タルトを焼くときに欠かせない「タルトストーン(重石)」。しかし、いざお菓子作りを始めようとしたときに「手元にない!」と焦ってしまうことも多いですよね。
結論からお伝えすると、タルトストーンはダイソーやセリアなどの100均では売っていないことがほとんどです。しかし、ご家庭にある生米や小豆などの身近なアイテムで十分に代用できます!
この記事では、タルトストーンの代用品アイデアや、重石なしでサクサクに焼き上げるコツを徹底解説します。
タルトストーンは100均(ダイソー・セリア)で買えるの?
結論から言うと、製菓用の重石は売っていないことが多い
タルトやパイの生地を空焼きする際、生地が膨らんだり縮んだりするのを防ぐために乗せるのがタルトストーンです。お菓子作りにおいて非常に重要な役割を果たしますが、実はダイソーやセリア、キャンドゥといった100均の製菓用品コーナーでは、専用のタルトストーンはほとんど販売されていません。
バレンタインやクリスマスの時期になると、100均の製菓コーナーは非常に充実し、タルト型やクッキー型、シリコンモールドなどは豊富に揃います。しかし、重石として使う専用のアルミ製タルトストーンは、コストの都合なのか取り扱いがない店舗が大半です。大型店舗を何軒か探しまわっても見つからないケースが多いため、最初から別の方法を考えたほうが効率的だと言えます。
もちろん、製菓材料店やネット通販を利用すれば、数百円から千円程度で本格的なタルトストーンを購入することは可能です。しかし、「今日すぐにタルトを焼きたい」「年に数回しかお菓子を作らない」という方にとっては、わざわざ専用の道具を買い揃えるのは少しハードルが高いかもしれません。
わざわざ買わなくても、身近なもので十分に代用可能
100均でタルトストーンが見つからなかったとしても、決して諦める必要はありません。実のところ、タルトストーンが手元になくても、ご家庭のキッチンにある身近な食材や日用品で十分に代用することができるからです。
タルトストーンの本来の目的は、「生地に均等な重さをかけ、オーブンの熱で生地が浮き上がったり縮んだりするのを抑えること」にあります。つまり、熱に強くてある程度の重みがあり、生地の形に沿って敷き詰められるものであれば、何でも重石の代わりになるというわけです。
古くからフランスの家庭などでも、専用の道具を使わずに乾燥した豆などを使ってタルトを焼く文化がありました。専用のタルトストーンを使うのが一番確実ではありますが、代用品の性質をしっかりと理解して工夫すれば、初心者でも綺麗な形のタルト生地を焼き上げることが可能です。お菓子作りのハードルを下げて、もっと気軽に手作りスイーツを楽しんでみましょう。
家にあるもので解決!タルトストーンのおすすめ代用品7選
生米|最も手軽でサイズ調整もしやすい万能選手
タルトストーンの代用品として、最も手軽でおすすめなのが「生米」です。どこのご家庭にも必ずと言っていいほど常備されているため、思い立ったときにすぐお菓子作りを始められます。
生米の素晴らしい点は、一粒一粒が非常に小さいため、タルト型の隅々まで隙間なく敷き詰められることです。生地の側面の立ち上がり部分や、波型の細かい溝にもしっかりと重みが加わるため、焼き縮みを防いで綺麗な形を保つことができます。
使用方法は、タルト生地の上にオーブンシート(クッキングシート)を敷き、その上から生米を型のフチまでたっぷりと注ぎ入れるだけです。オーブンの高温にさらされたお米は、水分が飛んでカチカチに乾燥してしまいますが、捨てる必要はありません。お水を多めにしてお粥やリゾットにしたり、スープの具材として煮込んだりすれば、美味しく食べ切ることができますよ。無駄がなくエコなのも嬉しいポイントです。
乾燥小豆・大豆|適度な重みがあり何度も繰り返し使える
生米と並んで昔からよく使われているのが、乾燥した小豆や大豆といった豆類です。フランスの伝統的なお菓子作りのレシピ本などでも、重石の代わりに乾燥豆を使用する方法が紹介されていることがあります。
豆類は生米よりも一粒が大きいため、しっかりとした重みがあり、生地をしっかりと押さえつける効果が高いのが特徴です。クッキングシートを敷いた上に敷き詰めるだけで、立派なタルトストーンとして活躍してくれます。大豆や黒豆など、ご家庭で余っている乾燥豆があればぜひ活用してみてください。
タルトの空焼きに使った後の豆は、水分が完全に抜けて非常に硬くなってしまうため、通常のように煮豆として食べるのは難しくなります。しかし、熱に強いため、焦げない限りは「自家製のタルトストーン」として瓶などに保存し、何度でも繰り返し使うことが可能です。お菓子作り専用のアイテムとしてストックしておくのも賢いアイデアですね。
アルミホイル|生地に密着させて浮き上がりを防ぐ
豆やお米を食材として使いたくないという方には、「アルミホイル」を使った代用テクニックがおすすめです。アルミホイルは重さ自体はありませんが、形状を自由に変えられる性質を利用して生地を支えます。
やり方はとてもシンプルです。タルト型に敷き込んだ生地に直接アルミホイルを密着させます。生地の底面だけでなく、側面の立ち上がり部分にもぴったりと沿わせるのがコツです。生地が膨らもうとする力をアルミホイルの張力で抑え込むイメージですね。
重みがないため、焼いている途中でどうしても生地が浮いてくることがあります。その場合は、オーブンを開けてミトンをした手やスプーンの背などで優しく押さえつけ、空気を抜いてあげましょう。アルミホイルは熱伝導率が良いため、生地に火が通りやすくなるというメリットもあります。
塩・小麦粉|熱伝導率が高く、均一な焼き色がつきやすい
少し意外に思われるかもしれませんが、ご家庭にある「塩」や「小麦粉」も立派なタルトストーンの代わりになります。これらは粉末状なので、生米以上にタルト生地の細部までぴったりと密着し、均等な圧力をかけることができます。
特に塩は、オーブンの高温で加熱されても溶けたり燃えたりせず、焼き塩になるだけなので非常に扱いやすいのが魅力です。クッキングシートを二重に敷くなどして、絶対に生地に塩がこぼれないように注意深く敷き詰めてください。万が一生地に塩が直接触れてしまうと、塩辛いタルトになってしまうのでその点だけは要注意です。
また、塩や小麦粉は非常に密度が高く、熱を蓄えやすい性質を持っています。そのため、代用品にありがちな「焼き色が薄くなる」というデメリットを補い、底面までしっかりと熱を伝えてサクサクに焼き上げる効果が期待できますよ。
耐熱皿・コップ|クッキングシートの上に乗せるだけの時短技
「お米や塩を大量に出し入れするのは面倒」という方には、タルト型よりも一回り小さいサイズの「耐熱皿」や「耐熱コップ」を重石代わりにするという荒業もあります。
タルト生地の上にクッキングシートを敷き、その中央にどんと耐熱皿を置くだけなので、準備と片付けが一瞬で終わるのが最大のメリットです。小さなタルトレット型で焼く場合は、耐熱性の小さなコップやプリンカップなどがちょうど良いサイズになるでしょう。
ただし、この方法にはいくつかの欠点もあります。お皿の底の平らな部分しか重みが加わらないため、タルトの側面の生地が重力で落ちてきやすくなります。また、お皿の底の形がくっきりと生地に跡として残ってしまう可能性も高いです。カスタードクリームやフルーツをたっぷりと乗せて、底面が見えなくなるようなデコレーションタルトを作る際に向いている方法です。
落とし蓋|金属製でサイズ調整できるタイプが便利
お鍋で煮物を作るときに使う「落とし蓋」も、タルトストーンのピンチヒッターとして活躍してくれます。特に、100均でも購入できる、ステンレス製で花びらのようにサイズを伸縮できるタイプの落とし蓋が非常に便利です。
クッキングシートを敷いたタルト生地の上に、サイズを調整した落とし蓋を乗せるだけで、面全体に均等な重みを与えることができます。ステンレスは熱伝導率が高いため、生地にしっかりと火を通すことができるのも嬉しいポイントですね。
使用後の手入れも、サッと洗うだけで済むため衛生的です。ただし、タルトの側面の立ち上がり部分まではカバーしきれないことが多いので、側面の焼き縮みには少し注意が必要です。アルミホイルと併用して側面を支えるなど、工夫次第でかなり実用的な代用アイテムになります。
ビー玉|100均で買えるが、熱による割れに注意が必要
100均のおもちゃコーナーで手に入る「ビー玉」や「おはじき」をタルトストーンの代わりに使うというアイデアもあります。ガラス製で適度な重みがあり、形も丸いため生地を傷つけずに敷き詰めることができます。
見た目もキラキラしていてお洒落ですし、洗って何度も使えるため、タルトストーンに近い感覚で扱うことができるでしょう。実際、ビー玉を愛用しているお菓子作り愛好家も少なくありません。
しかし、ビー玉を代用する際には重大なリスクが伴うことを知っておく必要があります。一般的なビー玉は耐熱ガラスで作られているわけではないため、オーブンの急激な温度変化(特に200度近い高温)に耐えきれず、焼成中にパチンと割れたりヒビが入ったりする恐れがあるのです。万が一ガラスの破片が生地に混入してしまうと非常に危険ですので、使用する場合はあくまで自己責任となり、あまり推奨できる方法ではありません。
【一覧表】タルトストーン代用品のメリット・デメリット比較
それぞれの特徴を理解して最適なアイテムを選ぼう
ここまでご紹介したタルトストーンの代用品について、それぞれの特徴を比較表にまとめました。ご自宅の在庫状況や、作りたいタルトの仕上がりに合わせて、最適なアイテムを選んでみてくださいね。
| 代用品 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 生米 | どこの家にもあり、隙間なく敷き詰められる。使用後はリゾット等で食べられる。 | 水分が飛ぶため、普通に炊飯して食べるのには向かなくなる。焼き色がやや薄くなる。 |
| 乾燥小豆・大豆 | 適度な重みがある。焦げない限り、専用の重石として何度も繰り返し使える。 | 使用後は硬くなり、通常の調理で食べることはできない(大豆は炒り豆などにアレンジ可能)。 |
| アルミホイル | 生地にぴったり密着し、成形しやすい。熱伝導が良く火が通りやすい。 | 重さがないため、焼成中に生地が浮いてきたら手動で押さえる手間がかかる。 |
| 塩・小麦粉 | 密度が高く重みがある。熱を蓄えやすく、底面まで綺麗な焼き色がつきやすい。 | 万が一こぼれて生地に付着すると、味が極端に変わってしまうリスクがある。 |
| 耐熱皿 | 乗せるだけで準備・片付けが圧倒的に楽。 | 側面に重みがかからない。底に皿の跡がくっきり残ってしまう。 |
| 落とし蓋(金属) | サイズ調整が可能。熱伝導が良く、洗ってすぐに片付けられる。 | 側面の立ち上がり部分の焼き縮みは防ぎにくい。 |
| ビー玉(非推奨) | 100均で買える。適度な重みがあり、洗って何度も使える。 | 耐熱性ではないため、オーブンの熱で割れて破片が混入する危険性がある。 |
代用品を使ったタルト生地の「空焼き」手順と成功のコツ
必要な分量の目安(18cm型の場合)
生米や乾燥小豆などの代用品を使ってタルトを空焼きする場合、「どれくらいの量を用意すればいいの?」と迷うかもしれません。重石の量が少なすぎると、生地を押さえつける力が足りず、底がポコンと膨らんで不格好なタルトになってしまいます。
一般的なご家庭でよく使われる「直径18cmのタルト型」を基準にした場合、必要なお米や小豆の量は【約300g〜330g】が目安となります。お米の計量カップで言うと、だいたい2合弱くらいの量ですね。
小さなタルトレット型(6cm程度)を複数個焼く場合は、1個につき大さじ2〜3杯程度を目安に用意しましょう。足りないといけないので、少し多めに準備しておくのが失敗を防ぐコツです。
クッキングシートは隙間なくぴったりと敷き込む
代用品を乗せる前に、タルト生地の上に必ずオーブン対応のクッキングシート(またはパラフィン紙)を敷きましょう。このシートの敷き方が、タルトの仕上がりを左右する重要なポイントになります。
クッキングシートがクシャクシャのまま適当に乗せると、そのシワの跡がそのままタルト生地に焼き付いてしまいます。綺麗に仕上げるためには、シートを一度手でくしゃくしゃに丸めて柔らかくしてから広げ直すのが裏技です。こうすることで紙がしなやかになり、タルトの型の隅や側面の溝にもぴったりと沿わせやすくなりますよ。
また、シートの四隅に切り込みを入れておくと、重なり部分がダブつかず、より平らに敷き込むことができます。生地とシートの間に隙間ができないよう、丁寧な作業を心がけましょう。
型の縁(フチ)ギリギリまでしっかりと敷き詰める
クッキングシートを敷いたら、いよいよ生米や小豆などの代用品を流し込みます。ここでの最大のコツは「ケチらずに、タルト型のフチぎりぎりの高さまでたっぷりと敷き詰めること」です。
底の部分だけにパラパラと重石を乗せる人がいますが、それでは不十分です。タルトの空焼きで最も失敗しやすいのは、「側面の生地が熱でダレて、下に落ち込んでしまうこと」だからです。
側面の立ち上がり生地を内側からしっかりと支えるために、フチの高さと水平になるくらいまで、お米や豆を山盛りに詰め込んでください。指を使って、角の部分までしっかりと重石が入り込むように押し広げるのがポイントです。重力に逆らって壁を作るようなイメージで配置しましょう。
焼き時間と温度は、アルミ製を使う場合よりも長めに調整
専用のタルトストーンはアルミ製のため非常に熱伝導率が高く、オーブンの熱を効率よく生地に伝えてくれます。一方、生米や豆類、塩などの代用品は、金属に比べるとどうしても熱の伝わり方が遅くなります。
そのため、レシピ本に「180度で15分空焼きする」と書いてあったとしても、代用品を使う場合は生地の底面がまだ白っぽく、生焼けになってしまうことが多いのです。
代用品を使用する際は、レシピの指定時間よりも【5分〜10分程度長め】に焼くか、温度を【10度ほど高く設定】して様子を見てください。途中で一度オーブンを開け、重石とシートをそっと持ち上げて底の焼き色を確認するのが確実です。全体に美味しそうなキツネ色になるまで、じっくりと火を通すことでサクサクの食感が生まれます。
タルトストーン(重石)を一切使わずにタルトを焼く裏技
フォークで穴を開ける「ピケ」を念入りに行う
「代用品を用意するのも面倒くさい!」という方へ。実は、タルトストーンなどの重石を一切使わずにタルト生地を焼く方法も存在します。その要となるのが、「ピケ」と呼ばれる作業です。
ピケとは、タルト型に敷き込んだ生地の底面に、フォークを使って無数の小さな穴を開ける工程のことです。生地が焼成中にポコンと膨らんでしまうのは、生地の中に含まれる水分や空気が熱で膨張し、逃げ場を失うからです。あらかじめピケをして空気穴を作っておくことで、水蒸気がスムーズに抜け、生地の浮き上がりを最小限に抑えることができます。
重石を使わない場合は、普段の倍くらい「これでもか!」というほど念入りに、底全体に細かく穴を開けてください。これだけでも、驚くほど平らに焼き上げることができますよ。
底が抜けるタルト型と「シルパン」を組み合わせて焼く
お菓子作り上級者の間で重宝されているのが「シルパン」という製菓用アイテムです。シルパンとは、グラスファイバーにシリコンをコーティングした網目状のベーキングマットのこと。
このシルパンの上に「底が取れるタイプのタルト型(の枠だけ)」を置き、そこに生地を敷き込んで焼くというプロ顔負けのテクニックがあります。シルパンの細かいメッシュの隙間から、生地から出る余分な水分や空気が下へと抜けていくため、重石を乗せなくても生地が底から持ち上がることがありません。
さらに、油分も適度に落ちるため、驚くほどサクサクで軽い食感のタルトに仕上がります。もしタルトストーンを買うか迷っているなら、思い切ってシルパンを1枚購入したほうが、クッキーなども美味しく焼けるので圧倒的にコスパが良いかもしれません。
ビスケットを砕いて固める「焼かないタルト」にアレンジ
そもそも「オーブンで生地を焼く」という工程自体をなくしてしまうのも一つの手です。市販のビスケットやクッキーを使ってタルト台を作れば、タルトストーンもオーブンでの空焼きも一切不要になります。
作り方は非常に簡単です。マリービスケットやグラハムビスケット(約100g)を厚手のポリ袋に入れ、麺棒などで粉々に砕きます。そこに溶かしバター(約50g)を加えてよく揉み込み、しっとりさせます。これをタルト型やケーキ型の底と側面にギュッとスプーンの背で押し付けるように敷き詰め、冷蔵庫で1時間ほど冷やし固めるだけです。
ザクザクとした食感が美味しく、レアチーズケーキや生チョコタルトなど、焼かずに冷やして作るフィリングとの相性は抜群です。失敗知らずの裏技として、ぜひレパートリーに加えてみてください。
本物のアルミ製タルトストーンを購入するメリットとは?
圧倒的な熱伝導率で、プロのようなサクサクの焼き色に
代用品でも十分にタルトは焼けますが、やはり製菓道具メーカーが作っている本物の「タルトストーン」には、専用品ならではの大きなメリットがあります。最大の魅力は、なんといってもその「熱伝導率の高さ」です。
市販のタルトストーンの大半は、熱を伝えやすいアルミニウムで作られています。オーブン庫内の熱を瞬時に吸収し、生地の表面だけでなく、型の底や側面の奥深くまで均等に熱を送り届けてくれます。そのため、お米や豆を使ったときのように「底だけ生焼けで白い」という失敗が激減します。
また、高温で短時間のうちに生地の水分を飛ばすことができるため、小麦粉のグルテンが固まりすぎず、ホロホロ・サクサクとした、まるでお店で売っているようなプロ級の食感に仕上がるのです。仕上がりのクオリティにこだわるなら、やはりアルミ製には敵いません。
洗って半永久的に使えるため、衛生面でも安心
本物のタルトストーンは金属製なので、使い終わった後のお手入れがとても簡単です。ザルにあけて水洗いし、中性洗剤でサッと汚れを落とすことができます。洗った後は水気を拭き取り、オーブンの余熱などに入れて完全に乾燥させれば、カビやサビの心配もありません。
生米や豆などの食材を代用した場合、どうしても粉が落ちたり、バターの油分が移ってしまったりして、長期保存している間に虫が湧いたり傷んだりするリスクがあります。その点、アルミ製のタルトストーンは半永久的に清潔な状態で使い続けることができます。
価格も数百円〜千円前後と、一度買ってしまえば一生モノの道具です。もし、これからもバレンタインやお誕生日などで年に何度かタルトを焼く予定があるのなら、100均の代用品でしのぐよりも、早めに正規品を購入してしまった方が結果的にストレスフリーでお得だと言えるでしょう。
代用品を使う際に気をつけたい3つの注意点
食材を代用した場合は「匂い移り」に配慮する
生米や乾燥豆、塩などをタルトストーンの代わりにする際、盲点になりがちなのが「匂い」の問題です。タルト生地にはたっぷりのバターやバニラエッセンスが使われているため、焼いている最中に甘く芳醇な香りがオーブンいっぱいに広がります。
この香りの成分や油分が、重石として乗せている食材にじんわりと移ってしまうのです。例えば、代用した生米を後日お粥にして食べた際、「なんだかほんのりバターとバニラの匂いがする…」という事態になりかねません。
お菓子作り専用として豆類をキープしておくなら問題ありませんが、料理に再利用するつもりの場合は、匂いが移っても気にならないメニュー(ミルクリゾットやクリームシチューの具など)に活用するよう計画を立てておくことをおすすめします。
加熱して乾燥しきった豆や米の誤食に気をつける
タルトの空焼きでオーブンの高温(180度前後)にさらされたお米や豆は、見かけによらず水分が完全に蒸発し、石のようにカチカチに硬くなっています。
これを「焼いて火が通っているから食べられるだろう」と勘違いして、そのまま口に入れてしまうのは大変危険です。歯が欠けてしまったり、お子様が喉に詰まらせてしまう恐れがあります。
使用後の生米は必ず多めの水で長期間煮込んで柔らかくする必要がありますし、乾燥小豆に至っては、どれだけ煮ても芯が残ってしまい食用には適さなくなります。使用後の代用食材は、家族が間違って食べてしまわないように「タルトストーン用・食べられません」とメモを貼って別の容器に保管するなど、安全管理を徹底してください。
オーブンの温度管理と火傷に十分注意する
最後は、代用品を使う際の安全面についての注意喚起です。重石を使ったタルトの空焼きでは、途中でオーブンから一度型を取り出し、熱々の重石を取り除いてから再度焼き色をつける(ツヤ出しをする)工程が入ることが多いです。
このとき、生米や塩などの細かい粒は非常に熱を帯びており、こぼれて手や腕に触れると大火傷の原因になります。また、クッキングシートを持ち上げる際に破れてしまい、熱いお米が床に散乱してしまうという失敗もよく起こります。
代用品を取り出す際は、必ず厚手のオーブンミトンを両手に装着し、ボウルなどの大きめの受け皿を型のすぐ横に用意してから、慎重にクッキングシートの四隅を集めて持ち上げてください。慌てずゆっくりと作業することが、美味しいタルトを安全に作るための最大の秘訣です。
クッキー作りに有塩・無塩バターどっちを使う?違いと代用のコツを解説
まとめ
タルトストーンは100均(ダイソーやセリア)では手に入りにくいアイテムですが、わざわざ買わなくても、ご家庭にある身近なもので十分に代用することができます。
手軽さで選ぶなら「生米」、繰り返し使うなら「乾燥小豆や大豆」、手入れの楽さなら「アルミホイル」や「金属製の落とし蓋」がおすすめです。それぞれのメリットやデメリットを理解した上で、自分に合った方法を選んでみてください。また、ピケをしっかりと行ったり、ビスケット生地にアレンジしたりすれば、重石を一切使わずにタルトを楽しむことも可能です。
代用品を使う際は、熱伝導率の違いを考慮して少し長めに焼くことと、使用後の食材の取り扱いに注意することが成功のポイントです。手持ちのアイテムを上手に活用して、サクサクで美味しい手作りタルトを焼き上げましょう!
【料理の基本】100ccはどのくらい?ml・グラム換算と身近なもので量る実用的な目安