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レクサスのベース車はどれ?トヨタ車との関係性を車種ごとに一覧解説

レクサス
レクサスLX公式

「このレクサス車、なんだかトヨタのあの車に似てる?」

「レクサスって、元のトヨタ車があるって本当?」

そんな疑問をお持ちではありませんか?

実は、レクサスにはトヨタ自動車が展開する他のモデル(主にトヨタブランド)をベースに、より高品質な内外装や優れた静粛性、先進技術を盛り込んで開発されたモデルと、レクサスがゼロから独自に開発したモデルの両方が存在します。

特にブランド初期のモデルは、トヨタで人気を博した車種の「レクサス版」として登場した歴史があり、その名残で今も「兄弟車」と呼ばれる関係性のモデルが多くラインナップされています。

この記事では、そんなレクサスとトヨタ車の関係性を「車種ごと」にスッキリ一覧で解説していきます。現行モデルから販売終了モデル、そして独自開発モデルまで、ベース車との違いや最新情報も交えて分かりやすくまとめました。

なぜトヨタがベース?レクサス車とトヨタ車の根本的な「違い」

そもそも、なぜレクサスはトヨタ車をベースにすることが多いのでしょうか?

これは、レクサスがトヨタ自動車の高級車ブランドとして誕生した経緯が関係しています。ゼロから車台(プラットフォーム)やエンジンを開発するには莫大なコストと時間がかかりますが、トヨタが持つ優れた基盤を活用することで、開発効率を高めつつ、レクサスの基準を満たす高品質な車をスピーディーに市場へ送り出すことができました。

では、「ベースが同じならトヨタ車で十分」なのでしょうか?

答えは「ノー」です。たとえプラットフォームや基本的な骨格を共有していても、レクサス車はトヨタ車とは明確に異なる価値を持っています。

主な違いは以下の点です。

  • 内外装の圧倒的な質感:
    レクサスでは、トヨタ車よりも高価な素材(上質な本革、本杢パネル(本木目パネル)、高触感のソフトパッドなど)が惜しみなく使われます。目に見える部分だけでなく、触れたときの感触、スイッチの操作感といった五感に訴える「匠の技」が光る仕上げが特徴です。
  • 徹底した静粛性(NVH対策):
    エンジン音やロードノイズ、風切り音などを徹底的に抑え込むために、トヨタ車以上に遮音材や吸音材が追加され、部品の精度も高められています。高速道路での会話のしやすさや、オーディオのクリアな音質に大きく貢献していますね。
  • 先進技術の先行投入:
    最新の安全技術(Lexus Safety System +)や、快適装備、ハイブリッドシステムなどが、トヨタブランドに先駆けてレクサスに搭載されるケースも多く見られます。

もちろん、その分レクサス車はベースとなるトヨタ車よりも高価になりますが、その価格差は「ブランド代」だけでなく、こうした明確な「作り込みの差」にあるのです。

【現行車種】ベース車・兄弟車があるレクサスモデル一覧

まずは、現在新車で購入できるレクサス車(現行モデル)のうち、トヨタにベース車や兄弟車が存在するモデルを見ていきましょう。

プラットフォーム(車台)を共有する「兄弟車」が現在の主流ですが、かつての「ベース車」の関係性が色濃く残るモデルもあります。

レクサス車種ベース車 / 兄弟車(トヨタ)関係性
LS(セルシオ)直系(セルシオがLSに移行)
LXランドクルーザー300兄弟車(プラットフォーム・主要コンポーネント共有)
GXランドクルーザー250兄弟車(プラットフォーム・主要コンポーネント共有)
RX(ハリアー)※兄弟車(プラットフォーム共有)
NXハリアー / RAV4兄弟車(プラットフォーム共有)
LMアルファード / ヴェルファイア兄弟車(プラットフォーム・主要コンポーネント共有)
RZbZ4X兄弟車(EV専用プラットフォーム共有)

※RXとハリアーは、かつて(2代目まで)共通の設計でしたが、現在はそれぞれ異なる道を歩んでいます。ただし、プラットフォーム(GA-K)は共通です。

LS(ベース:セルシオ)

レクサス公式

レクサスのフラッグシップセダン「LS」は、かつてのトヨタの最上級セダン「セルシオ」の直系モデルです。

2005年に日本でレクサスブランドが展開を開始する際、それまで国内で「セルシオ」として販売されていたモデルが、海外名である「レクサス LS」に統一されました。トヨタの「セルシオ」という名前は3代目で終了し、レクサス「LS」へと完全に移行した形です。

セルシオが築き上げた「静粛性と快適性の極み」というDNAはLSにも受け継がれていますが、現行モデルはさらにスポーティーな走りや先進的なデザインも兼ね備え、単なる快適な移動手段を超えた「作品」と呼べる域に達しています。価格帯もセルシオ時代より大幅に上昇し、名実ともに日本を代表するラグジュアリーセダンと言えるでしょう。

LX(兄弟車:ランドクルーザー)

レクサス公式

レクサスのフラッグシップSUV「LX」は、トヨタ「ランドクルーザー」(300系)とプラットフォームや主要なメカニズムを共有する兄弟車です。

「キング・オブ・SUV」と称されるランドクルーザーの圧倒的な悪路走破性や信頼性はそのままに、LXは内外装をレクサス基準で徹底的に豪華に仕立て上げています。

特に内装の高級感は圧巻で、ランドクルーザーが「機能美」「タフさ」を追求しているのに対し、LXは「豪華絢爛」「おもてなし」の世界観です。また、LXにはランドクルーザーにはない専用のパワートレイン(例:LX600のV6ツインターボ)や、より乗り心地を重視したサスペンション設定が与えられるなど、明確な差別化が図られています。

GX(兄弟車:ランドクルーザー250)

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2024年に待望の日本市場へ導入された新型「GX」は、トヨタ「ランドクルーザー250」(かつてのプラド系)と車台(GA-Fプラットフォーム)を共有する兄弟車です。

LXとランドクルーザー300の関係性と同様に、GXも250系の持つ高い悪路走破性と堅牢性をベースに、レクサスならではの上質なデザインと豪華な装備を与えられています。

デザインはより直線的でモダンなタフさを表現しており、内装もデジタルメーターや大型ディスプレイを採用しつつ、レクサスらしい高級素材で仕立てられています。パワートレインも、レクサス専用の3.5L V6ツインターボエンジン(GX550)が搭載されるなど、250系とは異なるキャラクターが与えられています。

RX(兄弟車:ハリアー)

レクサス公式

レクサスの売れ筋SUV「RX」は、トヨタ「ハリアー」と深い関係を持つモデルです。

もともと初代と2代目のRXは、国内では「ハリアー」として販売されていました。しかし、2009年の3代目RX登場時にレクサス専用モデルとなり、ハリアーは一時的にラインナップから消えました(※後にトヨタが独自にハリアーを復活させます)。

現行モデル同士では、RXとハリアーは直接的な兄弟車ではありませんが、同じ「GA-Kプラットフォーム」を使用しており、遠い親戚のような関係です。RXの方がボディサイズが一回り大きく、搭載されるエンジンもより強力で、静粛性や内装の質感もRXの方が格段に上となっています。

NX(兄弟車:ハリアー / RAV4)

レクサス公式

RXよりも一回りコンパクトなSUV「NX」は、現行の「ハリアー」や「RAV4」と共通のプラットフォーム(GA-K)を持つ兄弟車です。

サイズ感としてはハリアーに非常に近いですが、デザインはレクサス独自のエッジが効いたスポーティーなもので、全く異なる印象を受けます。

NXの大きな特徴は、パワートレインの多様性です。レクサス初のPHEV(プラグインハイブリッド)が設定されたほか、高性能な2.4Lターボエンジンなど、ハリアーやRAV4にはない強力な選択肢が用意されています。もちろん、内装の質感や静粛性もレクサス基準となっており、都市型SUVとしての高級感を強く感じさせます。

LM(兄弟車:アルファード / ヴェルファイア)

レクサス公式

レクサスが誇る最高級ミニバン「LM」は、トヨタ「アルファード」および「ヴェルファイア」とプラットフォームを共有する兄弟車です。

アルファード/ヴェルファイアが「大空間高級サルーン」を標榜するのに対し、LMは「ラグジュアリームーバー」として、その上を行く快適性と特別感を追求しています。

特に後席の体験は別格です。4人乗り仕様では、前席と後席を完全に仕切るパーティションが設置され、そこには48インチの大型ディスプレイや冷蔵庫まで備わっています。まさに「走るファーストクラス」と呼ぶにふさわしい空間ですね。価格もアルファード/ヴェルファイアの倍以上となり、ショーファードリブン(運転手付きで乗る車)としての性格が非常に強いモデルです。

RZ(兄弟車:bZ4X)

レクサス公式

レクサス初のEV専用モデル「RZ」は、トヨタ「bZ4X」およびスバル「ソルテラ」と、EV専用のプラットフォーム(e-TNGA)を共有する兄弟車です。

基本的な骨格は共有していますが、RZはレクサスの電動化ビジョンを体現するモデルとして、デザインや走りの味付けが大きく異なります。

エクステリアはレクサスの象徴である「スピンドルグリル」をEV時代に合わせて進化させた「スピンドルボディ」を採用。走りにおいても、四輪駆動技術「DIRECT4」を搭載し、よりダイレクトで気持ちの良い(レクサスらしい)走行性能を追求しています。bZ4Xと比べると、よりプレミアムでスポーティーなEVに仕上がっています。

【販売終了】ベース車・兄弟車があったレクサスモデル一覧

次に、惜しまれつつも販売を終了したモデルの中から、トヨタにベース車や兄弟車が存在した主な車種をご紹介します。当時の名車たちの関係性を見ると、レクサスの歴史がより深く理解できます。

レクサス車種ベース車 / 兄弟車(トヨタ)関係性
GSアリスト直系(アリストがGSに移行)
IS(初代)アルテッツァ直系(アルテッツァがISに移行)
ESカムリ / ウィンダム直系(ウィンダムがESに移行)
SCソアラ(4代目)直系(ソアラがSCに移行)
CTオーリス / プリウス兄弟車(プラットフォーム共有)
HSSAI(サイ)兄弟車(プラットフォーム・ハイブリッドシステム共有)

GS(ベース:アリスト)

2020年に販売を終了したレクサスのFRセダン「GS」は、トヨタで大人気だったスポーツセダン「アリスト」の直系モデルです。

アリストは「羊の皮を被った狼」とも呼ばれ、特に2JZ-GTE型ターボエンジンを搭載したモデルは圧倒的な速さを誇りました。2005年のレクサス国内開業時に、アリストはその名前を終え、「GS」としてレクサスラインナップに加わりました。

GSは、アリストの持つスポーティーな走りのDNAを受け継ぎつつ、レクサスらしい上質な内外装と快適性を融合させたモデルでした。FR(後輪駆動)ならではの素直なハンドリングが魅力で、生産終了を惜しむ声も多かったですね。

IS(ベース:アルテッツァ)

レクサスのコンパクトFRスポーツセダン「IS」。その初代モデルは、トヨタ「アルテッツァ」のレクサス版でした。

アルテッツァは、当時少なくなっていたコンパクトなFRセダンとして、走りの楽しさやクロノグラフ風のメーターなどが人気を博しました。2005年にアルテッツァは国内販売を終了し、レクサス「IS」へとバトンタッチしました。

現行のISは3代目にあたり、初代アルテッツァとは設計もデザインも全く異なりますが、「操る楽しさを追求するコンパクトFRセダン」という根本的なコンセプトは、今もISに強く受け継がれています。

ES(ベース:カムリ / ウィンダム)

現行モデルは日本でも販売されている「ES」ですが、かつて(4代目まで)はトヨタ「ウィンダム」として国内販売されていました。

ウィンダムは、トヨタ「カムリ」をベースにした前輪駆動(FF)の高級セダンで、「ES」の海外名でレクサスブランドでも売られていました。

その後、レクサスの国内展開(2005年)後も、ESはしばらく海外専用モデルでしたが、2018年にGSの販売終了と入れ替わる形で、7代目から日本市場にも導入されました。現行ESもカムリと共通のGA-Kプラットフォームを使っていますが、乗り心地や静粛性はESの方が格段に上質です。

(※ベースとなったカムリは2023年末で国内販売を終了しました)

SC(ベース:ソアラ)

2010年まで販売されていた電動メタルトップのクーペカブリオレ「SC」は、トヨタ「ソアラ」(4代目)の直系モデルです。

2001年に登場した4代目ソアラは、当初からレクサスブランドでの展開(海外名SC430)を前提に開発されました。そして2005年のレクサス国内開業と同時に、車名も「レクサス SC」へと変更・統一されました。

優雅なデザインとワンタッチで開閉できるルーフが特徴で、トヨタの高級クーペ「ソアラ」の歴史をレクサスが引き継いだ形となりました。

CT(兄弟車:オーリス / プリウス)

2022年に販売終了となったレクサス初(そして唯一)のハッチバックモデル「CT」(CT200h)は、トヨタ「オーリス」や「プリウス」(3代目)と共通のプラットフォーム(MCプラットフォーム)を使用した兄弟車でした。

ハイブリッド専用車として登場し、レクサスの中では比較的手頃な価格設定と、欧州車のような引き締まったデザイン、スポーティーな走りが人気を集めました。

基本的な骨格やハイブリッドシステムはトヨタ車と共通でしたが、内外装のデザインや質感、足回りのセッティングはレクサス専用に仕立てられていました。

HS(兄弟車:SAI)

2018年に販売を終了したレクサス初のハイブリッド専用セダン「HS」(HS250h)は、トヨタブランドで販売されていた「SAI(サイ)」と基本設計を共有する兄弟車でした。

どちらも「プリウス」の上位に位置するハイブリッドセダンとして開発されましたが、デザインや内装の質感は明確に差別化されていました。HSはレクサスらしい高級感を持ちつつ、SAIよりもややスポーティーな位置づけでした。

レクサスの中では目立たない存在でしたが、セダンとしての使い勝手と優れた燃費性能を両立した、実直なモデルでしたね。

ベース車なし!レクサス独自開発の主なモデル

最後に、トヨタに明確なベース車や兄弟車が存在しない、レクサスが独自に開発した主なモデルをご紹介します。これらのモデルは、レクサスのブランドイメージを牽引する重要な役割を担っています。

LBX

レクサス公式

2023年に登場したレクサスの最小SUV「LBX」は、よく「ヤリスクロスがベース?」と噂されますが、実際は異なります。

LBXは、ヤリスクロスも使用する「GA-Bプラットフォーム」をベースにしていますが、レクサス専用に大幅な改良(トレッド拡大、高剛性化など)を加えたものを使用しています。

開発担当者が「プラットフォームの“素性”はトヨタと共有しているが、もはや別物(意訳)」と語るように、乗り味も内外装の質感もヤリスクロスとは全く異なります。「高級車の常識を変える」というコンセプト通り、小さなサイズにレクサスとしてのこだわりを凝縮した、新しい時代のモデルと言えます。

UX

レクサス公式

コンパクトSUVの「UX」も、明確な兄弟車はありません。

プラットフォームは「GA-C」を採用しており、これはトヨタ「C-HR」(初代)や「カローラクロス」と共通です。しかし、UXはレクサス専用に開発されたモデルであり、特に都市部での取り回しの良さと、クーペのような流麗なデザインを両立させています。

C-HRとはデザインの方向性も内装の質感も大きく異なり、UXはより上質で洗練された都市型クロスオーバーとして独自の地位を築いています。

LC

レクサス公式

レクサスのフラッグシップクーペ「LC」は、ベース車のない完全な独自開発モデルです。

先に紹介した「SC」(元ソアラ)の実質的な後継モデルと見ることもできますが、LCはレクサスの新しい時代の象徴として、デザインも走りもゼロから作り上げられました。

低く構えたワイド&ローなフォルムは息をのむ美しさで、V8自然吸気エンジン(LC500)の官能的なサウンドや、FR(後輪駆動)専用の「GA-Lプラットフォーム」による優雅で鋭い走りは、まさにレクサスでしか味わえない世界観です。

RC

レクサス公式

「LC」よりも一回りコンパクトなクーペモデル「RC」も、レクサスの独自モデルです。

開発にあたっては、当時のGS(フロント)、IS(センター)、IS C(リア)と、複数モデルのプラットフォームを巧みに組み合わせてクーペ専用の骨格が作られました。そのため、特定のベース車は存在しません。

特に高性能モデルの「RC F」は、LCにも搭載されるV8 5.0L自然吸気エンジンを搭載し、サーキット走行もこなせる本格的なスポーツクーペとして、IS F(販売終了)と共にレクサスの「F」モデルの系譜を継いでいます。

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まとめ:ベース車を知るとレクサスの個性と進化がもっと見えてくる

今回は、レクサスの各車種とトヨタ車との関係性について、現行モデルから販売終了モデルまで詳しく解説しました。

  • レクサスにはトヨタ車ベース/兄弟車と、独自開発モデルがある。
  • ベースが同じでも、内外装の質感、静粛性、走りの味付けは明確に異なる。
  • 初期は「トヨタ車の上級版」が多かったが、現在はプラットフォームを共有しつつ独自性を高めた「兄弟車」や、「独自開発モデル」が主流。

ベース車や兄弟車の存在を知ることで、「レクサスがどこにこだわり、どれだけコストをかけてトヨタ車と差別化しているのか」が、より具体的に見えてきたのではないでしょうか。

単なる「元の車」という視点だけでなく、両者の違いや進化の過程を知ることで、レクサス車の持つ独自の魅力や個性をさらに深く楽しめるはずです。あなたの車選びの参考になれば幸いです。

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