「ハリアーはリセールが悪い」という声を見かけますが、結論からいうとガソリン車とハイブリッド車のリセールはSUVの中でも高水準です。ただしPHEVだけは別で、3年落ちの残価率が60%前後まで下がり、金額ベースの損失も大きくなりがちです。
さらに2026年8月3日の一部改良で、ハリアーはガソリン車とPHEVが廃止され、ハイブリッド専用車になりました。この記事では、2026年9月時点の買取相場データをもとに、パワートレイン別の残価率と実質損失額、高く売れる仕様、売りどきまでまとめて解説します。
結論:ハリアーのリセールは悪くない。注意すべきはPHEV
2026年9月時点の業者オークション相場を見ると、3年落ち(2023年式)の残価率はガソリンZで83%、ハイブリッドZで75%でした。新車価格の7〜8割が3年後も残る計算で、ミドルクラスSUVとしては十分に優秀な部類に入ります。
一方、同じ2023年式のPHEV Zは60%。新車価格が620万円と高いため、残価率の差以上に「手放したときにいくら損をしたか」の差が大きく開きます。
パワートレインごとの傾向をざっくり整理すると、次のとおりです。
- ガソリン車:輸出需要に支えられ、残価率はトップクラス。新車販売は2026年8月で終了
- ハイブリッド車:ガソリン車より数%低いものの安定。現在、新車で買えるのはこれのみ
- PHEV:残価率・損失額ともに不利。自宅で充電できて長く乗る人向け
つまり「ハリアーはリセールが悪い」という評判は、主にPHEVや、査定で評価されにくい仕様の車に当てはまる話です。ハリアー全体で見れば、むしろ値落ちしにくい車といえるでしょう。
2026年8月の一部改良でハイブリッド一本化|新車価格とリセールへの影響
改良内容と最新の新車価格
トヨタは2026年8月3日、ハリアーの一部改良モデルを発売しました。最大の変更点は、2.0Lガソリン車と2.5L PHEVの廃止です。パワートレインは2.5Lハイブリッドに一本化され、あわせてアクセサリーコンセント(AC100V・1500W)が全車標準装備になりました。
| グレード(ハイブリッド) | 2WD | E-Four(4WD) |
|---|---|---|
| G | 439万6,700円 | 461万6,700円 |
| Z | 486万6,400円 | 508万6,400円 |
| Z“Leather Package” | 518万6,500円 | 540万6,500円 |
| 特別仕様車 Z“Night Shade” | 502万1,500円 | 524万1,500円 |
| 特別仕様車 Z“Leather Package・Night Shade” | 534万1,600円 | 556万1,600円 |
ガソリン車がなくなったことで、新車ハリアーの最安グレードは改良前のガソリンG(2WD・371万300円)から、ハイブリッドG(2WD・439万6,700円)へ約68万円上がりました。
ガソリン車・PHEVの中古相場はどうなる?
新車の供給が止まったガソリン車は、今後は中古でしか手に入りません。もともとガソリン車はマレーシアやUAEなどへの輸出需要が強く、2026年9月時点では夏場の弱含みから相場が持ち直す動きも見られます。新車で400万円を切るハリアーがなくなったこともあり、相場が大きく崩れる材料は今のところ見当たりません。
PHEVは事情が少し異なります。PHEVの発売は2022年10月31日で、初期の車両は2026年秋以降、補助金の保有義務期間(4年)を順に満了していきます。手放す人が増えれば中古の流通量も増えるため、相場には下押し圧力がかかる可能性がある点は押さえておきましょう。
【2025年6月最新】ハリアーがさらに進化!一部改良のポイントと特別仕様車「Night Shade」を徹底解説
【2026年最新】ハリアーの残価率をガソリン・ハイブリッド・PHEVで比較
80系ハリアーの残価率を、年式・パワートレイン別にまとめました。グレード条件をそろえるため、ガソリン車とハイブリッド車は人気の「Zレザーパッケージ」、PHEVは「Z」で比較しています。
| パワートレイン(グレード) | 1年落ち(2025年式) | 3年落ち(2023年式) | 5年落ち(2021年式) |
|---|---|---|---|
| ガソリン(Zレザーパッケージ) | 88% | 84% | 70% |
| ハイブリッド(Zレザーパッケージ) | 84% | 78% | 69% |
| PHEV(Z) | 74% | 60% | —(未発売) |
数値は2026年9月時点の業者オークションデータをもとにした平均的な買取相場です。オプションの有無や走行距離、集計方法によって数%〜10%ほど変わるため、目安として見てください。
ガソリン車:輸出人気で5年落ちでも約7割
ガソリン車はG・Z・Zレザーパッケージの3年落ちで81〜84%、5年落ちでも約70%を維持しています。マレーシアやUAE、中東方面への輸出が中古相場を下支えしているのが強さの理由です。
新車価格が安いぶん、もともと「損をしにくい」構造でもあります。リセールだけを基準にするなら、80系ハリアーで最も有利なのはガソリン車です。
ハイブリッド車:3年で75〜78%と安定
ハイブリッド車は3年落ちでGが78%、Zが75%、Zレザーパッケージが78%。ガソリン車より数ポイント低いものの、輸出先(バングラデシュやUAEなど)があるため、相場は安定しています。
ただし、エントリーグレードのSは3年落ちで67%と伸び悩んでいます。ハイブリッドで残価率を重視するなら、G以上を選ぶのが無難です。
なお、相場は集計元によって差があります。別の買取査定データ(2026年8〜9月集計)では、ハイブリッドZの3年落ちが66%、5年落ちが59%と、やや低めの数字も出ていました。売却額を見積もるときは、複数のデータを見比べて幅を持たせておくと安心です。
PHEV:3年で60%、輸出の受け皿が狭い
PHEVは1年落ちの時点で74%と、ほかのパワートレインより10ポイント以上低い水準です。2025年式Zの場合、新車価格626万円に対して買取相場は462万円で、わずか1年で約164万円の差が生まれています。3年落ちでは60%まで下がりました。
PHEVは輸出需要が限られ、買い手が国内中心になるのが大きな要因です。なお、PHEVは2022年10月発売のため、5年落ちの相場データはまだ存在しません。
残価率より大事な「実質損失額」で比べると差は歴然
リセールを考えるとき、本当に気にすべきなのは残価率よりも実質損失額(購入額−売却額)です。新車価格が高い車は、残価率が同じでも失う金額が大きくなります。2023年式・3年落ちのZグレードで比べてみましょう。
| 2023年式 Z | 新車価格 | 買取相場(3年落ち) | 実質損失額 | 1年あたり |
|---|---|---|---|---|
| ガソリン | 403万円 | 334万円 | 69万円 | 約23万円 |
| ハイブリッド | 462万円 | 345万円 | 117万円 | 約39万円 |
| PHEV | 620万円 | 375万円 | 245万円 | 約82万円 |
PHEVの損失額はガソリン車の約3.5倍です。購入時に国の補助金を受けていれば実質負担は下がりますが、仮に60万円を受け取っていたとしても損失は約185万円。それでもガソリン車の2.7倍になります。
燃料代の安さで差を取り戻せるかというと、3年で100万円以上を埋めるのは走行距離がかなり多い人に限られるでしょう。なお、表の新車価格はメーカーオプションを含まない車両本体価格です。実際の支払額はオプションや諸費用で上がるため、損失額はもう少し大きくなります。
ハリアーPHEVのリセールが伸びにくい3つの理由
①新車価格が高く、補助金は中古車価格に反映されない
PHEVの新車価格は、販売終了時点でZが626万100円、2025年6月に追加されたGが547万300円でした。新車購入時には国のCEV補助金(2026年1月以降の登録分は85万円)が使えましたが、補助金は新車を買った人だけのものです。
中古車を買う人にとっては補助金の恩恵がないため、相場は「補助金を差し引いた実質価格」を基準に形成されやすくなります。その結果、補助金前の新車価格で計算した残価率はどうしても低く見えてしまいます。
②急速充電に非対応で、買い手が「自宅で充電できる人」に限られる
ハリアーPHEVの充電方式は普通充電のみで、急速充電には対応していません。発売時の公表値では、AC200Vで満充電まで約5時間30分かかります。
そのため、PHEVのメリットを生かせるのは、自宅に200Vコンセントや充電設備を用意できる人が中心です。充電設備のない集合住宅に住む人にとっては「割高なハイブリッド車」になってしまうため、中古の買い手層はどうしても狭くなります。外出先の急速充電器が増えても、ハリアーPHEVの使い勝手は変わらない点に注意が必要です。
③バッテリーへの不安と輸出需要の弱さ
中古車の買い手には、「大容量バッテリーが劣化していたら交換費用が高そう」という心理的な不安がつきまといます。実際の故障率とは関係なく、このイメージが価格を押し下げる要因になっています。
加えて、ガソリン車やハイブリッド車のように海外へ流れるルートが細いのも弱点です。国内の需要だけで相場が決まるため、流通量が増えたときに値崩れしやすい構造といえます。
リセールに強いグレード・オプション・ボディカラー
グレードはZ・Zレザーパッケージが有利
相場データを見ると、ガソリン・ハイブリッドともにZレザーパッケージが高い残価率を維持しています。1年落ちではハイブリッドの特別仕様車「Zレザーパッケージ・ナイトシェード」が89%と、全グレードの中でもトップクラスでした。
海外向けの需要では装備の充実度が重視されるため、上級グレードほど評価されやすい傾向があります。現行のハイブリッドを新車で買うなら、ZかZレザーパッケージが狙い目です。ナイトシェードは2026年8月の改良で装備が刷新されたばかりなので、新仕様の相場はこれから形成されていきます。
調光パノラマルーフ・モデリスタエアロはプラス査定の代表格
メーカーオプションの調光パノラマルーフは、ハリアーを象徴する装備のひとつです。中古車でも人気が高く、非装着車より20万円以上高くなるケースもあると報告されています。
ディーラーオプションのモデリスタエアロも輸出向けで人気があり、査定が30万〜50万円前後上がる例もあるようです。ただし、評価されやすいのはフルキットで状態が良い車両です。一部パーツだけの装着や、割れ・擦り傷のある状態では評価が伸びにくくなります。
ボディカラーはホワイトパールとブラック系が鉄板
ボディカラーは、性別や年代を問わず選ばれるホワイトパール(プラチナホワイトパールマイカ)が安定して強い傾向です。ブラック系も人気ですが、ソリッドのブラックよりプレシャスブラックパールのほうがやや有利とされています。
査定時はカラー名まで正確に伝えると、評価の取りこぼしを防げます。好きな色を選ぶのが一番ですが、リセールを優先するなら白か黒系を選んでおくと安心です。
新型ハリアー人気カラー徹底比較|後悔しない色選びとメンテ術【黒と白どっちがいい?】
査定でマイナスになりやすい仕様
逆に評価が下がりやすいのは、社外ホイールや車高調などの個性的なカスタム、喫煙・ペットの臭い、修復歴のある車両です。社外パーツに交換した場合は、純正部品を保管しておき、売却時に戻すか一緒に渡せるようにしておきましょう。
また、ハイブリッドのSグレードのように装備が簡素なグレードは、残価率が伸びにくい傾向があります。
ハリアーを高く売るタイミングと売却戦略
フルモデルチェンジの正式発表前がひとつの目安
80系ハリアーは2020年6月の発売から6年以上が経過しました。次期型(5代目)は2027年ごろの登場が複数のメディアで予想されていますが、トヨタからの正式発表はまだありません。
一般的に、新型の情報が出回ると旧型の中古相場は弱含みやすくなります。「次の車に乗り換える予定がある」「数年以内に手放すつもり」という人は、フルモデルチェンジの正式発表前を一つの区切りとして考えておくとよいでしょう。ただし、ガソリン車は輸出需要の影響が大きいため、国内のモデルチェンジだけで相場が決まるわけではありません。
トヨタ ハリアーはいつ“買い”か:マイナーチェンジの確度と判断基準を徹底解説
車検前・走行距離の節目前に動く
相場データを見ても、3年落ちから5年落ちにかけて残価率は10ポイント以上下がっています。車検を通してから売っても、車検費用ほど査定額が上がることはほとんどありません。手放すなら3年目・5年目の車検前が合理的です。
走行距離では、5万km・10万kmが査定の節目とされています。節目の直前で売るだけで評価が変わることもあるため、距離が近づいてきたら一度査定を受けておくのがおすすめです。
需要が高まる1〜3月も狙い目
中古車は、就職や転勤などで車が必要になる人が増える1〜3月に需要が高まります。販売店や買取店もこの時期に向けて在庫を確保したがるため、査定額が上向きやすいのが一般的な傾向です。
ただし、年をまたぐと年式が1年古くなる点は見逃せません。車検や走行距離の節目と重なる場合はそちらを優先し、季節要因は「迷ったときの後押し」くらいに考えておくと失敗しにくいでしょう。
PHEVは「保有義務4年」と補助金返納を計算に入れる
CEV補助金を受けて購入した乗用車には、登録から原則4年間の保有義務(処分制限期間)があります。期間内に売却する場合は、事前に次世代自動車振興センターへ財産処分の手続きを行い、補助金の一部を返納しなければなりません。
4年未満で売ると、査定額から返納額を差し引いた金額が実際の手取りになります。PHEVの売却を考えるなら、まず保有期間を確認し、返納額を含めて損得を判断しましょう。
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査定は1社で決めず、複数社で比較する
ハリアーは輸出ルートを持つ買取店ほど高値を付けやすい車種です。ディーラー下取りだけで決めると、相場より数十万円安くなることも珍しくありません。
売却前には複数社の査定を受け、下取り額と比べてから決めましょう。査定時は調光パノラマルーフやモデリスタ、カラー名などのプラス要素を自分からしっかり伝えるのがコツです。
中古でハリアーを買うときのチェックポイント
トヨタ認定中古車ならハイブリッド保証が長い
ハイブリッド車やPHEVを中古で買うなら、トヨタ認定中古車が安心です。購入後1年間はロングラン保証が付き、その後は中古車ハイブリッド保証に切り替わります。保証期間は初度登録から10年目まで、または3年間の長いほうで、累計走行距離20万km以内が条件です。
専用診断機によるハイブリッドシステム診断も行われているため、バッテリーへの不安を減らせます。将来売るときにも、保証の残っている車は買い手に安心感を与えやすいでしょう。
PHEVは充電環境とEV走行距離を確認
中古のPHEVは、ガソリン車やハイブリッド車に比べて割安感があります。ただし、前述のとおり普通充電しかできないため、自宅で充電できるかどうかが購入判断の大前提です。
現車確認では、満充電時に表示されるEV走行可能距離を確認しておきましょう。カタログ値(WLTCモード)は93kmですが、気温やエアコンの使用状況で変わるため、極端に短くないかをチェックするのがポイントです。充電ケーブルなどの付属品がそろっているかも見落とさないようにしてください。
ガソリン車は「新車ハイブリッド」との価格差で判断
新車ではもう買えないガソリン車ですが、中古なら選べます。リセールの強さを考えると、売るときに有利なのはガソリン車です。一方、相場が高めに保たれているため、年式や走行距離によっては新車ハイブリッドとの差が思ったより小さいこともあります。
燃費や静粛性、保証の長さまで含めて比べ、納得できるほうを選ぶのが後悔しないコツです。新車を選ぶ場合は、納期も事前に確認しておきましょう。
用語解説:残価率・リセールバリュー・実質損失額
- 残価率:売却額÷新車価格×100で求める、車の価値がどれだけ残っているかを示す割合
- リセールバリュー:売却するときの再販価値。年式・走行距離・グレード・装備・カラー・輸出需要などで変わる
- 実質損失額:購入額−売却額。残価率が高くても新車価格が高いと損失は大きくなる
- 処分制限期間:CEV補助金を受けた車を保有し続ける必要がある期間。乗用車は原則4年
ハリアーのリセールに関するよくある質問
80系ハリアーで一番リセールが良いのはどれ?
残価率で見ると、ガソリン車のZ・Zレザーパッケージがトップクラスです。2023年式(3年落ち)で83〜84%を維持しています。新車で選ぶ場合は、現行ラインナップがハイブリッドのみのため、ZかZレザーパッケージが有力候補になります。
ハリアーPHEVは買わないほうがいい?
数年で乗り換える予定なら、リセールの面ではおすすめしにくいのが正直なところです。一方で、自宅で充電でき、通勤や買い物をほぼEV走行でこなせる人が長く乗るなら、静かでパワフルな走りや外部給電機能など、ほかのグレードにはない価値があります。中古のPHEVは値落ちが進んでいるぶん、買う側にとっては割安な選択肢にもなります。
ガソリン車とハイブリッド車、トータルで損しないのはどっち?
3年で手放す場合、実質損失額はガソリンZが約69万円、ハイブリッドZが約117万円でした。差は約48万円あり、燃料代の差だけで埋めるには相当な距離を走る必要があります。短期保有でリセールを最優先するなら、中古のガソリン車に分があります。
一方、長く乗るほど燃費の良さは効いてきますし、新車で選べるのは今やハイブリッドだけです。保有期間と年間走行距離を基準に考えるのがおすすめです。
残クレで買う場合もリセールは関係ある?
関係あります。残価設定ローンの残価は契約時に決まりますが、返却時の車の状態が悪かったり、走行距離が規定を超えたりすると追加の精算が発生します。
反対に、満了時の買取相場が残価を上回っていれば、返却せずに売却して差額を手元に残せるケースもあります。リセールの強いグレードや仕様を選んでおくことは、残クレでも有利に働きます。
フルモデルチェンジを待つと今のハリアーの価値は下がる?
新型の登場で旧型の相場が弱含むのは一般的な傾向です。ただし、80系ハリアーは輸出需要に支えられているため、新型が出たとたんに大きく値崩れするとは限りません。売却予定が近いなら、相場を定期的に確認しながら、正式発表前に一度査定を受けておくと判断しやすくなります。
まとめ:ハリアーで損しないための5つのポイント
ハリアーのリセールは、ガソリン車とハイブリッド車なら十分に高水準です。注意が必要なのはPHEVで、残価率だけでなく実質損失額で見ると差がはっきり表れます。
- リセール重視ならZ・Zレザーパッケージ+ホワイトパールか黒系
- 調光パノラマルーフやモデリスタ(フルキット)はプラス査定につながりやすい
- PHEVは自宅充電と長期保有が前提。4年以内の売却は補助金返納に注意
- 売るなら車検前・走行距離の節目前、フルモデルチェンジの正式発表前を意識する
- 査定は複数社で比較し、プラス要素を自分から伝える
この5つを押さえておけば、ハリアーは乗っている間の満足感と、手放すときの資産価値を両立しやすい一台になります。
