「新型ヴェルファイアが欲しいのに、買えない!」
そんな声が聞こえてきそうなほど、新型ヴェルファイアの入手は困難を極めています。
結論から言うと、新型ヴェルファイアは現在、爆発的な人気に対して生産がまったく追いついておらず、多くのトヨタ販売店で「オーダーストップ(受注停止)」となっているからです。
「いつになったら買えるのか?」「納期はどれくらい?」と、ヤキモキしている方も多いでしょう。
この記事では、なぜ新型ヴェルファイアがこれほどまでに買えない状況なのか、その理由と最新の納期情報、そして「どうすれば手に入れられるか」という現実的な対策を、分かりやすく徹底解説します。
なぜ新型ヴェルファイアは「買えない」のか?3つの理由
新型ヴェルファイアが欲しくても買えない背景には、いくつかの複合的な理由があります。
単に「人気だから」というだけでは片付けられない、現在の状況を整理してみましょう。
理由1:人気爆発で生産が追いつかない(オーダーストップの現状)
最大の理由は、シンプルですが「想定をはるかに超える人気」です。
2023年6月のフルモデルチェンジ以降、特にヴェルファイア専用に設定された「Z Premier(2.4Lターボモデル)」や、2025年1月に追加されたPHEV(プラグインハイブリッド)モデルに注文が殺到しました。
兄弟車であるアルファードが快適性を重視する一方、ヴェルファイアは「走りの良さ」や「力強いデザイン」を求める層の心を掴み、アルファードを上回るほどの人気となっています。
トヨタも富士松工場やいなべ工場で生産体制を敷いていますが、その生産能力を需要が大きく上回ってしまったのです。
その結果、トヨタは新規の注文を受け付けきれなくなり、多くの販売店が「オーダーストップ」の措置を取らざるを得ない状況が続いています。
理由2:販売店ごとの厳しい「購入条件」
供給が非常に少ないため、販売店側も「誰に売るか」を慎重に判断せざるを得ません。
そのため、店舗によっては以下のような「条件」が付くケースが増えています。
- 抽選販売の実施
公平を期すために、期間を決めて申し込みを受け付け、抽選で当選した人のみ商談に進める方式です。当然ながら、申し込んでも外れる可能性があります。 - 既存顧客(リピーター)や法人優先
これまでその販売店と付き合いのある顧客や、複数台購入が見込める法人が優先され、新規の「一見さん」は後回しにされがちな傾向があります。 - 実質的なセット購入の条件
「残価設定ローン(残クレ)の利用」や「高額なメンテナンスパックへの加入」が、暗黙の了解として購入の条件になっているケースもゼロではありません。
これらは販売店側の苦肉の策でもありますが、購入希望者にとっては大きなハードルとなっています。
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理由3:半導体不足や部品供給の遅れ(継続的な影響)
コロナ禍以降、世界的に問題となった半導体不足は、ピーク時に比べれば改善傾向にあります。
しかし、新型ヴェルファイアのような先進の安全装備や大型ディスプレイを搭載する高級ミニバンは、依然としてその影響と無縁ではありません。
特定の部品供給が少しでも滞れば、生産ライン全体がスローダウンしてしまいます。
この継続的な供給網の不安定さも、納期が長期化し「買えない」状況を生み出す一因となっています。
気になる「納期」は?最新の納車スケジュール目安
「オーダーストップなら、納期も何もないのでは?」と思うかもしれませんが、ここでは「もしオーダーが通った場合」や「キャンセル待ちで順番が回ってきた場合」の目安について解説します。
オーダーできても「半年~1年以上」が基本
まず大前提として、もし幸運にも注文が受け付けられたとしても、納車までは最短で半年、人気グレードやオプションによっては1年以上待つのが現状のようです。
2025年11月現在、トヨタの公式サイトではヴェルファイアの納期に関して「詳しくは販売店にお問い合わせください」とのみ記載されており、具体的な期間は公表されていません。
これは、オーダーストップが続いているため「納期未定」というのが実情だからです。
販売店でキャンセル待ちリストに載せてもらえたとしても、いつ順番が回ってくるかは誰にも分からない、というのが正直なところでしょう。
グレード別に見る納期の傾向
特に納期が長くなる傾向にあるのは、やはり人気のグレードです。
- Z Premier (2.4Lターボ)
ヴェルファイア専用のスポーティーな走りが楽しめるモデルとして人気が集中。納期は特に長いとされています。 - Executive Lounge (HEV / PHEV)
最上級グレードであり、PHEVモデルも含まれるため、生産台数が限られており入手は極めて困難です。
ボディカラーや内装色、メーカーオプションの組み合わせによっても納期は前後します。
もし販売店から「この仕様なら早まるかも」という提案があった場合は、希望条件と照らし合わせて検討する余地があるかもしれません。
ちなみに:アルファードよりヴェルファイアの方が早い?
一部で「アルファードよりヴェルファイアの方が納期が早い」という噂を聞いたことがあるかもしれません。
これは、アルファードの方が受注台数の総量(母数)が圧倒的に多いため、相対的にそう見える瞬間があっただけ、という可能性が高いです。
実情としては、兄弟車アルファードも同様にオーダーストップしており、ヴェルファイアもアルファードも「どちらも買えない」状況に大きな差はありません。
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ヴェルファイアの販売再開はいつ?今後の見通し
これだけ「買えない」状況が続くと、「いったいいつになったら普通に買えるようになるのか?」と不安になりますよね。
2026年以降に期待?ただし公式発表はなし
非常に残念ながら、2025年11月現在、トヨタ自動車からヴェルファイアの本格的な受注再開に関する公式アナウンスはありません。
一部の販売店では、ごく少数の枠が散発的に再開されるケースもあるようですが、それは「キャンセルが出た」「たまたま生産枠が確保できた」といった例外的なもの。
本格的な再開は、初期受注分の生産がすべて完了し、さらに生産体制が安定する2026年以降になるのではないか、と見る向きが強いです。
しかし、これもあくまで予想に過ぎません。
マイナーチェンジで状況は変わる?
通常、フルモデルチェンジから数年後(2~3年後)には、マイナーチェンジ(一部改良)が行われるのが通例です。
2025年1月に一部改良が行われたばかりですが、今後のさらなる改良のタイミングで生産体制が見直される可能性があります。
ただし、改良によって人気が再燃し、再び受注停止になってしまうリスクも考えられます。
また、一般的に改良を経ると、安全装備の強化などを理由に車両価格が上昇する傾向があるため、その点も注意が必要です。
新車が買えない今、どうする?現実的な3つの対策
「それでもヴェルファイアが欲しい!」という方のために、新車が買えない現状を踏まえた現実的な対策を3つご紹介します。
対策1:【王道】キャンセル待ち・販売店との情報連携
新車購入を目指す上で、現在最も現実的な方法がこれです。
- キャンセル待ち登録
複数のトヨタ販売店(経営母体が異なるディーラー)を訪問し、「キャンセルが出たら連絡が欲しい」と具体的に依頼しましょう。 - 販売店とのこまめな連絡
ただ待つだけでなく、定期的に販売店の担当者と連絡を取り、情報をアップデートすることが重要です。「本気で欲しい」という熱意を伝え、良好な関係を築いておくと、優先的に情報を回してもらえるかもしれません。
ただし、前述の通り「既存顧客」が優先されるケースも多いため、新規の場合はかなりの忍耐が必要です。
対策2:【価格高騰】中古車・新古車市場をチェック
「納期を待つのは無理、今すぐ乗りたい」という場合は、中古車市場に目を向けることになります。
ですが、ここにも大きな壁があります。
それは、中古車価格の異常な高騰です。
新車が手に入らないため、中古車の需要が激増。走行距離の少ない「新古車(登録済み未使用車)」に至っては、新車の本体価格を100万円以上も上回る「プレミア価格」で取引されているのが実情です。
旧型(30系)のヴェルファイアであれば価格は落ち着いていますが、新型にこだわりたい場合は、新車以上の出費を覚悟する必要があります。
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対策3:【視点を変える】他の高級ミニバンを検討する
もし「ヴェルファイアでなければダメ」という強いこだわりがないのであれば、一度視点を変えて、他の車種を検討するのも一つの手です。
- レクサス LM
価格帯はヴェルファイアを大きく超えますが、究極のショーファーカーとして最高峰の選択肢です。 - 日産 エルグランド
現行モデルは長いですが、その分、熟成されており納期も安定しています。 - メルセデス・ベンツ Vクラス
輸入車に目を向ければ、ディーゼルエンジンの力強さとブランド力を持つVクラスもライバルとなります。
ヴェルファイアを待ち続けるストレスから解放され、新たな魅力に出会えるかもしれません。
購入前に再確認!新型ヴェルファイアの注意点(デメリット)
熱望している時はメリットばかりに目が行きがちですが、冷静にデメリットも確認しておきましょう。
乗り出し価格は想像以上?価格とコストパフォーマンス
新型ヴェルファイアの価格は、決して安くありません。
2025年1月の一部改良により、価格も以前より上昇しています。
【2025年1月改良後 最新価格目安(税込)】
- Z Premier (2.4Lターボ): 670万円~
- Executive Lounge (ハイブリッド): 880万円~
- Executive Lounge (PHEV): 1,085万円
これはあくまで車両本体価格です。
ここにメーカーオプションやディーラーオプション、そして諸費用(税金・保険料など)が加わると、人気のZ Premierでも乗り出し価格は750万~800万円オーバーになるケースも珍しくありません。
もちろん、ヴェルファイアはリセールバリュー(数年後に売却する際の価格)が非常に高い車種として有名です。
そのため、トータルコストで見れば「意外と高くない」という見方もできますが、初期投資として非常に大きな金額が必要になる点は覚悟しておきましょう。
大きすぎる?車両サイズと運転の注意点
ヴェルファイアは非常に大きな車です。
- 全長:4,995mm (約5m)
- 全幅:1,850mm (1.85m)
特に都市部にお住まいの場合、狭い路地でのすれ違いや、コインパーキングでの駐車にはかなり気を使います。
また、機械式駐車場では、全幅や全高の制限で入庫できない可能性も高いです。
購入してから「運転しづらい」「駐車場に困る」とならないよう、もし試乗車やレンタカーがあれば、一度自分の生活圏で取り回しを確認しておくことを強くおすすめします。
まとめ:新型ヴェルファイア購入は「情報戦」と「忍耐」
新型ヴェルファイアが「買えない」理由と、その対策について解説してきました。
この深刻な品薄・オーダーストップの状況は、残念ながらまだ当面続くと予想されます。
新車での購入を目指すなら、複数の販売店と密に連絡を取り合い、キャンセル待ちや受注再開の情報をいち早くキャッチする「情報戦」が鍵となります。
そして、順番が回ってくるまで待ち続ける「忍耐」も必要です。
すぐにでも手に入れたい場合は中古車という選択肢もありますが、新車を超えるプレミア価格という現状を理解し、予算と天秤にかける判断が求められます。
焦って高額な中古車に飛びつく前に、まずはこの記事で紹介した対策を参考に、ご自身にとって最適な「ヴェルファイアとの付き合い方」を見つけてみてください。

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