「移動中にサッと髪を直したいけど、新幹線のコンセントでヘアアイロンって使っていいのかな?」
旅行や出張の朝、移動時間を有効活用して身だしみを整えたいとき、こんな疑問が浮かびますよね。
結論から言うと、技術的には新幹線のコンセントでヘアアイロンを使うことは可能ですが、マナーや安全面を考慮すると推奨されていません。どうしても必要な場合は、十分な配慮が必要です。
何も知らずに使うと、ブレーカーを落としてしまったり、周りの乗客とのトラブルの原因になったりすることも。
この記事では、なぜ新幹線でのヘアアイロン使用がおすすめできないのか、その理由と、スマートな代替案を詳しく解説します。
なぜ非推奨?座席コンセントでの使用が抱える問題点
座席のコンセントがあるからといって、どんな電化製品でも自由に使えるわけではありません。特にヘアアイロンは、ノートパソコンやスマートフォンの充電とは大きく異なり、座席のコンセントで使うにはいくつかの大きな問題点があります。
問題点1:消費電力が大きく、ブレーカーが落ちる危険性
JR各社はコンセントの最大消費電力を公式に発表していませんが、一般的に座席のコンセントは「100V / 2A(アンペア)」と言われています。これは電力に換算すると200W(ワット)が上限の目安となります。
しかし、一般的な家庭用ヘアアイロンの消費電力は、この上限を大幅に超えるものがほとんどです。
ヘアアイロンの種類 | 消費電力の目安 | 座席コンセントでの使用 |
---|---|---|
コードレス(充電式) | 20W~50W | ○(コンセント不要) |
旅行用のミニサイズ | 20W~70W | △(要注意) |
一般的な家庭用 | 150W~1200W | ×(使用不可) |
表を見ると分かるように、一般的な家庭用ヘアアイロンの多くは、座席コンセントの上限である200Wを大幅に超えるため、使用すると車両のブレーカーを落としてしまう危険性が非常に高いです。そうなると、他の乗客が充電などでコンセントを使えなくなり、大変な迷惑をかけてしまいます。
問題点2:火傷や匂いなど、周りの乗客への迷惑
たとえ消費電力の低いモデルだったとしても、マナーの問題は残ります。
- 熱による不快感・危険:座席周りは意外と狭く、高温になったアイロンの熱が隣の席の人に伝わってしまう可能性があります。
- スタイリング剤の匂い:ヘアスプレーやワックスの匂いは、密閉された空間では想像以上に広がります。匂いに敏感な方にとっては、大きなストレスになりかねません。
- 揺れによる火傷のリスク:高速で走行する新幹線では、予期せぬ揺れはつきものです。手元が狂って顔や首を火傷したり、アイロンを落としてしまったりする危険が常に伴います。
新幹線でヘアセットするならどこがベスト?
車内でのヘアセットは基本的に推奨されませんが、場所によって条件が異なります。それぞれの注意点を理解しておきましょう。
座席での使用は最終手段に
自分の席でコンセントを使えるのは手軽に思えますが、前述の通り、電力の問題やマナー、安全面でのリスクが最も高い場所です。座席でのヘアアイロンの使用は、原則として避けるべきと考えましょう。
どうしても必要な場合は、コンセントを使わない充電式のコードレスタイプを、周りに人がいない状況で、ごく短時間(前髪を直す程度)だけ使う、という場合に限定するのが賢明です。
洗面所のコンセントは使える?
新幹線の洗面所には一般的にコンセントが設置されており、座席よりも高い電力(1000W程度)に対応していますが、共用スペースのため他の乗客への配慮が特に重要です。
技術的には家庭用ヘアアイロンも使用可能な場合がありますが、洗面所は多くの人が利用するスペースです。歯磨きや化粧直しなど、他の乗客も利用するため、ヘアアイロンで長時間占領してしまうのは重大なマナー違反です。混雑時はもちろん、空いていても手早く済ませる配慮が不可欠です。匂いの強いスタイリング剤の使用も控えましょう。
推奨!スマートな代替案で快適な旅を
車内でのトラブルを避け、気持ちよく移動するためには、乗車前に準備を済ませておくのが最もおすすめです。
最適解:乗車前に駅のパウダールームで済ませる
最も確実で快適なのが、新幹線に乗る前に駅のパウダールームや化粧室でヘアセットを済ませておくことです。
主要な駅には、有料・無料のパウダールームが設置されていることが増えています。広々とした空間でコンセントも気兼ねなく使えるため、落ち着いて身だしなみを整えることができます。少し早めに駅に到着して、準備時間を確保するのがスマートな大人の選択です。
便利アイテムを活用する
車内でサッと手直ししたい場合は、コンセント不要のアイテムが活躍します。
- コードレス(充電式)ヘアアイロン:コンセントを使わないため、座席でどうしても直したい場合の最終手段になります。ただし、使用する際は周りの状況をよく確認し、マナーへの配慮を忘れずに。
- 前髪カーラー・ホットカーラー:移動中に巻いておくだけで、自然なカールをつけられます。火傷の心配もなく安全です。
- まとめ髪ワックス・ヘアシート:スティック状のワックスやウェットシートタイプのスタイリング剤なら、手を汚せず、気になるアホ毛や後れ毛を手軽に抑えることができます。
まとめ
新幹線でのヘアアイロン使用について、最後に大切なポイントをまとめます。
- 車内でのヘアアイロン使用は、マナーと安全の観点から「非推奨」
- 座席のコンセントは電力不足で家庭用は使用不可。ブレーカーが落ちる危険も
- 洗面所のコンセントは使えるが、共用スペースのため長時間の使用はマナー違反
- 乗車前に駅のパウダールームなどで済ませるのが最もスマートな方法
- どうしても車内で直すなら、コードレス製品やカーラーなどの代替品を活用する
移動時間を有効活用したい気持ちは大切ですが、それは周りの人々の快適な時間を尊重してこそ。自分に合った代替案を見つけて、マナーを守り、気持ちのよい新幹線の旅を楽しんでくださいね。
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