簡潔にお伝えすると、「9から始まる電話番号」や「+9」から始まる見知らぬ着信は、海外からの国際電話です。
心当たりがない場合、その多くは折り返し電話を狙った「国際ワン切り詐欺」などの迷惑電話である可能性が非常に高いと考えられます。
スマートフォンに見慣れない番号が表示されると、つい「重要な連絡かもしれない」と不安に思い、折り返したくなるかもしれません。
しかし、安易に折り返してしまうと、高額な国際通話料金を請求されるトラブルに巻き込まれる危険性があります。
この記事では、9から始まる電話番号の正体や詐欺グループが儲かる仕組み、そしてスマホの着信拒否設定や公的機関への相談など、具体的な対策と対処法をわかりやすく解説していきます。
安全にスマートフォンを利用するためにも、ぜひ最後までお読みいただき、適切な対応策を身につけておきましょう。
結論:「9から始まる電話番号」の正体は国際電話!
日本の携帯番号と勘違いさせる「+9」や「090」の巧妙な罠
スマートフォンの画面に「+90」などから始まる番号が表示されたとき、多くの方は一瞬「日本の携帯電話からの着信かな?」と錯覚してしまいます。
私たちの生活において「090」から始まる携帯電話番号は非常に身近であり、無意識のうちに国内からの連絡だと脳が判断してしまう傾向があるからです。
しかし、電話番号の先頭についている「+」という記号は、国際電話であることを示す重要なサインとなります。
続く「90」などの数字は、特定の国や地域に割り当てられた「国番号」を意味しており、決して日本の携帯電話のプレフィックスではありません。
詐欺グループは、この人間の心理的な錯覚や見間違いを巧みに利用してきます。
あえて「090」に似た視覚的特徴を持つ国番号を経由して発信することで、ターゲットの警戒心を解き、折り返し電話をかけさせようと誘導しているわけです。
見慣れない形式の番号や、桁数が明らかに多い番号からの着信には、くれぐれも警戒しましょう。
身に覚えのない突然の着信は「国際ワン切り詐欺」の可能性大
海外に家族や友人が住んでいる場合や、仕事で海外の取引先と頻繁にやり取りをしている場合を除き、突然海外から直接電話がかかってくることは滅多にありません。
そのため、まったく心当たりのない「9から始まる電話番号」からの着信があった場合、そのほとんどが「国際ワン切り詐欺」と呼ばれる悪質な迷惑電話だと疑うべきです。
国際ワン切り詐欺の手口は非常にシンプルで、ターゲットのスマートフォンにワンコールだけ鳴らしてすぐに切断し、着信履歴を残すというものになります。
履歴を見た人が「急ぎの用事かもしれない」と気になって折り返すのを、詐欺グループはただ待っているだけなのです。
現代では、無作為に生成された電話番号のリストや、何らかの理由で流出してしまった名簿をもとに、システムを使って自動的に大量の発信が行われています。
「なぜ自分に?」と不安になるお気持ちはわかりますが、決してあなただけがピンポイントで狙われているわけではないので、まずは落ち着いて無視することが最大の防御策となります。
なぜ「9から始まる電話番号」なのか?該当する国番号一覧
トルコやインドなど「9」から始まる主な国番号
国際電話の国番号において、「9」から始まるエリアは主に中東や西南アジアなどに割り当てられています。
実際に詐欺や迷惑電話の発信元として報告されることが多い国番号には、いくつかの特徴的な地域が含まれているのが現状です。
代表的な例を挙げると、トルコの国番号は「90」であり、日本の「090」と非常に見間違えやすいため、詐欺グループに頻繁に悪用されています。
また、人口が多くITインフラが発達しているインドの国番号は「91」、スリランカは「94」となっており、これらの地域からの不審な着信報告も少なくありません。
他にも、アラブ首長国連邦などの「97」から始まる番号も存在します。
もちろん、これらの国々自体に問題があるわけではなく、通信網の仕組みを利用して現地の回線や電話番号を一時的に取得し、犯罪に悪用している悪意ある業者が存在するという事実を理解しておくことが大切です。
実在しない国番号や特殊な番号を悪用するケース
迷惑電話の中には、実在する特定の国番号だけでなく、さらに特殊な番号の組み合わせを用いて着信を残すケースも確認されています。
例えば、「979」から始まる番号は、過去に高額な情報提供料が発生する特殊なダイヤルサービス(日本のダイヤルQ2のようなもの)の国際版として利用されていた背景があり、特に注意が必要です。
また、着信履歴に表示されている番号が、正規の国番号のルールから外れているような不自然な桁数になっていることもあります。
これは、発信元の情報を偽装するシステムを利用していたり、複数の回線を経由させることで追跡を逃れようとしていたりする結果、表示がおかしくなっているケースです。
いずれにせよ、頭に「+」がついていて、見慣れない「9」から始まる数字が並んでいる時点で、通常の国内通話ではありません。
相手の素性がまったくわからない以上、興味本位で発信ボタンを押してしまうことは絶対に避け、安全を最優先に行動しましょう。
国際ワン切り詐欺の恐るべき手口と「キックバック」の仕組み
被害者を誘導するワンコール着信履歴の手口
国際ワン切り詐欺の最初のアプローチは、着信音を長く鳴らさず、ほんの一瞬だけ着信させて履歴を残すという手口から始まります。
これは、被害者が電話に出てしまうのを防ぐためであり、あくまで「不在着信」という記録だけをスマートフォンの画面に刻み込むことが彼らの狙いです。
仕事中や就寝中など、すぐに電話に出られないタイミングを狙っているわけではなく、システムによって24時間無差別に発信が繰り返されています。
着信履歴を見た人は、「大切な顧客からかもしれない」「家族に何かあったのでは」と不安を煽られ、ついつい確認のために折り返してしまう心理状態に陥りやすいのです。
さらに悪質なケースでは、一度きりではなく、時間帯を変えて何度も同じ番号から着信を残すことで、重要性をアピールしてくることもあります。
何度かかってきても、相手はシステムで自動発信しているだけですので、根負けして折り返してしまわないよう強い意志を持つことが求められます。
絶対に折り返してはいけない!高額通話料請求の恐怖
もし、着信履歴にある見知らぬ国際電話番号へ折り返し電話をかけてしまうと、その瞬間からあなたの回線を利用した「国際電話の通話」が開始されてしまいます。
国内通話のように定額かけ放題プランに加入していたとしても、国際通話料はプランの対象外となることがほとんどであり、非常に高額な料金が課金されていく仕組みです。
電話がつながると、ただ無音が続いたり、よくわからない外国語のアナウンスが流れたり、「少々お待ちください」というような引き延ばしのための自動音声が再生されたりします。
相手はあなたが通話を切断するまでの時間を少しでも長く稼ごうと、さまざまな工夫を凝らしてくるのが特徴です。
気がついて慌てて電話を切ったとしても、すでに数秒から数十秒の通話が成立してしまっており、後日通信会社から身に覚えのない高額な請求書が届くことになります。
一度発生してしまった国際通話料は、基本的には発信した本人が支払う義務を負うため、取り消すことが非常に困難になる点に注意が必要です。
詐欺グループがノーリスクで儲かる「キックバック」の仕組み
「なぜ電話をかけさせるだけで詐欺グループは儲かるのか?」と疑問に思う方も多いでしょう。
そのカラクリは、一部の海外通信事業者と詐欺グループが結託して構築している「通話料のキックバック(報酬還元)」という不当なシステムにあります。
日本の電話会社から海外の電話番号へ発信が行われると、日本の会社から海外の通信事業者に対して、回線を接続するための「接続料」が支払われます。
詐欺グループは、この接続料が高額に設定されている特定の国際プレミアム番号などをあらかじめ用意しておき、被害者をそこへ誘導しているのです。
海外の通信事業者に支払われた多額の接続料のうち、一部が手数料や報酬という名目で詐欺グループの懐へとキックバックされます。
つまり、彼らは自分たちから電話をかける通話料は最小限に抑えつつ、被害者に高額な電話をかけさせることで、何のリスクも負わずに利益を上げ続けることができるというわけです。
参考:ドコモ あんしんセキュリティコラム|国際ワン切り詐欺とは?
9から始まる不審な電話番号から着信があった際の「絶対NGな行動」
着信履歴からそのまま折り返し電話をする
先ほどから繰り返しお伝えしている通り、最もやってはいけない最大のNG行動は、着信履歴をタップしてそのまま折り返し電話をかけてしまうことです。
「相手が誰なのか確認してから着信拒否にしよう」といった軽い気持ちでの発信が、取り返しのつかない高額請求トラブルの引き金となってしまいます。
スマートフォンの操作に慣れている方ほど、通知画面からワンタップで発信してしまうリスクがあるため、着信履歴の確認時は指の動きに注意を払いましょう。
特に寝起きや慌てている時は判断力が低下しているため、見慣れない番号を見つけたら、まずは深呼吸をして画面を閉じる癖をつけることが有効な対策となります。
どうしても番号の正体が気になる場合は、発信ボタンを押すのではなく、番号をコピーしてインターネットの検索エンジンで調べてみてください。
多くの場合、迷惑電話に関する情報共有サイトなどがヒットし、すでに同様の被害に遭いそうになった方々の口コミを確認することができます。
電話に出てしまい自動音声アナウンスを長時間聞き続ける
タイミング悪く着信中にスマートフォンを操作していて、うっかり見知らぬ国際電話に出てしまうケースもあるかもしれません。
もし電話に出てしまった場合、原則として「電話を受けた側(着信側)」に通話料が発生することはありませんが、その後の行動には細心の注意を払う必要があります。
電話口から不自然な自動音声アナウンスや外国語が聞こえてきた場合、相手の目的を探ろうとしてそのまま通話を繋ぎっぱなしにするのは大変危険です。
長く繋がっている回線は、詐欺グループ側から「この電話番号は現在アクティブに使われており、電話に出る可能性が高い」という格好のターゲットとして認識されてしまいます。
ターゲットとしてリストアップされてしまうと、別の国番号や違う電話番号を使って、さらに執拗な迷惑電話や詐欺メールが送りつけられてくる二次被害に発展しかねません。
見知らぬ国際電話に出てしまったと気づいたら、無言のまま一秒でも早く通話終了ボタンを押し、すぐさま着信拒否の設定を行うように心がけましょう。
折り返した後に慌てて個人情報やクレジットカード情報を入力する
万が一折り返し電話をしてしまい、日本語の自動音声ガイダンスなどで「未納料金があります」「法的措置に移行します。案内に従って番号を入力してください」などと脅された場合でも、絶対に指示に従ってはいけません。
これは通話料を稼ぐだけでなく、架空請求詐欺やサポート詐欺へ移行し、さらに多額の金銭を騙し取ろうとする非常に悪質な手口です。
焦ってスマートフォンのキーパッドで生年月日や暗証番号を入力したり、案内された別の電話番号へかけ直したりすることは、自ら個人情報を差し出しているのと同じ行為になります。
相手はあの手この手で不安を煽るプロフェッショナルですので、まともに相手をしてしまうと冷静な判断力を奪われてしまうでしょう。
もしガイダンスの途中で不審に思ったら、その場ですぐに通話を強制終了させてください。
そして、絶対にクレジットカード番号や銀行口座の情報を伝えたり、指定された口座へ現金を振り込んだりしないよう、固く心に誓っておくことが重要となります。
【比較表】9から始まる迷惑な国際電話への効果的な対処法
状況に合わせて選べる!国際電話詐欺への対策比較表
迷惑な国際電話からご自身やご家族を守るためには、お使いの環境や端末に合わせた適切な対策を講じることが何よりも大切です。
スマートフォンと固定電話では利用できる機能が異なるため、以下の比較表を参考にして、ご自身にとって最も手軽で効果的な対処法を見つけてみてください。
| 対策方法 | 手軽さ | 効果の範囲 | 主な対象端末 | おすすめな人 |
|---|---|---|---|---|
| スマホ本体の着信拒否機能 | 高い(すぐ設定可能) | 指定した特定の番号のみブロック | iPhone / Android | 特定の迷惑電話だけをピンポイントで防ぎたい人 |
| 携帯キャリアの迷惑電話対策サービス | 中(申し込み・設定が必要) | データベースに基づき危険な電話を広範囲でブロック | 各社のスマートフォン | 月額料金がかかっても、より強固なセキュリティを求める人 |
| 国際電話不取扱受付センターでの制限 | 中(Webや電話での申請手続きが必要) | 国際電話の「発信」および「着信」を完全に休止可能 | 固定電話(NTT、KDDI、ソフトバンク等) | 海外とのやり取りが一切なく、高齢の家族の被害を防ぎたい人 |
| 公的機関(でんわんセンター等)への相談 | 高い(電話をかけるだけ) | トラブル解決に向けた具体的なアドバイスを得られる | すべての方 | すでに折り返してしまい、高額請求などの不安を抱えている人 |
この表からわかるように、すぐに対策したい場合はスマートフォンの着信拒否機能が便利ですが、根本的な解決を目指すならキャリアのサービスや発着信の制限を検討するのが良いでしょう。
次の項目からは、それぞれの具体的な設定方法や活用手順について詳しく解説していきます。
【対策1】スマートフォンの機能で「着信拒否」を設定する
iPhone(iOS)で特定の迷惑な電話番号を着信拒否する手順
iPhoneをご利用の場合、標準搭載されている「電話」アプリの機能を使って、非常にかんたんに特定の電話番号からの着信を拒否することができます。
見知らぬ9から始まる電話番号から着信があった際は、まずはこの機能を活用して、同じ番号からの二度目の着信をシャットアウトしましょう。
設定方法はシンプルで、まずは「電話」アプリを開き、「履歴」タブをタップします。
着信拒否したい不審な電話番号の右側に表示されている「i」マーク(インフォメーションアイコン)をタップすると、その番号の詳細画面が開きます。
画面を一番下までスクロールし、「この発信者を着信拒否」という赤い文字をタップし、確認画面で再度「連絡先を着信拒否」を選択すれば設定完了です。
また、頻繁に非通知や見知らぬ番号からかかってきてストレスを感じる場合は、「設定」アプリの「電話」から「不明な発信者を消音」をオンにするという強力な手段もあります。
これを設定すると、連絡先に登録されていない番号からの着信はすべて音が鳴らず、直接留守番電話に送られるようになるため、日常的な迷惑電話対策として非常に有効と言えます。
Androidスマートフォンで不審な電話番号をブロックする方法
Androidスマートフォンの場合も、基本的な着信拒否の仕組みはiPhoneと似ており、「電話」アプリの通話履歴から直接ブロック設定を行うのが最も手軽な方法となります。
ただし、お使いの端末メーカー(Xperia、Galaxy、Google Pixelなど)によって、メニューの名称や操作手順が若干異なる点には注意が必要です。
一般的な手順としては、まず「電話」アプリを開いて「履歴」を表示し、拒否したい電話番号を長押しするか、番号をタップして詳細メニューを開きます。
メニューの中から「ブロックして迷惑電話として報告」や「着信拒否リストに追加」といった項目を選択し、確認画面で同意すればブロックが完了します。
Google Pixelなどの一部の機種では、迷惑電話である可能性が高い着信を自動的に判別し、画面に警告を表示してくれる機能も備わっているため、設定を確認しておくと安心です。
もし、本体の機能だけでは不安な場合や、設定方法がわかりにくい場合は、Google Playストアで配信されている信頼性の高い迷惑電話防止アプリを導入するのも一つの選択肢となります。
ただし、アプリを選ぶ際はレビューなどをよく確認し、セキュリティ対策がしっかりしているものを選ぶよう心がけてください。
携帯キャリア各社が提供する迷惑電話対策サービスを有効活用する
スマートフォン本体の設定だけでは、番号を少しずつ変えてかかってくる組織的な迷惑電話を完全に防ぎきることは難しい場合があります。
より高度な対策を求めるのであれば、ご契約中の携帯電話会社(ドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルなど)が提供している専用の迷惑電話対策サービスを活用するのがおすすめです。
例えば、ドコモの「迷惑電話ストップサービス」は、最後に着信した番号を無料でネットワーク側から拒否設定にできるため、着信履歴にすら残らなくなるという強力なメリットがあります。
auの「迷惑電話撃退サービス」やソフトバンクの「ナンバーブロック」なども、所定の手続きや設定を行うことで、迷惑な相手からの連絡を効果的に遮断してくれます。
また、月額料金がかかるオプションサービスの中には、全国から収集された迷惑電話のデータベースと照合し、危険な番号からの着信を自動で警告・ブロックしてくれる高機能なものも存在します。
ご自身のスマートフォンライフをより安全で快適なものにするために、一度キャリアのマイページや店舗で、どのような対策サービスが利用できるのか確認してみてはいかがでしょうか。
【対策2】「国際電話不取扱受付センター」で発着信を制限する
固定電話の国際通話を休止できる「国際電話不取扱受付センター」とは
スマートフォンだけでなく、ご自宅やオフィスの「固定電話」にも、海外からの不審な電話がかかってくるケースが増加しています。
もし、日常生活や業務において海外と電話のやり取りをする機会が一切ないのであれば、元から国際電話を利用できないように設定してしまうのが最も確実な防衛策となります。
そこで頼りになるのが、国内の主要な通信事業者(NTT東日本・西日本、KDDI、ソフトバンクなど)が共同で運営している「国際電話不取扱受付センター」という窓口です。
このセンターに利用休止の申し込みを行うことで、対象となる固定電話回線からの国際電話の発信、および海外からの着信をネットワークの根本からストップさせることができます。
着信自体を休止してしまえば、ワン切り詐欺の着信履歴が残ることもなく、誤って電話に出てしまうリスクもゼロになります。
物理的に海外との通信を遮断するという意味で、これ以上に強力で安心な対策は他にないと言っても過言ではありません。
参考:国際電話不取扱受付センター
申し込みはWebや電話からいつでも無料で簡単に完了できる
「国際電話の休止手続きなんて、難しそうでお金もかかるのでは?」と心配される方もいらっしゃるかもしれませんが、ご安心ください。
国際電話不取扱受付センターへの申し込み手続きは、初期費用や月額料金などの費用は一切かからず、完全に無料で利用できる公的なサービスとなっています。
申し込み方法も非常に豊富に用意されており、パソコンやスマートフォンから専用のWebサイトにアクセスして必要事項を入力するだけで、24時間いつでも手軽に申請が可能です。
インターネットの操作が苦手な方であれば、専用のフリーダイヤル(0120-210-364)に電話をかけ、自動音声案内やオペレーターのサポートを受けながら手続きを進めることもできます。
さらに、Webサイトから専用の申込書をダウンロードして印刷し、必要事項を記入して郵送で申し込むこともできるため、ご自身のライフスタイルに合った方法を選ぶことができます。
申し込みから実際に利用制限が適用されるまでには1週間程度の時間がかかる場合があるため、思い立ったら早めに手続きを済ませておくことを推奨します。
ご高齢の家族がいるご家庭の固定電話対策として非常に有効
この国際電話の利用休止設定は、特にご高齢のご家族が一人暮らしをされているご家庭の防犯対策として、絶大な効果を発揮します。
ご高齢の方は、「電話が鳴ったら出なければならない」「折り返さないと失礼にあたる」という真面目な責任感から、不審な電話のターゲットになりやすい傾向があるからです。
離れて暮らすご家族が、代理人として国際電話不取扱受付センターへ手続きを申し込むことも(本人の了承があれば)可能となっています。
実家に帰省された際などに、「最近、変な電話はかかってこない?」と声をかけ、一緒に休止手続きを行ってあげるのも素晴らしい親孝行の一つになるでしょう。
固定電話は、特殊詐欺や悪質な勧誘の入り口として狙われやすい端末です。
国際電話を休止するだけでなく、常に留守番電話設定にしておき、相手の声を確認してから受話器を取るなどの基本的な防犯対策と組み合わせることで、より一層の安心を手に入れることができます。
【対策3】不安を感じた場合は公的な相談窓口を活用する
総務省が支援する迷惑電話対策相談センター「でんわんセンター」
「何度も不審な番号からかかってきて精神的に辛い」「具体的な対策方法がわからず困っている」といった場合には、一人で悩まずに専門の窓口へ相談するのが一番です。
電話に関するトラブルの駆け込み寺として、総務省の支援を受けて開設された「でんわんセンター(迷惑電話対策相談センター)」という心強い公的機関が存在します。
でんわんセンターは、迷惑電話や困った電話に関する一般的な相談を無料で受け付けており、平日10時から17時まで電話窓口(03-6162-1111)で対応を行っています。
専門の知識を持った相談員が、現在の状況をヒアリングした上で、どのように対処すべきか、どのサービスを利用すれば防げるかといった具体的なアドバイスを親身に提供してくれます。
公式ウェブサイトでは、最新の詐欺の手口や注意喚起情報も随時更新されているため、定期的にチェックしておくことで防犯意識を高めることにも役立ちます。
「こんなことで相談してもいいのかな」とためらう必要はありませんので、少しでも電話にまつわる不安を感じたら、気軽に頼ってみてはいかがでしょうか。
参考:総務省|迷惑電話対策相談に関する「でんわんセンター」の開設
被害に遭ってしまったら警察相談専用電話「#9110」へ連絡を
もし、すでに国際電話に折り返してしまい、自動音声の案内に従って何らかの情報を入力してしまった場合や、具体的な金銭の支払いを要求されて脅されている場合は、迷わず警察に相談する必要があります。
緊急の事件・事故であれば「110番」ですが、「まだ被害は発生していないけれど、詐欺かもしれない」という不安な段階であれば、警察相談専用電話の「#9110」が適切な窓口となります。
「#9110」にダイヤルすると、全国どこからでも最寄りの都道府県警察の総合相談窓口に接続され、専門の担当者が事案の内容に応じて適切な助言や指導を行ってくれます。
犯罪の可能性があると判断された場合には、担当部署への引き継ぎや、被害届の提出に向けた具体的な手続きの案内も受けることができます。
詐欺グループは、被害者が恐怖で萎縮し、誰にも相談できない状況に追い込むことを得意としています。
相手の脅しに屈して独断で行動する前に、まずは公的な権力を持つ警察の相談窓口を頼り、客観的な意見を求めることが、被害を最小限に食い止めるための最良の選択肢となります。
料金トラブルに関する相談は消費者ホットライン「188」を利用する
「身に覚えのない高額な国際通話料の請求書が通信会社から届いた」「不当な請求に対してどう対応すればいいかわからない」といった、料金や契約に関する金銭的なトラブルを抱えている場合は、消費生活センターが頼りになります。
全国共通の電話番号である消費者ホットライン「188(いやや!)」にダイヤルすることで、お住まいの地域の消費生活センターや消費生活相談窓口を案内してもらうことが可能です。
消費生活センターでは、専門の消費生活相談員が、契約トラブルの解決に向けて公正な立場からアドバイスを提供し、場合によっては通信会社との間に入って交渉のサポートを行ってくれることもあります。
高額請求が来てパニックになってしまい、言われるがままに支払ってしまう前に、必ず一度は相談員に状況を整理してもらうことをおすすめします。
一度振り込んでしまったお金を取り戻すのは極めて困難なケースが多いため、まずは「支払う前に相談する」というルールを徹底しましょう。
国や自治体が用意しているこれらのセーフティネットを最大限に活用し、悪質な業者から自分自身の財産をしっかりと守り抜いてください。
9から始まる電話番号・国際ワン切り詐欺に関するよくある疑問
間違えて電話に出ただけでも通話料は発生するのか?
国際電話からの着信に対して、疑問や不安を抱える方は非常に多くいらっしゃいます。
その中でも特に多いのが、「間違えて電話の応答ボタンを押してしまった場合、こちらに通話料が請求されるのではないか?」という疑問です。
結論から申し上げますと、日本国内で通常のスマートフォンや携帯電話を利用している場合、海外からの電話を「受けた(着信に出た)」だけであれば、着信側に通話料が発生することはありません。
通話料を負担するのは、あくまで電話を発信した側(この場合は海外の詐欺グループ)というルールになっているからです。
ただし、コレクトコール(受信者払い)という特殊なシステムを使ってかけられてきた場合は別ですが、その際は電話がつながる前に「通話料を負担しますか?」という事前のアナウンスが入るため、そこで拒否すれば問題ありません。
とはいえ、電話に出ることで「この番号は使われている」と相手に情報を与えてしまうリスクがあるため、出ないに越したことはないと言えます。
折り返して高額請求が来た場合、必ず支払わなければならない?
もし、不注意で国際電話に折り返してしまい、通信会社から数千円〜数万円という高額な通話料の請求が来てしまった場合、残念ながら基本的には支払いの義務が生じると考えられます。
なぜなら、通信会社から見れば、あなたがご自身の意思でご自身の端末から国際電話の発信操作を行ったという客観的な事実が残っているからです。
詐欺の被害に遭ったとはいえ、通信会社は正規の通信サービスを提供し、海外の事業者へ接続料を支払っているため、利用者にその分の料金を請求するのは契約上正当な行為となります。
「詐欺だと知らなかったから払わない」という主張がそのまま通るケースは非常に稀であり、支払いを拒否し続けると回線の利用停止や強制解約といったペナルティを受ける可能性もあります。
そのため、万が一高額請求が来てしまった場合は、独断で無視するのではなく、先ほどご紹介した消費生活センター(188)へ早急に相談し、専門家の見解を仰ぐことが重要です。
そして何より、そうした面倒なトラブルに巻き込まれないために、「見知らぬ番号には絶対に折り返さない」という大原則を日頃から徹底しておくことが最大の予防策となります。
なぜ自分の携帯電話番号が海外の詐欺グループに漏れてしまったのか?
「誰にも教えていないはずの自分の電話番号に、なぜ海外から直接電話がかかってくるの?」と不思議に思うのも当然のことです。
個人情報が漏洩してしまったのではないかと不安になるかもしれませんが、必ずしもあなたがどこかに登録した情報が流出したというわけではありません。
現代の迷惑電話の多くは、コンピュータシステムを使って「090-XXXX-XXXX」のような番号の組み合わせをランダム(無作為)に生成し、片っ端から自動で発信し続けるという「オートコール」という手法が用いられています。
つまり、相手はあなたの名前や顔はおろか、その番号が存在するかどうかも知らないまま、手当たり次第に電話をかけているだけであり、たまたまあなたの番号に当たってしまった可能性が高いのです。
もちろん、過去に利用した悪質なサイトやサービスから個人情報のリストが流出し、それが闇の名簿業者を通じて海外の詐欺グループに渡っているケースも存在します。
不必要に個人情報をネット上に書き込まない、怪しい懸賞サイトには登録しないなど、日頃からの情報管理に気をつけるとともに、不審な着信があっても「適当にかけてきただけだ」と冷静に受け流す余裕を持つことが大切です。
【まとめ】+29から始まる電話番号は詐欺?ニセ警察官や入管騙りの手口と対処法
まとめ:9から始まる見知らぬ電話番号には「出ない・折り返さない」が鉄則
この記事では、「9から始まる電話番号」の正体が国際電話であることを明らかにし、その背景に潜む国際ワン切り詐欺の手口や対策について詳しく解説してきました。
「+90」や「+91」といった番号からの着信は、国内の携帯電話番号に見せかけた巧妙な罠であり、折り返しによる高額通話料のキックバックを狙う悪質な業者の仕業である可能性が非常に高いことがお分かりいただけたかと思います。
大切なポイントをもう一度おさらいします。
見知らぬ国際電話番号からの着信履歴を見つけても、「絶対に出ない」「絶対に折り返さない」という2つの鉄則を必ず守ってください。
そして、着信があった番号は速やかにスマートフォンの機能でブロックし、固定電話の場合は「国際電話不取扱受付センター」を活用して発着信を制限するなど、ご自身の環境に合わせた対策を実行しましょう。
相手はシステムを使って機械的に罠を仕掛けてきているだけですので、私たちが正しい知識を持ち、冷静に対処すれば決して恐れる相手ではありません。
今回ご紹介した対策や公的な相談窓口の情報を活用し、トラブルのない安心で快適な通信環境を維持していきましょう。
