
G‑Sync vs FreeSync 徹底比較:価格・対応GPU・遅延を丸ごと解説【ゲーミングPCのモニターに最適なのはどっち?】
2025年春の最新仕様を踏まえ、NVIDIAのG‑SyncとAMDのFreeSyncをあらゆる角度から比較します。価格差や対応GPU、入力遅延、追加機能まで整理し、あなたのゲーミングPCに最適なモニター選びをわかりやすくナビゲートします。
VRRの基礎:ティアリング/スタッター解消と入力遅延
なぜVRRが必要か
フレーム出力とモニター更新がズレると画面ティアリングが発生します。VRRは都度リフレッシュレートを同期し、ズレを根本的に抑制します。
入力遅延への影響
RTINGSの公開テストでは、VRR有効時でも入力遅延差はごく小さく、ほとんどのケースで2 ms未満に収まります。eスポーツでも体感しづらい範囲です。
FreeSync:2024年3月改訂で要件が大幅強化
新しいリフレッシュレート最低値
- FreeSync(ベース):横3,440px未満で144 Hz以上
- FreeSync Premium:同条件で200 Hz以上(Ultra‑wideは120 Hz以上)
- FreeSync Premium Pro:Premiumの条件+HDR検証
旧「120 Hz以上」基準は撤廃され、低リフレッシュ製品は新規認証不可になりました。
対応GPUレンジ
公式にはRadeon RX 200シリーズ以降がFreeSync対応に含まれます(一部R9/R7 270系など例外あり)。GeForce GTX 10系以降・Intel ArcもAdaptive‑Sync経由で動作します。
G‑Sync:モジュール方式とPulsarの展開状況
Native / Compatible / Pulsar
Native G‑Syncは専用モジュール搭載で広レンジ・低遅延を保証し、G‑Sync CompatibleはDisplayPort/HDMI VRRで認定のみ。G‑Sync PulsarはCES 2024で初公開されましたが、当初予定の「ASUS ROG Swift PG27AQNR」(360 Hz QHD)向け搭載は量産が遅延。
2025年初頭にはAOC Agon Pro AG276QSG2、Acer Predator XB273U F5、Asus ROG Swift PG27UCDM(4K OLED 240 Hz)といった第1世代モデルが発売開始され、CES 2025ではMSI MPG 272QRF X36やAcer Predator XB323QXなど複数の新モデルが展示されました。
コストと機能のトレードオフ
モジュール実装により一貫した低遅延やULMB2/Pulsarなどの追加機能が得られますが、DisplayNinjaの実売比較では同スペックFreeSync機より50~300 USD程度高価な例が確認されています(例:Dell AW3423DWFはAMD版が899 USD、G‑Sync版が1,199 USD)。
実測データの要点(公開ベンチマークを集計)
公開テストの中央値
- 240 Hz帯(27‑32 inch、WQHD) ・FreeSync Premium Pro:~3.9 ms(VRRオン時、中央値) ・G‑Sync Ultimate :~3.7 ms(VRRオン時、中央値)
- 低FPS域(40 fps以下) 両規格ともLFC切替時に1 ms前後のフレームタイム変動が生じるが視認困難
数値はRTINGSの「Monitor VRR, Refresh‑Rate & Input‑Lag Database」(240機種)から中央値を抽出した集計値です。個体差よりオーバードライブ設定やパネル種の影響が大きい点に注意してください。
価格帯・互換性・追加機能で選ぶチェックリスト
- AMD/Intel GPU + コンソール共有:FreeSync Premium (Pro) が最も費用対効果高
- NVIDIA GPU + backlight strobing併用:Native G‑Sync or G‑Sync Pulsar を検討
- 超高Hz(360 Hz以上):現状ほぼG‑Sync専用モデルのみ
- HDR重視:Premium ProかG‑Sync Ultimateだが価格差要確認
FAQ(よくある疑問)
- QFreeSyncモニターはGeForceでも動く?
- A
公式にG‑Sync Compatible認証されると自動有効になります。未認証機では手動オン可能な場合もありますが、チラつきなどの保証外挙動が残るケースがあります。
- QHDMI 2.1 VRRとFreeSync/G‑Syncの関係は?
- A
HDMI 2.1 VRRは規格標準のVRR方式。FreeSync PremiumやG‑Sync Compatibleはこれを利用しつつ追加テストを行う“上位プロファイル”です。
まとめ
2025年時点では画質・遅延差は極小で、認証レベル・追加機能・価格が選択基準です。 AMD/Intelユーザーや多機器運用ならFreeSync系、NVIDIAユーザーで確実性と最新機能を重視するならG‑Sync系――このシンプルな判断でモニター選びを最適化できます。
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