寒くなると恋しくなるクリームシチュー。「シチューに入れる鶏肉はどの部位が良いの?」とスーパーの精肉コーナーで迷ったことはありませんか。
結論から言えば、濃厚でジューシーな味わいを求めるなら「もも肉」、あっさりとヘルシーに仕上げたいなら「むね肉」がおすすめです。
一般的には脂の旨味が溶け出す「もも肉」がシチューの王道とされています。しかし、パサつきがちな「むね肉」も、切り方や加熱のタイミングを工夫するだけで、驚くほどしっとりと美味しく仕上がります。
この記事では、各部位のメリット・デメリットから、安価なむね肉を高級ホテルのような食感に変える裏技までを解説します。
シチューにおける「もも肉」と「むね肉」の違いを徹底比較
まずは、スーパーでよく見かける「もも肉」と「むね肉」が、シチューに入れた時にどう違うのかを整理しましょう。それぞれの特徴を理解することで、その日の気分や予算に合わせた最適な選択ができるようになります。
| 項目 | 鶏もも肉 | 鶏むね肉 |
|---|---|---|
| 味わい | 脂がのっていて濃厚。コクが出る。 | 淡白であっさり。スープの味が際立つ。 |
| 食感 | 煮込んでも硬くなりにくくプリプリ。 | 加熱しすぎるとパサつきやすい。 |
| カロリー (皮つき100g当り) | 約190kcal | 約133kcal |
| 価格 | やや高め | 安い(家計の味方) |
| おすすめな人 | こってり好き、子供、失敗したくない人 | カロリーが気になる人、節約派 |
このように比較すると、味や食感を優先するなら「もも肉」、健康やコストパフォーマンスを優先するなら「むね肉」という使い分けが見えてきます。
鶏もも肉:失敗知らずの王道部位
多くのレシピ本で推奨されているのが鶏もも肉です。適度な脂肪分を含んでいるため、煮込んでいる間に肉から良い出汁(ダシ)が出て、シチュー全体のコクが増します。
また、筋繊維がしっかりしているものの、脂肪が間に入っているため、多少煮込みすぎても硬くなりにくいのが最大のメリットです。「料理はあまり得意ではないけれど、家族に喜ばれるシチューを作りたい」という場合は、迷わずもも肉を選ぶとよいでしょう。
鶏むね肉:ヘルシーで経済的だが工夫が必要
一方、鶏むね肉は高タンパク・低脂質で非常にヘルシーです。ダイエット中の方や、夜遅くに食事をする方にとっては非常に魅力的な食材といえます。価格ももも肉の半分程度で売られていることが多く、家計が大助かりなのも嬉しいポイントです。
ただし、脂肪分が少ないため、高温で長時間煮込むと水分が抜けてしまい、「パサパサ」「硬い」といった残念な仕上がりになりがちです。これがシチューで敬遠されがちな理由ですが、後述するちょっとした下処理で劇的に改善できます。
鶏むね肉でもパサつかない!しっとり柔らかく仕上げる3つのコツ
「節約したいしヘルシーなむね肉を使いたいけれど、美味しくないのは嫌だ」という方のために、プロも実践している「むね肉を柔らかく食べるテクニック」をご紹介します。これを行えば、むね肉特有の繊維っぽさが消え、驚くほど滑らかな食感になります。
フォークで穴を開け、繊維を断つように切る
まず、調理前のひと手間が重要です。むね肉の皮を取り除いた後、フォークで全体を数箇所刺して穴を開けます。これにより、繊維がほぐれやすくなり、調味料も染み込みやすくなります。
次に、包丁を入れる際は「繊維の向き」に注目してください。繊維の方向に対して垂直に(断ち切るように)一口大のそぎ切りにします。繊維を短く切ることで、口に入れた時の食感が柔らかく感じられるようになります。
片栗粉や小麦粉をまぶしてコーティングする
切ったお肉に軽く塩コショウで下味をつけた後、薄力粉や片栗粉を薄くまぶしてください。
粉でコーティングすることで、肉の水分や旨味が外に逃げるのを防ぐ「保水効果」が生まれます。さらに、シチューのルウと絡んだ時に、とろっとした舌触りが加わるため、パサつきを全く感じさせない仕上がりになります。これは中華料理の「水晶鶏」などでも使われるテクニックです。
煮込まず、最後に加えて余熱で火を通す
これが最も重要なポイントです。野菜と一緒に最初からグツグツ煮込むのはNGです。
野菜が柔らかくなり、ルウを溶かしてとろみがついた「仕上げの段階」で、先ほど粉をまぶしたむね肉を投入します。火が通るまで5分程度弱火で煮るだけで十分です。長時間煮込まないことで、お肉が縮むのを防ぎ、ぷるんとした食感をキープできます。
意外とおすすめ?「手羽元」や「ささみ」という選択肢
シチューに入れる鶏肉は、もも肉とむね肉だけではありません。スーパーで安売りされている他の部位も、特徴を知っていれば美味しいシチューの主役になります。
手羽元:骨付きならではの深いコク
骨がついている手羽元(てばもと)は、長時間煮込むことで骨からコラーゲンや濃厚な出汁がたっぷりと染み出します。圧力鍋を使っている方や、休日に時間をかけてコトコト煮込みたい方には最適な部位です。
身離れを良くするために、骨に沿って包丁で切り込みを入れておくと食べやすくなります。見た目のボリューム感もあるため、おもてなし料理としても見栄えがします。
ささみ・鶏団子:離乳食や幼児食にも
さらに脂質が少なく柔らかい「ささみ」や、ひき肉を使った「鶏団子(つくね)」もシチューと相性が良いです。
特に鶏団子は、中に細かく刻んだレンコンや生姜を混ぜ込むことで、食感や風味にアクセントを加えることができます。噛む力が弱い小さなお子様や、ご年配の方がいるご家庭では、塊肉よりも鶏団子のシチューの方が喜ばれることが多いです。
まとめ:ライフスタイルに合わせて部位を使い分けよう
クリームシチューにおける鶏肉の選び方は、何を優先するかによって正解が変わります。
最後に選び方のポイントを整理しましょう。
- 味と簡単さ重視:「鶏もも肉」がおすすめ。失敗が少なく、誰が作っても濃厚で美味しく仕上がります。
- ヘルシー・節約重視:「鶏むね肉」がおすすめ。粉をまぶして最後に加えることで、しっとり柔らかくなります。
- スープのコク重視:「手羽元」などの骨付き肉がおすすめ。時間をかけるだけの価値がある深い味わいになります。
「シチューにはもも肉」という固定観念にとらわれず、その日の冷蔵庫の中身や、食べる人の好みに合わせて使い分けてみてください。特に、下処理をしたむね肉のシチューは、一度食べるとその柔らかさにハマる方も多いですよ。
ぜひ今夜のシチュー作りで、ご紹介したテクニックを試してみてくださいね。

コメント