USB機器が認識されない原因と対処法まとめ【Windows・Mac対応の完全ガイド】
USBメモリや外付けHDD、マウスなどが突然パソコンに認識されなくなった…。そんな経験はありませんか？このようなUSB接続のトラブルは、ドライバや設定、ポートの不具合などさまざまな原因で発生します。
この記事では、USB機器が認識されないときの原因と復旧方法を、初心者にもわかりやすく解説します。
（Windows・Macの両方に対応）
手軽にできる確認方法から、少し高度な設定変更まで、段階的に紹介しています。
あくまでも参考としてまとめていますので、操作においては自己責任でお願いします。分からない設定や不安要素がある操作は無理には行わず、ハードルが低いものから試すと無難です。
電源管理設定・高速スタートアップの見直し
電源管理設定が影響する理由
Windowsには、省電力のために未使用のUSBポートやデバイスへの電力供給を自動的に制御する機能があります。この設定によっては、電源が不十分な状態になり、USBデバイスが正しく認識されなくなる場合があります。
電源管理設定（USBルートハブ）
- デバイスマネージャーを開く
- 「Windowsキー + X」→「デバイスマネージャー」を選択。
- または「スタート」メニューから検索バーに「デバイスマネージャー」と入力して開きます。
- 「ユニバーサル シリアル バス コントローラー」を展開
- 一覧から「ユニバーサル シリアル バス コントローラー」をクリックして展開します。
- USBルートハブの電源管理設定を確認
- 「USBルートハブ」を右クリック→「プロパティ」→「電源の管理」タブを開きます。
- 「電力の節約のために、コンピューターがこのデバイスの電源をオフにできるようにする」のチェックを外し、「OK」で設定を保存します。
- 再起動を行う
- 変更後はパソコンを再起動して設定を反映させ、USB機器が認識されるか確認します。
ポイント
スリープや休止状態を多用する方は、この設定が原因でUSB機器が一時的にオフになり、復帰後に再認識されないケースがあります。チェックを外すと、この問題が解消されることが多いです。
高速スタートアップの無効化（Windows 10/11など）
高速スタートアップは、パソコンの起動を高速化する機能ですが、USBドライバなど一部のハードウェア関連で不具合を起こすことがあります。
- 「コントロール パネル」 → 「電源オプション」 → 「電源ボタンの動作を選択する」
- 「現在利用可能ではない設定を変更します」をクリック
- 「高速スタートアップを有効にする（推奨）」のチェックを外す
- 設定を保存し、再起動してみてください。
USBセレクティブサスペンド設定の無効化（任意）
より細かな省電力設定の一つに「USBセレクティブサスペンド」があります。これを無効にすることで、USBデバイスの電源断を防止できます。
- 「コントロールパネル」→「電源オプション」→「プラン設定の変更」
- 「詳細な電源設定の変更」を開く
- 「USB設定」→「USBのセレクティブサスペンドの設定」を「無効」に変更
- 「適用」→「OK」で設定を保存し、再起動
注意
セレクティブサスペンドを無効にすると、電池駆動（ノートPC）の場合、バッテリー消費が増えることがあります。必須ではありませんが、USBトラブルを避けるために試す価値はあります。
USBポートの変更（物理ポートの差し替え）
なぜポート変更が効果的か
- PC本体には複数のUSBポートが存在し、内部コントローラーや規格（USB 2.0、3.0、3.1など）が異なる場合があります。
- 特定のポートに問題がある、あるいはUSBハブが故障しているなど、物理的な問題で認識されない場合もあるため、別のポートへの挿し替えはシンプルかつ有効な方法です。
チェック方法
- 接続ポートを把握
- デスクトップPCの場合、前面と背面にポートがあり、背面ポートはマザーボード直結のため安定性が高いとされます。
- ノートPCでは左右に複数ポートがあることが多いです。
- 別のポートに挿し直す
- 認識されない場合は、一度取り外し、別のポートに接続してみてください。
- 可能ならUSB 3.x（青色端子）など、新しい規格のポートも試してみるとよいでしょう。
- USBハブの使用を控える
- USBハブを使っていると、ハブの電源不足や故障で不具合を起こす場合もあります。
- テストのために一度、PC本体へ直接挿して認識するかを試してください。
- 特に、外付けHDDやDVDドライブなどのバスパワー（電源供給がUSBのみ）タイプの機器は、十分な電力が供給されないと動作しない場合があります。
- その場合、Y字型USBケーブル（電力補助用）やセルフパワーUSBハブ（電源アダプター付き）を使うと改善する可能性があります。
デバイスマネージャーのチェック
ドライバの状態確認
USB機器が認識されない場合、「不明なデバイス」「！」マークがついているかを確認しましょう。これはドライバの問題やデバイス自体の異常を示唆しています。
手順
- デバイスマネージャーを開く
- 「Windowsキー + X」 → 「デバイスマネージャー」で起動。
- 該当デバイスを探す
- 「ほかのデバイス」や「ユニバーサル シリアル バス コントローラー」などで「！」や「？」がないか確認。
- 「不明なデバイス」が表示されている場合は、問題の機器である可能性が高いです。
- ドライバの更新または再インストール
- 対象デバイスを右クリック → 「ドライバーの更新」
- 自動検索を試しても解決しない場合は、メーカーサイトから最新ドライバをダウンロード・インストールしてください。
- デバイスの削除と再インストール
- 「デバイスのアンインストール」を選択し、USB機器を再接続するか、「ハードウェア変更のスキャン」を実行します。
Windowsアップデート後のトラブル
- Windowsアップデートのタイミングでドライバとの互換性が崩れる例があります。
- 特に古いデバイスやレガシードライバを使用している場合、アップデート後に認識されなくなるケースがありますので、ドライバの更新状況をチェックしてください。
その他の追加対策
BIOS（UEFI）の設定確認
- PC起動時に「BIOS（UEFI）」画面を開き、USB関連の設定が有効になっているか確認します。
- 「Legacy USB Support」や「USB Configuration」などの項目が無効化されていると、OSが正常にUSBデバイスを認識しない場合があります。
- ただし、BIOS画面の構成はメーカーやマザーボードによって異なるため、変更の際は取扱説明書や公式ドキュメントをよく確認してください。
USBコントローラーのリセット
- 一部のマザーボードやUEFIには、USBコントローラーをリセットする機能があります。
- 「CMOSクリア」を行うとBIOS設定が初期化されるため、USBの設定がリセットされて問題が解決することもあります。
- CMOSクリアはやや上級者向け作業なので、手順を十分に理解したうえで行ってください。
他のOS（Mac OS・Linuxなど）の場合
- Mac OS
- USB機器が認識されない場合、「システム情報」→「USB」からデバイスが表示されるか確認します。
- PRAM/SMCリセット（※Intel Macの場合）の実施も効果があります。
- Linux
- ターミナルで
lsusbコマンドを実行し、デバイスが認識されているか確認します。 - USB周りのドライバ（カーネルモジュール）を確認し、必要に応じてアップデートや再インストールを行ってください。
- ターミナルで
法人PCや学校PCなど、制限のある環境での注意点
職場や学校で使用しているパソコンの場合、セキュリティの観点からUSBポートが制限されているケースがあります。
- 管理者によってグループポリシーやセキュリティソフトでUSB接続が無効化されている場合、個人では解除できません。
- このような環境では、システム管理者やIT部門に確認・依頼することが必要です。
- 自宅では問題なく動作するUSB機器が、職場では反応しないという場合は、こうした制限が原因かもしれません。
ポイント
法人や教育機関のPCでトラブルが起きた場合、安易に設定を変更するのではなく、まずは管理者に相談して対応してもらうのが安全です。
まとめ
USB機器が認識されないトラブルに直面した場合は、下記の手順を順に試すとスムーズです。
- 電源管理設定・高速スタートアップの見直し
- 「USBルートハブ」の電源オフ設定を解除する。
- 高速スタートアップを無効化してみる。
- 必要に応じて「USBセレクティブサスペンド設定」を無効にする。
- 物理的なUSBポートを変更
- 別のUSBポートやUSBハブを避けて直接接続し、問題の切り分けをする。
- デバイスマネージャーのチェック
- 「不明なデバイス」「！」マークを確認し、ドライバの更新や再インストールで改善を図る。
- Windowsアップデート後のトラブルにも注意。
- 追加対策（BIOS設定やOS別の方法）
- BIOS設定のUSBサポートやUSBコントローラーのリセットを検討。
- MacやLinuxでは、それぞれのシステム情報やコマンドでデバイス認識状況を確認。
これらの対処を行っても改善しない場合、USB機器そのものの故障や、マザーボードの不具合などハードウェアの問題が考えられます。別のパソコンやデバイスで動作テストを行って切り分けるか、専門業者やメーカーサポートへ相談してみてください。
まずは手軽に試せる方法から順番に実行し、USB機器を快適に使えるようにトラブルを解決してください。
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