毎年やってくる12月31日、大晦日。特番を見て、そばを食べて、除夜の鐘を聞く……そんな「普通の年越し」に飽きてはいませんか?
「年越しの瞬間、何か特別なことをしたい」「SNSで友だちにちょっと自慢できるネタが欲しい」。そんなあなたのために、今回は実行するだけで妙な達成感が得られる、年越しのアクションプランを厳選しました。
0時00分00秒のその一瞬に、全神経を注ぐ。意味があるかどうかは二の次です。新しい年を笑顔(または苦笑い)で迎えるための、珠玉のアイデアをご紹介します。
年が変わる瞬間の定番アクション【身体能力編】
地球上にいなかった(ジャンプ)
もはや説明不要、国民的行事とも言える「年越しジャンプ」。23時59分59秒に地面を蹴り、空中にいる間に新年を迎えるという、シンプルかつ奥深い技です。
「年が変わる瞬間、俺は日本にいなかった。というか、地球にいなかった」
このセリフを言うためだけに、多くの若者が重力に逆らいます。成功の鍵はタイミング。早すぎればただの着地、遅すぎれば新年の第一歩がジャンプという謎のスタートになります。スマホの時計アプリなどで秒単位のカウントダウンを確認しながら、完璧な滞空時間を計算しましょう。なお、集合住宅にお住まいの方は、下の階の方への「騒音というお年玉」にならないよう、着地はソフトにお願いします。
体内時計のリセット(水を飲む・そばを食う)
「去年から飲み始めた水が、今年、俺の体の一部になった」
この謎の感動を味わうために、水や年越しそばをまたいで食べるチャレンジャーも後を絶ちません。23時59分59秒に口に含み、0時00分00秒にゴクリと飲み込む。これにより「過去(昨年)を消化し、未来(新年)へのエネルギーに変えた」というストーリーが完成します。
特に年越しそばでこれを行う場合、「年をまたいでそばをすする」ことになり、本来の「一年の災厄を断ち切る(年内に食べ終わる)」という由来とは真逆の行為になる背徳感もスパイスです。あえて伝統に逆らい、時間を食らう感覚を楽しんでみてはいかがでしょうか。
意識高い系を装う【哲学・空間移動編】
過去と未来の境界線を越える(ドアをくぐる)
家の中にある適当なドアやふすまを使って、壮大な儀式を行います。23時59分59秒に部屋を出て、0時00分00秒に別の部屋へ入る。ただそれだけです。
しかし、本人の脳内設定ではこうです。「俺は今、2024年という扉を閉め、2025年という新たな世界へのゲートを開いたのだ」と。この行為の優れた点は、誰にも迷惑をかけず、かつ非常に静かに行えることです。家族がテレビに夢中になっている背後で、一人ひっそりと時空を超えるトラベラー気分を味わえます。
応用編として、県境にお住まいの方は「右足は昨年(隣の県)、左足は新年(今の県)」という物理的な越境も可能ですが、深夜の移動は安全に十分配慮してくださいね。
去年の自分との決別(鏡を見つめる)
カウントダウンの瞬間、テレビやスマホではなく、鏡の中の自分を見つめ続けるというストイックなスタイルです。「お前とはここでお別れだ、去年の俺……」と心の中で呟き、日付が変わった瞬間にニヤリと笑いかけます。
客観的に見れば「深夜に鏡を見てニヤつく不審人物」ですが、自己肯定感を高める儀式としては意外と効果的かもしれません。新しい年の始まりに、最初に出会う人物が「自分自身」であること。これはある意味、自分を大切にする究極のスタートとも言えるでしょう。
現代っ子の知恵【SNS・デジタル編】
デジタルの世界で時をかける(送信予約・ログボ)
現代における年越しの戦場は、リアルだけではありません。デジタル空間でも熾烈な争いが繰り広げられています。その代表格が「あけおめLINE」やSNSへの投稿です。
0時00分00秒ジャストに「あけおめ!」と投稿されたタイムスタンプは、通信回線の混雑に打ち勝った勇者の証。最近では予約投稿機能を使うスマートな層も増えていますが、あえて手動でタップすることにロマンを感じる人も多いでしょう。
また、ソシャゲ(ソーシャルゲーム)勢にとっては、年が変わる瞬間にガチャを回すのが現代の「おみくじ」。新年の運勢をサーバーに問いかけ、爆死するか神引きするか。画面の中の演出に一喜一憂するのも、現代らしい風流な年越しの瞬間と言えます。
電子マネーで新年最初の徳を積む(1円貯金)
「新年、すでに貯金を開始しました」
0時00分ジャストに、オンラインバンキングや貯金アプリで小銭を移動させるという、極めて地味ながら堅実なスタートダッシュです。物理的な貯金箱に1円を入れるのも良いですが、スマホ操作だけで完結するスマートさが現代風。
金額の多寡ではありません。「新年早々、資産形成のアクションを起こした」という事実が、その後の364日のモチベーションを支えてくれるはずです。ただし、回線の混雑でエラーが出てもイライラしない広い心を持つことが、金運アップの秘訣かもしれません。
ガチ勢の極み【時差・物理移動編】
タイムトラベラー気分(2回年越し・時差利用)
「今年、もう2回目の年越しなんだよね」
そんな圧倒的なマウントを取りたい方におすすめなのが、時差を利用した複数回年越しです。世界で最も早く年が明けるニュージーランドやキリバスなどの様子をネット中継やZoomで見届け、その数時間後に日本で改めて年を越す。これだけで、通常は1年に1回しか味わえない感動を2倍楽しめます。
さらに上級者になると、海外の国境付近で「3つの時間帯を行き来する」という荒技に挑む猛者もいるとかいないとか。そこまでするエネルギーがあるなら、もっと他のことに使えそうな気もしますが、その無駄な情熱こそが「ガチ勢」の証なのです。
天空の支配者(飛行機で年越し)
「去年と今年の境目? ああ、俺は高度1万メートルにいたよ」
物理的に地上を離れ、空の上で年を越すというロマン溢れるスタイルです。初日の出フライトなどは人気ですが、あえて「年越しの瞬間」にフライトを合わせるのがポイント。地上の喧騒から遠く離れ、雲の上で静かに迎える新年は、まさに選ばれし者の特権と言えるでしょう。
ただし、機内Wi-Fiが繋がらない場合、誰にも「あけおめ」を送れず、地上に降りてから大量の通知に追われるという地味な戦いが待っています。「事実だけが残る」というハードボイルドな年越しをしたい方におすすめです。
予期せぬドラマ【ハプニング編】
聖なる場所での孤独な戦い(トイレで年越し)
「盛り上がるカウントダウンの瞬間、俺は個室(トイレ)にいた」
これは狙ってやるものではなく、生理現象という抗えない力によって引き起こされる悲劇、あるいは喜劇です。ライブ会場やパーティーなど、外の楽しげな歓声を聞きながら、たった一人、便座の上で「あけましておめでとう」とつぶやく。そこには、世界中の誰よりも深い孤独と、妙な悟りの境地があります。
スッキリして戻った頃には、すべてが終わっています。友人からの「どこ行ってたの?」という無邪気な問いかけに対し、「ちょっと、自分を見つめ直す旅にね」と返すのが、大人の嗜みというものでしょう。ある意味、最も自分自身と向き合った年越しと言えるかもしれません。
年越しの瞬間面白ネタ比較表
ここまで紹介したネタを、難易度や「やってみた後の虚無感」で比較してみました。自分の性格に合ったものを選んでみてください。
| 技名 | 難易度 | 虚無感 | おすすめタイプ |
|---|---|---|---|
| 地球脱出(ジャンプ) | ★☆☆ | ★☆☆ | とにかく体を動かしたい元気な人 |
| 時空越え(ドア) | ★☆☆ | ★★★ | 一人で静かに世界観に浸りたい人 |
| 時間消化(飲食) | ★★☆ | ★★☆ | 誤嚥(ごえん)に注意できる慎重な人 |
| デジタル神頼み(ガチャ) | ★★★ | 測定不能 | 運試しで新年を占いたいゲーマー |
| 時差マウント(2回年越し) | ★★☆ | ★☆☆ | グローバルな視点を持ちたい人 |
| 天空滞在(フライト) | ★★★★★ | ★☆☆ | 地上に飽きたセレブ思考の人 |
| 聖域の番人(トイレ) | ★☆☆ | ★★★★★ | タイミングの悪い愛されキャラ |
| 就寝(寝て過ごす) | ★★★★★ | ☆☆☆ | 世間の喧騒を離れた真の強者 |
まとめ:どの瞬間も、楽しんだもん勝ち
年越しの瞬間にすること、お気に入りのアイデアは見つかりましたか?
「地球にいなかった」と言い張るのも、「去年の自分と目が合った」と黄昏れるのも、客観的に見れば何の意味もない行動です。しかし、その「無駄」を全力で楽しむ心の余裕こそが、良い一年を迎えるための準備運動になるのではないでしょうか。
誰かと騒ぐもよし、一人で静かに時空を超えるもよし。どうか怪我と体調管理にだけは気をつけて、あなたらしい最高の「瞬間」をお迎えください。
それでは、良いお年を。無事に地球へ着地できることを祈っています。

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