愛猫の頭を撫でていると、うっとりした表情でぐーっと上を向くことはありませんか?「もっと撫でてほしいのかな?」「もしかして顎を撫でてほしいの?」など、その可愛らしい仕草にキュンとしながらも、本当の気持ちが気になる飼い主さんは多いでしょう。
結論から言うと、この行動はあなたへの信頼と「もっとこうしてほしい」というポジティブな要求のサインです。猫は言葉を話せない代わりに、こうした仕草で一生懸命コミュニケーションをとろうとしています。
この記事では、猫が頭を撫でると上を向く理由から、猫がもっと喜ぶ撫で方のコツ、そして注意すべきサインまで、分かりやすく解説していきます。
猫が頭を撫でると上を向く5つの理由
猫が頭を上げて上を向く行動には、一つだけでなく、いくつかの気持ちが隠されています。あなたの愛猫がどの気持ちに近いのか、想像しながら読み進めてみてくださいね。
もっと撫でてほしい「催促」のサイン
一番分かりやすい理由が、「もっと撫でてほしい」という催促の気持ちです。頭を撫でられるのが気持ちよくて、「その手を止めないで!」とアピールしています。
飼い主さんの手が止まりそうになったタイミングで頭をぐいっと持ち上げてくるなら、この可能性が高いでしょう。まるで「おかわり!」と言っているようで、愛おしくなりますね。
猫にとって頭や顔周りは、母猫に舐めてもらった記憶を思い出す、安心できる場所です。大好きな飼い主さんに撫でられることで、子猫の頃のような幸せな気持ちに浸っているのかもしれません。そんな時は、ぜひ満足するまで優しく撫で続けてあげてください。
ここを撫でて!「おねだり」のサイン
「頭もいいけど、次はこっちをお願いします!」と、撫でてほしい場所をリクエストしているケースもあります。頭をぐっと上げることで、自然と顎や首の下があなたの手に近づきますよね。
顎や首の下は、猫が自分では毛づくろいしにくい場所です。そのため、信頼している飼い主さんに撫でてもらうと、とても気持ちよく感じます。
もし頭を撫でている途中で上を向いたら、そっと指を顎の下に移動させてみましょう。ゴロゴロと喉を鳴らしてうっとりしたら、それは「大正解!」のサインですよ。猫からの可愛いおねだり、ぜひ応えてあげたいですね。
あなたを信頼しています!という「愛情表現」
猫にとって、喉や顎の下は神経が集中しているデリケートな部分であり、猫自身にとっても非常に敏感で重要な部位です。そんな無防備な場所を自らあなたに見せてくるのは、「あなたになら何をされても大丈夫」という最大限の信頼と愛情の証です。
特に、ゆっくりと目を細めたり、瞬きをしたりしながら上を向く場合は、リラックスして心を開いている証拠。飼い主さんとのコミュニケーションに、心から満足している状態といえるでしょう。
この行動は、誰にでも見せるわけではありません。あなたとの間に築かれた特別な絆の表れなのです。
自分の匂いをつけたい「マーキング」
猫の顔周りには、「臭腺(しゅうせん)」という匂いを出す器官が集中しています。頭をぐっと持ち上げてあなたの手に顔をこすりつけるのは、自分の匂いをつける「マーキング」の一種です。
これは「この人は自分のもの!」という所有権の主張や、自分の匂いをつけることで安心感を得るための行動と考えられています。あなたの手に自分の匂いがつくことで、猫は「ここは自分の縄張りで、安心できる場所だ」と感じるのです。
飼い主さんからすれば、匂いをつけられているという感覚はないかもしれませんが、猫にとっては大好きな飼い主さんを独り占めするための、大切な愛情表現なのですね。
撫でられやすい「ポジション調整」
特に深い意味はなく、単純に撫でられやすいように、気持ちいい角度に頭を動かしているだけ、というシンプルな可能性もあります。
私たち人間も、マッサージを受けるときなどに、無意識に体を動かして「もっとそこそこ!」とポジションを調整することがありますよね。猫もそれと同じで、あなたの手が触れやすいように、撫でられる感覚が一番気持ちよくなるように、頭の角度を微調整しているのです。
健気で可愛らしい理由ですが、これもあなたに撫でられるのが大好きだからこその行動といえるでしょう。
上を向くときと頭を下げるときの気持ちの違いは?
撫でているときに頭を「上げる」のではなく、「下げる」仕草を見せる猫もいます。この二つの行動には、猫の気持ちにどんな違いがあるのでしょうか。比較してみましょう。
行動 | 考えられる主な気持ち | 飼い主へのメッセージ |
---|---|---|
頭を上げて上を向く | 甘え、信頼、満足、催促 | 「気持ちいい!」「もっと撫でて!」「大好き!」 |
頭を下げて低くする | 警戒、恐怖、服従、不快 | 「ちょっと怖い…」「今はやめて」「そこじゃないよ」 |
このように、頭を上げる行動は基本的にポジティブなサインですが、頭を下げる行動はネガティブな気持ちの表れである可能性も考えられます。
特に、真正面から急に手を伸ばすと、猫は「叩かれるのではないか」と警戒して頭を下げてしまうことがあります。これは、猫の視野では、目の前にあるものが立体的に見えにくいため、恐怖を感じやすいからです。
猫を撫でるときは、猫の斜め後ろや横からそっと手を近づけるか、下からゆっくり手を差し伸べて匂いを嗅がせてあげると、猫も安心しやすいですよ。猫の気持ちを尊重することが、良い関係を築く第一歩となります。
猫がもっと喜ぶ撫で方!3つのポイント
せっかくなら、愛猫にもっと喜んでもらいたいですよね。ここでは、猫がとろけるほど気持ちよくなる撫で方のポイントを3つご紹介します。
指の腹を使って優しくゆっくりと
基本は、指の腹を使って優しく撫でることです。爪を立てたり、ゴシゴシと強くこすったりするのはやめましょう。毛の流れに沿って、ゆっくりとしたストロークで撫でてあげると、猫はリラックスしやすいです。
特に顔周りはデリケートなので、力を入れすぎないように注意してください。あなたがリラックスした気持ちで接することで、その安心感が猫にも伝わります。焦らず、穏やかな気持ちで触れ合ってみてください。
猫が特に好む場所を知ろう
猫には、撫でられて嬉しい場所の「ゴールデンゾーン」があります。一般的に、以下の場所は多くの猫が好む傾向にあります。
- 額から眉間にかけて
- 耳の付け根、耳の後ろ
- 顎の下、首周り
- しっぽの付け根(ポンポンと優しく叩くように)
逆に、お腹や足先、しっぽの先などは、触られるのを嫌がる猫が多い場所です。もちろん、猫の性格や気分によって好みは大きく異なるため、これはあくまで一般的な傾向です。まずは猫が好む場所から触れてみて、愛猫だけの「大好きポイント」を見つけてあげるのも楽しいですよ。
猫の反応をしっかり観察する
一番大切なのは、猫の反応をよく観察することです。猫は体全体で気持ちを表現しています。
- 喉をゴロゴロ鳴らす
※満足している時だけでなく、不安や体調不良で自分を落ち着かせたい時に鳴らすこともあります - うっとりと目を細める
- 体をすり寄せてくる
これらのサインが見られたら、気持ちよく感じている証拠です。一方で、しっぽを大きくパタパタ振ったり、耳を横に倒す「イカ耳」になったりした場合は、不快感を示しています。そのサインを見逃さず、しつこくせずに撫でるのをやめてあげましょう。「もう満足したよ」という合図を汲み取ってあげるのも、飼い主さんの大切な役目です。
【猫の社会化トレーニング】子猫のうちにすべきこと・成猫でもできるコツ
まとめ:猫のサインを読み取って、もっと仲良しに!
猫が頭を撫でると上を向くのは、あなたへの信頼と愛情がこもった、とてもポジティブなサインです。その裏には、「もっと撫でてほしい」「ここを撫でてほしい」といった可愛らしい要求が隠されています。
一方で、頭を下げるなど、ときには不快感を示すサインを見せることもあります。大切なのは、こうした猫の小さなサインを見逃さず、その気持ちに寄り添ってあげることです。
愛猫の気持ちを正しく理解し、適切なコミュニケーションをとることで、二人の絆はより一層深まっていくでしょう。これからも愛猫との素敵なスキンシップの時間を楽しんでくださいね。
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