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ハイラックスにキャノピーは必要?7つのデメリットと後悔しない選び方

ハイラックス
TOYOTAハイラックス公式

ハイラックスの荷台にキャノピーを装着すると、荷物を風雨から守れて防犯性も高まるなど、多くのメリットがあります。しかし、その一方で「使い勝手が悪くなった…」と感じるかもしれないデメリットが存在するのも事実です。

具体的には、積載の自由度が下がったり、取り外しが想像以上に大変だったりします。

この記事では、ハイラックスにキャノピーを装着する際の具体的なデメリット、そして後悔しないための選び方のポイントを分かりやすく解説します。キャノピーの導入で悩んでいる方は、ぜひ最後まで読んで判断材料にしてください。

ハイラックスにキャノピーを装着する7つのデメリット

キャノピーを装着することで、ハイラックスの使い勝手は大きく変わります。便利になる点も多いですが、まずは知っておくべきデメリットを7つ紹介します。

①背の高い荷物が積めなくなる

最も大きなデメリットは、積載の自由度が下がることです。オープンな荷台が魅力のハイラックスですが、キャノピーで屋根ができてしまうため、高さのある荷物が積めなくなります。

例えば、自転車や家具、大きめのキャンプ用品などを運ぶ際に、高さが足りず積めないという状況が起こり得ます。もちろん、キャノピーの高さの範囲内であれば問題ありませんが、「いつでも何でも気軽に積める」というピックアップトラックならではの強みは少し薄れてしまうでしょう。仕事や趣味で背の高い荷物を運ぶ機会が多い方は、特に慎重な検討が必要です。

②頻繁な取り外しは現実的ではない

「必要なときだけ外せばいい」と考えるかもしれませんが、キャノピーの取り外しは決して簡単ではありません。製品にもよりますが、多くは荷台にボルトやクランプでしっかりと固定されており、取り外すには工具を使った作業が必要です。

また、キャノピー自体が大きくて重いため、一人での作業は危険を伴います。最低でも二人以上で作業する必要があり、外した後の保管場所にも困るケースが多いです。そのため、用途に応じて頻繁に取り付け・取り外しを繰り返すような使い方には不向きだと考えておきましょう。

③後方の視界が悪化する

キャノピーを装着すると、ルームミラー越しの後方視界がかなり制限されます。特に、窓がないパネルタイプのキャノピーを選ぶと、真後ろはほとんど見えなくなると考えた方が良いでしょう。

窓付きのタイプでも、窓枠や汚れなどによって視界は悪化します。バックカメラやデジタルインナーミラーがあればある程度はカバーできますが、それでも目視での確認がしにくくなる点はデメリットです。特に、狭い場所での駐車や車線変更時には、これまで以上の注意が求められます。

④重量増で燃費がわずかに悪化する

キャノピーの素材はFRPやアルミが主流ですが、それでも数十kg単位での重量増は避けられません。車両重量が増えることで、発進時の加速が少し鈍く感じられたり、燃費がわずかに悪化したりする可能性があります。

劇的に燃費が悪くなるわけではありませんが、日常的に長距離を運転する方にとっては、少し気になるポイントかもしれません。また、車高が高くなることで空気抵抗も増え、高速走行時の走行安定性や燃費に少なからず影響を与えることもあります。

⑤雨漏りのリスクが常にある

キャノピーは荷台との接合部や窓枠など、水の侵入経路となり得る箇所がいくつかあります。専門業者に取り付けてもらったとしても、経年劣化でシーリング材やゴムパッキンが痩せてくると、雨漏りが発生するリスクはゼロではありません。

荷台に濡らしたくない大切な道具やキャンプ用品を積んでいるときに雨漏りが発生すると、大きな被害につながることもあります。定期的な点検やシーリング材の打ち直しといったメンテナンスを怠らないことが、雨漏りを防ぐ上で非常に重要になります。

⑥洗車が大変になる

キャノピーを装着すると、車の全高が高くなり、ルーフ部分が洗いにくくなります。特に、キャノピーと車体キャビンの隙間は手が届きにくく、汚れが溜まりやすい箇所です。

手洗い洗車の場合は脚立が必要になりますし、洗車機を利用する場合も、キャノピーの形状や材質によっては断られたり、ブラシが届かず洗い残しが出たりすることがあります。車を常に綺麗に保ちたい方にとっては、洗車の手間が増える点は地味ながらも大きなデメリットと感じるでしょう。

⑦購入・取り付けの費用が高い

キャノピーは決して安いパーツではありません。社外品の比較的安価なモデルでも15万円以上、有名ブランドの製品や純正同等品になると、製品価格が30万円~50万円ほどかかります(取り付け工賃別途)。

これに加えて、専門業者に取り付けを依頼すると数万円の工賃が発生します。自分で取り付ける(DIY)ことも可能ですが、雨漏りのリスクなどを考えると、プロに任せるのが安心です。初期投資として、ある程度のまとまった費用が必要になることは覚悟しておく必要があります。

デメリットだけじゃない!キャノピー装着の4つのメリット

ここまでデメリットを多く挙げてきましたが、もちろんそれを上回るメリットも存在します。ここでは、キャノピーを装着する主なメリットを4つ紹介します。

①荷物を雨風や汚れから守れる

最大のメリットは、荷台に積んだ荷物を天候から完全に保護できることです。突然の雨や雪、走行中に巻き上げる泥やホコリなどから大切な荷物を守れます。

仕事で使う精密な道具や、濡らしたくないキャンプ用品、汚したくない趣味のアイテムなどを安心して運べるようになるのは、非常に大きな利点です。いちいち荷物にシートをかける手間もなくなり、スマートに荷物を運搬できます。

②防犯性が格段にアップする

鍵付きのキャノピーを装着すれば、荷台が巨大なトランクスペースに変わります。これにより、荷物の盗難リスクを大幅に減らすことが可能です。

オープンな荷台では車から離れる際に不安が残るような高価な工具やアウトドア用品も、安心して積んだままにしておけます。サービスエリアでの休憩や、外出先での駐車時にも、荷物の心配をする必要がなくなるのは精神的にも楽になります。

③見た目の迫力が増す(ドレスアップ効果)

キャノピーを装着すると、ハイラックスのリアビューに厚みとボリュームが生まれ、SUVのような一体感のあるスタイリングに変化します。ノーマルの状態とは一味違う、迫力のあるワイルドな外観を手に入れられるのも魅力の一つです。

ボディと同色に塗装すれば統一感が出ますし、あえて違う色を選んで個性を主張することもできます。実用性だけでなく、愛車を自分好みにカスタムしたいという欲求も満たしてくれるパーツです。

④工夫次第で車中泊も可能になる

キャノピーで覆われた荷台は、プライベートな空間として活用できます。荷台のサイズに合わせてマットやベッドキットを設置すれば、足を伸ばして眠れる快適な車中泊スペースの完成です。

テントを設営する手間が省け、悪天候でも安心して夜を過ごせます。換気や断熱といった対策は必要になりますが、ハイラックスをベースにした自分だけの「動く秘密基地」として、アウトドアの楽しみ方を大きく広げてくれるでしょう。

ハイラックスのキャノピー選びで失敗しないためのポイント

キャノピーには様々な種類があり、どれを選べば良いか迷うかもしれません。ここでは、購入後に後悔しないための選び方のポイントを解説します。

純正品と社外品どっちを選ぶ?特徴を比較

キャノピーには、トヨタが提供するもの(過去には純正オプションとして存在)と、パーツメーカーが製造する社外品があります。それぞれのメリット・デメリットを理解して、自分に合ったものを選びましょう。

項目純正品・純正同等品社外品
価格高価(30万円~)比較的安価(15万円~)
フィット感非常に高い製品により差がある
デザイン車両との一体感があるバリエーションが豊富
機能性シンプルなものが多い多機能なモデルも多い
保証メーカー保証があり安心保証がない場合も多い

品質や車両との一体感を最優先するなら純正同等品、コストを抑えつつ自分の使い方に合った機能やデザインを選びたいなら社外品がおすすめです。

TRD製は生産終了!代替品はある?

かつてトヨタの純正オプションとして絶大な人気を誇った「TRD製キャノピー」は、残念ながら2023年5月に販売を終了しました。しかし、諦める必要はありません。

TRD製キャノピーを製造していたタイの「AEROKLAS(エアロクラス)」というメーカーが、現在もTRD製とほぼ同スペックのキャノピーを製造・販売しています。ロゴなどの細かい違いはありますが、フィット感や品質は折り紙付きです。TRDのデザインにこだわりたい方は、AEROKLAS製キャノピーを探してみるのが良いでしょう。

中古品を選ぶ際の注意点

コストを抑えるために中古品を検討するのも一つの手です。ただし、中古品にはリスクも伴います。購入前には以下の点を必ずチェックしてください。

  • 適合確認: 同じハイラックスでも、年式や型式によって適合しない場合があります。
  • 防水性の確認: ゴムパッキンの劣化やひび割れがないか、入念に確認しましょう。
  • 開閉部の状態: 窓やリアゲートがスムーズに開閉するか、ロック機能は正常かを確認します。
  • 付属品の有無: 取り付けに必要なボルトや金具が全て揃っているか、事前に確認が必要です。

キャノピーに関するよくある質問

最後に、ハイラックスのキャノピーに関する細かな疑問にお答えします。

取り付け・取り外しの工賃はいくら?

専門業者に依頼した場合、取り付け・取り外しの工賃はモデルや店舗によって大きく異なりますが、1.5万円~5万円程度が目安です。TRD製のように比較的シンプルなモデルでは工賃が抑えられる一方、室内灯などの配線作業が必要な場合は高くなる傾向があります。頻繁に着脱するとその都度費用がかかるため、基本的には一度付けたらそのまま、という使い方を前提に考えましょう。

雨漏りしてしまったときの対策は?

もし雨漏りが発生してしまったら、まずはどこから水が侵入しているのか箇所を特定します。多くは荷台との接合部や窓枠です。原因箇所が分かったら、ホームセンターなどで手に入るシリコンシーラントを使って隙間を埋めるのが最も手軽で効果的な対策です。ゴムパッキンが劣化している場合は、部品を取り寄せて交換しましょう。

車検はそのまま通る?

キャノピーは「指定部品」に分類されるため、ボルトやクランプなどで固定されている(溶接などで恒久的に固定されていない)限り、基本的には構造変更の申請は不要で、そのまま車検に通ります。

ただし、キャノピーの装着によって車両の重量が大幅に増加し、車両総重量が変わる場合は構造変更が必要になるケースもあります。心配な場合は、事前に陸運局や車検を依頼する業者に確認しておくと安心です。

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【補足】そもそも今、ハイラックスは新車で買える?

ここまでキャノピーについて解説してきましたが、現在(2025年10月時点)ハイラックスは、ディーゼルエンジンの認証不正問題の影響で新車の生産および注文が停止されています。

生産再開の目処はまだ立っておらず、新車での購入はできない状況です。そのため、ハイラックスを手に入れるには、中古車市場で探すしかありません。新車の供給が止まっている影響で、中古車価格も高騰傾向にあるため、購入を検討している方は市場の動向を注意深くチェックする必要があります。

参考:【ハイラックス】生産休止のお知らせ(トヨタ自動車)

まとめ:デメリットを理解し、自分のスタイルに合うなら最高の相棒に

ハイラックスのキャノピーは、積載の自由度が下がる、視界が悪化する、費用がかかるなど、いくつかのデメリットが存在します。

しかし、荷物の保護、防犯性の向上、そして何より見た目のカッコよさといった、それを上回る魅力があるのも事実です。

今回紹介したメリットとデメリットをよく比較し、ご自身のライフスタイルやハイラックスの主な用途を考えた上で、「デメリットを許容できる」と判断できるのであれば、キャノピーはあなたのハイラックスを最高の相棒にしてくれる間違いのないカスタムパーツとなるでしょう。

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