「+42」や「+425」から始まる、見慣れない番号からの着信にドキッとした経験はありませんか?
心当たりがない国際電話は、不安になりますよね。
実は、これらの番号を悪用した詐欺の報告が相次いでおり、注意が必要です。しかし、手口と対処法を知っていれば、何も怖がることはありません。
この記事では、「+42」や「+425」から始まる電話の正体から、巧妙な詐欺の手口、そして誰でもすぐに実践できる具体的な対策まで、分かりやすく解説していきます。
+42はどこの国からの電話?国番号の正体
そもそも「+42」から始まる電話番号は、どこの国からかかってきているのでしょうか。
実は、「+42」という国番号自体は存在せず、正確にはヨーロッパ中部の国々を示す最初の2桁なんです。例えば、以下のような国が挙げられます。
- +420:チェコ
- +421:スロバキア
- +423:リヒテンシュタイン
そのため、「+42」で始まる着信があった場合、これらの国や周辺地域からかかってきている可能性があります。
一方で、時折見られる「+425」という番号ですが、現在「+425」で始まる国番号は存在しません。これは、詐欺グループが番号を偽装して発信しているケースがほとんどだと考えられます。
いずれにせよ、これらの国に知り合いがいない限り、安易に応答するのは避けた方が賢明です。特に、最近ではこの番号を悪用した詐欺が急増しているため、より一層の注意が求められます。
要注意!「+42」を悪用した国際電話詐欺の手口
「+42」から始まる不審な電話は、ただの迷惑電話ではありません。金銭的な被害につながる可能性のある、悪質な詐欺の手口が確認されています。
特に代表的な手口を2つ紹介しますので、ぜひ知っておいてください。
入国管理局をかたる自動音声ガイダンス
現在、最も多く報告されているのが、入国管理局(現在の正式名称は「出入国在留管理庁」)を名乗る詐欺です。
電話に出ると、突然「入国管理局です。重要なお知らせがあります」といった自動音声ガイダンスが流れるのが特徴。その後、「本人確認に問題が発生した」「あなたの荷物から違法なものが見つかった」「資産が凍結される」などと不安を煽り、オペレーターにつなぐよう指示してきます。
そして、最終的には偽の職員を名乗る人物が登場し、資産状況を聞き出したり、指定の口座へ送金させようとしたりするのです。非常に悪質な手口といえるでしょう。
入国管理局は、電話の自動音声ガイダンスで手続きや金銭の支払いを求めることは絶対にないと公式に注意喚起しています。
参考:入管を名乗る不審な電話、メール等にご注意ください | 出入国在留管理庁
高額な通話料を狙うワン切り・コールバック詐欺
もう一つは、国際電話詐欺の典型的な手口である「ワン切り詐欺(コールバック詐欺)」です。
これは、着信に気づいた相手が折り返してくることを狙う手口。犯人側はわざと数コールで電話を切り、通話料がかからないようにしながら、相手のスマートフォンに着信履歴を残します。
もし、その番号にうっかり折り返してしまうと、非常に高額な国際通話料金が請求される仕組みです。犯人側は、その通話料の一部がキックバックとして得られるよう、特殊なプレミアムレート番号を利用しています。
「誰からの電話だろう?」と気になってしまう気持ちは分かりますが、知らない国際電話番号に折り返すのは、絶対にやめましょう。
「+42」や不審な国際電話への正しい対処法
では、実際に「+42」などの不審な国際電話がかかってきた場合、私たちはどうすればよいのでしょうか。焦らず対応できるよう、具体的な対処法を3つのステップで紹介します。
基本は「出ない・折り返さない・URLを開かない」
最もシンプルで効果的な対策は、「徹底的に無視する」ことです。
心当たりのない国際電話には、絶対に出てはいけません。万が一、電話に出てしまっても、相手の言うことを鵜呑みにせず、すぐに電話を切ってください。自動音声ガイダンスが流れた場合も、指示には従わず、静かに通話を終了させましょう。
もちろん、着信履歴に残っていても、絶対に折り返してはなりません。また、SMS(ショートメッセージ)で不審なURLが送られてきた場合も、絶対に開かないようにしてください。ウイルス感染やフィッシングサイトへ誘導される危険があります。
しつこい場合は着信拒否・ブロック機能の活用
一度だけでなく、何度も同じような番号からしつこく電話がかかってくるケースもあります。そのような場合は、スマートフォンの着信拒否機能やブロック機能を活用するのがおすすめです。
iPhoneでもAndroidでも、着信履歴から特定の番号を選んで簡単に着信を拒否する設定ができます。設定しておけば、同じ番号から二度とかかってくることはなくなるので、精神的なストレスも軽減できます。
ただし、詐欺グループは次々と新しい番号を使ってかけてくる可能性があります。そのため、知らない番号からの着信が続く場合は、携帯キャリアが提供している迷惑電話対策サービス(有料・無料)の利用も検討するとよいでしょう。
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詐欺被害に遭ってしまった場合の相談窓口
「ついお金を振り込んでしまった」「個人情報を教えてしまった」など、万が一詐欺の被害に遭ってしまった場合は、一人で抱え込まず、すぐに専門の窓口へ相談することが大切です。
どこに相談すればいいか分からない場合は、以下の窓口を頼ってください。
- 警察相談専用電話:#9110
- 犯罪被害の未然防止や、生活の安全に関する相談を受け付けてくれる全国共通の窓口です。
- 消費者ホットライン:188(いやや!)」
- 商品やサービスの契約トラブルなど、消費生活全般に関する相談ができます。
- 迷惑電話対策相談センター(でんわんセンター)
- 2025年6月に総務省が開設した、迷惑電話に関する専門の相談窓口です。情報提供も受け付けています。
少しでも「おかしいな」と感じたら、ためらわずに専門家の助けを借りましょう。
まとめ:見知らぬ国際電話には冷静な対応を
この記事では、「+42」から始まる国際電話の正体と、それに伴う詐欺の手口や対処法について解説しました。
最後に、大切なポイントをもう一度おさらいしておきましょう。
- 「+42」はチェコなど欧州中部の国を示す番号で、「+425」という国番号は存在しない。
- 入国管理局をかたる自動音声ガイダンスは詐欺。
- 対処法の基本は「出ない」「折り返さない」「URLを開かない」の3原則。
- 被害に遭ってしまったら、すぐに#9110、188、でんわんセンターへ相談する。
「+42」に限らず、見知らぬ国際電話番号からの着信には、常に「詐欺かもしれない」という意識を持つことが重要です。今回紹介した知識を頭の片隅に置いておくだけで、いざという時に冷静に対応できるはずです。
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