、Google PlayストアやApp Store経由で登録すると、表示される価格が異なる場合があると公式ヘルプで案内されています。ブラウザから公式サイトで登録し、そのあとアプリで聴く流れにしておくと分かりやすいでしょう。
殺し屋シリーズとあわせて聴きたい!Audibleで聴ける伊坂幸太郎のおすすめ作品
Audibleのプレミアムプランでは、殺し屋シリーズ以外にも伊坂幸太郎さんの名作が数多く聴き放題の対象になっています。シリーズを聴き終えた後にぜひ続けて聴いてほしい、特に評価の高い2作品を紹介します。
『死神の精度』:クールでどこか憎めない死神と音楽の物語
『死神の精度』は、人間の死を調査するクールな「死神」の千葉を主人公にした連作短編集であり、表題作が日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞した、伊坂さんの代表作の一つです。千葉はターゲットとなる人間と1週間行動を共にし、その人物の死に「可」または「見送り」の判定を下す役割を担っています。
人間の常識や感情に疎く、いつもどこかズレた発言をする千葉ですが、なぜか人間界の「ミュージック(音楽)」だけは大好きで、CDショップの視聴コーナーに居座るのが日課です。彼が出会う6人の対象者たちとの奇妙な交流と、最後に待ち受ける鮮やかな伏線回収には思わず唸らされます。
Audible版は天満智史さんが朗読を担当しており、再生時間は約10時間3分です。続編の長編『死神の浮力』(約15時間39分)も、同じく聴き放題で楽しめます。
『逆ソクラテス』:読後感スッキリ!小学生たちが大人に立ち向かう短編集
殺し屋シリーズのハードな世界観から少し気分を変えたい時にぴったりなのが、柴田錬三郎賞を受賞した短編集『逆ソクラテス』です。「敵は、先入観」というテーマのもと、小学生の子どもたちが、決めつけや偏見に満ちた大人や学校の空気に知恵と勇気で立ち向かう全5編が収録されています。
伊坂さんにとってデビュー20周年の節目に書かれた作品であり、運動が苦手な子やクラスで浮いている子など、決してヒーローではない普通の少年たちが、ちょっとした作戦で状況をひっくり返す痛快なストーリーが展開されます。
Audible版のナレーターは松本健太さんで、再生時間は約6時間59分とコンパクトにまとまっています。聴き終わったあとに前向きで温かい気持ちになれる一冊です。
伊坂幸太郎「殺し屋シリーズ」とAudibleに関するよくある質問
最後に、伊坂幸太郎さんの殺し屋シリーズやAudibleの利用に関して、読者の方が抱きやすい疑問点をQ&A形式でまとめました。
殺し屋シリーズの第5作(最新刊)が出る予定はある?
2026年10月30日時点で、殺し屋シリーズ第5作の刊行の発表は見当たりませんでした。これまでの刊行は2004年(グラスホッパー)、2010年(マリアビートル)、2017年(AX)、2023年(777)と、数年おきです。
新作を待つあいだは、4作品をAudibleで聴き返して伏線を確かめたり、ほかの伊坂作品を聴いてみたりするのがおすすめです。
Audibleの無料体験中に解約したら料金はかかる?
無料体験が終わると月額料金で自動的に更新されるため、期間内に退会手続きをすれば料金はかかりません。退会はAudibleのPCサイトかモバイルサイト、Androidアプリからできます。iPhoneのアプリからは退会できないので、ブラウザで手続きしましょう。
退会した後にいつまで聴けるかは手続きのタイミングで変わるため、退会画面や届いたメールで確認しておくと安心です。更新日を忘れないよう、スマホのカレンダーにメモしておくのもおすすめです。
参考:Audible会員の退会方法(Audibleヘルプセンター)
まとめ:伊坂幸太郎「殺し屋シリーズ」は刊行順にAudibleで楽しもう
伊坂幸太郎さんの大人気「殺し屋シリーズ」の読む順番と、Audibleでの楽しみ方について解説しました。最後に記事の要点を振り返ります。
- 読む順番は刊行順(『グラスホッパー』→『マリアビートル』→『AX』→『777』)がおすすめ
- 4作は同じ世界を共有しており、前の作品の人物が再び登場する楽しみがある
- 全4作品すべてがAudibleのプレミアムプランで聴き放題の対象になっている
- 軽妙な会話劇とプロのナレーションの相性が良く、スキマ時間で長編を無理なく完走できる
- 初回30日間の無料体験を利用すれば、コストをかけずにシリーズを楽しめる
魅力的で少し風変わりな殺し屋たちが織りなす極上のエンターテインメントを、ぜひAudibleの無料体験を使って、順番に聴いてみてください。
俳優の朗読で楽しめる村上春樹の小説も、Audibleで聴けます。
村上春樹の小説を読む順番は?読みやすいおすすめ作品とAudible