「スマホを見たら『+38』から始まる不在着信が入っていた」
「+388?聞いたことのない国番号から電話がかかってきて怖い……」
あなたも今、そんな不安を抱えてこのページに辿り着いたのではないでしょうか。
結論から言います。その電話には絶対に出ないでください。そして、絶対に折り返さないでください。
「+38」や「+388」から始まる電話番号は、国際電話詐欺グループによる「ワン切り詐欺」や「自動音声詐欺」である可能性が極めて高いです。興味本位で折り返してしまうと、高額な国際通話料を請求されたり、あなたの電話番号が「カモリスト」に登録され、さらなる詐欺の標的になったりする危険があります。
この記事では、Webライターとして最新のセキュリティ情報を追い続けている筆者が、以下の3点を分かりやすく解説します。
- 「+38」電話番号の正体と、なぜ危険なのか
- 詐欺グループの狙いと最新の手口
- 今すぐできる完全ブロック設定(iPhone/Android/キャリア別)
これを読めば、不審な国際電話の恐怖から解放され、あなたとご家族のスマホを確実に守れるようになります。まずは「敵」の正体を知ることから始めましょう。
「+38」から始まる電話番号の正体とは?
「+38」という国番号を見ると、「どこの国だろう?」「海外の知り合いかな?」と気になってしまうかもしれません。しかし、この番号には大きな罠があります。
「+38」という国番号は現在存在しない
実は、現在「+38」単体の国番号を持つ国は存在しません。
かつては「旧ユーゴスラビア連邦」に割り当てられていましたが、連邦の解体に伴い、現在は以下のように3桁の国番号に細分化されています。
| 国番号 | 国名 |
|---|---|
| +380 | ウクライナ |
| +381 | セルビア |
| +382 | モンテネグロ |
| +383 | コソボ |
| +384 | 未割り当て(存在しない番号) |
| +385 | クロアチア |
| +386 | スロベニア |
| +387 | ボスニア・ヘルツェゴビナ |
| +388 | 廃止済み(旧欧州共通番号) |
| +389 | 北マケドニア |
このように、正規の電話番号であれば必ず「+38○」と3桁になります。
もしあなたのスマホに表示された番号が「+38」だけで始まっていたり、桁数が不自然だったりする場合、それは発信元番号偽装(Caller ID Spoofing) という技術を使って、実在しない番号を表示させている詐欺電話です。
特に危険!「+388」は廃止された番号の悪用
「+38」系列の中でも、特に警戒が必要なのが「+388」から始まる番号です。
これはかつて、ヨーロッパ全体で共通のサービスを提供するために計画された「ETNS(European Telephony Numbering Space)」という番号帯でした。しかし、この計画はうまくいかず、2008年に廃止され、2010年初頭までに全番号が無効化されました。
つまり、現在「+388」を使っている正規の電話利用者は世界中に一人もいません。
「+388」からの着信は、番号偽装によって表示されたものであり、極めて高い確率で詐欺グループによるものと考えて間違いありません。「ヨーロッパのどこかかな?」などとロマンチックな想像をしてはいけません。それは詐欺師からのシグナルです。
なぜ「+38」からの着信が増えているのか?詐欺の手口
なぜ、わざわざ実在しない国番号を使って電話をかけてくるのでしょうか。その背景には、通信料金の仕組みを悪用したビジネスモデルが存在します。
「国際ワン切り詐欺」で高額請求を狙う
最も多い手口が「ワン切り」です。1〜2回コールしてすぐに切り、あなたのスマホに「不在着信」の履歴を残します。
「誰だろう?」「重要な連絡かも」と心配になったあなたが折り返し電話をかけると、以下のような事態が待っています。
- 高額な国際通話料が発生する
詐欺グループは現地の通信会社と結託しており、あなたが電話をかけた通話料の一部(キックバック)を受け取る仕組みを作っています。「30秒で数百円」といった法外なレートが設定されていることもあります。 - 通話を引き延ばされる
折り返すと、無意味な音楽や「現在呼び出しております」といった自動音声が流れ続け、1秒でも長く通話をさせようとします。
「未納料金がある」と脅す自動音声詐欺
最近急増しているのが、ワン切りではなく、電話に出ると自動音声(ロボットボイス)が流れるパターンです。
- 「NTTファイナンスです。未納料金があります」
- 「法的措置に移行します」
といった音声ガイダンスを流し、不安を煽って特定の番号(「1」など)を押させようとします。これに応じると、架空請求詐欺のオペレーターに繋がったり、個人情報を聞き出されたりします。
中国語の自動音声が流れるパターンも
「+38」や「+388」からの電話に出ると、突然中国語の自動音声が流れてくるケースも多数報告されています。
これは国際的な詐欺グループの手口で、主なターゲットは日本在住の中国人の方々です。しかし、電話番号を無差別に収集して発信しているため、中国語が分からない日本人にも頻繁にかかってきます。
音声の内容は「大使館からの重要なお知らせ」「荷物が届いている」「犯罪に巻き込まれている」など、不安を煽るものがほとんどです。中国語が分からなくても、聞き続けたり、ガイダンスに従ってボタンを押したりしないでください。すぐに電話を切るのが正解です。
最大のリスクは「カモリスト」への登録
「出てもすぐに切れば大丈夫」 「折り返してもすぐに気づけば大丈夫」
そう思うかもしれません。しかし、詐欺グループにとって最も価値があるのは、あなたの「反応」です。
一度でも電話に出たり折り返したりすると、「この番号は使われていて、持ち主は知らない番号にも反応する人物だ」と判断されます。すると、あなたの電話番号は「カモリスト(詐欺被害者候補名簿)」に登録され、裏社会で売買されてしまいます。
その結果、別の国番号や、SMS(ショートメール)を使ったフィッシング詐欺など、あらゆる手段で執拗に狙われることになります。
迷惑電話が急に増えた?うざい着信の5つの理由と今すぐできる対策を徹底解説
「+38」から着信があった時の正しい対処法
では、実際に着信があった場合、どうすればよいのでしょうか。正解はシンプルです。
鉄則:無視する・出ない・折り返さない
とにかく「反応しない」ことが最強の防御策です。
- 着信音が鳴っても出ない。
- 不在着信があっても、絶対にかけ直さない。
- 「間違い電話ですよ」と教える必要もありません。
心当たりのない国際電話は、すべて詐欺だと思って差し支えありません。どうしても心配な場合は、電話番号をそのままGoogleやYahoo!で検索してみてください。「詐欺」「迷惑電話」という口コミが多数見つかるはずです。
もし出てしまった・折り返してしまったら?
うっかり電話に出てしまったり、折り返してしまったりした場合の応急処置は以下の通りです。
- すぐに電話を切る
相手が何か話していても、無言でも、即座に切断してください。通話時間が短ければ、被害額(通話料)は数百円程度で済みます。 - 着信拒否設定をする
同じ番号から二度とかかってこないよう、すぐにブロック設定をします。 - 通話料を確認する
数日後、契約している携帯キャリアのマイページ(My docomo, My SoftBank, My auなど)で、国際通話料の請求額を確認しましょう。 ※残念ながら、一度発生した通話料を取り消すことは基本的にできませんが、被害額を把握することは重要です。
参考:国民生活センター「自動音声の電話で未納料金を請求する詐欺に注意!」
困った時の相談窓口一覧
「個人情報を話してしまったかもしれない」「高額な請求が来るか心配」といった場合は、一人で抱え込まずに公的な窓口へ相談してください。
※もし「今まさに脅されている」「身の危険を感じる」という緊急事態の場合は、迷わず110番通報してください。
今すぐ設定!二度とかかってこないようにするブロック術
「またかかってきたらどうしよう」と不安な方へ。スマホ本体やキャリアの設定で、国際電話をシャットアウトする方法を紹介します。
スマホ本体で着信拒否する(iPhone/Android)
特定の番号をブロックする基本の設定です。
- iPhoneの場合 電話アプリの「履歴」 > 番号の右側にある「i」マーク > 画面最下部の「この発信者を着信拒否」をタップ。
- Androidの場合 電話アプリの「履歴」 > 番号を長押し > 「ブロックしてスパムとして報告」をタップ。
キャリアの「国際電話対策」を活用する
大手キャリアでは、国際電話による詐欺被害を防ぐための設定を提供しています。これが最も効果的です。
NTTドコモ・ahamoの方
ドコモには一括で国際電話着信を拒否する設定は現状ありませんが、「国際電話不取り扱い」の申し込みを行うことで、国際電話の発着信を規制できる場合があります。また、「番号通知お願いサービス」などを活用し、非通知や不明な番号を弾くのも有効です。
au・UQ mobileの方
「国際電話着信拒否」機能が無料で利用できます。
- 設定方法: My auアプリ、または専用ダイヤル(157)から申し込み。 「海外からの着信を拒否する」設定をONにすることで、+から始まる着信を一括で防げます。
ソフトバンク・Y!mobileの方
「国際電話着信拒否」機能があります。
- 設定方法: My SoftBankにログイン > 「安心・便利」 > 「迷惑電話対策」 > 「国際電話着信拒否」の設定を「利用する」に変更。
迷惑電話対策アプリを入れる
「Whoscall(フーズコール)」や「トビラフォン」などのアプリをインストールすると、データベースに登録された詐欺番号を自動で判別し、着信時に「迷惑電話」と警告を表示してくれます。
また、警視庁公式の防犯アプリ「デジポリス」もおすすめです。詐欺電話の最新手口や防犯情報をプッシュ通知で受け取れます。国際電話ブロック機能付き。詳しくは「デジポリスの使い方と機能紹介」をご覧ください。
家族・高齢者を守る!簡単な伝え方とルール作り
詐欺電話の被害は、スマホの操作に慣れていない高齢者層で特に深刻です。「重要な連絡かもしれない」という責任感や優しさが、詐欺師に狙われています。
ご両親や祖父母を守るために、以下のポイントを伝えてあげてください。
合言葉は「プラス(+)がついたら出ない」
難しい仕組みを説明する必要はありません。シンプルにこう伝えてください。
「電話番号の頭に『+(プラス)』がついていたら、それは全部詐欺だよ。絶対に出ないでね」
「海外からの電話」と言うよりも、「プラスのマーク」という視覚的な特徴で伝える方が、いざという時に思い出してもらいやすくなります。
12桁!?「+」から始まる不審な電話番号は詐欺?海外からの着信の正体と対処法
「迷ったら家族に相談」をルールにする
「もし間違えて出ちゃったり、留守電が入っていても、絶対に一人でかけ直さないで。まずは私に相談して」と約束しておきましょう。
高齢者は「失敗したことを家族に知られたくない」と隠してしまう傾向があります。「詐欺は誰でも騙されるものだから、怒らないよ」と事前に伝えて、相談のハードルを下げておくことが大切です。
固定電話のディスプレイ表示も注意
最近は固定電話でもナンバーディスプレイを利用している家庭が多いですが、国際電話詐欺は固定電話にもかかってきます。
「知らない番号、特に見慣れない長い番号は全部無視していい」というルールを徹底しましょう。
まとめ
「+38」や「+388」からの電話は、実在しない国番号を使った悪質な詐欺です。
最後に、今回のポイントを整理します。
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 正体 | +38単体や+388は現在使われていない番号。詐欺の可能性大。 |
| 手口 | ワン切りで折り返しを誘い、高額な通話料を発生させる。 |
| 対処 | 「出ない」「折り返さない」「即ブロック」。 |
| 予防 | キャリアの「国際電話着信拒否」設定をONにする。 |
「自分は騙されない」と思っていても、寝起きや忙しい時に着信があると、つい反応してしまうのが人間です。
だからこそ、「知らない国際電話(+から始まる番号)には絶対に出ない」というルールを、今ここで心に決めてください。そして、この記事を読んだらすぐに、ご家族や友人にも「+38っていう詐欺電話が流行ってるらしいよ」と伝えてあげてください。
あなたの一言が、大切な人を詐欺被害から守ります。

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