名刺交換や請求書作成の際、「株式会社」の読み方で迷ったことはありませんか? 「カブシキガイシャ」と濁るのが一般的ですが、実は「カブシキカイシャ」と濁らない読み方も間違いではありません。
結論から言うと、日本の企業の約8割以上は「カブシキガイシャ」と読みますが、登記上のフリガナを「カブシキカイシャ」としている企業も意外と多く、約2割弱存在します。
この記事では、両者の違いが生まれる理由や、取引先の正式な読み方をカンタンに調べる方法について、分かりやすく解説していきます。
株式会社の読み方は「ガイシャ」と「カイシャ」どっちが正解?
普段何気なく口にしている「株式会社」ですが、結論として、辞書的な意味や法律上の定義においては「カブシキガイシャ」と「カブシキカイシャ」のどちらも正解とされています。 広辞苑や日本国語大辞典などの主要な辞書を確認しても、両方の読み方が許容されていることが分かります。
しかし、実態としては「カブシキガイシャ」と濁音で発音されるケースが多数派です。 これは、日本語の発音ルールが大きく関係しています。 ただし、独自のこだわりや創業時の経緯から、あえて濁点のない「カブシキカイシャ」を正式名称(フリガナ)として登録している企業も決して少なくありません。 ビジネスのマナーとしては、相手企業が公表している読み方に合わせるのが正解と言えるでしょう。
なぜ「カブシキガイシャ」と濁るのが一般的なのか
多くの人が「カブシキガイシャ」と読む理由は、日本語特有の「連濁(れんだく)」という現象によるものです。 連濁とは、2つの言葉が結びついて1つの単語になるとき、後ろの言葉の語頭が濁音に変化することを指します。
たとえば、「鼻(ハナ)」と「血(チ)」がくっつくと「鼻血(ハナヂ)」になりますし、「手(テ)」と「紙(カミ)」で「手紙(テガミ)」になりますよね。 これと同じルールで、「株式(カブシキ)」と「会社(カイシャ)」が結合した際に「カブシキガイシャ」と変化するのが、日本語として自然な流れなのです。
この連濁現象のおかげで、言いやすさと聞き心地の良さが生まれ、自然と「ガイシャ」という読み方が定着しました。 もし「カブシキカイシャ」と発音しようとすると、カ行の音が続いて少し角張った印象や、発音のしにくさを感じるかもしれません。
企業によって読み方が違うケースの比較
では、実際にどのような違いや使い分けがあるのでしょうか。 基本ルールと例外的なケースを整理して、分かりやすい比較表にまとめました。 迷ったときの判断材料として参考にしてください。
| 項目 | カブシキガイシャ(濁る) | カブシキカイシャ(濁らない) |
|---|---|---|
| 使用率 | 約8割以上(多数派) | 約2割弱(一定数存在する) |
| 理由 | 日本語の「連濁」による自然な発音 | 創業者のこだわり、語呂、清音のイメージ重視など |
| 表記例 | 一般的な日本企業全般 | デザイン会社や外資系の一部など |
| 注意点 | 基本はこちらで読んで問題なし | 相手が訂正した場合はそれに従う |
表の通り、基本的には「ガイシャ」で問題ありません。 しかし、社名に「クリア」や「クリーン」といった清廉なイメージを持たせたい企業や、言葉の響きを重視する企業では、あえて濁点をつけない登記を行っている可能性があります。 「濁点は汚れを連想させるから避けたい」という縁起を担ぐ経営者もいるようです。
正式な読み方(フリガナ)を正確に調べる方法
取引先の銀行振込などで、正式なフリガナが必要になる場面がありますよね。 「カブシキガイシャ」だと思い込んで書類を作成したら、実は「カブシキカイシャ」だった、というミスを防ぐためには、公的なデータを参照するのが一番です。 特に、全体の約2割弱は「カイシャ」読みであるため、確認作業は重要です。
もっとも確実なのは、国税庁が運営している「法人番号公表サイト」で検索することです。 ここでは、日本国内で登記されている全ての法人の「商号」と「フリガナ」を確認することができます。
2018年の制度変更でフリガナが明確化
以前は、法人登記においてフリガナの登録は必須ではありませんでした。 しかし、2018年3月12日以降、法人の設立登記申請書にはフリガナの記載が求められるようになり、データの整備が進んでいます。 これにより、曖昧だった「ガイシャ」か「カイシャ」かの区別が、公的なデータとして確認できるようになりました。
調べ方は簡単です。国税庁のサイトで企業名を入力するだけ。 もし「株式会社○○」のフリガナが「カブシキカイシャ ○○」となっていれば、その会社は濁らない読み方を正式としていることが分かります。 重要な契約書や振込手続きの前には、念のため確認しておくと安心です。
書類作成時のフリガナ記入ルールと注意点
最後に、自分が書類を作成したり、あるいは自社の登記に関わったりする場合のルールについても触れておきます。 法務局への登記や、銀行での振込依頼書などでは、フリガナの書き方に厳格なルールが存在します。
原則として、フリガナは「カタカナ」で表記します。 そして重要なのが、単語の間に「スペース(空白)」を入れないことです。 「カブシキガイシャ ヤマダ」のように空けるのではなく、「カブシキガイシャヤマダ」と続けて記入するのが一般的です(※銀行のシステムによってはスペースが必要な場合もあります)。
また、英語表記の社名の場合でも、フリガナはカタカナで振る必要があります。 「&(アンド)」や「.(ドット)」などの記号はフリガナとして使えないため、「アンド」「ドット」と文字で書き下す必要がある点も覚えておきましょう。 細かなルールは提出先によって異なる場合があるため、不明な点は窓口で確認することをおすすめします。
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まとめ:基本は「ガイシャ」だが確認は大切
株式会社の読み方について解説してきました。 今回のポイントを振り返ってみましょう。
- 一般的には「カブシキガイシャ(濁る)」が多数派(約8割)。
- これは日本語の「連濁」という現象によるもの。
- ただし「カブシキカイシャ(濁らない)」企業も約2割弱存在する。
- 正式な読み方は「国税庁 法人番号公表サイト」で誰でも確認可能。
ビジネスの現場では、多くの場合「カブシキガイシャ」で通じますが、全体の2割近くが「カイシャ」である以上、思い込みは禁物です。 新規取引などで不安な場合は、一度公的なサイトで検索してみる習慣をつけると、プロフェッショナルとしての信頼感につながるはずです。

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