会社の飲み会。誘われる側にとって「断りづらい」、誘う側にとって「誘いやすい」という状況が往々にして発生します。この状況を「誘うハードル」と「断るハードル」という視点から紐解いていきましょう。
先に結論をお伝えすると、飲み会が断りづらいのは、誘う側が「誘うハードル」を下げ、同時に「断るハードル」を上げる工夫を(意識的にも無意識にも)しているからです。仕組みが分かれば、断る側はハードルを逆に動かして角を立てずに断れますし、誘う側も「断られても気まずくならない誘い方」ができるようになります。
この記事では、次のことが分かります。
- 飲み会を巡る「2つのハードル」と、断りづらさが生まれる仕組み
- 断りづらさの背景にある心理学的な理由(同調圧力・権威・返報性など)
- 誘う側・断る側それぞれのハードル操作と、そのまま使える断り方のフレーズ
- 飲み会は断ってもよいのか、残業代や労災、ハラスメントとの関係
- 誰もが気持ちよく参加・不参加を選べる職場にするためのコツ
飲み会を巡る2つのハードルとは?
会社の飲み会には、2つの重要な心理的ハードルが存在します。
「誘うハードル」- 飲み会に誘う際の心理的な障壁
「断るハードル」- 飲み会を断る際の心理的な障壁
これらのハードルの高低が、職場における飲み会のダイナミクス(力学)を形作っているのです。この理論を、ここでは”ハードルの法則”と呼ぶことにします。笑
2つのハードルの組み合わせで、職場の飲み会はおおむね次の4つのパターンに分けられます。
| 断るハードルが低い | 断るハードルが高い | |
|---|---|---|
| 誘うハードルが低い | 気軽に誘えて、気軽に断れる。理想に近い状態 | 気軽に誘われるのに断りにくい。「断れない飲み会」が多発しやすい |
| 誘うハードルが高い | 誘いにくく、断りやすい。飲み会自体がほとんど開かれない | 誘う側も断る側も気を遣う。飲み会がまれな一大イベントになり、欠席しにくい |
「断りづらい」と感じている人の職場は、多くの場合、右上の「誘うハードルは低いのに、断るハードルは高い」状態になっています。誘う側は軽い気持ちで声をかけているのに、断る側は重い気持ちで悩んでいる。このハードルの高さのズレこそが、飲み会を巡るモヤモヤの正体です。
なぜ会社の飲み会は断りづらいのか?背景にある5つの心理
断るハードルが高くなるのは、気が弱いからではありません。人間なら誰でも持っている心理の働きが関係しています。代表的なものを5つ紹介します。
1. 同調圧力(みんなが行くなら自分も)
「部署のみんなが参加する」と聞くと、自分だけ断るのは目立つ気がします。心理学では、周りの人の行動を正しい行動の手がかりにする傾向を「社会的証明」と呼びます。「全員参加が当たり前」という空気そのものが、断るハードルを押し上げているのです。
2. 権威への服従(上司や社長の誘いは断りにくい)
同じ誘いでも、同僚からと上司からとでは断りやすさがまったく違います。評価や人事に影響力を持つ相手からの誘いは、たとえ「自由参加」とされていても、実質的には命令に近い重みを持ちがちです。これは日本の職場に限らず、立場の差がある関係で広く見られる心理です。
3. 返報性(お世話になっているから断れない)
人は何かをしてもらうと「お返しをしなければ」と感じます。仕事を教えてもらった先輩や、普段から気にかけてくれる上司の誘いを断りづらいのは、この返報性の働きです。「おごるから」という一言も、受け取る前から借りを作ったような気持ちにさせ、断るハードルを上げます。
4. 一貫性と既成事実(もう決まっているから)
「お店はもう予約した」「人数に入れておいたよ」と言われると、そこから断るのは一度決まったことを覆すようで、心理的な負担が大きくなります。人は自分や周りの決定と一貫した行動をとりたがるため、先に既成事実を作られるほど断りにくくなるのです。
5. 評価や人間関係への不安(断ったら損をするかも)
「断ったら付き合いが悪いと思われるかも」「仲間外れにされるかも」という不安も大きな要因です。人は自分が属する集団の仲間を身内として扱い、ひいきする傾向(内集団バイアス)を持つため、輪から外れることに強い抵抗を感じます。実際に評価が下がるかどうかに関係なく、「下がるかもしれない」という想像だけで断るハードルは上がります。
こうした心理は、営業や交渉の場面で使われるテクニックとも共通しています。心理の働きをもっと知りたい方は、ビジネス心理術12選|営業・交渉・プレゼン・マネジメントでの活かし方も参考にしてください。
誘う側の戦略:ハードル操作
誘う側は、しばしば以下のような戦略を用いて、誘いやすく断りにくい環境を作り出します。悪意があるとは限らず、無意識にやっていることも多いものです。
誘うハードルを下げる取り組み
- 「歓迎会だから」「送別会だから」という”大義名分”を作る
- 「みんなで行くから」と集団の力を利用する
- 事前に複数人に根回しをして、誘う際の心理的負担を軽減する
大義名分があれば、誘う側は「自分が飲みたいから誘っている」のではなく「行事だから声をかけている」と思えます。根回しも同じで、断られるリスクを事前に減らし、誘う瞬間の気まずさを小さくしています。
断るハードルを上げる取り組み
- 「社長も参加されるから」と権威を利用する
- 「せっかく予約も取れたし」と既成事実を作る
- 「チームの親睦を深める良い機会だから」と参加しないことへの心理的負担を増やす
先ほどの5つの心理に当てはめると、「社長も参加」は権威、「予約も取れた」は一貫性と既成事実、「親睦を深める良い機会」は同調圧力と評価への不安を刺激しています。誘う側が意識していなくても、断る側にはこれだけの重さがのしかかっているわけです。
やりすぎ注意!誘う側が避けたいNG行動
断るハードルを上げすぎると、相手の負担は「気まずい」では済まなくなります。次のような言動は、職場の人間関係を悪くするだけでなく、ハラスメントと受け取られるおそれがあります。
- 一度断られたのに「少しだけでいいから」と何度も誘う
- 不参加の理由をしつこく聞き出す、家庭やプライベートに踏み込む
- 「付き合いが悪いと評価に響くよ」など、仕事上の不利益をほのめかす
- お酒が飲めない人や飲みたくない人に飲酒を勧める、一気飲みをあおる
- 参加しなかった人を陰で悪く言う、仕事の情報共有から外す
法的な扱いについては、後半の「そもそも会社の飲み会は断っていい?」で詳しく解説します。
断る側の対抗戦略:逆ハードル操作
一方、断る側も様々な戦略を用いて、自分にとって有利な環境を作ることができます。ポイントは、その場で頑張って断るより、普段から2つのハードルを動かしておくことです。
誘うハードルを上げる取り組み
- 普段から「飲み会には参加しない」という印象を定着させる
- 家庭の事情や健康上の理由など、参加が難しい状況を日頃から共有しておく
- 「お酒が飲めない」ことを周知させる
「あの人は基本的に参加しない人」という認識が定着すると、誘う側も声をかけるかどうか迷うようになり、そもそも誘われる回数が減ります。最初の数回をきちんと断ることが、その後の自分を楽にします。逆に、一度でも無理をして参加すると「誘えば来る人」と認識され、誘うハードルが下がってしまう点には注意が必要です。
断るハードルを下げる取り組み
- 代替案を提示する(「ランチなら参加できます」など)
- 仕事面での貢献を明確にし、飲み会参加と仕事の評価を切り離す
- 丁寧な断り方を身につけ、相手との関係性を損なわないよう配慮する
代替案は「あなたとの関係を大事にしたい気持ちはある」というメッセージになり、断られた側の気まずさを和らげます。また、普段の仕事でしっかり成果を出し、頼まれごとに誠実に応えていれば、「飲み会に来ない=やる気がない」と見られることはまずありません。仕事での信頼は、断るハードルを下げる最大の武器です。
角を立てない断り方のフレーズ例
断るときは「お礼」「断る理由(簡潔に)」「次につながる一言」の3点セットを意識すると、相手に悪い印象を与えにくくなります。場面別のフレーズ例をまとめました。
| 場面 | フレーズ例 |
|---|---|
| 先約がある | 「お誘いありがとうございます。あいにくその日は先約があって参加できません。また機会があればぜひお願いします」 |
| 家庭の事情 | 「ありがとうございます。子どもの迎えがあるので、夜はなかなか難しくて…。皆さんで楽しんできてください」 |
| お酒が飲めない・体調 | 「お酒が体質的に合わなくて、せっかくの場で気を遣わせてしまうので今回は遠慮させてください」 |
| 一次会だけ参加 | 「一次会だけ参加させてください。翌朝早いので、二次会は失礼しますね」 |
| 代替案を出す | 「夜は難しいのですが、ランチならぜひご一緒したいです」 |
| 歓送迎会など欠席しにくい会 | 「当日は伺えないのですが、〇〇さんへの寄せ書き(お祝い)にはぜひ参加させてください」 |
理由は詳しく説明しすぎないのがコツです。細かく説明するほど「その用事は別の日にずらせないの?」と交渉の余地を与えてしまいます。嘘をつく必要はありませんが、「予定がある」「家の用事がある」程度の簡潔な説明で十分です。
断るときにやりがちな失敗
- 返事を先延ばしにする:幹事は人数を確定させたいので、ギリギリの不参加はかえって迷惑になります。断るなら早めに伝えましょう
- 「行けたら行きます」と曖昧に答える:期待を持たせた分、欠席したときの印象が悪くなります
- 毎回違う理由を作る:理由が凝っているほど不自然に見えます。一貫した理由のほうが「そういう人」と受け入れられやすくなります
- 飲み会そのものを否定する:「飲み会って意味ありますか?」といった言い方は、楽しみにしている人を否定することになり、角が立ちます
断り方をさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事もどうぞ。
そもそも会社の飲み会は断っていい?知っておきたいルール
「断っていいのかどうか」が分からないことも、断るハードルを上げる原因です。ここでは一般的な考え方を整理します(個別のケースで判断が必要な場合は、社内の相談窓口や労働基準監督署、弁護士などの専門家に相談してください)。
勤務時間外の飲み会は原則として自由参加
厚生労働省は、労働時間を「使用者の指揮命令下に置かれている時間」と説明しています。勤務時間外に開かれる親睦目的の飲み会は、基本的には業務ではなく自由参加の位置づけです。したがって、勤務時間外の飲み会を断ったことを理由に、懲戒などの不利益な扱いをすることは原則として認められないと考えられています。
実質的に強制されていれば「労働時間」に当たる可能性も
一方で、名目が「懇親会」や「親睦会」でも、実態として参加が強制されている場合は話が変わります。たとえば次のようなケースでは、明示または黙示の指示があったとして、飲み会の時間が労働時間に当たる可能性があると解説されています。
- 上司から業務として参加するよう指示された
- 不参加だと評価が下がる、叱責されるなどの不利益がある
- 飲み会の場で業務報告や会議、取引先の接待などが行われる
労働時間に当たれば、時間外の場合は残業代の対象になり得ます。逆に言えば、会社が「業務として参加してほしい」なら、それに見合った扱いが必要だということです。
歓送迎会のあとの事故が労災と認められた最高裁判例
飲み会と業務の関係を考えるうえでよく紹介されるのが、2016年(平成28年)7月8日の最高裁判決(行橋労働基準監督署長事件)です。会社の費用で開かれた研修生の歓送迎会に、上司の強い意向で参加した社員が、会の途中で業務に戻るため研修生を社用車で送る途中に交通事故で亡くなりました。
一審・二審は「私的な会合」として労災を認めませんでしたが、最高裁は、歓送迎会が事業活動と密接に関連しており、社員は参加しないわけにはいかない状況に置かれていたとして、業務災害に当たると判断しました。「自由参加」とされていても、実態によっては会社の支配下にあると評価され得ることを示した例です。ただし、これは業務に戻る途中の事故という特殊な事情があったケースで、飲み会のあとの帰宅中の事故が一律に労災になるわけではありません。
しつこい誘いや飲酒の強要はハラスメントになり得る
2020年6月に施行された改正労働施策総合推進法(いわゆるパワハラ防止法)により、企業にはパワーハラスメントの防止措置が義務付けられました。中小企業も2022年4月1日から義務化されています。厚生労働省の指針では、パワハラを「優越的な関係を背景とした言動で、業務上必要かつ相当な範囲を超え、労働者の就業環境が害されるもの」と定義し、6つの類型の1つに私的なことに過度に立ち入る「個の侵害」を挙げています。
上司という立場から不参加の理由をしつこく問いただしたり、不参加を理由に不利益な扱いをしたりすれば、状況によってはパワハラと判断されるおそれがあります。また、厚生労働省が2024年2月に公表した「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」でも、体質などで飲めない人や飲酒習慣のない人に無理に飲酒を勧めることは避けるべきとされています。一気飲みの強要などのアルコール・ハラスメントは、急性アルコール中毒など命に関わる危険もあるため、絶対にやめましょう。
困ったときは、一人で抱え込まずに社内のハラスメント相談窓口や、各都道府県労働局の総合労働相談コーナーに相談するのも一つの方法です。
データで見る会社の飲み会の今
「最近の若手は飲み会に来ない」とよく言われますが、実際のところはどうなのでしょうか。セルバが2024年11月〜12月に20〜50代の会社員300人を対象に行った調査では、社内イベント全般について「反対派」が47%、「賛成派」が23%、「中立派」が29%という結果でした。
ただし同じ調査では、社員旅行や運動会は約半数が「参加したくない」と答えた一方、歓送迎会や忘年会・新年会、飲み会といった飲食を伴うイベントは、比較的参加意欲が高い結果になっています。また、社内イベントに期待することとして「参加してもしなくてもいい自由な雰囲気」を挙げる声が上位に入りました。
つまり、多くの人は飲み会そのものが嫌いなのではなく、「断れないこと」が嫌なのだと読み取れます。まさに「断るハードル」の問題です。断るハードルが低い職場では、かえって飲み会に参加しやすくなる、という見方もできるでしょう。
誘う側へ:断られても気まずくならない誘い方
誘う側にとっても、断りづらさは他人事ではありません。無理に参加した人がいる飲み会は盛り上がりにくく、「本当は来たくなかったのでは」と後で気をもむことにもなります。誘うハードルは低く、断るハードルも低くを目指すと、誘う側も誘われる側も楽になります。
- 「参加は自由」と最初に明言する:「来られる人だけで」「無理しないでね」の一言で、断るハードルが大きく下がります
- 早めに告知し、日程を相談する:直前の誘いは断りにくく、予定も組みにくいものです。候補日を複数出すと、参加しやすさも上がります
- 個別ではなく全体に声をかける:一対一で誘われると断りにくいため、グループチャットなどでまとめて案内すると気軽に返事ができます
- 時間と会費を明示する:「19時〜21時、会費4,000円程度」のように終わりと費用が見えると、参加を判断しやすくなります
- お酒以外の選択肢を用意する:ノンアルコールドリンクが充実したお店や、ランチ会・カフェ会など昼の集まりも選択肢になります
- 不参加の理由を聞かない:「了解です、また今度!」とあっさり受け止めることが、次に誘いやすい関係づくりにつながります
幹事を任されたときは、会費の計算も地味に手間がかかります。割り勘の端数や幹事の過不足は、割り勘計算ツール【無料】端数の丸めと幹事の過不足も自動計算を使うと簡単です。
ハードル理論の応用:飲み会以外にも使える
この「ハードルの法則」は、実は飲み会に限らず、様々な社会的な場面に応用できます。
例えば:
- 勧誘への対応:セールスや勧誘は「無料だから」「話を聞くだけ」と誘うハードルを下げ、「今日だけの特典」「せっかく来たのだから」と断るハードルを上げてきます。仕組みを知っていれば、「その場では決めないと決めている」と最初に伝えるだけで、断るハードルを下げられます
- 仕事の依頼:「ちょっとだけお願い」と軽く頼まれた仕事が、気づけば大仕事になっていることがあります。普段から自分の担当業務や締め切りを周囲に見える形にしておくと、無理な依頼が来にくくなり(誘うハードルを上げる)、「今週は〇〇の締め切りがあるので来週なら」と断りやすくなります(断るハードルを下げる)
- プライベートな誘い:友人からの誘いや、お金を貸してほしいといった頼みごとも同じ構図です。代替案を添えて断れば、関係を損なわずに済みます
お金の頼みごとを角を立てずに断る方法は、友人から「出世払い」でお金を貸してと言われたら?角を立てない断り方と、相手を救う代替案で詳しく解説しています。
重要なのは、これらのハードルを意識的にコントロールすることで、より健全な人間関係を築けるという点です。誘う側はハードルを下げすぎて相手に負担をかけていないか、断る側は無理をしてハードルを自分で上げていないか、ときどき振り返ってみてください。
会社の飲み会に関するよくある質問
Q. 歓迎会や送別会も断っていいのでしょうか?
勤務時間外であれば、歓送迎会も原則として自由参加です。ただ、主役のいる会は欠席が目立ちやすいので、欠席するなら早めに伝え、主役の方には個別にお祝いやお礼の言葉を伝えたり、記念品や寄せ書きに参加したりすると、気持ちはきちんと伝わります。
Q. 飲み会に参加しないと出世に影響しますか?
法的には、勤務時間外の飲み会への不参加を理由に評価を下げることは問題になり得ます。とはいえ、職場の雰囲気として「付き合いの良さ」が見られている場合もあるのが現実です。その分、仕事の成果や日中のコミュニケーション(雑談、ランチ、相談ごと)で信頼関係を築いておけば、飲み会に出ないことが大きなマイナスになることは少ないでしょう。
Q. 新入社員でも断っていいですか?
新入社員でも断って問題ありません。ただし、入社直後は職場の人を知る機会が少ないため、歓迎会のように「自分のための会」には顔を出しておくと、その後の仕事がしやすくなることもあります。全部断るか全部参加するかではなく、参加する会を選ぶという考え方もおすすめです。
Q. 会費は払わないといけませんか?
参加しない飲み会の会費を払う義務は、基本的にありません。参加を強制されていないのに会費だけ給料から天引きされるようなケースは、労使協定がなければ賃金の全額払いの原則に反するおそれがあります。疑問がある場合は、会社の担当部署に確認しましょう。
Q. 誘っても毎回断られる部下がいます。どう接すればいいですか?
まずは「飲み会に来ない=やる気がない」と結びつけないことが大切です。家庭の事情や体質、価値観など、理由は人それぞれです。飲み会以外の場、たとえば業務時間内の1on1やランチなどでコミュニケーションをとれば十分に関係は築けます。誘うときは「参加は自由」と明言し、断られてもあっさり受け止めましょう。
まとめ:バランスの取れた職場づくりに向けて
会社の飲み会が断りづらいのは、誘う側が大義名分や根回しで「誘うハードル」を下げ、権威や既成事実で「断るハードル」を上げているからです。その裏には、同調圧力や権威、返報性、一貫性、評価への不安といった、誰もが持つ心理が働いています。
断る側は、普段から「参加しない人」という印象や事情を共有して誘うハードルを上げ、代替案と丁寧なフレーズで断るハードルを下げるのが効果的です。勤務時間外の飲み会は原則として自由参加であり、強制や飲酒の強要はハラスメントになり得ることも、知っておいて損はありません。
理想的な職場環境とは、誘う側と断る側の双方にとって適度なハードルが存在する状態といえるでしょう。過度に断りにくい環境も、過度に誘いにくい環境も、結果として職場の人間関係にストレスを生みかねません。
お互いの立場や事情を理解し、適切なコミュニケーションを図ることで、誰もが心地よく過ごせる職場づくりを目指していきましょう。
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