Amazonプライムの年会費5,900円（税込）の元を取るのは非常に簡単です。月に1〜2回Amazonで買い物をするか、映画を月に1本観るだけでも十分にペイできてしまうからです。
「送料無料」のイメージが強いプライム会員ですが、実はそれ以外にも生活の質を上げる特典が山のように隠されています。しかし、多くの人がその一部しか使っておらず、実質的な損をしているのが現状です。
この記事では、配送特典だけでなく、エンタメ、写真保存、そして意外と知られていない家族との共有設定まで、余すことなく「元を取る・使い倒す」ための具体的な方法を解説します。
まずは基本をおさらい！配送特典だけで元を取る損益分岐点
Amazonプライム会員の年会費は5,900円。これを月額に換算すると約492円です。まずは最も基本的な「配送特典」だけで、どれくらい使えば元が取れるのかを計算してみましょう。
通常会員（非プライム会員）の場合、注文金額が3,500円未満だと配送料がかかります。本州・四国（離島を除く）の場合、通常配送でも460円、お急ぎ便指定なら510円〜550円の送料が発生します。
つまり、プライム会員であれば、これらがすべて無料になるため、単純計算で月に1回「3,500円未満の買い物」をするか、月に1回「お急ぎ便」を利用するだけで、ほぼ会費の元が取れてしまう計算になります。
特に強力なのが「日時指定便」の無料化です。通常会員がお届け日時指定便を使うと、510円〜550円かかります。共働き世帯や一人暮らしで、確実に荷物を受け取りたい人にとって、この手数料が毎回タダになるのは、金銭的メリット以上に「再配達依頼の手間」というストレスをゼロにしてくれる大きな価値があります。
以下の表で、通常会員とプライム会員の送料の違いをまとめました。自分が普段どれくらい送料を浮かせているか、確認してみてください。
| 配送オプション | 注文金額 | 通常会員の送料 | プライム会員 |
|---|---|---|---|
| 通常配送 | 3,500円以上 | 無料 | 無料 |
| 3,500円未満 | 460円 （北海道・九州等は500円） | ||
| お急ぎ便 | 問わず | 510円 （北海道・九州等は550円） | 無料 |
| お届け日時指定便 | 問わず | 510円 （北海道・九州等は550円） | 無料 |
こうして可視化すると、「月に一度でも急ぎの荷物がある」「少額の買い物をちょこちょこする」という人なら、配送特典だけで年会費以上の恩恵を受けていることが分かります。
エンタメ特典をフル活用してサブスク費用を節約する
配送特典ですでに元は取れている計算ですが、Amazonプライムの真骨頂は「追加料金なしでついてくるエンタメ特典」の豊富さにあります。これらを活用すれば、他社の有料サブスクリプションを解約して節約につなげることも可能です。
ここでは、特に利用価値の高い「Prime Video」「Amazon Music Prime」「Prime Reading」の3つについて、賢い使い方を紹介します。
Prime Videoで映画館代とレンタル代を浮かす
「Prime Video（プライム・ビデオ）」は、対象の映画やドラマ、アニメが見放題になるサービスです。これだけで月額500円〜1,000円程度の他社動画配信サービスに匹敵する価値があります。
特筆すべきはAmazonオリジナル作品のクオリティです。『バチェラー・ジャパン』シリーズや『ロード・オブ・ザ・リング: 力の指輪』など、巨額の予算を投じた独占配信コンテンツを見るためだけに入会しても損はありません。
また、話題のアニメの見逃し配信も充実しているため、テレビの録画機能を使う必要がなくなります。休日に映画を1本レンタルすると通常300円〜500円かかりますが、Prime Videoなら見放題。月に2本映画を観れば、これだけで会費の元が取れます。
スマホやタブレットに作品をダウンロードできる機能も優秀です。自宅のWi-Fi環境で事前にダウンロードしておけば、通勤電車や飛行機の中など、オフライン環境でも通信量を気にせず動画を楽しめます。この「通信費の節約」も隠れたメリットと言えるでしょう。
Amazon Music Primeを作業用BGMとして使い倒す
音楽聴き放題サービスの「Amazon Music Prime」も会員特典に含まれています。以前は200万曲でしたが、現在は1億曲以上が聴き放題対象へと大幅にアップグレードされました。
ただし、注意点があります。プライム会員特典のMusic Primeは、基本的に「シャッフル再生」がメインとなります。聴きたい曲をピンポイントで指定して再生するには、上位版の「Amazon Music Unlimited（別途有料）」への登録が必要です。
「それじゃあ使えない」と思うかもしれませんが、そうではありません。作業用BGMやドライブ中のBGMとして、「J-POPランキング」や「集中するためのジャズ」などのプレイリストを流しっぱなしにする使い方なら、シャッフル再生でも十分すぎるほど機能します。
広告なしで1億曲にアクセスできるラジオだと思えば、これほど優秀なツールはありません。YouTubeで音楽を聴くと広告が入ったり、バックグラウンド再生ができなかったりしますが、Music Primeならそのストレスから解放されます。
Prime Readingで雑誌やビジネス書を乱読する
読書好きにとって嬉しいのが「Prime Reading（プライム・リーディング）」です。Kindle本の中から、対象の小説、ビジネス書、漫画、雑誌など1,000冊以上が読み放題になります。
ラインナップは定期的に入れ替わりますが、『DIME』や『オレンジページ』などの人気雑誌や、ベストセラーになったビジネス書が含まれていることがよくあります。雑誌を毎月1冊買っている人なら、ここをPrime Readingに置き換えるだけで年間数千円〜1万円近くの節約になります。
Kindle端末を持っていなくても大丈夫です。スマホやタブレットにKindleアプリを入れれば、すぐに読み始められます。ちょっとした待ち時間や移動時間に、ニュースサイトを見る代わりに本を読む習慣がつくと、自己投資にもなり一石二鳥です。
意外と知られていない「Amazon Photos」が最強の特典
多くのプライム会員が見落としていて、個人的に「これこそが最強の特典だ」と考えているのが「Amazon Photos（アマゾン・フォト）」です。
これは、写真を容量無制限かつ「画質を落とさずに」保存できるクラウドストレージサービスです。Googleフォトなどの他社サービスでは、無料枠に制限があったり、高画質保存には追加料金がかかったりするのが一般的ですが、Amazonプライム会員なら追加料金ゼロで無制限です。
スマホの容量不足に悩んでいませんか？ 子供の写真や旅行の思い出でストレージがいっぱいになり、泣く泣く写真を削除したり、月額制のクラウドサービス（iCloudやGoogle Oneなど）に課金したりしている人も多いはずです。
Amazon Photosを使えば、スマホ内の写真をすべて自動でバックアップできます。バックアップが完了した写真をスマホ本体から消せば、スマホの空き容量を一気に確保できます。もし現在、iCloudの容量追加などで月額130円〜400円を払っているなら、それを解約してAmazon Photosに一本化するだけで、プライム会費の半分以上を相殺できる計算になります。
しかも、専用アプリを使えば、「去年の今日の写真」をリマインドしてくれたり、人物ごとに自動整理してくれたりと、機能面でも非常に優秀です。この「無制限ストレージ」だけでも、年会費5,900円の価値は十分にあると断言できます。
同居家族がいるなら「家族会員」登録を忘れずに
もしあなたに同居している家族がいるなら、絶対に設定すべきなのが「家族会員」です。プライム会員本人のほかに、同居の家族を最大2名まで「家族会員」として登録できます。
家族会員になると、以下の特典を無料で共有できます。
- お急ぎ便・お届け日時指定便が無料
- 特別取扱商品の取扱手数料が無料
- プライム会員限定先行タイムセールへの参加
- Amazonフレッシュ（対象エリアのみ）
残念ながら、Prime VideoやMusicなどのエンタメ系特典は共有できません。しかし、配送特典が共有できるメリットは絶大です。
例えば、夫婦それぞれが自分のAmazonアカウントで買い物をしたい場合、片方だけがプライム会員だと、もう片方の買い物には送料がかかってしまいます。アカウントを共有すると、購入履歴や閲覧履歴が見られてしまうため、サプライズプレゼントを買う時などに不便です。
家族会員登録をしておけば、それぞれのアカウントの独立性を保ちながら、双方が送料無料の恩恵を受けられます。これで「送料がかかるから、プライム会員のあっちのアカウントで買っておいて」と頼む手間もなくなります。
登録方法は簡単で、会員情報の管理画面から家族のメールアドレスを入力して招待状を送るだけ。追加料金は一切かかりません。これを使わない手はありません。
参考：Amazonプライム特典を共有する – Amazonカスタマーサービス
年払いと月払いはどちらがお得？プラン選びのコツ
最後に、料金プランの選び方について解説します。Amazonプライムには「年間プラン」と「月間プラン」の2種類があります。
結論から言うと、1年以上継続して利用するつもりなら「年間プラン」一択です。以下の比較表をご覧ください。
| プラン | 料金（税込） | 1年間の合計額 | 差額（節約額） |
|---|---|---|---|
| 年間プラン | 5,900円 / 年 | 5,900円 | 1,300円お得！ |
| 月間プラン | 600円 / 月 | 7,200円 |
このように、年間プランを選ぶだけで年間1,300円の節約になります。これは月額料金の2ヶ月分以上に相当します。
ただし、「特定の商品を買うためだけに入りたい」「Prime Videoで見たいドラマがあるから、今月だけ使いたい」という短期集中の利用目的であれば、月間プラン（600円）を利用し、用が済んだら解約するという方法も賢い選択です。Amazonプライムは解約手続きもオンラインで簡単に完結し、強引な引き止めもありません。
まだ会員でない方は、まずは「30日間の無料体験」を利用するのが鉄則です。この無料期間中もすべての特典が利用できるので、今回紹介した配送特典、ビデオ、音楽、写真保存などを実際に試してみて、自分のライフスタイルに合うか確認してから本契約（年間プラン）に移行するのが最もリスクのない方法です。
まとめ：Amazonプライムは「生活インフラ」として使い倒そう
Amazonプライム会員の年会費5,900円の元を取ることは、決して難しくありません。むしろ、特典を正しく理解して活用すれば、支払った金額の数倍、数十倍の価値リターンを得ることができます。
今回ご紹介した活用術のポイントを振り返ります。
- 配送特典：月に1回でも利用するなら、すでに元は取れている。
- Prime Video：レンタル代を節約し、移動時間を映画館に変える。
- Amazon Photos：スマホの容量問題を解決し、他社クラウド代を節約する。
- 家族会員：同居家族も送料無料にして、世帯全体でお得にする。
- 年間プラン：長期利用なら月払いより年間1,300円お得。
Amazonプライムは単なる「通販の優遇サービス」ではなく、動画、音楽、書籍、写真保存まで網羅した、現代生活における強力な「インフラ」と言えます。
まだ使っていない特典があれば、ぜひ今日から試してみてください。「なんとなく払っている会費」が、「生活を豊かにするための投資」に変わるはずです。
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