団塊の世代(1947年〜1949年生まれ)が75歳以上の後期高齢者に突入し、定年後の生活は「第二ステージ」へと移行しています。これからの人生を豊かに過ごすために必要なのは、現実に即した「資金計画」と、心身の活力を保つ「趣味と健康管理」です。
本記事では、最新の統計データに基づく貯蓄の目安や、シニア世代に今人気の趣味トレンド、そして健康寿命を延ばすための具体的なアクションプランを解説します。漠然とした不安を解消し、今日から始められる充実した生活のヒントを持ち帰ってください。
団塊の世代の現在地と定年後のリアルな生活実態
「2025年問題」を経て、団塊の世代の皆様は全員が75歳以上の後期高齢者となりました。かつての「定年直後」とは異なり、これからは資産を取り崩しながら生活するフェーズに入ります。まずは、同世代の経済状況と生活のリアルを客観的な数字で確認しましょう。
70代の貯蓄額「平均値」と「中央値」の大きな差
老後の資金計画を立てる際、平均値だけを見て安心したり焦ったりするのは危険です。一部の富裕層が数字を引き上げているため、より実態に近い「中央値」を確認することが重要です。
総務省や金融広報中央委員会の直近のデータ(2024年〜2025年公表値)によると、70代の金融資産保有額には以下のような傾向が見られます。
| 項目 | 平均値(目安) | 中央値(目安) |
|---|---|---|
| 二人以上世帯の金融資産 | 約1,900万〜2,400万円 | 約700万〜1,100万円 |
| 単身世帯の金融資産 | 約1,500万〜1,600万円 | 約400万〜500万円 |
中央値を見ると、現役時代のような潤沢な資金があるわけではない世帯が多いことがわかります。年金収入だけで生活費を賄える世帯は限られており、毎月の赤字分を貯蓄から補填するスタイルが一般的です。
参考:家計調査報告(貯蓄・負債編)2024年(総務省統計局)
参考:家計の金融行動に関する世論調査(金融広報中央委員会)
「資産寿命」を延ばすための考え方
人生100年時代において、身体の寿命よりも先に資産が尽きる事態は避けなければなりません。75歳からの資産管理で大切なのは「増やす」ことよりも「守りながら使う」ことです。
具体的には、以下の3つの見直しが効果的です。
- 固定費のダウンサイジング:乗らなくなった車の処分や、過剰な保険の解約、通信費の見直し(格安スマホへの移行)。
- 医療・介護費の確保:突然の入院や介護リフォームに備え、手元に流動性の高い現金(普通預金)を300万〜500万円程度は確保しておく。
- ポイ活やシニア割の活用:JRの「大人の休日倶楽部」や映画館のシニア割引など、年齢による特権をフル活用して支出を抑える。
定年後の生活を充実させる「趣味」の選び方と人気トレンド
仕事という役割を卒業した後、心の張り合いとなるのが「趣味」です。しかし、「何をすればいいかわからない」という方も少なくありません。ここでは、複数の最新調査を基に、団塊の世代に支持されている趣味の傾向を紹介します。
【2025-2026年版】シニア世代に人気の趣味トップ5(総合版)
ソニー生命保険やモバイル社会研究所などの最新データを分析すると、シニア世代の趣味は「外出・旅行」といったアクティブな活動と、「デジタル活用・鑑賞」といったインドアな活動の二極化が進んでいます。
これらの調査結果を総合し、当サイトが独自にまとめた人気ランキングは以下の通りです。
| 順位 | 趣味のジャンル | 人気の理由・特徴 |
|---|---|---|
| 1位 | 国内旅行・温泉 | 多くの調査で不動の1位。夫婦での思い出作りや、全国の美食を楽しむ活動として人気。平日利用で安く行けるのも魅力。 |
| 2位 | 散歩・ウォーキング | 健康意識の高まりにより上位に。特別な道具が不要で、スマホの歩数計アプリと連動させて楽しむ人が増加中。 |
| 3位 | 家庭菜園・ガーデニング | 植物の成長を見守る喜びと、収穫した野菜を食べる実益を兼ねる。適度な運動として継続しやすい。 |
| 4位 | 読書・映画鑑賞 | 自宅でマイペースに楽しめる定番の趣味。最近は電子書籍や動画配信サービス(VOD)を利用するシニアも急増。 |
| 5位 | パソコン・スマホ活用 | SNSでの交流、株取引、プログラミング学習など。指先を使うため脳トレとしての効果も期待されている。 |
※本ランキングは、ソニー生命保険「シニアの生活意識調査2024」およびモバイル社会研究所「シニアの趣味に関する実態調査」などのデータを参考に、当サイトが独自に構成したものです。
参考1:シニアの生活意識調査2024(ソニー生命保険)
参考2:シニアの趣味に関する実態調査(モバイル社会研究所)
お金をかけずに楽しめる「実益を兼ねた趣味」
年金生活において、趣味にお金をかけすぎるのは不安要素です。そこで注目されているのが、コストを抑えつつ実益や社会貢献につながる活動です。
例えば、シルバー人材センターでの軽作業は、月数万円の収入を得ながら社会との接点を持てます。また、料理教室に通って自炊スキルを上げることは、食費の節約と健康管理に直結します。図書館を活用した歴史研究や、地域のボランティアガイドなども、知的好奇心を満たすコストパフォーマンスの高い趣味と言えます。
お金のかからない趣味30選!無料 or 少額で楽しめるインドア・アウトドアな趣味を徹底解説
健康寿命を延ばすための「フレイル」対策
団塊の世代が今、最も意識すべきは生活習慣病(メタボ)対策よりも、「フレイル(虚弱)」対策です。75歳を過ぎると、筋肉量や気力が低下しやすくなります。
「きょういく」と「きょうよう」が老化を防ぐ
健康長寿の秘訣として、シニア世代の合言葉になっているのが「きょういく」と「きょうよう」です。
- 今日、行く(きょういく)ところがある:外出する目的や予定があること。
- 今日、用(きょうよう)がある:誰かに必要とされたり、役割があったりすること。
この2つがある人は、ない人に比べて認知症の発症リスクや身体機能の低下リスクが低いことがわかっています。家に閉じこもらず、一日一回は外の空気を吸い、人と挨拶を交わすことが最大の健康法です。
タンパク質の摂取と口腔ケア
食事面では、粗食になりすぎないことが重要です。「あっさりしたもの」ばかり食べていると、タンパク質不足により筋肉が減少(サルコペニア)します。肉、魚、卵、大豆製品を毎食意識して取り入れましょう。
また、口の機能が衰える「オーラルフレイル」にも注意が必要です。硬いものが噛めなくなると、食事が偏り、全身の虚弱につながります。歯科検診を定期的に受け、自分の歯で噛める状態を維持することが、定年後の生活の質を左右します。
参考:パンフレット「食べて元気にフレイル予防」(厚生労働省)
まとめ
団塊の世代の定年後の生活は、75歳を過ぎた今、新たな局面を迎えています。平均値に惑わされずに堅実な資金管理を行い、フレイル予防を意識した生活習慣を取り入れることが大切です。
そして何より、無理にお金をかけなくても、散歩やデジタル活用など、日常の中には楽しめる趣味がたくさんあります。「今日行くところ」と「今日ある用事」を大切にし、社会や家族との緩やかなつながりを保ちながら、自分らしい豊かな時間を過ごしてください。

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