毎月の通信費、明細をしっかり確認したことはありますか。「なんとなく高い気がするけれど、面倒だからそのまま」という方は非常に多いです。実は、インターネット契約には契約時に「とりあえず」つけたままの不要なオプションが潜んでいるケースが後を絶ちません。
これらは毎月数百円の出費でも、年間で見れば数千円から数万円の無駄になります。契約内容を見直すだけで、通信品質を落とさずに固定費を削減できる可能性が高いのです。
この記事では、「実は不要なオプション」の正体と、損をしないための正しい見直し手順を解説します。手続きが苦手な方でも分かるように噛み砕いてお伝えしますので、ぜひ請求書を手元に用意して読み進めてください。
通信費削減の第一歩は現状把握から!見直すべき費用の内訳
インターネット契約の見直しと聞くと「プロバイダの乗り換え」をイメージする方が多いですが、その前にやるべきなのがオプションの整理です。乗り換えは手間がかかりますが、オプション解約ならWeb上で数分で完結することも少なくありません。
まず確認していただきたいのが、月額料金に含まれる「オプション料金」の割合です。例えば、月額6,000円を支払っている場合、回線料が5,000円で、残りの1,000円がオプション料金というケースがよくあります。この1,000円を削減できれば、年間で12,000円の節約です。
特に注意したいのが、「初月無料」キャンペーンで加入し、そのまま解約し忘れている有料コンテンツやサポートサービスです。これらは「ちりつも」で家計を圧迫します。まずはマイページや請求書で、内訳を把握することから始めましょう。
インターネット契約にある不要なオプション代表例と解約判断基準
多くのユーザーが加入しているものの、実は代替手段があったり、そもそも使っていなかったりする「不要になりがちなオプション」をまとめました。ご自身の契約状況と照らし合わせてみてください。
※記載している月額料金は2025年時点の一般的な目安です。実際の料金はプロバイダや契約時期によって異なるため、必ずご自身の明細でご確認ください。
セキュリティオプション(月額300円〜600円程度)
プロバイダが提供するウイルス対策ソフトです。PCに詳しくない方は「入っていないと危険」と考えがちですが、Windows 10や11には標準で高性能なセキュリティ機能「Microsoft Defender」が搭載されています。
一般的なWeb閲覧や動画視聴であれば、標準機能で十分なケースが大半です。また、すでに市販のセキュリティソフトを購入している場合、プロバイダのオプションは二重課金になっているため即解約の対象となります。
リモートサポート・安心サポート(月額500円〜1,000円程度)
PCやWi-Fiの設定が不安な方向けのサービスですが、契約してから一度も電話していないという方がほとんどではないでしょうか。初期設定さえ終われば、その後頻繁にトラブルが起きることは稀です。
もしトラブルが起きたとしても、現在はスマホで検索すれば解決策がすぐに見つかります。「お守り代わり」に年間6,000円以上払う価値があるか、冷静に判断しましょう。必要な時だけスポット(都度払い)で利用できる業者もあります。
Wi-Fiルーターのレンタルサービス(月額300円〜500円程度)
無線LANルーターをレンタルしている場合、2年以上使い続けるなら購入した方が安くなります。最新のWi-Fi 6対応ルーターでも、エントリーモデルなら5,000円〜8,000円程度で購入可能です。
レンタル品は型落ちで性能が低い場合もあるため、購入することで通信速度が改善し、かつ月額費用も下がるという一石二鳥の効果が期待できます。
その他のコンテンツ・雑誌読み放題など(月額500円前後)
契約時のキャッシュバック条件として加入させられることが多いオプションです。「動画見放題」や「雑誌読み放題」などがありますが、実際に利用頻度が低いなら無駄遣いです。NetflixやAmazon Primeなど、自分が本当に使いたいサービスだけに絞りましょう。
【比較表】オプションの要・不要が一目でわかるチェックリスト
各オプションの必要性を判断しやすいように、比較表を作成しました。見直しの際の目安として活用してください。
| オプション名 | 月額目安 | このような人は「解約」推奨 | 代替案・備考 |
|---|---|---|---|
| セキュリティ対策 | 300〜600円 | Windows PCを利用している 他社ソフトを購入済み | Windows標準機能(Microsoft Defender)で代用可能 |
| リモートサポート | 500〜1,000円 | 過去1年利用していない スマホで検索ができる | トラブル時は都度払いの業者や詳しい知人に相談 |
| ルーターレンタル | 300〜500円 | 2年以上契約している 通信速度に不満がある | 市販のWi-Fi 6ルーターを購入(元が取れる) |
| 光電話(固定電話) | 500円 | 固定電話機を持っていない 受電のみで全く使わない | ただしスマホとのセット割条件の場合は継続がお得 |
| メールアドレス付与 | 200〜300円 | GmailやYahoo!メールがメイン プロバイダメールを見ていない | フリーメールに完全移行する |
参考:Microsoft Defender ウイルス対策の互換性(Microsoft公式サイト)
明らかに不要なオプションを勧められた時の対処法
契約の見直し時や、新規契約の問い合わせ時に営業担当者からオプション加入を強く勧められることがあります。よくある営業トークのパターンと、角を立てずにきっぱり断る方法をお伝えします。
よくある営業トークの3パターン
- 不安を煽る型:「このセキュリティに入らないと、個人情報が漏れて大変なことになりますよ」など、リスクを強調してくるタイプです。
- お得感演出型:「初月無料ですから、とりあえず入っておいて損はないですよ」と、入り口のハードルを下げてくるタイプです。解約忘れを狙っています。
- セット提案型:「これとこれをセットにすると割引が適用されてお得です」と、複雑な計算で煙に巻こうとするタイプです。
効果的な断り方のフレーズ例
営業担当者も仕事ですので、曖昧な返事をすると「押せばいけるかも」と思わせてしまいます。以下のように、丁寧かつ毅然と断りましょう。
- 基本の断り方
「ご提案ありがとうございます。ただ、現在は必要ありませんので、基本プランのみで契約させてください。必要になったらこちらから申し込みます」 - 「無料だから」と食い下がられた場合
「解約の手続きを忘れるといけないので、最初からつけないでください。必要な時は改めて申し込みます」
重要なのは「その場で即決しない」こと
もし判断に迷ったら、「一度持ち帰って検討します」と伝え、その場での契約は避けましょう。本当に必要なサービスであれば、明日申し込んでも遅くありません。
また、電話や対面でのやり取りの際は、トラブル防止のために「いつ」「誰と」「どのような内容を」話したか、簡単にメモや記録を残しておくことを強くおすすめします。
セット割に注意!解約してはいけないオプションの罠
「不要なオプションは全部解約!」と勢いよく手続きをする前に、一つだけ注意すべきポイントがあります。それは、スマートフォンとの「セット割引」の適用条件になっているオプションです。
例えば、ドコモ光、auひかり、ソフトバンク光などの大手キャリア系回線では、「光電話(月額500円)」への加入がスマホ料金割引(月額1,000円〜1,100円割引など)の条件になっていることが一般的です。
この場合、固定電話を使っていなくても、オプションを解約してしまうとスマホ側の割引が消滅し、家計全体での支払総額が増えてしまいます。
※割引額や適用条件は、契約しているキャリアやプランによって異なります(例:プランによっては500円割引の場合など)。解約前に必ず「このオプションを外してもスマホのセット割は継続されますか?割引額は変わりますか?」とサポートセンターに確認するか、適用条件の細則をチェックしてください。
実際にインターネット契約を見直すための具体的な手順
オプションの選別が終わったら、実際に手続きを進めましょう。電話は繋がりにくいことが多いため、Web上のマイページを活用するのがスムーズです。
手順1:マイページにログインし契約内容を確定させる
プロバイダから送られてきた書類にあるIDとパスワードを使い、会員ページにログインします。そこで「現在契約中のオプション」一覧を表示させましょう。もしIDが分からない場合は、SMS認証などでログインできるケースも増えています。
手順2:解約による違約金の有無を確認する
一部のオプションには「最低利用期間」が設けられている場合があります。解約によって違約金が発生しないか確認してください。ただし、違約金が1,000円程度で、今後も毎月500円払い続けるなら、すぐに解約して違約金を払った方が長期的には安くなる計算になります。
手順3:解約手続きを実行し、翌月の明細を確認する
Web上で解約ボタンを押す、またはチャットサポートなどで解約を申し出ます。重要なのは「翌月の明細」を必ず確認することです。締め日の関係で当月解約にならなかったり、手続きミスで残っていたりする可能性もゼロではありません。請求額が確実に減っていることを確認して、見直し完了となります。
困った時の相談窓口
もし、「解約したいのにさせてもらえない」「強引な勧誘で契約させられてしまった」といったトラブルに巻き込まれた場合は、一人で抱え込まずに専門の窓口へ相談しましょう。
- 消費生活センター(消費者ホットライン)
電話番号:188(いやや!)
局番なしで188にかけると、お住まいの地域の消費生活センターなどを案内してくれます。 - 電気通信消費者相談センター(総務省)
電話番号:03-5253-5900
電気通信サービスに関するトラブルや疑問について相談できる、総務省が運営する窓口です。 - 電気通信事業者協会(TCA)
通信業界の自主基準やガイドラインを策定している団体です。相談窓口も設置されていますが、まずは上記の公的な窓口への相談をおすすめします。
専門家に相談することで、冷静に対処法を見つけることができます。困った時はこうした公的なサポートがあることを覚えておいてください。
まとめ
インターネット契約の見直しは、一度やってしまえば、その後はずっと節約効果が続くコストパフォーマンスの良い節約術です。
- まずは現状把握:マイページや請求書で内訳を確認する。
- 不要オプションの断捨離:セキュリティ、サポート、ルーターレンタルを見直す。
- 営業トークへの対処:曖昧にせず、不要なものはきっぱり断る。
- セット割に注意:スマホの割引条件になっているオプションは残す。
- Webで手続き:電話よりWebの方がスムーズで引き留めもない。
毎月支払っているその500円は、本当に必要なサービスへの対価でしょうか。この記事を読んだ今日が、まさに家計防衛のための行動を起こすベストタイミングです。早速、契約内容の確認から始めてみましょう。

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