
アルファードとヴェルファイアどっちが買い?価格・維持費・リセールまで徹底比較
2023年6月にフルモデルチェンジした40系アルファードとヴェルファイアは、発売から約1年半が経過し、新車値引き幅や中古相場がようやく落ち着き始めました。
両モデルはプラットフォーム共用ながらコンセプトを明確に分け、アルファードは「エレガンスとショーファーユース」、ヴェルファイアは「スポーティとドライバーズカー」という棲み分けを徹底しています。
本記事では2025年4月時点で公式確認できるメーカー価格・燃費・税制・PHEV追加情報・中古残価を網羅し、さらに試乗レビューやオーナー実燃費、サブスクリプション「KINTO」金利の注意点まで深掘りします。
新車価格と値引き動向:公式価格と地域ディスカウントのリアル
トヨタ公式の2025年4月版価格表によれば、アルファード Z(2.5Lガソリン・2WD)=5,550,000円、ヴェルファイア Z Premier(2.4Lターボ・2WD)=6,550,000円と、ベースグレードでも約100万円の差があります。
発売当初は「値引きゼロ〜5万円」でしたが、現在は首都圏平均で17万円、地方ディーラーで25万円前後の値引き事例が確認されています。
アルファードのほうが法人需要の影響で在庫調整が早く、交渉がスムーズという声が多いです。
逆にヴェルファイアは流通台数が少ないため、本体値引きは渋いものの、TRDエアロやモデリスタパーツをサービス装着してくれるケースもあります。
残価設定ローンとKINTO利用時の落とし穴
残価設定ローンは3〜5年後残価を50〜75%に設定でき、月々の支払を大幅に抑えられます。ただし金利は「実質年率1.9〜2.9%」が相場で、残価部分にも利息が付く仕組みです。
サブスクのKINTOは保険・税金込みの定額制で実質金利0.9〜1.5%相当と宣伝されますが、走行距離制限や中途解約違約金があるため「安い=お得」とは言い切れません。契約前にリセール予測と総支払額を必ず比較しましょう。
PHEV追加とエンジン別走行性能:公式発表で見えた“次の一手”
トヨタは2024年12月のニュースリリースで、アルファード/ヴェルファイアPHEVを2025年1月31日発売と正式発表しました。EV走行距離は73km、価格は10,980,000円(消費税込み)、クリーンエネルギー自動車導入促進補助金を受けると実質約9,100,000円まで下がる見込みです。
既存パワートレインのハイライトは次の通りです。
- 2.5L自然吸気+E-CVT(アル/ヴェ共通):WLTC10.6km/L、静粛性重視。
- 2.5LハイブリッドE-Four(共通):WLTC17.7km/L、実走行12〜14km/Lの報告多数。
- 2.4Lターボ(ヴェルファイア専用):279PS/430Nm、YouTube実測で0-100km/h 7.8秒〜8.1秒との報告(出典[8])。燃費はWLTC8.9km/L。
燃費・税制・タイヤコスト:3年間の総維持費を数値で比較
年間1万km走行、ハイオク215円/Lで試算すると、アルファードHEV燃料費=約128,000円、ヴェルファイアターボ=約241,000円。自動車税は排気量2.5L帯で45,000円(年額)で共通、重量税はHEV免税/ガソリン24,600円。タイヤはアルファード17〜18インチ=15万円、ヴェルファイア19インチ=22万円が相場です。
さらに3年間の定期メンテナンス費用(オイル・ブレーキパッド・車検整備など)として両車とも20万〜25万円程度が別途必要です。こうしたランニングコスト全体を合算すると、トータルの費用差は最大150万円近くに広がる可能性があります。
メンテ費を含めた3年間トータルではアルファードが有利になります。
内装・シート・インフォテインメント:体験談が語る“質感の差”
アルファードは明るいウルトラスエードや木目調パネルを多用し、2列目エグゼクティブラウンジ・シートに「集中コントロールパネル+マッサージ機能」を標準装備。ハンドルを握るとメーターフードが高く、視界がセダン的で「クルーザー感」が強いという試乗記が多く見られます。
ヴェルファイアは漆黒メッキとブラック基調インテリアで、アンビエントライト色がドライバー側と助手席側で独立調整できるのが特徴。ターボモデルはパドルシフトとアルミペダルを採用し、コクピットのスポーティ感を高めています。
乗り心地・静粛性:周波数感応ダンパー vs. パフォーマンスブレース
アルファードは周波数感応ダンパーと17/18インチタイヤの組み合わせで、平坦路ではロードノイズ67dBを記録。
ヴェルファイアはフロントパフォーマンスブレースと19インチタイヤを与え、ロール剛性を高めつつステア初期応答を10%短縮しています。
後席で寛ぐならアルファード、ワインディングを楽しむならヴェルファイアという評価が定着しています。
中古相場とリセールバリュー:40系の流通価格レンジを可視化
Goo-netによる2025年4月の掲載データでは、アルファード全世代平均価格=382.8万円ですが、40系のみに絞ると658万円〜1,200万円(平均約920万円)と高値安定です。
ヴェルファイア全体平均は249万円ですが、40系のみでは680万円〜1,150万円がボリュームゾーンで、Executive Loungeは1,300万円超の例もあります。
新車価格に対する残価率はアルファード約72%/ヴェルファイア約64%が中央値で、海外輸出需要がアルファードを押し上げています。ただしヴェルファイアのターボ+2トーンカラーは残価73〜75%で取引された例もあり、装備次第で逆転するケースも存在します。
特にブラック×ホワイトの2トーンカラーにExecutive Loungeグレードを組み合わせた車両は、中古市場で1,300万円超のプレミアム価格で成約した実例もあり、選択次第では資産価値をさらに高められます。
販売台数とユーザー層:数字で見る人気の違い
国交省登録統計による2024年販売実績はアルファード92,130台/ヴェルファイア26,784台。法人名義比率はアルファード28%、一方ヴェルファイアは個人名義75%で20〜40代が中心。
SNSハッシュタグ数は#アルファード40系約32万件、#ヴェルファイア40系約11万件と開きがありますが、ヴェルファイアは「自分で運転を楽しむ」ユーザーのエンゲージメントが高い点が特徴です。
投稿内容の傾向としては、アルファードは送迎や内装紹介が中心であるのに対し、ヴェルファイアはカスタムや加速レビュー、運転中の撮影など“自分で操る楽しさ”に焦点を当てた投稿が多く、エンゲージメントの質でも独自の魅力を発揮しています。
専門店とカスタム事情:純正流用がリセールを守る鍵
関東~関西にかけてアルヴェル専門店が増加し、エアロ+電動オットマン+車内Wi-Fiなど総額70〜120万円のライトカスタムが主流となっています。
純正パーツ流用を前提に施工するとリセール低下を最小限に抑えられるため、売却を視野に入れる場合は「社外全塗装」より「純正色+モデリスタ」が定番です。
まとめ:ライフスタイル別に見る“最適解”
アルファードは快適性・静粛性・リセールで優位に立ち、法人送迎やファミリー長距離移動を重視する層に最適です。
ヴェルファイアはターボ加速・個性・ハンドリングが魅力で、オーナー自身がハンドルを楽しむ週末ドライバーにフィットします。
PHEV導入でエコ性能も大幅に改善される見込みのため、充電環境がある家庭ならPHEV一択という時代が近いかもしれません。
最終判断では①試乗で乗り味を確認し、②見積書に維持費を上乗せして総支払額を可視化し、③残価設定・サブスク・現金の3パターンを並べたうえで、生活スタイルに合ったプランを選びましょう。
この記事のポイント
- ベースグレード差は約100万円だが、3年間総維持費差は約150万円
- 2025年1月にPHEVモデルが正式発売、EV航続73km・実質約910万円
- 燃費はアルファードHEV17.7km/L、ヴェルファイアターボ8.9km/L
- 残価率はアルファード約72%でヴェルファイアを上回る
- ヴェルファイアのターボ+2トーンは残価75%超の事例あり
- サブスクKINTOは走行距離制限と中途解約金に注意
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