車中泊や大雪による立ち往生などで、「一晩エンジンをかけっぱなしにすると、どれくらいガソリンが減るのだろう?」と疑問に思ったことはありませんか。
結論から言うと、エアコンを使用した状態で一般的な普通車(コンパクトカーからミニバン)で一晩(約8時間)アイドリングを続けると、約8〜12リットルのガソリンを消費します。金額にすると、約1,300円〜2,040円程度の出費です。
本記事では、車種別の詳しいガソリン消費量の目安や、エンジンをかけっぱなしにする危険性(一酸化炭素中毒など)、エンジンを切っても快適に過ごすための対策について分かりやすく解説します。
結論:エンジンかけっぱなしで一晩過ごすとガソリン消費量はどれくらい?
1時間あたりのガソリン消費量の目安
環境省のデータによると、排気量2000ccクラスの普通車において、エアコンをオフにした状態で10分間アイドリングをした場合、約130ccの燃料を消費します。これを1時間に換算すると、およそ0.78リットル(780cc)になります。
しかし、車中泊などで実際にエンジンをかけたままにするケースでは、エアコン(冷房・暖房)を使用することがほとんどでしょう。エアコンを作動させるとエンジンの負担が大きくなり、燃料の消費量は約3〜4割増加(約1.1リットル前後)すると言われています。
さらに、排気量の大きい車(ミニバンやSUVなど)であったり、真夏や真冬など外気温との差が激しくエアコンがフル稼働する環境だったりする場合、1時間あたりのガソリン消費量は約1.0〜1.5リットルに達することもあります。これを一晩(8時間)に換算すると、ガソリン代として決して安くないコストがかかることが分かりますね。
【車種別】一晩(8時間)のガソリン消費量・ガソリン代の比較表
車の排気量やボディサイズによっても、ガソリンの消費量は大きく変わってきます。ここでは、車中泊を想定して「エアコンをオンにした状態で一晩(8時間)エンジンをかけっぱなしにした場合」の目安をまとめました。
※ガソリン代は1リットル170円として計算しています。
| 車種タイプ | 一晩のガソリン消費量(目安) | 一晩のガソリン代(目安) |
|---|---|---|
| 軽自動車 | 約4〜5L | 約680円〜850円 |
| 普通車(コンパクトカー) | 約6〜8L | 約1,020円〜1,360円 |
| 普通車(ミニバン・SUV) | 約8〜12L | 約1,360円〜2,040円 |
| ハイブリッド車 | 約3〜5L | 約510円〜850円 |
軽自動車はエンジンが小さいため消費量が少なめですが、ミニバンやSUVなどの大型車になると、車内空間が広くエアコンを効かせるためのエネルギーも必要になるため、一晩で10リットル以上を消費するケースもあります。
ハイブリッド車の場合は、基本的にバッテリーの電力が減ったときだけエンジンが始動する仕組みのため、比較的ガソリン消費を抑えることが可能です。ただし、冬場に暖房を使用する場合は例外です。車の暖房はエンジンの排熱を利用するため、水温を保つ目的でエンジンが頻繁に作動してしまい、結果的にガソリン消費量が多くなる点には注意が必要です。
車中泊でエンジンをかけっぱなしにする4つのリスク・危険性
一酸化炭素中毒の危険(雪の日は特に注意)
エンジンをかけっぱなしにして眠る最大の危険は、排気ガスが車内に流れ込むことによる一酸化炭素中毒です。
特に冬場、降雪時に立ち往生してしまった際や雪山での車中泊では、車のマフラー周辺に雪が積もって排気口が塞がれてしまうことがあります。行き場を失った排気ガスは車の隙間から室内に侵入し、気づかないうちに一酸化炭素中毒を引き起こすため非常に危険です。一酸化炭素は無色無臭なので、就寝中に吸い込んでしまうと重大な事故につながりかねません。
雪が降っていなくても、風向きや周囲の壁の反射によって排気ガスが車内に入り込む可能性はゼロではないのです。安全のためにも、就寝時のアイドリングは避けるべきと言えます。
バッテリー上がりのトラブル
「エンジンをかけていれば発電されるから、バッテリー上がりは起きないのでは?」と考える方は多いかもしれません。
しかし、アイドリング状態のエンジン回転数では、オルタネーター(発電機)の発電量はそれほど多くありません。その状態で、エアコンを強風で動かしたり、カーナビ、スマートフォンなどの充電を同時に行ったりすると、発電量よりも消費電力が上回ってしまうことがあります。
この状態が一晩続くと、バッテリーの電力を使い果たしてしまい、翌朝いざ出発しようとしたときにエンジンがかからないというトラブルに陥るリスクが高まります。
周囲への騒音トラブルとマナー違反
道の駅やサービスエリア、キャンプ場などで車中泊をする際、アイドリングのエンジン音は周囲への大きな迷惑となります。
車内にいると自分では気づきにくいですが、深夜の静まり返った環境では、車のエンジン音やエアコンのコンプレッサーの振動音は想像以上に遠くまで響きます。周囲で寝ている他の利用者や、近隣の住民からクレームが入るケースも珍しくありません。
お互いに気持ちよく施設を利用するためにも、公共の駐車場での車中泊では、エンジンを切るのが最低限のマナーとされています。
都道府県の「アイドリングストップ条例」違反になる可能性
現在、日本の多くの都道府県や市区町村では、環境保護や騒音防止を目的とした「アイドリングストップ条例」が定められています。
この条例により、荷物の積み下ろしや客待ちだけでなく、休憩や睡眠のための駐車時にもエンジンを停止することが義務付けられている地域が少なくありません。もちろん、罰則の有無や適用範囲は自治体によって異なりますが、無用なアイドリングは環境に負荷をかける行為です。
地球温暖化の原因となるCO2(二酸化炭素)の排出を減らす観点からも、エンジンをつけっぱなしにするのは控えるのが賢明です。
エンジンを切っても快適に!車中泊の暑さ・寒さ対策
夏の車中泊・冷房対策(ポータブル電源+扇風機など)
夏の車中泊でエンジンを切ると、車内はすぐにサウナ状態になってしまいます。そこでおすすめなのが、大容量の「ポータブル電源」と小型の扇風機やサーキュレーターの組み合わせです。
窓を数センチ開けて防虫ネット(車用網戸)を張り、扇風機で車内の空気を循環させるだけで、体感温度は劇的に下がります。さらに、冷却マットや冷感素材のタオルケットを併用すれば、寝苦しい夜も快適に過ごしやすくなるでしょう。
標高の高い涼しい場所を宿泊地に選ぶことも、夏の車中泊を成功させるための重要なポイントです。
冬の車中泊・暖房対策(冬用寝袋や湯たんぽの活用)
冬の車中泊は、寒さで目が覚めてしまうことが多いですが、エンジンを切っても十分暖かく眠る方法はあります。
最も効果的なのは、マイナス温度にも対応したマミー型の「冬用寝袋(シュラフ)」を用意することです。さらに、寝袋の下に厚手の銀マットや車中泊用マットレスを敷くことで、床下からの底冷えをシャットアウトできます。
手軽な暖房器具としては、お湯を入れるだけの湯たんぽや、ポータブル電源で使える電気毛布が大活躍します。また、窓ガラスから冷気が伝わってくるのを防ぐために、断熱効果のあるサンシェードをすべての窓に貼り付けるのも非常に有効です。
【補足】エコノミークラス症候群の予防も忘れずに
エンジンの問題とは別に、車中泊で気をつけたいのが「エコノミークラス症候群(静脈血栓塞栓症)」です。
狭い車内で長時間同じ姿勢のまま眠っていると、足の静脈に血栓(血の塊)ができやすくなります。最悪の場合、その血栓が肺の血管に詰まって命に関わる事態を引き起こすため、注意が必要です。
予防のためには、就寝前や起床時にコップ1杯の水分を補給することや、定期的に車外に出て軽いストレッチ・足踏み運動をすることが効果的と言われています。ゆったりとした服装で、できるだけ足を伸ばせるフラットな就寝スペースを作ることも大切です。
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まとめ:エンジンかけっぱなしでの車中泊は控えよう
一晩(約8時間)エンジンをかけっぱなしにすると、一般的な普通車で約8〜12リットルのガソリンを消費し、1,300円〜2,040円程度の無駄な出費に繋がります。
さらに、一酸化炭素中毒という命に関わるリスクや、バッテリー上がり、騒音トラブルなどのデメリットを考慮すると、エンジンをつけたまま寝るメリットはほとんどありません。
ポータブル電源や適切な寝具を活用し、エンジンを切っても快適に過ごせる工夫を取り入れて、安全で楽しい車中泊を満喫してくださいね。

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