ケンタッキーフライドチキン(KFC)の、あの独特でスパイシーな味わい。無性に食べたくなる魅力がありますよね。
多くの人が「あの味の秘密は何だろう?」と一度は考えたことがあるはず。
実はその最大の謎である「11種類のハーブ&スパイス」について、数年前に「あっけなく解けたかもしれない」と世界中で大きな話題になった出来事がありました。
この記事では、その謎の真相と、家庭であの味を再現するための具体的なレシピやコツをご紹介します。
ケンタッキー「11種スパイス」の謎、ついに解明?
ケンタッキーの味の秘密は、創業者カーネル・サンダースが生み出した「11種類のハーブ&スパイス」の配合にあるとされています。
このレシピは長年、金庫で厳重に保管され、門外不出のトップシークレットでした。
ところが2016年、アメリカの新聞「シカゴ・トリビューン」の記者が、カーネル・サンダースの義理の甥(おい)(※)が持っていた家族のアルバムを取材中、偶然にも「手書きのレシピ」を発見したと報じました。
※Joe Ledington氏。彼の叔母がカーネル・サンダースの2番目の妻。
そのメモには、11種類のスパイスとその分量が具体的に書かれていたのです。
これこそが、あの秘密のレシピではないか、と世界中で大きな話題になりました。
もちろん、KFC本社はこの報道に対し「これは本物のレシピではありません」と公式に否定しています。
しかし、メモに書かれていたスパイスはどれもフライドチキンに使われる一般的なものであり、その配合比率も非常に精巧でした。
そのため、「たとえ本物でなくても、限りなく近いものではないか」と考えるファンが多く、今も「最も信憑性(しんぴょうせい)の高いレシピ」として語り継がれています。
参考:KFC recipe revealed? Tribune shown family scrapbook with 11 herbs and spices (Chicago Tribune)
これが噂の「11種類」!家庭で揃えられるスパイス一覧
では、その「あっけなく解けた」とされる11種類のスパイスとは、どのようなものだったのでしょうか。
シカゴ・トリビューンが報じた内容は、「小麦粉2カップ(約230g)に対して、以下のスパイスを混ぜる」というものでした。
スーパーのスパイスコーナーで手に入るものばかりなのに驚かされます。
| スパイス名 | 分量(大さじ) |
|---|---|
| 塩 | 2/3 |
| タイム(乾燥) | 1/2 |
| バジル(乾燥) | 1/2 |
| オレガノ(乾燥) | 1/3 |
| セロリソルト | 1 |
| 黒コショウ(粉末) | 1 |
| 乾燥マスタード | 1 |
| パプリカパウダー | 4 |
| ガーリックソルト | 2 |
| ジンジャーパウダー | 1 |
| 白コショウ(粉末) | 3 |
※単位は「Ts」と記載されていましたが、シカゴ・トリビューンの記者は「Tablespoons(大さじ)」と解釈したと後に明言しています。
このリストを見ると、意外にも特別なスパイスは使われていません。
特徴的なのは、パプリカパウダーと白コショウが多めに配合されている点です。
これが、ケンタッキー独特の風味と、ほんのりとした赤み、そして後から来るスパイシーさの正体かもしれません。
また、塩味として「塩」「セロリソルト」「ガーリックソルト」の3種類を使っている点も、味に深みを出す秘訣(ひけつ)と言えそうです。
自宅で「あの味」を再現する3つのコツ
11種類のスパイスが分かったからといって、すぐにあの味になるわけではありません。
家庭でケンタッキー風チキンを上手に再現するには、スパイス以外にも重要な「3つのコツ」があります。
コツ1:鶏肉の下ごしらえ
お店のチキンが驚くほどジューシーなのは、専用の「圧力フライヤー」で高温・高圧で一気に揚げているからです。
家庭でこれを再現するのは難しいため、下ごしらえで工夫しましょう。
ポイントは「牛乳(または卵と牛乳を混ぜた液)」に鶏肉をしっかり漬け込むこと。
牛乳の力で鶏肉の臭みが消え、繊維が柔らかくなります。最低でも1時間、できれば数時間漬け込むと、揚げたときにパサつかず、しっとりジューシーに仕上がります。
コツ2:衣の付け方
あの独特の「ガリガリ」「ザクザク」とした食感の衣も特徴です。
これは、スパイスを混ぜた小麦粉(衣)を2回に分けて付ける「ダブル衣」にすることで再現できます。
まず、漬け込んでいた鶏肉の水分を軽く切り、1回目の衣をまぶします。
その後、もう一度「漬け液」にくぐらせ、2回目の衣をしっかりと付けます。このひと手間で、衣に厚みと独特の食感が生まれます。
コツ3:揚げ方(二度揚げ)
家庭用のコンロでは、圧力フライヤーのような高温を維持し続けるのが困難です。
そこでおすすめなのが「二度揚げ」。
まず160℃〜170℃の比較的低温の油で、じっくりと中まで火を通します(骨付き肉なら8〜10分程度)。
一度バットに取り出して、余熱で火を通しながら5分ほど休ませます。
その後、油の温度を180℃〜190℃に上げ、食べる直前に「二度揚げ」します。時間は1〜2分でOK。
こうすることで、外側はカリッと香ばしく、中はジューシーなまま熱々のフライドチキンが完成します。
決定版!ケンタッキー風フライドチキン再現レシピ
それでは、噂の11種スパイスと3つのコツを使った、家庭での再現レシピをご紹介します。
スパイスは上記の「11種類」を先に混ぜて「オリジナルスパイスミックス」を作っておくと便利です。
材料(2〜3人分)
- 鶏肉(骨付きもも肉や手羽元など):6〜8ピース
- 牛乳:200cc
- 卵:1個
- 小麦粉:2カップ(約230g)
- オリジナルスパイスミックス:大さじ2〜3(上記11種類を比率通りに混ぜたもの)
- ※報道されたレシピでは、小麦粉2カップに対しスパイス合計約15大さじを混ぜるとされていますが、家庭では非常に味が濃くなる可能性があります。まずは(11種を混ぜたミックススパイスを)大さじ2〜3杯程度から試すのがおすすめです。
- 揚げ油:適量
作り方
- ボウルに卵を溶きほぐし、牛乳と混ぜ合わせて「漬け液」を作ります。
- 鶏肉は余分な水分を拭き取り、皮目にフォークで数カ所穴を開けておきます。
- 鶏肉を「漬け液」に入れ、ラップをして冷蔵庫で最低1時間(できれば一晩)漬け込みます。
- 別のボウルに小麦粉と「オリジナルスパイスミックス」を入れ、ダマがなくなるまでよく混ぜ合わせます。
- 漬け込んだ鶏肉を取り出し、余分な液を軽く切ってから、スパイス入りの小麦粉を全体にしっかりとまぶします。
- もう一度「漬け液」にくぐらせ、再度スパイス入りの小麦粉をまぶします(ダブル衣)。
- 鍋に油を熱し、160℃〜170℃で鶏肉をじっくり揚げます(約8〜10分)。
- 一度バットに取り出し、5分ほど休ませます。
- 油の温度を180℃〜190℃に上げ、鶏肉を戻し入れます。1〜2分、衣がカリッときつね色になったら完成です。
ケンタッキーの部位完全ガイド!ハズレなしの人気部位や選び方を解説
まとめ:ケンタッキーの謎は、スパイスと調理法にあった
ケンタッキーの「11種類のハーブ&スパイス」の謎は、カーネル・サンダースの親族が持つアルバムから、あっけなく世に出た(かもしれない)というのが真相でした。
KFC本社は否定していますが、このスパイス配合が「かなり近い」として、世界中のファンが再現を試みています。
使われているのは、意外にもスーパーで手に入るスパイスばかり。
「鶏肉を牛乳に漬け込む」「衣を二度付けする」「二度揚げする」という3つのコツを守れば、家庭でも驚くほど本物に近いジューシー&スパイシーなチキンが作れます。
また、シンプルで再現性の高い作り方として、以下の動画も参考になりますよ。
ぜひ、あの「秘密の味」の再現にチャレンジしてみてください。



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