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【例文付】「業務にあたる」の漢字はどっち?意味・敬語・言い換えを徹底解説

【例文付】「業務にあたる」の漢字はどっち?意味・敬語・言い換えを徹底解説 勉強・資格

「明日からこの業務にあたってください」

上司からこう言われたとき、漢字で書くとどうなるか迷ったことはありませんか?

結論から言うと、漢字は「業務に当たる」が正解です。意味は「担当して遂行すること」を指します。

本記事では、意外と間違えやすい「業務にあたる」の正しい意味や漢字の使い分け、目上の人に使う場合の敬語表現、そして状況に応じた言い換えフレーズを徹底解説します。

「業務にあたる」の意味と正しい漢字表記

ビジネスシーンで頻繁に使われる「業務にあたる」ですが、まずは言葉の基礎となる意味と漢字について解説します。

意味は「担当して遂行すること」

「業務にあたる」とは、単に作業を行うだけでなく、「その役割を担当し、責任を持って遂行する」という意味が含まれています。

例えば、野球の「先発のマウンドに上がる」や「当番を任される」といった状況に近いニュアンスです。ただ作業をする(Do)だけでなく、その役割を担う(Take charge of)という「責任」の重みが含まれる言葉といえます。

漢字は「当たる」が正解。「充てる」はNG?

「あたる」の漢字表記で迷うのが、「当たる」と「充てる」の違いです。ビジネス文書やメールでは、以下のように使い分けます。

表記意味・イメージ正誤
業務に当たる直面する、担当する、従事する正解
業務に充てる割り振る、金銭や時間を振り向ける不正解

「当たる」は、「難局に当たる」「主任の任に当たる」のように、人が何かの役割や物事に直面して取り組む際に使います。

一方、「充てる」は「時間を勉強に充てる」「予算を充てる」のように、リソースを割り振る場合に使います。自分が仕事をする場合は「当たる」を使いましょう。

「業務にあたる」は敬語?目上の人への正しい使い方

「業務にあたる」という言葉自体は、敬語ではありません。「業務(名詞)」+「に(助詞)」+「あたる(動詞)」で構成された普通の言葉です。

そのため、上司や取引先など目上の人に対してそのまま使うと失礼になる可能性があります。文脈に合わせて適切に敬語変換しましょう。

自分が「業務にあたる」場合(謙譲語・丁寧語)

自分の行為をへりくだって伝える場合は、以下のように表現します。

  • 「本プロジェクトは、私が業務に当たらせていただきます。」
  • 「来週より、こちらの業務に当たります。」

所信表明や引き継ぎの挨拶などでよく使われるフレーズです。

目上の人が「業務にあたる」場合(尊敬語)

上司やお客様が担当することを表す場合は、「あたる」を尊敬語にするか、別の言葉に言い換えるのがスムーズです。

  • 「部長がこの案件の業務に当たられます。」(尊敬語)
  • 「今回のプロジェクトは、田中様がご担当になります。」(言い換え)

「当たられます」は文法的に間違いではありませんが、少し言いにくく、相手に堅苦しい印象を与えることがあります。その場合は「ご担当される」「携わられる」といった表現の方が自然で好印象です。

ビジネスシーン別「業務にあたる」の例文集

ここでは、具体的なシチュエーション別の例文を紹介します。

プロジェクトリーダーとしての決意表明

「この度、本プロジェクトのリーダーとして業務に当たらせていただきます、佐藤です。チーム一丸となって目標達成に尽力します。」

部下への業務指示

「来週から始まるA社との共同開発については、君に業務に当たってもらいたいと考えている。」

※「当たってもらう」とすることで、単なる作業指示よりも「責任を持って担当してほしい」という期待を込められます。

社外への担当者報告

「後任として、弊社鈴木が本件の業務に当たります。引継ぎ等は万全に行いますのでご安心ください。」

「業務にあたる」の類語・言い換え表現まとめ

「業務にあたる」ばかり繰り返すと文章が単調になります。また、より適切なニュアンスを伝えたい場合は、以下の類語を使い分けましょう。

言い換え表現ニュアンス・適した場面
業務に従事する特定の仕事に専念している状態。職務経歴書や硬いビジネス文書向け。
業務を遂行する任務や目的を成し遂げること。「あたる」よりも完了させる意志が強い。
業務を担当する最も一般的でフラットな表現。責任の所在を明確にする際に便利。
業務に携わる関与していることを示す。主担当だけでなく、チームの一員として関わる場合にも使える。
業務を行う動作そのものに焦点がある。「あたる」より責任のニュアンスは軽め。

「業務を行う」と「業務にあたる」の違いは?

日常的には「業務を行う」もよく使われますが、微妙な違いがあります。

  • 業務を行う:Do(作業をする・実行する)
  • 業務にあたる:Take charge of(役割を担う・責任を持って臨む)

事務的な処理やルーチンワークを指す場合は「行う」でも問題ありませんが、責任あるポジションやプロジェクトに取り組む姿勢を示したい場合は、「あたる」や「遂行する」を使う方がプロフェッショナルな印象を与えます。

英語で「業務にあたる」はどう表現する?

グローバルなビジネスシーンで「業務にあたる」と伝えたい場合、直訳するのは難しいため、意図に合わせて表現を選びます。

責任を持って担当する場合

  • be responsible for…
    例:I am responsible for the marketing division.
    (私はマーケティング部門の業務にあたっています/責任を持っています)
  • take charge of…
    例:She will take charge of this project.
    (彼女がこのプロジェクトの業務にあたります/指揮を執ります)

実際に作業に従事する場合

  • work on…
    例:We are currently working on the new system.
    (現在、新システムの業務にあたっています/取り組んでいます)
  • handle…
    例:I will handle the inquiries.
    (お問い合わせ対応の業務にあたります/処理します)

まとめ

「業務にあたる」について解説しました。ポイントを整理します。

  • 漢字は「業務に当たる」が正解。(「充てる」は間違い)
  • 意味は「責任を持ってその役割を担当・遂行すること」
  • 敬語ではないため、目上の人には「担当される」などの言い換えがベター。
  • より硬い表現なら「従事する」「遂行する」、柔らかい表現なら「携わる」を使い分ける。

正しい言葉遣いは、ビジネスにおける信頼感に直結します。「業務にあたる」という言葉の持つ「責任感」のニュアンスを理解し、適切な場面で使いこなしていきましょう。

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