
Windowsアップデート後にPCが起動しない・再起動を繰り返すなど不調の原因と対処法まとめ【ブルースクリーン・ループ・真っ暗】
Windowsアップデートのあとに突然PCが起動しなくなったり、ブルースクリーンや再起動ループが続いて困っていませんか?この記事では、Windowsアップデート後に発生しやすい代表的な不具合とその原因、すぐに試せる対処法を分かりやすく解説します。回復環境の使い方からドライバの修復方法、最終手段まで幅広く網羅していますので、パソコンの不調にお悩みの方はぜひ参考にしてください。
あくまでも参考としてまとめていますので、操作においては自己責任でお願いします。分からない設定や不安要素がある操作は無理には行わず、ハードルが低いものから試すと無難です。
よくある原因
ドライバの不具合・互換性問題
- 概要
新しいWindowsアップデートと古いドライバの組み合わせ、もしくはドライバ自体の不具合によって、OS起動時にエラーが発生する場合があります。 - 具体例
- グラフィックドライバ: アップデート後に画面が真っ暗になる、ブルースクリーンが出る
- チップセットドライバ: マザーボード関連のドライバが正しく機能せず、再起動を繰り返す
Windowsアップデートのインストール不良・ファイル破損
- 概要
アップデートの途中でPCの電源が落ちてしまったり、ネットワークが不安定だったりすると、アップデート関連のファイルが破損して起動不能やエラーの原因となることがあります。 - 具体例
- 更新が中断され、再起動を繰り返す(再起動ループ)
- アップデートの一部ファイルが壊れ、ブルースクリーンエラー(例:0x800xxxxxなどのコード)が発生
セキュリティソフトや常駐ソフトの競合
- 概要
ウイルス対策ソフトや、スタートアップ時に自動起動する常駐プログラムがアップデートされたWindowsと競合し、起動エラーや強制再起動を招く場合があります。 - 具体例
- 起動直後にセキュリティソフトがエラーを出す
- ログイン画面が表示されずに再起動が繰り返される
ハードウェアの劣化やBIOS設定
- 概要
物理的なハードディスクやメモリなどの劣化・故障、あるいはBIOSの設定(Secure BootやFast Bootなど)との相性が原因で起動しないケースもあります。 - 具体例
- アップデートを機にHDD/SSDの故障が顕在化
- BIOSの変更がアップデートに合わず、ブルースクリーンや再起動ループが発生
代表的な症状と初期対処策
ブルースクリーン(BSOD)が出る
- エラーコードを確認する
画面に表示される「0x000000xx」や英字のエラーコード(例:VIDEO_TDR_FAILURE、SYSTEM_THREAD_EXCEPTION_NOT_HANDLED)をメモしましょう。
代表的なエラー例としては、以下のようなものがあります。
・VIDEO_TDR_FAILURE:グラフィックドライバやGPU関連のトラブル。画面が固まる、真っ暗になるなどの症状と関連することが多い。
・SYSTEM_THREAD_EXCEPTION_NOT_HANDLED:ドライバが正しく動作しない、またはOSが不正な処理に対処できなかったときに表示される。特定のハードウェアやソフトの影響が疑われます。
・INACCESSIBLE_BOOT_DEVICE(起動ドライブの認識エラー)
・CRITICAL_PROCESS_DIED(重要なシステムプロセスの停止)
・BAD_SYSTEM_CONFIG_INFO(レジストリ構成の不整合)
これらを確認することで、問題の原因をより正確に特定できます。 - セーフモードで起動を試す
- 起動時に強制的に電源を落とし、3回ほど再起動を繰り返すと、自動修復モードや「回復環境(Windows RE)」が立ち上がります。
- 「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「スタートアップ設定」→「再起動」→「セーフモードを有効にする(4または5を選択)」の順でセーフモードを起動します。
- 不要・古いドライバを削除・更新する
- セーフモードで起動できたら、デバイスマネージャーから問題のあるドライバを「アンインストール」または最新のバージョンにアップデートします。
再起動ループが続く
- 周辺機器を外す
- キーボードとマウス以外のUSB機器・外付けドライブを外してから起動してみます。
- ドライバの競合が原因の場合、これだけで正常に起動することもあります。
- 強制シャットダウン → 回復環境へ
- 上記と同様、起動途中で電源ボタンを長押しして強制シャットダウンを複数回行うことで自動修復モードに入ります。
- トラブルシューティングから「スタートアップ修復」を試し、それでもダメなら「詳細オプション」内の「前のビルドに戻す」や「システムの復元」を試します。
- 最近のアップデートをアンインストールする
- 回復環境の「詳細オプション」→「更新プログラムのアンインストール」から、最近インストールしたばかりの品質更新プログラムや機能更新プログラムをアンインストールしてみます。
起動不能(真っ暗/ロゴ画面で止まる、Windowsが立ち上がらない)
- 回復ドライブまたはインストールメディアでブートする
- 別のPCで作成したWindows 10/11のUSB回復ドライブ、またはインストールメディアから起動し、「コンピューターを修復する」(または「このPCを修復する」)を選択します。
作成手順については、以下のMicrosoft公式ガイドを参考にしてください。
>Windowsのインストールメディアの作成(Microsoft公式) - そこから「スタートアップ修復」「システムの復元」「コマンドプロンプト」などを利用して復旧を試みます。
- 別のPCで作成したWindows 10/11のUSB回復ドライブ、またはインストールメディアから起動し、「コンピューターを修復する」(または「このPCを修復する」)を選択します。
- SFC /scannow や DISM でシステムファイルを修復
- 回復環境で「コマンドプロンプト」を開き、
sfc /scannow
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth
などのコマンドを実行し、システムファイルの破損を修復します。
- 回復環境で「コマンドプロンプト」を開き、
- ハードウェアのチェック
- BIOS上でストレージ(HDD/SSD)が正しく認識されているか確認。
ただし、BIOS設定の変更は慎重に行う必要があります。Secure BootやFast Bootなどの設定を変更する前には、元の状態をメモしておくと復旧時に役立ちます。 - メモリテストツール(Windowsメモリ診断)などを利用して、物理故障を疑う場合はハードウェア検査も行います。
- BIOS上でストレージ(HDD/SSD)が正しく認識されているか確認。
回復後の予防策
- システムの復元ポイントを有効化し、定期的に作成しておく
- Windowsアップデート前に自動的に作成される場合もありますが、自分でこまめに作成しておくと、安全に元の状態へ戻せます。
- ドライバを定期的に最新バージョンに更新する
- グラフィックドライバやチップセットドライバ、サウンドドライバなどは定期的にメーカーサイトやWindows Updateから更新し、最新のものを使うと問題が減ります。
- 不要な常駐ソフトやセキュリティソフトの重複インストールを避ける
- ウイルス対策ソフトを複数導入していると競合が発生する場合があります。一本化や不要ソフトの削除を検討します。
- アップデートの大型機能更新前にバックアップを取る
- 大きな機能更新(Feature Update)やバージョンアップ前には、重要データを外付けHDDやクラウドにバックアップしておくと安心です。
どうしても起動しない場合の最終手段
- 初期化・再インストールを検討する
- 重要なファイルがバックアップ済みであれば、WindowsのクリーンインストールやPCリセット(初期状態へのリカバリ)で環境を整えなおす方法があります。
- BIOS/UEFI設定の既定値に戻してから行うと、より安定して再インストールできる場合もあります。
- 専門業者やメーカーサポートに相談
- ハードウェア故障の疑いが強い場合や自力での復旧が困難な場合は、メーカーサポートやパソコン修理業者に相談しましょう。
まとめ
Windowsアップデート後に起動しなくなったり、不調が発生する原因としては、主に「ドライバの競合」「アップデートファイルの破損」「常駐ソフトのトラブル」「ハードウェアの問題」などが考えられます。症状によっては再起動ループに陥ったり、ブルースクリーン(BSOD)が頻発したり、そもそもWindowsが立ち上がらないケースもあります。
まずはセーフモードや回復環境を利用してトラブルシューティングを行い、必要に応じて「最近のアップデートのアンインストール」「ドライバの修復」「システムの復元」などを試すと解決の糸口となります。どうしても解決できない場合は、最終的にクリーンインストールやメーカーサポートへの依頼を検討しましょう。
アップデート前にバックアップを取り、定期的に復元ポイントを作成しておくことで、万が一トラブルが起きてもスムーズに元の状態へ戻せます。日頃からこれらの対策を意識して、安心してWindowsを利用できる環境を整えておくことが大切です。
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