「今年こそ貯金するぞ!」と意気込んでも、なぜか月末にはお財布が空っぽ…。そんな経験はありませんか?貯金と聞くと、なんだか難しくて大変なイメージがあるかもしれません。
しかし、実はほんの少しの工夫と考え方を変えるだけで、誰でも無理なくお金を貯めることは可能です。大切なのは、自分に合った方法を見つけて、それを習慣にすること。
この記事では、貯金が苦手な方でも今日から始められる具体的な方法を、3つの基本ステップから応用テクニックまで分かりやすく解説します。あなたにぴったりの貯金術を見つけるお手伝いができれば幸いです。
まずは現実を知ろう!みんなの貯金額と目標設定の重要性
貯金を始める前に、まずは世の中の人がどれくらい貯金しているのか、現状を把握してみましょう。周りと比べて焦る必要はありませんが、一つの目安として知っておくと、目標設定の参考になります。
金融広報中央委員会が調査した2023年のデータによると、年代別の平均貯金額と、より実態に近いとされる中央値※は以下の通りです。
※中央値:データを小さい順に並べたとき、真ん中に来る値のこと。平均値よりも実感に近い数値と言われます。
【年代別】金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)
年代 | 平均 | 中央値 |
---|---|---|
20代 | 180万円 | 20万円 |
30代 | 531万円 | 150万円 |
40代 | 825万円 | 200万円 |
50代 | 1,239万円 | 300万円 |
見ていただくと分かる通り、平均値は一部の富裕層によって引き上げられるため、中央値の方がよりリアルな数字ではないでしょうか。「みんな意外と少ないんだな」と感じた方もいるかもしれませんね。大切なのは、他人と比べることではなく、自分の目標を立てることです。
「何のために」「いつまでに」「いくら貯めるのか」を具体的にすることで、貯金へのモチベーションが格段にアップします。「3年後の沖縄旅行のために50万円」「5年後に車の頭金として100万円」など、ワクワクするような目標を立ててみましょう。
貯金できない人に共通する5つのNG習慣
「頑張っているのにお金が貯まらない…」という方は、無意識のうちに貯金を遠ざけるNG習慣が身についている可能性があります。まずは自分に当てはまるものがないか、チェックしてみましょう。
- 収入と支出を把握していない
毎月のお給料がいくらで、何にどれくらい使っているのかを答えられますか?お金の流れを把握できていないと、どこを節約すれば良いのか分からず、お金は貯まりません。「なんとなく」でお金を使っている状態が最も危険です。
積立投資シミュレーター、借金返済シミュレーター - コンビニや自販機を頻繁に利用する
「ちょっと喉が渇いたから」とコンビニで飲み物を買う。その数百円が、1ヶ月、1年と積み重なると大きな金額になります。こうした「ちりつも出費」が、知らず知らずのうちにあなたのお金を蝕んでいるかもしれません。
食費を賢く節約する裏ワザ!無理なく続く節約術で月1万円減も - 固定費を見直したことがない
毎月決まって出ていくスマホ代や保険料、家賃などの「固定費」。一度契約したきり、何年も見直していないのではないでしょうか。固定費は一度見直すだけで、その後ずっと節約効果が続くため、貯金へのインパクトは絶大です。 - 「自分へのご褒美」が多い
仕事を頑張ったご褒美は大切ですが、その頻度や金額が多くなっていませんか?ストレス解消を理由にした衝動買いや、目的のないネットサーフィンからの「ポチ買い」は、貯金の大敵。本当に必要なものか、一呼吸おいて考える癖をつけたいところです。 - 明確な貯金の目標がない
前述の通り、ゴールがなければ走り続けることはできません。「なんとなく貯金しなきゃ」という漠然とした気持ちだけでは、目の前の誘惑に負けてしまいがち。具体的な目標こそが、貯金を続けるための強力なエンジンになるのです。
【初心者向け】今日から始められる貯金の基本ステップ3選

「NG習慣に当てはまってしまった…」という方もご安心ください。ここからは、貯金初心者の方でも確実に一歩を踏み出せる、効果実証済みの基本ステップを3つご紹介します。この3つを実践するだけでも、お金の流れは大きく変わるはずです。
ステップ1:家計簿アプリで「お金の流れ」を見える化
まずは敵を知ることから。何にいくら使っているのかを把握するために、家計簿をつけましょう。とはいえ、手書きの家計簿は面倒で続かない、という方も多いですよね。そこでおすすめなのが、スマートフォンの家計簿アプリです。
最近のアプリは、銀行口座やクレジットカードと連携させるだけで、自動で収支を記録・グラフ化してくれます。レシートを撮影するだけで品目を読み取ってくれる機能もあり、手間はほとんどかかりません。まずは1ヶ月、記録を続けるだけで「自分はこんなことにお金を使っていたのか」という発見があるでしょう。この「見える化」こそが、貯金成功への第一歩となります。
ステップ2:「先取り貯金」で強制的にお金を貯める仕組みを作る
貯金が苦手な人に最も効果的なのが、この「先取り貯金」です。「余ったら貯金しよう」と考えていると、ついつい使いすぎてしまい、結局貯金に回すお金が残らない…という事態に陥りがち。
そうではなく、給料が入ったら真っ先に貯金分を別の口座に移してしまうのです。そして、残ったお金で1ヶ月生活するようにします。会社の財形貯蓄制度や、銀行の自動積立定期預金などを利用すれば、自分の意志とは関係なく、強制的にお金を貯める仕組みが作れます。最初は手取りが減ったように感じますが、すぐにその金額で生活するのに慣れてきますよ。
ステップ3:固定費の見直しで「無理なく」支出を減らす
毎日100円節約するのは大変ですが、固定費を一度見直せば、何もしなくても毎月数千円単位の節約が可能です。我慢や努力が不要なため、ストレスなく続けられるのが最大のメリット。以下の項目をぜひ見直してみてください。
- スマートフォン料金: 大手キャリアから格安SIMに乗り換えるだけで、月々の支払いが半額以下になることも。
- 生命保険料: 加入したまま放置していませんか?ライフステージの変化に合わせて、保障内容が今の自分に合っているか定期的に確認しましょう。
- サブスクリプション: 利用頻度の低い動画配信サービスや音楽アプリはありませんか?一つひとつは少額でも、複数契約していると大きな負担になります。
【タイプ別】あなたに合った貯金方法を見つけよう!
貯金の基本ステップを押さえたら、次は自分に合ったプラスアルファの貯金術を取り入れてみましょう。ここでは、タイプ別におすすめの方法と、それぞれのメリット・デメリットを比較表でご紹介します。
貯金方法 | メリット | デメリット | こんな人におすすめ |
---|---|---|---|
500円玉貯金 | ゲーム感覚で楽しい、達成感がある | 大きな金額は貯めにくい、両替が手間 | コツコツ派、楽しみながら貯めたい人 |
つもり貯金 | いつでも始められる、節約意識が高まる | 効果が見えにくい、記録しないと忘れがち | 節約を習慣にしたい人、意志が強い人 |
ポイント投資 | 現金を使わずに投資体験ができる | ポイントが貯まらないとできない、元本割れリスクも | 投資初心者、キャッシュレス決済が多い人 |
新NISA | 運用益が非課税になる、将来の資産形成に | 元本割れのリスクがある、短期的な貯金には不向き | もっとお金を増やしたい人、長期目線で考えられる人 |
コツコツ派におすすめの貯金術
毎日少しずつでも、着実に貯めている実感を得たい方には「500円玉貯金」や「つもり貯金」がぴったりです。500円玉貯金は、お財布に500円玉があったら専用の貯金箱に入れるだけのシンプルなルール。貯金箱が重くなっていく過程が楽しく、モチベーションを維持しやすいでしょう。
「つもり貯金」は、カフェでコーヒーを買うのを我慢したら、その分(400円など)を貯金した「つもり」で貯金箱に入れる方法です。節約と貯金が同時にでき、お金の使い方を意識するきっかけにもなります。
ズボラさんでも続く自動貯金術
「意志が弱くて、ついお金を使ってしまう…」という方には、強制的に貯まる仕組みづくりが欠かせません。基本の「先取り貯金」に加えて、キャッシュレス決済と連携したおつり貯金アプリなども便利です。これは、クレジットカードなどで買い物をした際に、設定した金額(例:500円)との差額(おつり)が自動で貯金・投資に回されるサービス。意識せずとも、いつの間にかお金が貯まっている状況を作れます。
もっと貯めたい人向けの応用テクニック
ある程度貯金ができるようになったら、次は「お金にも働いてもらう」という発想を取り入れてみませんか。2024年から始まった新NISA(少額投資非課税制度)は、投資で得た利益に税金がかからない、非常にお得な制度です。
参考:NISAを知る|金融庁
もちろん投資なので元本割れのリスクはありますが、月々数千円からの積立投資を長期間続けることで、リスクを抑えながら銀行預金以上のリターンが期待できます。貯金とは別に、将来のための資産形成として少額から始めてみるのも一つの選択肢です。
貯金を長続きさせるための3つのマインドセット
最後に、どんな貯金方法を選ぶにしても共通して言える、長続きさせるための心の持ち方をご紹介します。これができれば、リバウンドすることなく貯金体質を維持できるはずです。
- 完璧を目指さない
「今月は少し使いすぎてしまった…」そんな時も自分を責めないでください。貯金はマラソンのようなもの。時にはペースが落ちることもあります。100点満点を目指すのではなく、「80点できれば上出来」くらいの気持ちで、気楽に構えることが長続きの秘訣です。 - 小さな目標で達成感を味わう
いきなり「1,000万円貯める!」という大きな目標を立てても、道のりが長すぎて挫折しがちです。まずは「3ヶ月で5万円貯める」といった、少し頑張れば達成できる小さな目標を立てましょう。クリアするたびに達成感が得られ、次の目標への意欲が湧いてきます。
SMART原則とは?目標達成のための強力なフレームワーク - 楽しみやご褒美を用意する
ただ我慢するだけの貯金は長続きしません。「目標金額が貯まったら、欲しかったブランドのバッグを買う」「1年間頑張れたら、星野リゾートに泊まる」など、自分へのご褒美を設定しましょう。楽しみがあることで、日々の節約も前向きに捉えられるようになります。


まとめ:貯金は「方法」と「継続」がすべて!
この記事では、貯金をするための具体的な方法と、それを続けるためのコツについて解説しました。大切なポイントをもう一度おさらいしましょう。
- まずは現状把握と目標設定から
- 家計簿、先取り貯金、固定費見直しの3ステップは必須
- 自分に合った貯金方法をプラスアルファで取り入れる
- 完璧を目指さず、楽しみながら続ける
貯金は、あなたの将来の選択肢を広げてくれる強力なツールです。特別な才能は必要ありません。正しい方法を知り、それをコツコツと続けることさえできれば、あなたの口座残高は着実に増えていきます。
まずはこの記事で紹介した中から「これならできそう」と思えるものを一つ、今日から始めてみませんか?その小さな一歩が、あなたの未来を大きく変えるきっかけになるはずです。
【2025年版】賢い節約術20選!無理なくお金が貯まる最強のコツを徹底解説
参考:
金融経済教育推進機構(旧 金融広報中央委員会)
総務省統計局 PDF「家計調査 2024 年平均結果の概要」
金融庁 PDF『基礎から学べる金融ガイド』
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