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BMW i8の中古車が安いのはなぜ?理由と維持費を徹底解説

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街で思わず二度見してしまう、未来的なデザインのBMW i8。かつては新車で2,000万円以上したこのスーパーカーが、今や中古車市場で驚くほど手に入れやすい価格になっているのをご存知でしょうか。

「こんなに安いのは、何か大きな欠陥があるのでは…?」と不安に感じる方も多いかもしれません。

結論から言うと、BMW i8の中古車が安い主な理由は、「新車価格からの大きな値下がり」「PHEV特有の維持費への懸念」「特殊な立ち位置によるターゲット層の限定」の3つです。

決して「欠陥車だから安い」というわけではありません。むしろ、その特性を正しく理解すれば、唯一無二の魅力を持つi8を賢く手に入れる絶好のチャンスなのです。

この記事では、i8の中古車が安い理由から、気になる維持費、バッテリーの寿命、そして購入後に後悔しないためのチェックポイントまで、どこよりも分かりやすく解説していきます。

理由1:新車価格2,000万円超えからの大きな下落

BMW i8が安く見える最大の理由は、新車時の価格が非常に高額だったことにあります。2014年のデビュー当時、クーペモデルの新車価格は約1,917万円。その後、2018年のマイナーチェンジ後には2,000万円を突破しました。

一般的に、どのような車でも新車登録からの3年間で価値が大きく下がると言われています。特にi8のような高価格帯のラグジュアリーカーやスポーツカーは、その下落幅が非常に大きくなる傾向があるのです。

例えば、新車で2,000万円の車が5年後に半額の1,000万円になったとしても、下落した金額は1,000万円です。この「価格の下落幅」が大きいため、中古車になった際に「驚くほど安い」という印象を与えるわけですね。i8は、未来的な技術とデザインにいち早く投資したオーナーが、その大きな減価償却を負担してくれた結果、中古車市場で魅力的な価格が実現している、と考えることもできます。

理由2:PHEVならではの維持費や故障リスクへの懸念

i8は、エンジンとモーターを組み合わせたプラグインハイブリッド(PHEV)です。この特殊な構造が、中古車価格を押し下げる一因となっています。購入を検討する多くの人が「バッテリーが故障したら高額な修理費がかかるのでは?」「専用部品が多くてメンテナンス費用も高いのでは?」といった懸念を抱くためです。

実際に、駆動用バッテリーの交換には多額の費用がかかる可能性がありますし、カーボンファイバー強化樹脂(CFRP)を多用したボディは、万が一の事故の際に修理できる工場が限られ、修理費も高額になりがちです。

こうした維持に関するリスクや不透明さが、中古車市場での需要に影響を与え、結果として価格が控えめに設定される要因となっています。ただし、これらのリスクは事前に知識をつけ、適切な車両選びとメンテナンス計画を立てることで、ある程度コントロールすることが可能です。この点については、後の見出しで詳しく解説しますね。

理由3:ターゲット層が限定される特殊な立ち位置

BMW i8は、その成り立ちからして非常にユニークな車です。見た目は完全なスーパーカーでありながら、エンジンは1.5Lの3気筒ターボ。これは、大排気量エンジンの轟音や圧倒的なパワーを求める伝統的なスポーツカーファン層には、少し物足りなく映ることがあります。

一方で、環境性能や先進性を重視する層にとっては、純粋な電気自動車(EV)ほどの航続距離はないため、中途半端に感じられることも。

つまり、i8は「伝統的なスポーツカー好き」と「最先端のEV好き」という両極端の層から、わずかに外れたポジションにいるのです。熱狂的なファンがいる一方で、万人に受け入れられるタイプの車ではないため、需要の母数が限られてしまいます。このニッチなキャラクターが、中古車市場での価格を落ち着かせている大きな理由と言えるでしょう。

気になるi8の維持費は?項目別にシミュレーション

i8の購入を具体的に考え始めると、次に気になるのが年間の維持費でしょう。ここでは、税金からメンテナンス費用まで、具体的な金額をシミュレーションしてみます。

税金(自動車税・重量税)

i8の大きなメリットの一つが、税金の安さです。自動車税はエンジンの排気量によって決まりますが、i8のエンジンは1.5L(1,498cc)です。そのため、年間の自動車税は29,500円(2019年10月1日以降登録の場合)と、スーパーカーとしては破格の安さになります。

また、車検時に支払う自動車重量税も、エコカー減税の対象となる場合があります。年式やモデルによって異なりますが、一般的なスポーツカーと比較して税金面で非常に優遇されているのは間違いありません。この点は、所有する上での大きなアドバンテージとなるでしょう。

任意保険料の目安

任意保険料は、年齢や等級、車両保険の有無によって大きく変動しますが、i8は料率クラスが高めに設定されているため、一般的な国産車よりは高額になります。

車両保険を付ける場合、20代のドライバーであれば年間30万円以上、30代以降で等級が進んでいても年間10万円〜20万円程度は見ておくと安心です。複数の保険会社から見積もりを取り、自分に合ったプランを選ぶことをおすすめします。特に、i8の修理費は高額になる可能性があるため、車両保険への加入は必須と考えた方が良いでしょう。

メンテナンス費用(タイヤ・オイル・車検)

i8のメンテナンスで最も注意が必要なのがタイヤです。標準仕様では前輪195/50R20、後輪215/45R20、オプションでは前輪215/45R20、後輪245/40R20といった前後で異なるサイズの専用タイヤを装着しており、選択肢が限られます。4本交換すると、工賃込みで20万円〜30万円以上かかることも珍しくありません。

エンジンオイルの交換は、一般的なBMW車と大差なく、1回あたり2万円〜3万円程度が目安です。

車検費用は、ディーラーに依頼するか、専門工場に依頼するかで変わってきます。法定費用に加えて、PHEVシステムの診断や消耗品の交換などを含めると、1回あたり15万円〜25万円程度を見込んでおくと現実的です。特殊な車両であるため、i8の整備実績が豊富な工場に依頼することが満足度を高める鍵となります。

最大の懸念点!バッテリーの寿命と交換費用

PHEVであるi8を中古で買う際に、誰もが最も心配するのが駆動用バッテリーの状態ではないでしょうか。ここでは、バッテリーの寿命と交換費用について解説します。

バッテリーの寿命はどのくらい?

BMWは、i8の駆動用バッテリーに対して「8年または100,000マイル(約16万km)」の特別保証を設けています。これは、メーカーがその期間内の性能を保証しているということであり、バッテリーの寿命を知る上での一つの目安になります。

もちろん、乗り方や充電頻度、保管状況によってバッテリーの劣化速度は変わってきます。頻繁に急速充電を行ったり(i8は普通充電のみ対応ですが)、バッテリー残量が極端に少ない状態や満充電の状態で長期間放置したりすると、劣化が進みやすくなります。

一般的には、年数が経過するにつれて少しずつ蓄電容量は減っていきますが、突然走行不能になるような壊れ方をするケースは稀です。中古車を選ぶ際は、保証期間が残っている車両を選ぶと、より安心感が高まります。

交換費用はいくらかかるのか

万が一、保証期間が過ぎた後にバッテリーを交換する必要が出た場合、その費用は非常に高額になります。具体的な金額はケースバイケースですが、バッテリーユニット全体の交換となると、部品代と工賃を合わせて100万円以上、場合によっては200万円を超える可能性もゼロではありません。

ただし、バッテリーは複数のモジュールで構成されており、劣化した部分だけを交換できる場合もあります。その場合は、費用を数十万円程度に抑えられる可能性もあります。

購入前に、バッテリーの健康状態(SOH: State of Health)を専門の診断機でチェックしてもらうことが非常に重要です。信頼できる販売店であれば、納車前に診断記録を見せてくれるはずですので、必ず確認するようにしましょう。

クーペとロードスター、中古市場での違いは?

i8には、屋根がある「クーペ」と、オープンエアを楽しめる「ロードスター」の2つのボディタイプが存在します。それぞれの特徴と中古市場での評価を比較してみましょう。

項目クーペロードスター
乗車定員2+2名2名
特徴・後部座席があり実用的
・ボディ剛性が高くスポーティ
・流通量が比較的多く選びやすい
・開放的なオープンエア走行が可能
・より非日常的な特別感
・生産台数が少なく希少価値が高い
新車時価格基準クーペより約150万円〜高い
中古市場の傾向比較的安価で推移希少性から高値を維持しやすい

実用性を少しでも重視するなら、緊急時に荷物を置いたり人を乗せたりできるクーペがおすすめです。流通量も多いため、予算や条件に合う一台を見つけやすいでしょう。

一方、i8を純粋な趣味の車として捉え、非日常的なドライブ体験を最優先するなら、ロードスターは最高の選択肢です。生産台数が少ないため中古市場でも価格は高めですが、その分リセールバリューも期待できるかもしれません。ご自身のライフスタイルや車に求めるものを明確にして選ぶことが大切です。

後悔しない!BMW i8中古車選びのチェックポイント

最後に、i8の中古車を購入する際に、絶対に確認しておきたいポイントをまとめました。これらの点をしっかり押さえることで、購入後のトラブルを未然に防ぐことができます。

年式(前期・後期)の違いを確認

i8は2018年のマイナーチェンジを境に、前期型と後期型(LCIモデル)に分かれます。両者にはいくつかの重要な違いがあります。

一番大きな違いは、バッテリー容量です。後期型はバッテリー容量が増加し(7.1kWh→11.6kWh)、モーターの出力も向上しました。これにより、EVモードでの航続距離が伸び、より静かで力強い走りを楽しめるようになっています。

また、インフォテインメントシステムも新しくなり、操作性が向上しています。予算が許すのであれば、あらゆる面で進化した後期型(2018年以降のモデル)を選ぶのがおすすめです。前期型と後期型では中古車価格にも差がありますので、性能と価格のバランスを考えて選びましょう。

記録簿と修復歴は必ずチェック

これはどんな中古車にも言えることですが、i8の場合は特に重要です。ディーラーや専門工場での定期的な点検記録がしっかり残っている「整備記録簿」付きの車両を選びましょう。特に、ハイブリッドシステムの点検履歴が確認できると安心です。

また、i8はCFRP製の特殊なボディを持つため、修復歴の有無は絶対に確認してください。軽微な修復であっても、専門の知識と技術を持つ工場で適切に修理されていなければ、ボディ剛性や安全性に問題を抱えている可能性があります。「修復歴なし」とされている車両でも、念のため査定士による鑑定書などを確認できると万全です。

BMW i8の魅力と後悔しない購入ガイド|新車価格・維持費・バッテリー寿命まで徹底解説

まとめ:BMW i8は「特性を理解できる人」にとって最高の相棒

この記事では、BMW i8の中古車が安い理由から、維持費、購入時の注意点までを詳しく解説してきました。

BMW i8の中古車が安い理由まとめ

  • 新車価格が2,000万円超と高額で、値下がり幅が大きいため安く見える。
  • バッテリー交換など、PHEV特有の維持費への懸念が価格を押し下げている。
  • 伝統的なスポーツカーファン層からもEVファン層からも少し外れた、ニッチな立ち位置。

i8は、決して万人におすすめできる車ではありません。しかし、その唯一無二のデザインに惚れ込み、PHEVという特性を理解し、計画的なメンテナンスを厭わない人にとっては、これ以上ないほど魅力的で満足度の高いパートナーとなってくれるはずです。

充電環境を整え、信頼できる販売店で素性の良い個体を見つけることができれば、かつての未来が驚くほど身近な存在になります。この記事が、あなたの賢いi8選びの助けとなれば幸いです。

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