
アルファードXは恥ずかしい?30系/40系の違いと後悔しない選び方
「いつかは乗りたい」と憧れる人も多い、キング・オブ・ミニバン「アルファード」。新車はもちろん、中古車市場でもその人気は絶大です。
そんなアルファードのグレードを調べていると、「X」というグレードが目に入ります。特に中古市場では上位グレードより安く、新車の40系でもエントリーグレードとして登場したため、気になっている方も多いのではないでしょうか。
しかし、同時にこんな不安もよぎります。
「Xグレードって、もしかして安っぽくて恥ずかしいのかな?」
「周りの目が気になるけど、実際のところどうなんだろう…」
この記事では、アルファードの「X」グレードに焦点を当て、なぜ「恥ずかしい」と言われることがあるのか、その理由と実際の評価、そして後悔しないための選び方を、中古で人気の30系と最新の40系の両面から徹底解説します。
先に結論をお伝えすると、アルファードのXグレードは決して恥ずかしい選択ではありません。むしろ、あなたの使い方や価値観に合えば、これ以上ないほど賢い選択肢になります。
この記事を読めば、周りの評価に惑わされず、あなたが本当に納得できる一台を見つける手助けになるはずです。
新型40系アルファードに「X」グレードが追加
まず、最新情報からお伝えします。2023年に登場した現行の40系アルファードですが、当初は「Z」、「Executive Lounge」、そして福祉車両の「G」というグレード構成でした。しかし、2025年1月7日、待望のエントリーグレードとして「X」が追加発売されました。
この40系「X」グレードは、以下のような特徴を持っています。
- 価格設定: ガソリン/FFモデルの価格は436万円から。Zグレード(540万円~)より100万円以上も安い戦略的な価格です。
- 乗車定員: 現行アルファードで唯一の8人乗り仕様。セカンドシートは6:4分割チップアップシート、サードシートは5:5分割2ポジションスペースアップシートを採用し、実用性を高めています。
- 位置づけ: 主にレンタカーやハイヤーといった法人需要を見込んだエントリーグレードとされています。
この40系Xの登場により、「X」というグレードは「豪華さ」よりも「実用性」や「コストパフォーマンス」を重視した、アルファードのベースを担う存在であることがより明確になりました。
この記事では、この最新の40系Xの情報も踏まえつつ、より購入の選択肢に入りやすい中古の30系アルファード(特に2018年以降の後期モデル)を中心に、その実態に迫っていきます。
なぜ30系アルファードのXは「恥ずかしい」と言われる?3つの理由
そもそも、なぜ30系のXグレードが「恥ずかしい」という声に繋がってしまうのでしょうか。その背景には、多くの人がアルファードに抱く「豪華」「高級」というイメージと、Xグレードの仕様との間にギャップがあるからです。
具体的には、人気のエアログレード「S」や「SCパッケージ」と比較した際の、3つの違いが要因として挙げられます。
①見た目の違い:標準ボディのシンプルな外観
30系アルファードには、大きく分けて標準ボディとエアロボディの2種類が存在します。Xグレードは「標準ボディ」に分類され、専用エアロパーツをまとった「S」などのエアロボディに比べると、見た目がシンプルで落ち着いた印象を与えます。
特に違いが分かりやすいのは、フロントバンパーやサイドマッドガードの部分。エアロボディは張り出しが大きく、より低く構えた迫力のあるデザインです。また、装着されるアルミホイールも、Xグレードは16インチまたは17インチですが、S“Cパッケージ”などでは18インチが標準となり、力強さが際立ちます。
この「エアロが付いていない」「ホイールが小さい」という点が、一部の人から「物足りない」「ノーマルっぽい」と見られ、「恥ずかしい」というイメージに繋がっているようです。
②内装の質感:ファブリックシートと加飾の差
内装も、上位グレードとの差を感じやすいポイントです。Xグレードのシートは、手触りの良いファブリック素材が標準となります。決して質感が低いわけではありませんが、S“Cパッケージ”やExecutive Loungeに採用されている合成皮革やプレミアムナッパレザーの本革シートと比べると、高級感という面では一歩譲るかもしれません。
また、インパネ周りの加飾も異なります。Xグレードはメタルウッド調の加飾ですが、上位グレードではより上質な木目調パネルが使われるなど、細かな部分で差がつけられています。
毎日触れる部分だからこそ、こうした内装の質感が「廉価グレード感」として感じられ、気になってしまう方がいるのも事実でしょう。
③装備の違い:特に後席の快適性に差
30系のXグレードは、基本的に8人乗り仕様です(メーカーオプションで7人乗りも選択可能)。2列目シートがベンチタイプになるため、広々と使える反面、S“Cパッケージ”などに標準装備される、独立した「エグゼクティブパワーシート」のような豪華さや快適性はありません。
特に、足を伸ばしてくつろげるオットマンは、Xグレードの助手席と2列目シートには装備されていません。アルファードの魅力の一つである「後席の快適性」を最大限に味わいたい人にとっては、この点が物足りなく感じられる可能性があります。
こうした装備の違いが、「Xは装備が簡素で恥ずかしい」という評価に繋がることがあります。
結論:アルファードのXは恥ずかしくない!賢い選択肢である理由
ここまでXグレードが「恥ずかしい」と言われる理由を見てきましたが、それはあくまで上位グレードと比較した場合の話です。視点を変えれば、Xグレードには他にはない優れた魅力がたくさんあり、決して恥ずかしい選択ではないことが分かります。
①アルファードの基本性能はXでも十分
まず最も重要なのは、アルファードの根幹をなす魅力は、Xグレードでも何ら変わらないという点です。
広大で静かな室内空間、しなやかな乗り心地、そしてトヨタの最上級ミニバンとしての信頼性や安心感。これらは、どのグレードを選んでも共通して得られる大きな価値です。家族や友人を乗せたとき、その広さや快適さに驚かれる体験は、Xグレードでも十分に味わうことができます。
30系後期であれば基本的な安全装備「Toyota Safety Sense」も標準で備わっており、安全性においても妥協はありません。アルファードという車の本質的な魅力は、グレードによって損なわれるものではないのです。
②圧倒的なコストパフォーマンス
Xグレード最大のメリットは、何といってもその価格です。中古車市場において、30系のXグレードは同程度の年式・走行距離のS“Cパッケージ”などと比較して、数十万円単位で安く手に入れることが可能です。
この価格差は非常に大きいですよね。浮いた数十万円を、家族旅行の費用に充てたり、カスタム費用に回したり、あるいは貯蓄にしたりと、さまざまな有効活用ができます。「見栄」よりも「実利」を重視するなら、Xグレードは極めて合理的な選択と言えるでしょう。
③8人乗りというXならではのメリット
30系・40系ともに、Xグレードは多人数乗車が可能な8人乗り仕様です。7人乗りのキャプテンシートも魅力的ですが、家族構成や使い方によっては8人乗りの方が便利な場面も多くあります。
例えば、両親や友人を乗せて大人数で出かける機会が多い場合、乗車定員は1人でも多い方が助かります。また、2列目のベンチシートは、小さなお子さんのケアがしやすいというメリットもあります。
さらに、シートアレンジの自由度が高いのも8人乗りの特徴。フラットな空間を作りやすく、大きな荷物を積んだり、車中泊を楽しんだりする際にも活躍します。この実用性の高さは、7人乗りモデルにはないXグレードならではの強みです。
【30系後期】アルファードXとS“Cパッケージ”の違いを比較
ここでは、中古市場で人気の高い30系後期モデルを例に、標準ボディのXグレードとエアロボディの最上級グレード「S“Cパッケージ”」(ガソリン車)の具体的な違いを表で比較してみましょう。
外装・内装の比較表(30系後期)
項目 | X | S“Cパッケージ” |
---|---|---|
ボディタイプ | 標準ボディ | エアロボディ(専用エアロパーツ付) |
フロントグリル | メッキ+塗装 | スモークメッキ+ダークプレミアムメタリック塗装 |
アルミホイール | 16インチ | 18インチ(切削光輝+ブラック塗装) |
シート表皮 | ファブリック | 合成皮革 |
乗車定員 | 8人乗り | 7人乗り |
2列目シート | 6:4分割チップアップシート | エグゼクティブパワーシート |
主要装備の比較表(30系後期)
項目 | X | S“Cパッケージ” |
---|---|---|
パワースライドドア | 助手席側のみ標準(運転席側はオプション) | 両側標準 |
助手席オットマン | なし | あり(パワー) |
2列目オットマン | なし | あり(パワー) |
ステアリング | ウレタン(4本スポーク) | 本革巻き+メタルウッド(4本スポーク) |
Toyota Safety Sense | 標準装備 | 標準装備 |
中古車市場での価格相場(2025年7月時点)
グレード(30系後期) | 年式 | 走行距離 | 価格相場(目安) |
---|---|---|---|
X | 2018年~2020年 | 3万~5万km | 約280万円~380万円 |
S“Cパッケージ” | 2018年~2020年 | 3万~5万km | 約350万円~480万円 |
※上記はあくまで目安であり、車両の状態やオプションによって価格は大きく変動します。
中古でアルファードXを買って後悔しない人の特徴
ここまで解説してきた内容を踏まえて、中古の30系アルファードXの購入が特におすすめなのは、どのような人なのでしょうか。3つのタイプに分けてご紹介します。
①多人数での乗車機会が多い人
サークル活動の送迎や、3世代での家族旅行など、6人以上で乗車する機会が頻繁にあるなら、8人乗りのXグレードは非常に実用的です。
7人乗りでは乗り切れない場面でも、Xグレードなら一台で対応できます。いざという時のために乗車定員を確保しておきたいという考えの方には、まさに最適な選択肢となるでしょう。シートアレンジ次第で大きな荷物も積めるため、アウトドアやレジャーが趣味の方にもぴったりです。
②内外装の華やかさより実用性とコストを重視する人
「アルファードの広さやステータス性は欲しいけれど、豪華すぎる装備は必要ない」「見栄を張るよりも、購入費用や維持費を少しでも抑えたい」
このように考える堅実な方にとって、Xグレードは最高のパートナーになります。上位グレードとの価格差を考えれば、Xグレードのコストパフォーマンスは圧倒的です。アルファードという車の本質的な価値を、最も賢く手に入れる方法と言えるかもしれません。
③購入後にカスタムを楽しみたい人
Xグレードをあえて選び、自分好みの一台に仕上げていくのも面白い選択です。中古で安く手に入れた分、予算をカスタムに回すことができます。
例えば、社外品のエアロパーツを装着して迫力ある見た目にしたり、好みのデザインのアルミホイールに交換したり。内装も、シートカバーを装着すれば雰囲気は一変します。ベース車両としてXグレードを選び、自分だけのオリジナルアルファードを作り上げる楽しみは、車好きにとって格別なものになるはずです。
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まとめ:アルファードXは「恥ずかしい」のではなく「賢く実用的」な選択
今回は、アルファードのXグレードが「恥ずかしい」と言われる理由から、その真の魅力、そして後悔しないための選び方までを、30系と40系の両面から解説しました。
Xグレードが持つシンプルな内外装や装備は、豪華さを求める人にとっては物足りなく感じるかもしれません。しかし、それはあくまで一つの価値観に過ぎません。
- アルファード本来の広さや快適性はそのまま
- 圧倒的なコストパフォーマンス(特に中古の30系)
- 8人乗りならではの高い実用性(30系・40系共通)
- 自分好みにカスタムするベース車両としての楽しさ(30系)
こうした数々のメリット、そして40系で「法人需要も見込んだエントリーグレード」として登場した事実を知れば、Xグレードが「恥ずかしい」どころか、「実用性を追求した、賢い選択肢」であることがお分かりいただけたのではないでしょうか。
最終的に大切なのは、他人の評価ではなく、あなた自身の使い方や価値観に合っているかどうかです。この記事を参考に、新車・中古車を問わず、ご自身が心から納得できるアルファードを見つけてください。
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