「竹林」という漢字を見たとき、あなたはとっさにどう読みますか。
ニュースなどで耳にする「ちくりん」なのか、それとも見たままの「たけばやし」なのか。どちらを使えば恥をかかないのか迷ってしまうこともあるでしょう。
結論から言うと、「ちくりん」と「たけばやし」はどちらも正解です。
しかし、シチュエーションによって「好まれる読み方」や「伝わるニュアンス」は異なります。
この記事では、日本語としての正しい扱いや、場面ごとの適切な使い分けについて、現役のWebライターが分かりやすく解説します。
「ちくりん」と「たけばやし」正しいのはどっち?
冒頭でお伝えした通り、辞書的な定義ではどちらの読み方も正しいとされています。
しかし、一般的に優先される読み方や、言葉の成り立ちには違いがあります。まずは、それぞれの読み方が持つ背景を整理してみましょう。
基本的な読み方は「ちくりん」
国語辞典やパソコンの変換機能で「竹林」を調べると、多くの場合は最初に「ちくりん」と表示されます。
これは漢字の「音読み(中国由来の読み方)」の組み合わせです。「竹(チク)」+「林(リン)」で「ちくりん」となります。
熟語として定着しているため、アナウンサーがニュースを読む際や、公的な文書、観光地の名称として使われる場合は「ちくりん」が採用されることがほとんどです。
京都の嵐山にある有名な観光スポットも「竹林(ちくりん)の小径」と呼ばれていますね。そのため、迷ったら「ちくりん」と読んでおけば間違いはありません。
和語としての「たけばやし」
一方で、「たけばやし」という読み方も決して間違いではありません。
こちらは漢字の「訓読み(日本古来の読み方)」の組み合わせです。「竹(たけ)」+「林(はやし)」がくっつき、音が濁って「たけばやし」となります。
「ちくりん」が一つの固まった名詞として響くのに対し、「たけばやし」は「竹が生えている林」という情景を描写する言葉としての性質が強いです。
日常会話で「家の裏に竹林(たけばやし)があるんだ」と言うような場合は、こちらの方が親しみやすく、柔らかい印象を与えます。
読み方による比較表
それぞれの特徴を分かりやすく表にまとめました。
| 項目 | ちくりん(音読み) | たけばやし(訓読み) |
|---|---|---|
| 言葉の響き | 硬め・公的 | 柔らかめ・日常的 |
| 主な使用場面 | ニュース、観光地名、文章 | 日常会話、情景描写 |
| 文法的な分類 | 音読み+音読み | 訓読み+訓読み(連濁) |
| 例 | 京都の「竹林の小径」 | 「竹林」という名字 |
読み方によるニュアンスや使い分けの違い
どちらも正解とはいえ、やはりTPO(時と所と場合)に合わせた使い分けができるとスマートです。
言葉選び一つで、相手に伝わるイメージが変わることもあるのです。ここでは具体的なシチュエーション別の使い分けについて深掘りしていきましょう。
文章や公的な場では「ちくりん」
ビジネスメールやレポート、あるいは硬い文章を書く際には「ちくりん」と読むことを想定して書くのが無難です。
「ちくりん」という響きには、整えられた空間や、文学的な美しさといったニュアンスが含まれやすい傾向にあります。
例えば、「静寂に包まれた竹林」と書く場合、多くの日本人は脳内で「ちくりん」と再生するはずです。
俳句や詩歌などでも、音数(リズム)を整えるためにあえて「ちくりん」を選ぶことが多いですね。芸術や文化的な文脈ではこちらが優勢と言えます。
名字の場合は「たけばやし」や「たけはやし」
ここが一番の注意点ですが、人の名字として使われる場合は、主に「たけばやし」または「たけはやし」と読みます。
もし名刺交換の相手や、友人の名字が「竹林」さんだった場合、「ちくりんさん」と呼んでしまうと失礼にあたる可能性が高いので注意が必要です。
もちろん例外として「ちくりん」と読む名字の方が日本にゼロとは言い切れませんが、基本的には「たけばやしさん」や、濁らない「たけはやしさん」と認識しておいて問題ありません。
人名においては、日本古来の「訓読み」が優先される傾向があるためです。
参考:竹林さんの名字の由来や読み方、全国人数・順位(名字由来net)
日本語のルール「連濁」の影響
「たけばやし」という読み方には、日本語特有の「連濁(れんだく)」という現象が関わっています。このルールを知っていると、他の言葉の読み方でも迷わなくなりますよ。
「はやし」が「ばやし」になる理由
「連濁」とは、二つの言葉が結びついて一つの単語になるとき、後ろの言葉の頭文字が濁点(゛)付きの音に変わる現象のことです。
「竹(たけ)」+「林(はやし)」の場合、「は」が「ば」に変化して「たけばやし」となります。
これは発音をしやすくするための自然な変化で、私たちの身の回りには連濁した言葉がたくさん溢れています。
- 手(て)+紙(かみ)=手紙(てがみ)
- 鼻(はな)+血(ち)=鼻血(はなぢ)
- 三(さん)+階(かい)=三階(さんがい)
このように考えると、「たけばやし」という読み方も、日本語として非常に自然で理にかなった変化であることが分かりますね。
「ちくりん」は中国由来の音読みをそのまま繋げているため連濁しませんが、「たけばやし」は日本語のリズムに合わせて変化した読み方なのです。
木へんに山「杣」の読み方と意味は?日本の林業文化と「杣人」の暮らしも解説【漢字】
まとめ
竹林の読み方について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
最後にポイントを振り返ります。
- 「ちくりん」も「たけばやし」も両方正しい読み方。
- 「ちくりん」は公的な場や観光地名でよく使われる(音読み)。
- 「たけばやし」は日常会話や情景描写に適している(訓読み)。
- 人の名字の場合は「たけばやし」や「たけはやし」と読むのが基本。
どちらを使っても間違いではありませんが、その場の雰囲気や文脈に合わせて使い分けることで、より豊かな日本語表現が可能になります。
次に竹林を見かけたときは、その場所が持つ雰囲気に合わせて「きれいなちくりんだね」あるいは「立派なたけばやしだね」と、言葉を選んでみてはいかがでしょうか。

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