ある日突然、スマホに見慣れない「+295」から始まる電話番号の着信履歴が残っていたら、少し不気味に感じますよね。
「誰からの電話だろう?」「重要な連絡だったらどうしよう?」と、つい折り返したくなる気持ちも分かります。
しかし、その行動は一度立ち止まって考えてみてください。
この記事では、「+295」から始まる国際電話の謎、その本当の目的、そして万が一着信があった場合の正しい対処法から予防策まで、最新の情報に基づいて分かりやすく解説していきます。この記事を読めば、もう不審な国際電話に悩まされることはありません。
「+295」の正体は?どの国にも割り当てられていない謎の番号
まず、この見慣れない番号の正体から探っていきましょう。
結論から言うと、国番号「+295」は、国際電気通信連合(ITU)によって現在どの国・地域にも割り当てられていない「未割り当て番号」です。つまり、本来であればこの番号から電話がかかってくることはあり得ません。
インターネット上では「トーゴ」や「フェロー諸島」といった情報が見られますが、これらは誤りであったり、過去の情報が更新されずに残っていたりするものです。
では、なぜ存在しないはずの番号から着信があるのでしょうか。それは「発信者番号偽装(スプーフィング)」という技術が詐欺に悪用されている可能性が非常に高いです。これは、詐欺グループが自分たちの本当の番号を隠し、架空の番号や他人の番号を偽って表示させる手口です。したがって、心当たりのない「+295」からの着信は、極めて危険なサインと捉えるべきです。
なぜ偽装された「+295」から電話が?その目的と手口
存在しないはずの番号「+295」をわざわざ偽装してまで電話をかけてくる目的。そのほとんどは、いわゆる国際ワン切り詐欺(または国際コールバック詐欺)と呼ばれる手口だと考えられます。
最近では、発信者番号を国際電話番号に変換できるスマートフォンアプリなどを悪用して、このような偽装が行われるケースも多く報告されています。
目的は高額な通話料を狙った「ワン切り詐欺」
この詐欺の仕組みは非常にシンプルです。
- 詐欺業者が、番号を偽装して無差別に電話を発信する。
- 相手が出る前に、1〜2コールですぐに電話を切る(ワン切り)。
- 着信履歴を見た相手が、親切心や好奇心から折り返し電話をかけてくるのを待つ。
- 折り返してきた相手を、高額な通話料が発生する特殊なダイヤルに接続し、不当な利益を得る。
なお、注意すべきは「+295」だけではありません。「+293」「+294」「+296」といった他の「+29X」系の番号も同様に未割り当てであり、詐欺に悪用される事例が確認されています。「+29」から始まる見慣れない番号には一括して警戒が必要です。
電話がかかってきただけで個人情報は抜かれる?
「電話がかかってきただけで、スマホの中の個人情報が抜き取られたりしない?」と心配になる方もいるかもしれません。
結論から言うと、着信があっただけで、あなたのスマホから個人情報が直接的に流出する可能性は極めて低いです。電話の着信という行為自体には、データを抜き取るような機能はないため、その点は少し安心してください。ただし、過去に利用したサービスなどから電話番号が流出し、それが詐欺業者のリストに載ってしまった可能性は否定できません。
「+295356510110」などの着信への正しい対処法
では、実際に不審な国際電話の着信があった場合、私たちはどのように行動すれば良いのでしょうか。やるべきこと、やってはいけないことを明確に整理しました。
絶対にやってはいけないこと
まず、最も大切なのは「折り返し電話をしない」ことです。これが被害を防ぐための絶対的なルールです。相手の思うツボにはまってしまい、高額な通話料を請求される原因となります。少しでも「怪しいな」と感じたら、その番号に発信しないようにしてください。
また、電話だけでなく、SMS(ショートメッセージ)で同様の番号から連絡が来るケースもあります。メッセージ内に記載されたURLをクリックしたり、指示に従って返信したりすることも絶対にやめましょう。個人情報を盗むフィッシング詐欺サイトへ誘導される危険性があります。
まずはコレ!安全で確実な対処法
最も安全で簡単な対処法は「徹底的に無視すること」です。知らない番号、特に「+」から始まる心当たりのない国際電話は、放置するのが一番です。
もし留守番電話にメッセージが残っていても、注意が必要です。無音であったり、中国語などの自動音声が録音されていたりする場合がありますが、決してその内容には従わず、メッセージごと削除してください。
そして、今後の着信を防ぐために「電話番号を着信拒否設定」しましょう。一度かかってきた番号は、繰り返し着信がある可能性があります。以下の手順で簡単に設定できるので、すぐに対応しておくことをお勧めします。
- iPhoneの場合:
- 「電話」アプリの「履歴」を開く。
- 拒否したい番号の右にある「i」マークをタップ。
- 画面を下にスクロールし、「この発信者を着信拒否」を選択。
- Androidの場合: (機種により若干異なります)
- 「電話」アプリの「通話履歴」を開く。
- 拒否したい番号を長押し、またはタップして詳細を開く。
- 「ブロック」や「着信拒否」といった項目を選択。
もし、うっかり折り返し電話をかけてしまったら…
「この記事を読む前に、つい折り返してしまった…」という方もいるかもしれません。焦らず、以下の手順で対応してください。
すぐに電話を切り、利用明細を確認
まず、詐欺の可能性があると気づいた時点で、一刻も早く通話を終了させてください。通話時間が長くなるほど被害額は大きくなります。
その後、ご自身が契約している携帯電話会社のマイページにログインし、通話料金の利用明細を確認しましょう。国際電話の料金は、すぐに反映されない場合もあるため、数日から数週間にわたって定期的にチェックすることが重要です。
- NTTドコモ: My docomo
- au: My au
- ソフトバンク: My SoftBank
- 楽天モバイル: my 楽天モバイル
高額請求が来たら専門機関へ相談
万が一、身に覚えのない高額な請求が確定してしまった場合は、諦めずに専門機関へ相談しましょう。一人で悩まず、すぐに助けを求めてください。
- 消費生活センター(消費者ホットライン):
- 電話番号:「188」(いやや!)
- 商品やサービスの契約トラブルなど、消費生活全般に関する相談ができます。
参考:全国の消費生活センター等(国民生活センター)
- 警察相談専用電話:
- 電話番号:「#9110」
- 緊急の事件・事故以外で、詐欺などの犯罪に関する相談を受け付けています。
参考1:相談ホットラインのご案内(警視庁)
参考2:警察に対する相談は警察相談専用電話 「#9110」番へ(政府広報オンライン)
請求の取り消しや減額ができるとは限りませんが、専門家からのアドバイスを受けることで、次の行動が見えてくるはずです。
最強の予防策!国際電話を「発信できない」ように設定しよう
詐欺の被害に遭わないためには、日頃からの予防が何よりも大切です。実は、お使いのスマートフォンで「国際電話をかけられないようにする」という、非常に強力な設定が無料でできます。
うっかり折り返してしまうリスクを根本から断つことができるので、国際電話を使う予定がない方は、この機会に設定しておくことを強く推奨します。
主要キャリアの国際電話発信停止サービス
キャリア | サービス名 | 申し込み方法 | 料金 |
---|---|---|---|
NTTドコモ | 国際電話発信休止 | My docomo, 電話, ドコモショップ | 無料 |
au | 国際電話サービス利用休止 | My au, 電話 | 無料 |
ソフトバンク | 国際電話利用停止目安額設定 | My SoftBank (0円に設定) | 無料 |
楽天モバイル | 国際通話・国際SMSの利用停止 | my 楽天モバイル | 無料 |
このように、どのキャリアでもオンラインや電話で簡単に、しかも無料で設定が可能です。手続きも数分で終わることがほとんどなので、自分や家族のスマホを守るために、ぜひ活用してみてください。
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まとめ:「+29」から始まる電話は冷静に無視が鉄則
最後に、この記事のポイントを振り返ります。
- 「+295」など**「+29X」系の番号は未割り当て番号**。
- 発信者番号偽装で悪用される、極めて危険な電話。
- 目的は高額な通話料を狙ったワン切り詐欺の可能性が高い。
- 対処法は「絶対に折り返さず、無視して着信拒否」が基本。
- 最強の予防策は、キャリアの国際電話発信停止サービスを無料で利用すること。
見知らぬ番号からの着信は不安になるものですが、その正体と手口を知っていれば、冷静に対処できます。この記事が、あなたの安心・安全なスマホライフの一助となれば幸いです。
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