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文面とはどんな意味?文章との違いや使い分けを例文で解説

文面とはどんな意味?文章との違いや使い分けを例文で解説 仕事・ビジネス

日常生活やビジネスシーンで、メールや報告書を作成する機会は多いですよね。

そんなとき、「文面」と「文章」という言葉を何気なく使っていませんか?

実はこの2つ、似ているようで明確な違いがあります。

この記事では、「文面」と「文章」の正しい意味と使い分けを、豊富な例文とともに分かりやすく解説します。

「文面」と「文章」の決定的な違いとは?

さっそく結論から見ていきましょう。

この2つの言葉は、焦点を当てる対象が異なります。

  • 文面:書かれた内容や意図、ニュアンスに焦点を当てる言葉
  • 文章:言葉の連なりという形式や構造そのものに焦点を当てる言葉

「心」に注目するのが「文面」で、「形」に注目するのが「文章」と覚えると分かりやすいかもしれません。

それぞれの意味を、もう少し詳しく見ていきましょう。

「文面」は”内容や意図”に焦点を当てる言葉

「文面(ぶんめん)」は、手紙やメール、文書などに書かれている内容や趣旨、そこから読み取れる書き手の意図や感情を指します。場合によっては「もんめん」と読まれることもあります。

言葉の裏にあるニュアンスや、行間から伝わる雰囲気といった、目に見えない部分も含むのが特徴です。

そのため、「文面を考える」「文面を推敲(すいこう)する」といった使い方をします。

これは単に言葉を並べるのではなく、「相手にどう伝わるか」「失礼がないか」といった内容や意図を練る行為を指しています。

「文面」を使った例文

  • お詫びの気持ちが伝わるよう、メールの文面を何度も練り直した。
  • 契約書の文面をよく確認してから署名してください。
  • 彼女からの手紙の文面には、喜びが満ちあふれていた。
  • SNSの投稿の文面が、冷たい印象を与えてしまったようだ。

「文章」は”言葉の連なり”そのものを指す言葉

一方、「文章(ぶんしょう)」は、複数の文が集まって構成された、まとまりのある思想や感情の表現そのものを指します。

あくまでも言葉の連なりという「形式」や「構造」に焦点が当たっており、内容や意図は含みません。

「文章が上手い」と言えば、言葉の選び方や文の組み立て方が巧みであることを意味します。

また、「文章を書く」「文章を添削する」というように、言葉の連なりに対して直接的な操作を行う際に使われることが多いです。

「文章」を使った例文

  • 彼は、簡潔で分かりやすい文章を書くのが得意だ。
  • この小説は文章が美しく、情景が目に浮かぶようです。
  • レポートの文章に誤りがないか、先生にチェックしてもらった。
  • 結論から先に書くことで、論理的な文章になります。

比較表で一目でわかる!「文面」と「文章」の使い分け

ここまでの内容を表にまとめました。

見比べると、2つの言葉の違いがよりクリアになりますね。

項目文面文章
読み方ぶんめん (もんめん)ぶんしょう
指すもの内容、趣旨、意図、ニュアンス言葉の連なり、形式、構造
焦点中身、心形、テクニック
主な動詞考える、推敲する、察する書く、読む、添削する、構成する
例文お詫びの文面を考える分かりやすい文章を書く

ビジネスシーンでの正しい使い方【例文付き】

特にビジネスシーンでは、言葉の使い分けが重要になります。

「文面」と「文章」を正しく使えないと、意図が正確に伝わらなかったり、相手に稚拙な印象を与えてしまったりするかもしれません。

ここでは、よくあるシチュエーションを例に、適切な使い方を紹介します。

内容の確認を依頼するなら「文面をご確認ください」

取引先へのメールや、上司への報告書など、書かれている内容や表現が適切かどうかを確認してほしい場合は、「文面」を使いましょう。

これは、「この内容で失礼がないか」「意図が正しく伝わるか」といった、内容の妥当性について判断を仰ぐニュアンスが含まれます。

例文

  • 「部長、先方への提案メールを作成しました。一度、文面をご確認いただけますでしょうか。」
  • 「この度はご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません。謝罪文の文面として、こちらで問題ないかご教示ください。」

誤字脱字のチェックなら「文章をご確認ください」

誤字脱字や文法的な誤り、構成のチェックなど、文章の形式的な正しさを確認してほしい場合は、「文章」を使うのが適切です。

もちろん、実際の会話では「文章を確認してください」という言葉が、内容のチェックを意味する場合も少なくありません。このように、「文面」と「文章」の境界は文脈によって曖昧になることもあります。

しかし、ビジネスシーンなどでより正確に意図を伝えたいのであれば、「内容の確認は文面」「形式の確認は文章」と使い分けるのがスマートです。

例文

  • 「新入社員向けマニュアルの文章に、分かりにくい点がないか確認をお願いします。」
  • 「プレゼン資料の文章を、より簡潔にするために添削してもらえませんか。」

「文面」「文章」と混同しやすい類義語も整理

「文面」や「文章」のほかにも、似たような言葉がいくつかあります。

この機会にそれぞれの意味を整理して、言葉の引き出しを増やしておきましょう。

文(ぶん)

句点「。」で区切られた、言葉のひとまとまり。文章を構成する最小単位です。

例:「今日は天気が良い。」

文書(ぶんしょ)

文字で書き記された書類全般を指します。特に、手紙や記録、公的な書類などを指すことが多い言葉です。

「文章」が言葉の連なりそのものを指すのに対し、「文書」は書類という「モノ」を指すニュアンスが強くなります。

例:契約文書、社内文書

書面(しょめん)

手紙や書類など、紙に書かれたものを指しますが、近年ではメールのような電子媒体による記録も「書面」に含まれるケースが増えています。

「口頭ではなく、記録に残る形で」という点を強調したいときに使われる言葉です。

例:書面にてご回答いたします。

SNSやチャットではどう使い分ける?

近年、コミュニケーションの主流となっているSNSやチャット。

こうした短いテキストが中心のやり取りでも、「文面」と「文章」は使われます。

基本的な意味は変わりませんが、少し柔軟に使われる傾向があるようです。

例えば、X(旧Twitter)の短い投稿でも、その内容や表現が議論を呼んだときには「彼の投稿の文面が物議を醸している」のように使います。

これは、短いテキストの中にも書き手の意図やニュアンスが強く表れるためだと考えられます。

一方で、LINEなどでの複数回のやり取りをまとめて、「彼のチャットの文章はいつも端的で分かりやすい」と表現することもあります。

これは、一連のやり取りを一つのまとまった表現として捉えているからです。

デジタルコミュニケーションにおいても、「内容・意図」に触れるときは「文面」、「形式・表現」に触れるときは「文章」という基本を押さえておけば、迷うことは少ないでしょう。

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まとめ

最後に、「文面」と「文章」の違いをもう一度おさらいしましょう。

  • 文面:文章に書かれた内容や趣旨、意図を指す
  • 文章:文の集まりという形式そのものを指す
  • 使い分けのヒント:「内容」を確認するなら「文面」、「形式」を確認するなら「文章」(ただし、境界は曖昧なこともある)

また、「文」「文書」「書面」といった類義語との違いも理解しておくと、より表現の幅が広がります。

言葉の意味を正しく理解し、適切に使い分けることは、円滑なコミュニケーションの第一歩です。

特にビジネスシーンでは、言葉一つで相手に与える印象が大きく変わることもあります。

ぜひ、今回ご紹介した内容を日々のコミュニケーションに活かしてみてくださいね。

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