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息止めの平均時間はどれくらい?長くするコツと驚きの世界記録まで徹底解説

息止めの平均時間はどれくらい?長くするコツと驚きの世界記録まで徹底解説 スポーツ・アウトドア

「自分の息止め時間って、もしかして短い?」

ふと気になって、ストップウォッチで測ってみた経験はありませんか。

結論から言うと、健康な成人の息止めの平均時間は、およそ30秒〜1分程度と言われています。

ただし、これはあくまで一般的な目安の数値です。実際には、性別や年齢、さらには肺活量や日頃の運動習慣など、さまざまな要因によって個人差が大きく現れます。

平均より少し短かったとしても、過度に心配する必要はありません。息止めの時間は、ちょっとしたコツやトレーニングで伸ばすことが可能です。

この記事では、息止めの平均時間にまつわる知識から、誰でも安全に記録を伸ばせる具体的な方法まで、分かりやすく解説していきます。

【男女・年齢別】息止めの平均時間に違いはある?

息止めの時間には個人差がありますが、性別や年齢によっても傾向が見られます。それぞれの特徴をみていきましょう。

対象平均時間の傾向主な理由
男性女性よりやや長い傾向一般的に骨格が大きく、肺活量も多い傾向があるため。
女性男性よりやや短い傾向身体の大きさや肺活量が男性に比べて小さい傾向があるため。
子ども大人より短い身体が発達途中であり、肺活量が少ないため。
高齢者年齢とともに短くなる傾向加齢により心肺機能が少しずつ低下するため。

もちろん、これはあくまで統計的な傾向です。日頃から運動をしている女性が、運動習慣のない男性より長く息を止められるケースは珍しくありません。

大切なのは、他人と比べることよりも、自分自身のコンディションを理解することです。平均はひとつの目安として捉え、自分のペースでコンディションを整えていくのが良いでしょう。

なぜ息止めの時間には大きな個人差が生まれるの?

同じ性別や年齢でも、息止めが30秒も続かない人もいれば、2分以上できる人もいます。この違いは、一体どこから来るのでしょうか。主な要因は以下の3つです。

  1. 肺活量
    肺活量とは、一度に吸い込める空気の最大量のこと。当然ながら、肺活量が大きいほど体内に多くの酸素を取り込めるため、息止め時間も長くなる傾向があります。水泳選手や管楽器の演奏者などが、息止めが得意なのはこのためです。
  2. 二酸化炭素への耐性
    実は、息止めが苦しくなる一番の原因は「酸素が足りなくなるから」ではありません。「血中の二酸化炭素濃度が高まるから」なのです。私たちの脳は、二酸化炭素の増加を敏感に察知し、「呼吸をしろ!」と強い命令を出します。この命令にどれだけ耐えられるかが、息止め時間を大きく左右します。精神的な落ち着きやトレーニングによって、この耐性を高めることが可能です。
  3. 精神的なリラックス度
    緊張やストレスを感じていると、心拍数が上がり、体はより多くの酸素を消費します。逆に、心からリラックスしている状態では、酸素の消費量が抑えられ、息止め時間も自然と長くなります。ヨガや瞑想が得意な人が、比較的長く息を止められるのも理にかなっています。

あなたも挑戦!息止め時間を長くする4つの安全なコツ

息止めの時間は、正しい方法でトレーニングすれば、安全に伸ばすことができます。ここでは、誰でも試せる4つのコツをご紹介します。

注意: 必ず陸上の安全な場所で行い、絶対に無理はしないでください。特に、水中での練習は重大な事故につながる危険があるため、専門家の指導なしでは絶対に行わないでください。

準備編:まずは心と体をリラックスさせる

息を止める前に、まずは深呼吸をして心身をリラックスさせましょう。ソファに座ったり、仰向けに寝転がったりして、楽な姿勢をとります。

そして、目を閉じて「鼻から4秒かけてゆっくり息を吸い、口から8秒かけて細く長く吐き出す」という呼吸を2〜3分ほど繰り返してみてください。

心拍数が落ち着き、副交感神経が優位になることで、体内の酸素消費が穏やかになります。この準備だけで、記録が10秒以上伸びることも珍しくありません。

※過呼吸(ハイパーベンチレーション)は危険なのでやめましょう。

意図的に速い呼吸を繰り返すと、血中の二酸化炭素が減り、一時的に息苦しさを感じにくくなります。しかし、これは脳が酸素不足を感知できなくなる危険な状態であり、失神につながる恐れがあるため絶対に避けてください。

実践編①:お腹を意識した「腹式呼吸」で吸う

息を吸うときは、胸だけでなくお腹(横隔膜)を大きく膨らませる「腹式呼吸」を意識しましょう。

まず、肺に残っている空気をゆっくりと完全に吐き切ります。その後、お腹を膨らませるように意識しながら、鼻からゆっくりと息を吸い込みます。お腹が限界まで膨らんだら、次に胸を広げるようにして、さらに空気を吸い込みます。

こうすることで、肺の隅々まで効率よく空気を取り込むことができ、より多くの酸素を体内に蓄えることができます。

実践編②:「CO2テーブル」で二酸化炭素耐性を上げる

これは、フリーダイビングの選手も行う「スタティック・テーブル・トレーニング」を、安全な陸上用にアレンジしたものです。二酸化炭素への耐性を高める効果が期待できます。

【安全なCO2テーブルの例】

  1. 息止め:30秒 → 呼吸:1分
  2. 息止め:30秒 → 呼吸:50秒
  3. 息止め:30秒 → 呼吸:40秒
  4. 息止め:30秒 → 呼吸:30秒
  5. 息止め:30秒 → 呼吸:20秒
  6. 息止め:30秒 → 呼吸:10秒
  7. 息止め:30秒

このように、息止め時間は固定したまま、間の休憩(呼吸)時間を少しずつ短くしていきます。これにより、体は徐々に高い二酸化炭素濃度に慣れていきます。

※息止め時間は、自分が無理なくできる時間の半分程度から始めましょう。少しでも苦しいと感じたら、すぐに中断してください。

実践編③:体の力を抜いて酸素消費を最小限に

息を止めている間は、できるだけ体を動かさず、全身の力を抜くことを意識します。

特に、顔や首、肩周りに力が入りがちなので注意しましょう。筋肉が緊張すると、その分酸素を消費してしまいます。

目を閉じて、何か心地よい風景を思い浮かべたり、頭の中で好きな音楽を再生したりするのもおすすめです。息苦しさから意識をそらすことで、精神的な限界点を少しだけ引き上げることができます。

息止めのギネス世界記録は?驚異の29分超え

息止めの世界記録は、常人には到底不可能なレベルで競われています。

まず、息を止める前に純酸素を吸引する「O2アシスト」というルールがあります。このルールにおける以前のギネス世界記録は、2021年にクロアチアのブディミール・ショバト選手が達成した24分37秒でした。

しかし2025年6月、同じくクロアチアのヴィトミール・マリチッチ選手がこれを大幅に上回る29分3秒という驚異的な記録を樹立し、ギネス世界記録として正式認定されました。

ちなみに、純酸素を使わずに自分の呼吸だけで行う「ピュア・アプネア」というルールでも、世界トップクラスの選手は11分以上も息を止められるそうです。

もちろん、これらは長年の厳しいトレーニングを積んだトップアスリートだからこそ成し遂げられる記録です。決して真似をせず、豆知識として楽しんでくださいね。

参考:Longest time breath held voluntarily (male) | Guinness World Records

まとめ:平均は目安。安全に呼吸と向き合おう

今回は、息止めの平均時間や、記録を安全に伸ばすコツについて解説しました。

  • 息止めの平均は30秒〜1分が目安
  • 肺活量やCO2耐性、リラックス度が時間に影響する
  • 記録を伸ばすには、事前のリラックスと腹式呼吸が効果的
  • 無理なトレーニングや水中での練習は絶対にNG

息止めの時間は、その日の体調や精神状態によっても変わる、非常にデリケートなものです。平均記録はあくまでひとつの目安と考え、他人と比べるのではなく、自分自身の体と向き合うきっかけにしてみてください。

正しい知識をもって、安全に呼吸の不思議を探求してみましょう。

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