「+88」から始まる見慣れない番号からの着信。
「誰からだろう?」「もしかして重要な電話?」と、つい気になってしまいますよね。
しかし、その電話、安易に出てしまったり、折り返したりするのは危険かもしれません。
この記事では、「+88」から始まる電話番号の正体から、巧妙な詐欺の手口、そして誰でもできる安全な対処法まで、分かりやすく解説していきます。
「+88」で始まる電話番号の正体とは?国番号一覧
まず知っておきたいのは、「+」から始まる電話番号は「国際電話」であるという事実です。
スマートフォンの画面に表示される「+」は、国際電話をかける際に必要となる国際プレフィックス番号(日本の場合は「010」)を意味します。
そして、「+」に続く「88」の部分は、国や地域、サービスを示す国番号の一部です。
「+88」とだけ聞くと、どこの国か特定できませんが、続く番号によって発信元をある程度推測できます。
- +886:台湾
- +881:衛星通信サービス専用の国際番号
- +882:特定の国に属さない国際ネットワークサービス
「+881」は、地上ではなく宇宙にある人工衛星を経由して通信を行う「衛星電話」などで使われる番号です。一般的な携帯電話とは異なり、山奥や海上など、通常の電波が届かない場所でも通信できるのが特徴です。
「+882」は、世界中の様々な通信事業者が提供するサービスで使われる番号で、特定の国に割り当てられていません。
もし台湾に知り合いがいなかったり、特殊な通信サービスを利用する心当たりがなかったりする場合、その着信は詐欺や間違い電話の可能性が高いと考えられます。
「+882100」からの電話は要注意!正体不明の国際電話番号の危険性と対処法を解説
要注意!「+88」を利用した国際電話詐欺の巧妙な手口
なぜ、わざわざ国際電話を使って詐欺を仕掛けてくるのでしょうか。
それは、高額な通話料をだまし取ったり、私たちの不安を煽って個人情報を盗んだりするためです。
ここでは、代表的な詐欺の手口を2つ紹介します。
ワン切りで折り返しを誘う「国際ワン切り詐欺」
国際ワン切り詐欺は、着信に気づいた相手が折り返してくることを狙った手口です。
犯人たちは、高額な通話料金が設定された特殊な番号(プレミアムレートサービス)を使い、数秒だけコールしてすぐに電話を切ります。
不在着信に気づいた私たちが「誰だろう?」と親切心で折り返してしまうと、その瞬間から高額な通話料が発生。
過去には、「アフリカのギニアへの通話で30秒あたり180円」といった高額な通話料が設定されていたケースや、「1分で3,000円以上の通話料を請求された」という事例も報告されています。
自動音声ガイダンスなどで意図的に通話時間を引き延ばされ、後日、電話会社から身に覚えのない高額な請求が届くという仕組みです。
自動音声で不安を煽る「自動音声ガイダンス詐欺」
自動音声ガイダンス詐欺は、電話に出ると突然「通信料金に未納があります」「重要なお荷物をお届けしましたが、ご不在でした」といった自動音声が流れる手口です。
参考:自動音声の電話で未納料金を請求する詐欺に注意!-実在する事業者をかたって電話をかけてきます-(国民生活センター)
NTTや大手配送業者などを装い、もっともらしい内容で私たちの不安を煽ります。
そして、「詳しくは1番を押してください」などと指示し、オペレーターと称する犯人につないだり、偽のWebサイトに誘導して個人情報やクレジットカード情報を入力させたりします。
公的機関や有名企業が、いきなり国際電話でこのような連絡をしてくることは絶対にありません。
少しでも怪しいと感じたら、すぐに電話を切りましょう。
「+88」から電話が!今すぐできる正しい対処法と比較表
もし「+88」から始まる番号から電話がかかってきても、慌てる必要はありません。
これから紹介する対処法を実践すれば、被害を未然に防ぐことができます。
最も重要で効果的なのは、「知らない番号には出ない、折り返さない」という2つの原則です。
心当たりのない国際電話は、ほぼ100%詐欺か間違い電話だと思って間違いありません。
留守番電話に用件が残っていなければ、重要な連絡である可能性は極めて低いでしょう。
万が一、うっかり電話に出てしまった場合は、何も話さずにすぐに電話を切ってください。
相手が何か話してきても、自動音声が流れても、一切応じずに通話を終了させることが大切です。
以下の比較表で、安全な行動と危険な行動を確認しておきましょう。
状況 | 安全な行動(OK) | 危険な行動(NG) |
---|---|---|
着信時 | ・心当たりのない番号は無視する ・留守番電話に切り替わるのを待つ | ・慌てて電話に出る ・すぐに折り返してしまう |
通話中 | ・無言で、または「不要です」と伝えてすぐに切る ・自動音声ガイダンスは無視して切る | ・相手の質問に答える ・指示された番号を押す ・個人情報やカード情報を伝える |
通話後 | ・着信番号を着信拒否に設定する ・家族や警察に相談する | ・言われた通りにお金を振り込む ・不安を一人で抱え込む |
冷静に対応すれば、何も怖いことはありません。「出ない・折り返さない」を徹底しましょう。
もう悩まない!今後のための具体的な予防策と相談窓口
今後、同様の電話に悩まされないためには、あらかじめ予防策を講じておくのがおすすめです。
スマートフォンには、迷惑電話を防ぐための便利な機能が備わっています。
一つ目は「着信拒否設定」です。
一度かかってきた迷惑電話の番号を個別にブロックすることで、同じ番号からの着信を二度と受けないように設定できます。
また、携帯電話会社によっては、海外からの電話をまとめて拒否できるサービスを提供している場合もありますので、確認してみると良いでしょう。
二つ目は「留守番電話サービス」の活用です。
本当に用件のある相手であれば、必ず留守番電話にメッセージを残すはずです。
知らない番号からの着信は一度留守番電話に任せ、メッセージを確認してから対応を判断することで、詐欺のリスクを大幅に減らせます。
もし、詐欺被害に遭ってしまった、あるいは不安で仕方がないという場合は、一人で抱え込まずに専門の窓口に相談してください。
- 警察相談専用電話:「#9110」
- 犯罪被害に関する相談を受け付けてくれる警察の窓口です。
参考:相談ホットラインのご案内(警視庁)
- 犯罪被害に関する相談を受け付けてくれる警察の窓口です。
- 消費者ホットライン:「188(いやや!)」
- 商品やサービスの契約トラブルなど、消費生活全般に関する相談ができます。
参考:消費者ホットライン(消費者庁)
- 商品やサービスの契約トラブルなど、消費生活全般に関する相談ができます。
これらの窓口は、あなたの悩みに寄り添い、解決策を一緒に考えてくれます。
ためらわずに相談することが、問題解決への第一歩です。
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まとめ:「+88」からの電話は無視が一番!冷静な対応を心がけよう
今回は、「+88」から始まる国際電話の正体と、その裏に隠された詐欺の手口、そして私たちがとるべき安全な対処法について解説しました。
この記事のポイント
- 「+88」から始まる電話は国際電話であり、多くは台湾や特殊な通信サービスから発信されている。
- 「ワン切り」や「自動音声ガイダンス」といった手口で、高額な通話料や個人情報をだまし取ろうとする詐欺が多発している。
- 最も安全で確実な対処法は「知らない番号には出ない、絶対に折り返さない」こと。
- 着信拒否設定や留守番電話サービスを活用し、不安な時は警察(#9110)や消費者ホットライン(188)に相談する。
見知らぬ番号からの突然の着信は、誰でも不安になるものです。
しかし、その正体と対処法を知っていれば、冷静に対応できます。
この記事で得た知識を活かし、巧妙な国際電話詐欺からご自身の身をしっかりと守ってください。
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