「この漢字、なんて読むのが正解?」
庭木選びや植物図鑑で見かける「落葉高木」という言葉。
結論からお伝えします。
「落葉高木」の読み方は、「らくようこうぼく」です。
「落葉(らくよう)」は葉が落ちること、「高木(こうぼく)」は背が高くなる木を指します。
つまり、「秋から冬にかけて葉を落とす、背の高い木」という意味です。
この記事では、間違えやすい読み方の注意点から、似ている言葉との違い、そして私たちの生活にどう関わっているのかまで、分かりやすく深掘りしていきます。
「落葉高木」の正しい読み方と「高木」の注意点
あらためて確認ですが、正しい読み方は「らくようこうぼく」です。
ここで多くの方が疑問に思うのが、「高木」を「たかぎ」と読まないのか?という点ではないでしょうか。
確かに人の苗字では「高木(たかぎ)さん」と読みますが、植物学や造園の用語として使う場合は「こうぼく」と読むのがルールです。
逆に、背の低い木を指す「低木」は「ていぼく」と読みます。
これらは対になる言葉としてセットで覚えておくと便利ですね。
また、植物の世界では「木」を「もく」と音読みすることが多々あります。
例えば、庭木(にわき)は「ていぼく(庭木)」とは読みませんが、樹木(じゅもく)、苗木(なえぎ/びょうぼく)など、文脈によって読み方が変わる日本語の奥深さがあります。
しかし、「落葉高木」に関しては「こうぼく」一択ですので、自信を持って読んでください。
ちなみに、どのくらいの高さから「高木」と呼ばれるのかについては、明確な世界共通の基準があるわけではありません。
一般的には、成木(大人になった木)の高さが3m〜5m以上になるものを高木と分類することが多いです。
2階建ての家の屋根に届くか届かないか、それくらいの高さをイメージすると分かりやすいでしょう。
落葉高木・常緑高木・落葉低木の違い【比較表】
植物の分類には、「葉が落ちるかどうか」と「背が高いか低いか」の組み合わせで4つのパターンがあります。
「落葉高木」が他の分類とどう違うのか、表で整理してみました。
それぞれの特徴を比較してみましょう。
| 分類名 | 読み方 | 葉の状態(冬) | 樹高(高さ) |
|---|---|---|---|
| 落葉高木 | らくようこうぼく | 葉を落とす | 高い(3m以上) |
| 常緑高木 | じょうりょくこうぼく | 緑のまま | 高い(3m以上) |
| 落葉低木 | らくようていぼく | 葉を落とす | 低い(3m未満) |
| 常緑低木 | じょうりょくていぼく | 緑のまま | 低い(3m未満) |
この表から分かるように、落葉高木最大の特徴は「季節による変化」と「存在感のある大きさ」です。
常緑樹(じょうりょくじゅ)が一年中緑色の葉を茂らせて目隠しなどの役割を果たすのに対し、落葉樹は冬になると葉を落とし、休眠状態に入ります。
これは、寒くて乾燥する冬の間に、葉から水分が蒸発するのを防ぐための、植物の賢い生存戦略なのです。
春になれば新芽が吹き、夏には青々とした葉を広げ、秋には紅葉し、冬には枝だけの姿になる。
このダイナミックなサイクルの繰り返しこそが、落葉高木の魅力と言えるでしょう。
代表的な落葉高木の種類と四季の楽しみ
「落葉高木」と聞くと難しく感じますが、実は私たちがよく知っている木の多くがこれに当てはまります。
日本の四季を彩る代表的な種類をいくつか挙げてみましょう。
- サクラ(桜):春の象徴。花が散った後の新緑や、秋の紅葉も美しい。
- イロハモミジ:秋の紅葉狩りの主役。日本の庭園には欠かせない存在。
- ケヤキ(欅):街路樹や公園樹として有名。空に向かって大きく広がる樹形が特徴。
- イチョウ(銀杏):秋に鮮やかな黄金色に染まる。神社や並木道でよく見られる。
- コブシ(辛夷):早春に白い花を一斉に咲かせる。春の訪れを告げる代表的な花木。
これらの木々に共通するのは、季節ごとの「表情の変化」です。
春の花見、夏の新緑による木陰、秋の紅葉、冬の木漏れ日。
もし、これらがすべて常緑樹だったら、日本の季節感はもっと単調なものになっていたかもしれません。
ちなみに、庭木として人気のウメ(梅)やハナミズキなども背が高くなりますが、これらは図鑑などの分類では「小高木(しょうこうぼく)」と呼ばれることがあります。
一般的な高木ほど巨大にはならず、低木(3m未満)よりは背が高くなる中間的な存在で、庭木としては「大きくなりすぎず扱いやすい木」として親しまれています。
庭木に落葉高木を選ぶメリット・デメリット
もしあなたが、家のシンボルツリーとして落葉高木を検討しているなら、その性質をよく理解しておく必要があります。
自然の理にかなった素晴らしいメリットがある一方で、生活する上で知っておくべきデメリットもあるからです。
メリット:天然のエアコン効果
最大のメリットは、家の中の温度調節を助けてくれる点です。
夏は青々とした葉が茂り、直射日光を遮って涼しい「木陰」を作ってくれます。
逆に冬は葉がすべて落ちるため、暖かい日差しを部屋の奥まで届けてくれます。
自然の力を利用して快適さを保つ、まさに天然のエアコンとも言える機能です。
また、季節の移ろいを目で見て楽しめるため、生活に彩りが生まれるのも大きな魅力でしょう。
デメリット:落ち葉掃除と剪定の手間
一方で、避けて通れないのが「落ち葉」の処理です。
秋から冬にかけて大量の葉が落ちるため、庭や道路、雨どいの掃除が必要になります。
近隣の住宅との距離が近い場合は、落ち葉が迷惑にならないよう配慮も欠かせません。
また、「高木」という名の通り、放っておくと2階の屋根を超えるほど大きく成長することがあります。
大きくなりすぎると台風で倒れるリスクや、手入れが難しくなる問題が出てくるため、定期的な剪定(せんてい)で高さをコントロールする必要があります。
まとめ
今回は「落葉高木」の読み方と、その意味や特徴について解説しました。
最後に要点を振り返ってみましょう。
- 読み方は「らくようこうぼく」。
- 意味は「冬に葉を落とす、背の高い木(主に3m以上)」。
- 「高木」は植物用語では「たかぎ」ではなく「こうぼく」と読む。
- サクラやモミジなど、四季の変化を感じられる木が多い。
- 庭木にすると、夏は木陰を作り、冬は日差しを通すメリットがある。
普段何気なく見ている街路樹や公園の木も、「これは落葉高木だな」と知って眺めるだけで、少し親近感が湧いてきませんか?
植物の名前や分類を知ることは、私たちの暮らしと自然とのつながりを再確認する第一歩です。
この記事が、あなたの植物への興味を深めるきっかけになれば幸いです。

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