「5メートル」と言われても、すぐにその長さや高さをイメージできる人は意外と少ないのではないでしょうか。日常生活の中で「ここから5メートル離れてください」「高さ5メートルの看板」といった言葉を耳にしても、明確な基準がないとピンとこないものです。
結論から言うと、5メートルは「大型ミニバン(アルファードなど)の全長」や「大人の歩幅で約7歩分」に相当します。
本記事では、5メートルがどのくらいの長さ・高さ・距離感なのかを、身近な乗り物や動物、スポーツのルール、家の中にある日用品などに例えて分かりやすく解説します。
5メートルはどのくらい?まずはざっくりとした距離感を掴もう
5メートルという長さを直感的に理解するためには、私たちが普段からよく知っているものを基準にするのが一番の近道となります。ここでは、自分の身体や家の中の空間など、もっとも身近な例を使って5メートルの距離感を解説していきましょう。
| カテゴリ | 身近な例 | 5メートルとの関係 |
|---|---|---|
| 乗り物 | 大型ミニバン(アルファード等) | 車の全長がほぼ5m |
| 生き物 | キリン(大人のオス) | 足から頭の先までの高さが約5m |
| 日用品 | 一般的な巻き尺(メジャー) | 家庭用で一番普及している長さが5m |
| 建物 | 住宅の2階の床・窓の下端 | 地面からの高さが約4〜5m |
大人の歩幅で計算すると何歩分になる?
5メートルという距離を歩いて測る場合、大人の歩幅で計算するとおよそ何歩になるのでしょうか。一般的に、人間の自然な歩幅は「身長×0.45」という計算式で導き出すことができます。例えば、身長170cmの大人の場合、歩幅は約76.5cmという計算になります。
この歩幅で5メートル(500cm)を歩こうとすると、「500 ÷ 76.5 ≒ 6.5」となり、だいたい6歩半から7歩程度で到達することになりますね。女性で身長158cmの方なら歩幅は約71cmなので、ちょうど7歩歩けばほぼ5メートルに達する計算です。
日常的に歩くスピードで「1、2、3…」と7歩進んだ先の景色を想像してみてください。特別な道具がなくても、自分の歩数でおおよその距離を測れるようになると、家具の配置を考えたり目的地までのちょっとした距離を推測したりする際に非常に便利と言えます。まずはご自身の身長から歩幅を計算し、普段の歩数と距離感の感覚をすり合わせておくことをおすすめします。
一般的な成人の身長で例えると何人分?
長さをイメージする際、人の身長を横に倒して並べる想像をするのも一つの分かりやすい方法です。日本の成人男性の平均身長は約171cm、成人女性の平均身長は約158cmとされています。この数値を基準にして5メートルを計算してみましょう。
仮に身長170cmの人が縦に一直線に寝そべったとします。3人並ぶと「170cm × 3人 = 510cm(5.1メートル)」となります。つまり、5メートルは「大人が3人寝そべった長さ」とほぼ同じ距離感になるわけです。
目の前の空間に、大人3人が縦に並んでいる様子を思い浮かべてみてください。一人分のスペースだけでもそれなりに幅を取りますが、それが3人分ともなると、かなりゆったりとした距離に感じられるのではないでしょうか。引っ越しや模様替えの際、部屋の壁の長さを目測したいときに「人が3人寝られるくらいだな」と考えれば、おおよそ5メートルだと判断できます。
【早見表つき】6フィートは何センチ?計算方法と身長換算表を分かりやすく解説
部屋の広さ・畳のサイズで換算すると何畳分?
日本の住宅において、長さを測るもっとも身近な基準となるのが「畳(たたみ)」のサイズでしょう。地域によって畳の大きさには若干の差(京間、中京間、江戸間など)がありますが、ここでは一般的な中京間を基準に考えてみます。
中京間の畳は、長辺が約1.82メートル(六尺)となっています。5メートルをこの畳の長さで割ると、「5 ÷ 1.82 ≒ 2.74」となります。つまり、畳の長いほうの辺を約2.7枚分(3枚弱)真っ直ぐに繋げた長さが、5メートルの距離感に相当します。
6畳間の部屋を想像してみてください。長方形の6畳間の場合、長いほうの壁の長さがちょうど畳2枚分(約3.6メートル)になります。5メートルはそれよりもさらに畳1枚弱分長い距離ですので、一般的なマンションの寝室や子供部屋の端から端までの距離よりも、ひと回り長い空間であることがイメージできるはずです。
【乗り物編】身近な車や自転車で5メートルの長さをイメージする
道路に出れば、たくさんの乗り物が走っています。車や自転車などは工業製品として規格が決まっているため、距離感を掴むための「動く基準」として非常に優秀です。ここでは、街中でよく見かける乗り物を使って5メートルを解説します。
ミニバンや大型SUVの全長が約5メートル
車のサイズは、5メートルの長さを知る上で最も適した身近な例と言えます。中でも、ファミリー層に絶大な人気を誇るトヨタの「アルファード」や「ヴェルファイア」、あるいは大型SUVの「ランドクルーザー」などの全長が、およそ5メートルに設定されています。
具体的には、アルファードの全長は約4.995メートルです。車体の最前部(フロントバンパー)から最後部(リアバンパー)までの長さが、まさに私たちが探している「5メートル」そのものなのです。街中でこれらの大きな車を見かけたら、「あの車の長さがちょうど5メートルなんだな」と記憶に留めておくと良いでしょう。
これほど大きな車庫入れをスムーズに行うドライバーの凄さもさることながら、車1台分のスペースがいかに広大な空間を占めているかが実感できるはずです。駐車場でアルファードの横を歩いて通り過ぎるのにかかる時間や距離も、5メートルの感覚を養う良いトレーニングになります。
セダンやコンパクトカーと比較した距離感
大型のミニバンが5メートルだと言われても、普段乗っている車がもっと小さい場合はピンとこないかもしれません。そこで、街中でよく見かける他の車種とも比較してみましょう。
例えば、ホンダの「フィット」やトヨタの「ヤリス」といった一般的なコンパクトカーの全長は、約4メートル弱(3.9メートル前後)に設計されています。また、軽自動車の全長は法律で3.4メートル以下と定められています。つまり、5メートルという長さは「コンパクトカーより1メートル長い」「軽自動車より1.6メートルも長い」距離ということになりますね。
軽自動車の後ろにもう一台、自転車を縦に置いたくらいのスペースを足すと、ちょうど5メートルになるイメージです。自分が普段運転している車や、カーシェアでよく借りる車のサイズを基準にして、「自分の車よりこれくらい長い」という差分を認識しておくと、より精度の高い距離感を掴むことができます。
おなじみの自転車(シティサイクル)を並べると何台分?
車よりもさらに身近な乗り物といえば自転車です。通勤や通学、お買い物などで日常的に使われている、いわゆる「ママチャリ」と呼ばれるシティサイクルの長さを基準に考えてみましょう。
一般的な26インチサイズのシティサイクルの全長は、およそ1.7メートルから1.8メートルほどあります。この自転車を前後に真っ直ぐ並べた場合、「1.7m × 3台 = 5.1m」となります。したがって、自転車を縦に3台並べた長さが、ほぼ5メートルに等しくなります。
駐輪場などで自転車がずらりと並んでいる光景を見たとき、前輪から後輪までが3台分連なっている様子を探してみてください。あるいは、自分が自転車に乗ってペダルを数回漕ぎ、3台分進んだ距離を体感するのも良い方法です。自転車は誰にとっても馴染み深いアイテムなので、この「自転車3台分」という例えは、子供に5メートルを教える際にも非常に役立ちます。
コインパーキングなど駐車場の一般的な白線枠の長さ
乗り物そのものではありませんが、乗り物を停めるための「駐車場の枠」も、5メートルを測る強力な味方になってくれます。スーパーやコンビニ、コインパーキングなどに引かれている白い線の枠を思い浮かべてください。
日本国内における一般的な駐車場の区画サイズは、「幅2.5メートル × 奥行き5.0メートル」を基準として設計されていることがほとんどです。つまり、車を停めるための白い線の縦の長さが、そのままズバリ5メートルということになります。
車止めブロックから白線の入り口まで歩いてみると、ちょうど大人の歩幅で7歩前後になるはずです。外出先で長さを確認したくなったときは、近くにある駐車場の白線枠を探せば、すぐに正確な5メートルを目測することができます。これは非常に実用的なテクニックなので、ぜひ覚えておいて損はありません。
【生き物編】動物や魚の大きさで5メートルを実感する
スケールの大きな長さを理解するには、地球上に生息する巨大な生き物を想像するのも楽しいアプローチです。動物園や水族館で見たことのある大迫力の生き物たちのサイズ感から、5メートルの高さや長さを感じ取ってみましょう。
動物園で人気のキリンの身長はどれくらい?
高さを表す5メートルとして最も適している生き物が、動物園の人気者であるキリンです。地上で最も背の高い動物として知られるキリンですが、大人のオスの身長(足の先から頭のてっぺんまでの高さ)は、平均して4.7メートルから5.3メートルに達します。
つまり、目の前に見上げるキリンの高さが、ほぼぴったり5メートルというわけです。動物園でキリンを下から見上げたときの、首の圧倒的な長さと見上げる角度を思い出してみてください。建物の2階の窓から顔を出したときに、ちょうどキリンと目が合うくらいの高さになります。
「高さ5メートル」という標識や看板を見たときは、「キリンがすっぽり収まるくらいの高さだな」と想像すると、そのスケール感が鮮明に脳内に描けるはずです。子供向けの絵本などでもよく使われる、とても分かりやすい例えの一つです。
海のハンター、ホホジロザメの体長とほぼ同じ
今度は「長さ」として5メートルを持つ生き物を海の中に探してみましょう。映画「ジョーズ」のモデルとしても有名な、海の最強ハンターであるホホジロザメがこれに該当します。
ホホジロザメの成魚の平均的な体長は、およそ4メートルから5メートルと言われています。巨大なものでは6メートルを超える個体もいますが、一般的な大人のホホジロザメがまさに5メートルサイズなのです。海水浴場で、この巨大な魚が自分の5メートル先を横切っていく様子を想像すると、身の毛がよだつような恐怖感とともに、その距離のリアリティが迫ってくるのではないでしょうか。
陸上に打ち上げられたと仮定すれば、先ほど紹介した大型ミニバンのアルファードと同じサイズのサメが横たわっていることになります。圧倒的な質量と長さを兼ね備えた生き物を連想することで、5メートルのスケールがいかに大きいかを実感できますね。
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巨大なヘビ、アナコンダやニシキヘビの最大クラス
もう一つ、長さを強調する生き物としてヘビを挙げてみます。熱帯雨林などに生息するオオアナコンダやアミメニシキヘビといった巨大なヘビたちは、成長すると5メートルを軽く超える体長になります。
動物園の爬虫類館などで、ガラス越しにぐるぐるととぐろを巻いている大蛇を見たことがあるかもしれません。あのヘビがもし真っ直ぐに伸びたら、部屋の端から端まで届いてしまうほどの長さになります。太さも大人の太ももほどあり、それが5メートルも続くのですから、まさにモンスター級の存在感です。
キャンプ場や山道で「5メートル先から近づかないでください」という注意書きがあったとき、巨大なヘビが一本真っ直ぐに横たわっている分の距離を空けるのだとイメージすれば、十分な安全距離を確保しようという意識が強く働くかもしれません。
【スポーツ編】競技のルールやコートの広さで5メートルを知る
スポーツのコートや競技のルールにも、距離感を掴むヒントがたくさん隠されています。学生時代の体育の授業や、テレビで観戦するスポーツのシーンを思い出しながら、5メートルの距離感を確認していきましょう。
陸上競技の走り幅跳びにおける5メートルの凄さ
陸上競技の走り幅跳びは、自分の身体一つでどれだけの距離を跳べるかを競うシンプルなスポーツです。ここで「5メートル」という記録に注目してみましょう。
中学生の男子の走り幅跳びの平均記録は、だいたい4メートルから4.5メートル程度と言われています。つまり、5メートルの壁を越えることができるのは、運動神経が良く、しっかりと踏み切ってジャンプできた一部の生徒だけなのです。助走をつけて全力で跳躍しても、なかなか届かないのが5メートルという距離だと言えます。
オリンピックに出場するようなトップアスリートは8メートル以上を跳びますが、一般人の感覚からすると、砂場に向かって飛んだときの「空中にいる時間」と「着地するまでの遠さ」を想像すれば、5メートルがどれほど遠い距離であるかが生々しく実感できるでしょう。
バスケットボールのフリースローラインまでの距離
体育館で行う身近なスポーツ、バスケットボールのコートにも5メートルに近い距離が存在します。それが、反則があった際に行われるフリースローを打つための「フリースローライン」です。
フリースローラインから、ゴールのバックボード(板の部分)までの距離はおよそ4.6メートルに規定されています。厳密には5メートルより40センチほど短いですが、ほぼ同じ距離感としてイメージするには最適です。
フリースローラインに立って、リングを見上げたときのあの少し遠く感じるプレッシャーを思い出してください。「ここからボールを投げてリングに入れるんだ」という目線で測る4.6メートル〜5メートルの距離感は、空間認識能力を鍛えるのに非常に役立ちます。あと一歩後ろに下がれば、ちょうど5メートルの距離になりますね。
水泳プール(25m)の5分の1という感覚
多くの人が小学校や中学校で慣れ親しんだ25メートルプール。このプール全体を基準にして5メートルを分割して考える方法も非常に分かりやすいです。
25メートルの5分の1が、ちょうど5メートルとなります。プールで壁を蹴ってスタートする「けのび(ストリームライン)」をした際、勢いよく進んでプールの底に引かれた赤いライン(5メートルライン)を通過するあたりまでの距離です。息継ぎをせずに一気に進める最初の距離、と言い換えても良いかもしれません。
プールの端に立ち、全体の5分の1ほどの場所を見つめてみてください。「あそこまで泳ぐ距離」が5メートルです。水泳経験者であれば、ストローク(腕を回す回数)でいえば数回分の距離として、体感的に深く理解できるはずです。
【建物・高さ編】家や街中の建造物で5メートルの高さを測る
普段生活している街の風景の中にも、5メートルを測る基準となる建造物がたくさん溢れています。特に「高さ」を把握したい場合には、街中にある規格化された人工物を目安にするのが一番確実な方法です。
一般的な一戸建て住宅の2階の床・ベランダまでの高さ
私たちが住んでいる住宅の高さは、5メートルを測るのに絶好の基準となります。一般的な木造の2階建て一戸建て住宅を外から眺めてみてください。
1階の室内の天井高は、通常約2.4メートルに設計されています。そこから1階と2階の間の床の厚みなどを加味すると、2階の床(あるいはベランダの床面)の高さが、地面からおよそ3メートル弱になります。そして、2階の窓の下端から窓の真ん中あたりにかけての高さが、ちょうど4メートルから5メートル程度に該当します。
つまり、地上に立って「2階の窓から顔を出している人」と会話をするくらいの距離感が、高さ5メートル弱のイメージとなります。「5メートルの津波」といったニュースの解説で「住宅の2階部分に達する高さ」と表現されるのは、まさにこのためなのです。非常に恐ろしい高さであることが直感的に理解できますね。
道路にある信号機や案内標識の高さの基準
毎日何気なく見上げている道路の信号機や案内標識も、高さの基準を教えてくれる重要なアイテムです。実は、これらの設置高さには道路交通法や関連法規によって明確な基準が設けられています。
例えば、車道にまたがるように設置されている案内標識(青や緑の大きな看板)や車両用の信号機は、大型トラックなどが通過してもぶつからないように、路面から最低でも4.5メートル以上の空間を確保して設置しなければならないと定められています。多くの場合、安全を見て5メートル前後の高さに設置されています。
横断歩道で信号待ちをしているときに見上げるあの信号機の高さが、約5メートルだと思って間違いありません。意外と高く感じるかもしれませんが、大型車が安全に通れる高さを基準にしていると考えれば納得のいく距離感ではないでしょうか。
商業施設や店舗の看板ポールの高さ
コンビニエンスストアやファミリーレストラン、ガソリンスタンドなど、道路沿いにある店舗の目印となる「ポール看板(自立看板)」も、5メートルの高さを知る手がかりになります。
遠くから走ってくるドライバーに事前にお店の存在を知らせるため、これらの看板は一定の高さが必要とされます。店舗の規模や立地にもよりますが、街中にある中型のポール看板の多くが、全高5メートル前後に設定されています。これより低すぎると車からの視認性が悪くなり、高すぎると風の抵抗を受けやすくなったり、景観条例に引っかかったりするためです。
「次のコンビニまで〇メートル」という距離ではなく、「あのコンビニの看板の高さ」という視点で街の風景を観察してみると、日常の中にどれだけ5メートルの基準が隠れているかに気づくことができるでしょう。
【日用品・身の回りの物編】家の中にあるもので5メートルを測る
外に出なくても、家の中にある日用品を組み合わせることで5メートルの長さを再現することができます。DIYの際や、家具の配置を決める際に役立つ具体的な例をいくつかご紹介しましょう。
DIYで活躍する巻き尺(メジャー)の定番サイズ
一番手っ取り早く、かつ正確に5メートルを測れる日用品といえば、やはり巻き尺(コンベックス・メジャー)です。ホームセンターや100円ショップの工具コーナーに行くと、様々な長さのメジャーが売られています。
その中でも、家庭用として最も一般的によく売れている定番サイズが「3メートル」と「5.5メートル」のタイプです。5.5メートルのメジャーを持っていれば、それを限界近くまでスーッと引き出した長さが5メートルとなります。実際にメジャーを部屋の端から引き出してみると、金属のテープがどこまで伸びるのか視覚的にハッキリと理解できます。
メジャーを引き出したまま床に置き、その横を歩いてみてください。数字という抽象的な概念が、実感を伴った「距離感」へと変わる瞬間を体験できるはずです。一家に一つは置いておきたい便利なアイテムですね。
延長コードで長めのサイズ展開として一般的
家電製品を使う際に欠かせない「延長コード」も、5メートルという長さを実感しやすいアイテムです。延長コードの長さのバリエーションは、1m、2m、3m、そして5mというラインナップで販売されているのが一般的です。
5メートルの延長コードは、同じ部屋の中だけでなく「隣の部屋のコンセントから電源を引っ張ってくる」ようなシチュエーションでよく使われます。リビングの壁のコンセントにプラグを挿し、ドアを抜けて廊下の先までコードを伸ばしたときの長さが5メートルです。
コードが床を這う長さを目で追うことで、直線距離だけでなく、曲がりくねった場合の経路も含めた距離感を掴むことができます。掃除機をかけるときに、コンセントを差し替えずにどこまで届くかを想像するのと同じ感覚ですね。
A4サイズのコピー用紙を何枚並べればいい?
オフィスや自宅のプリンターで最もよく使われる「A4サイズのコピー用紙」を使って、5メートルを計算してみるのも面白い試みです。規格品であるコピー用紙のサイズを覚えておくと、ちょっとしたモノの長さを測る定規代わりに使うことができます。
A4用紙のサイズは「21.0cm × 29.7cm」です。この長辺(29.7cm、約30cm)を真っ直ぐ縦に並べていくと想像してください。「500cm ÷ 29.7cm ≒ 16.8」となりますので、A4用紙を約17枚縦に並べた長さが5メートルに相当します。
会議室の長机の上にA4の資料をずらりと17枚並べた光景を思い浮かべれば、ビジネスシーンでも5メートルの距離感がスッと頭に入ってくるはずです。手元にある一番身近な紙から、大きな距離を割り出す便利なテクニックと言えます。
5メートルという距離感が重要になる日常の具体的なシーン
長さをイメージできるようになったところで、実際に日常生活のどのような場面で「5メートル」という距離感が重要になってくるのかを解説します。この感覚を身につけておくことで、より安全で快適な生活を送ることができるようになります。
車の運転時における渋滞中の車間距離の目安
車の運転をする人にとって、5メートルの距離感は安全に直結する非常に重要な感覚です。走行中の車間距離はスピードによって大きく変わりますが、渋滞で停止している時や、駐車場内で徐行している時には「5メートル」が一つの目安となります。
渋滞時に前の車とどのくらい間隔を空けて停まるべきか迷った際、「車1台分(約5メートル)」の距離を確保するのが安全とされています。これは、前の車が急にバックしてきたり、故障して停止してしまった際に、自分がステアリングを切って車線変更し、回避行動をとるために必要な最低限のスペースだからです。
信号待ちのたびに、前の車のバンパーと自分の車の間にアルファードがもう1台スッポリ入るかどうかを想像してみてください。この余裕を持った距離感を保つことが、追突事故を防ぐ第一歩となります。
防犯カメラやセンサーライトの有効な探知距離
自宅の防犯対策を考える上でも、5メートルの距離感は欠かせません。玄関先や駐車場に設置する「人感センサーライト」や「家庭用防犯カメラ」の性能を最大限に引き出すためには、適切な設置場所を選ぶ必要があるからです。
一般的な家庭用センサーライトが、人間の体温(赤外線)を検知してパッと点灯する有効距離は、製品にもよりますがおよそ3メートルから5メートル程度に設定されています。つまり、道路から敷地内に侵入者が入ってきて、5メートル以内に近づいた瞬間にライトが作動するわけです。
カメラの設置場所を決める際、「ここから5メートル先はあの門柱のあたりだな」と正確に目測できれば、死角のない効果的な防犯システムを構築することができます。購入前に仕様書の「検知距離5m」という文字を見たときに、設置後のシミュレーションが容易になるでしょう。
スマートフォンのBluetooth機器の安定した通信距離
ワイヤレスイヤホンやスマートウォッチ、ポータブルスピーカーなど、スマートフォンとBluetoothで接続する機器が日常に溢れています。このBluetooth通信においても、5メートルという距離が快適さを左右するボーダーラインになります。
一般的なBluetooth(Class 2)の規格上、電波が届く最大通信距離は「約10メートル」とされています。しかし、これは障害物が全くない理想的な環境での話です。実際の家の中や街中では、壁や家具、人混み、他の電波の干渉があるため、音が途切れたり接続が不安定になったりせず「確実に安定して通信できる距離」は、おおむね5メートル以内と言われています。
スマホをリビングの机に置いたまま、Bluetoothイヤホンをつけてトイレや別の部屋に移動したときに音が途切れるのは、この5メートルの壁を超えてしまったためです。無線機器を快適に使うための生活範囲の目安として覚えておきましょう。
5メートルの長さや高さを目測で正確に測るためのコツ
最後に、定規やメジャーを持っていなくても、いつでもどこでも5メートルを目測で正確に測れるようになるためのコツをいくつかご紹介します。これらを習慣づけることで、空間把握能力が飛躍的に向上します。
自分の身体のサイズ(歩幅や両腕を広げた長さ)を把握する
最も信頼できる「マイ定規」は、自分自身の身体です。先ほど「歩幅」のお話をしましたが、歩幅以外にも「両腕を左右に水平に広げた長さ(指先から指先まで)」を覚えておくのも非常に有効です。
人間の両腕を広げた長さは、不思議なことに自分の身長とほぼ同じ長さになると言われています。身長170cmの人なら、腕を広げた長さも約170cmです。これを3回繰り返せば(1.7m × 3 = 5.1m)、だいたい5メートルになります。
壁の長さを測りたいとき、カニ歩きのように壁に沿って両腕を広げて移動していくことで、メジャーがなくても大まかな距離を算出できます。まずは自分の身長、歩幅、足のサイズ(靴のサイズ)といった基本的な数値をしっかり暗記しておくことが、目測の精度を高める第一歩です。
街中にある「規格品」を基準にして比較する
自分の身体以外にも、この記事で紹介したような「全国どこでもサイズが同じ規格品」を頭の引き出しに入れておきましょう。これらを基準(スケール)として比較することで、遠くにあるものの大きさや距離を推測することができます。
「あの建物の幅は、駐車場に停まっている車(約5m)が3台分くらい並びそうだから15mくらいだな」といった具合です。常に比較対象を探す癖をつけることで、脳内で自動的に距離の計算ができるようになっていきます。
また、遠近法を意識することも大切です。遠くにある車は小さく見えますが、その車が自分の近くにあったときの実際のサイズ(5メートル)を想像し、そこから逆算して空間全体の広さを把握するトレーニングを積むと、より正確な距離感が養われます。
まとめ:5メートルの距離感は身近な例に置き換えると分かりやすい
漠然としていた「5メートル」という距離感が、少しは明確になったのではないでしょうか。
あらためて、本記事で紹介した5メートルの基準となる身近な例をまとめておきます。
- 大型ミニバン(アルファードなど)の車の全長
- 大人の歩幅で歩いたときの約7歩分
- 身長170cmの大人が3人寝そべった長さ
- 駐車場の白線枠(縦の長さ)
- キリン(大人のオス)の身長
- 一戸建て住宅の2階の床・窓あたりの高さ
これらの中で、自分が一番イメージしやすいものを「マイ基準」として一つ覚えておくだけで十分です。メジャーがない時でも、家具の購入時やソーシャルディスタンスを保つ時など、日常のあらゆる場面でこの感覚が役立ってくれるはずです。ぜひ、今日から街を歩く際に「5メートルの距離感」を意識して風景を眺めてみてくださいね。
