スマホの画面に表示された「+94」や「+1」から始まる見慣れない電話番号。「誰だろう?」と思って出そうになったり、不在着信を見て折り返そうとしたりしていませんか?
結論から言います。それは「国際ワン切り詐欺」と呼ばれる詐欺電話です。
絶対に電話に出たり、折り返したりしてはいけません。
心当たりがない国際電話に出てしまうと、高額な通話料を請求されるだけでなく、あなたの電話番号が「カモリスト」に載ってしまうリスクもあります。
この記事では、国際ワン切り詐欺の仕組みから、主要な国番号の一覧、そして今すぐできる着信拒否の設定方法までを分かりやすく解説します。
正しい知識を身につけて、あなたの大切なお金と個人情報を守りましょう。
「+94」の正体はスリランカ!国際ワン切り詐欺とは?
「国際ワン切り詐欺」とは、海外から日本の電話番号に向けて無作為にワン切り(ワンコールで切れる電話)を行い、着信履歴を見た相手に折り返し電話をかけさせる手口のことです。
なぜ、わざわざ海外から電話をかけてくるのでしょうか?その目的は「通話料」にあります。
詐欺グループが儲かる「仕組み」
あなたが海外の番号に折り返し電話をかけると、当然ながら国際通話料金が発生します。
この仕組みは専門的に「国際収入分配詐欺(IRSF:International Revenue Share Fraud)」と呼ばれています。
セキュリティ会社や通信キャリアの分析によると、詐欺グループが現地の通信会社(あるいは回線保有者)と結託し、発生した通話料の一部を「接続料」などの名目でキックバック(報酬)として受け取っていると言われています。
つまり、あなたが折り返し電話をして通話がつながっている間、詐欺師たちに利益が分配される仕組みになっている可能性が高いのです。
そのため、彼らは自動音声などでできるだけ長く通話を引き延ばそうとします。
なぜ「+94」や「+1」なのか?
特に多いのが、「+94(スリランカ)」や「+1(アメリカ・カナダ)」からの着信です。
これらが選ばれる理由は、現地の通信事情や規制の緩さ、または日本人が「アメリカなら知り合いかも?」と油断しやすい心理を突いていると考えられます。
最近では、実在しない国番号や、衛星電話の番号が使われるケースも増えています。
「+」から始まる番号は、基本的に国際電話だと認識し、身構えることが大切です。
【注意】「+1」から始まる電話番号はどこ?国際電話詐欺の手口と対処法を徹底解説
【一覧表】この番号に注意!頻出する危険な国番号ランキング
「+」から始まる番号すべてが詐欺というわけではありませんが、特定の国番号からの不審な着信は、詐欺である可能性が極めて高いです。
2024年から2025年にかけて、特によく報告されている危険な国番号をまとめました。
もし着信履歴に以下の番号があったとしても、絶対に折り返さないでください。
詐欺電話によく使われる国番号リスト
特に「+1」は北米の番号であり、ビジネスや留学などで関わりがある人も多いため、つい出てしまう人が後を絶ちません。
しかし、心当たりがない場合は無視するのが鉄則です。
参考:令和7年10月末における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について(暫定値)、特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の 認知・検挙状況等について
誤って折り返したらどうなる?発生する3つのリスク
「うっかり折り返してしまった!」
そんな時に起こりうるリスクは、通話料だけではありません。
今後の安全のためにも、どのような被害が想定されるかを知っておきましょう。
高額な国際通話料金の請求
最も直接的な被害です。
国際電話の通話料は、国内通話よりもはるかに高額です。
- 一般的な国際電話(例:スリランカ): 30秒で約150円(1分で約300円)程度 ※プランやキャリアによる
- 衛星電話(イリジウム等): 1分で500円〜数百円かかるケースも
もし自動音声ガイダンスなどで「確認のために1を押してください」などと操作を誘導され、数分間つないでしまった場合、数千円規模の請求が発生する可能性があります。
「たかが数分」と思わず、警戒が必要です。
「カモリスト」への掲載
一度折り返し電話をしてしまうと、「この電話番号の持ち主は、知らない番号にも反応する『見込み客(カモ)』だ」と判断されます。
その結果、あなたの電話番号が詐欺グループの間で共有され、別の詐欺電話や迷惑メールが急増する恐れがあります。
「一度だけなら大丈夫」と思わず、反応しないことが重要です。
個人情報の流出
最近の手口では、折り返した電話で自動音声が流れ、「未納料金がある」「法的措置をとる」などと脅して、名前や生年月日などの個人情報を入力させようとするケースも増えています。
単なるワン切りだと思って油断していると、言葉巧みに個人情報を抜き取られてしまう可能性があります。
迷惑電話が急に増えた?うざい着信の5つの理由と今すぐできる対策を徹底解説
もう着信に怯えない!今すぐできる最強の対策
「着信拒否設定をしたいけれど、やり方がわからない」という方のために、キャリアやOSごとの効果的な対策を紹介します。
ご自身のスマホに合わせて設定を見直してみてください。
iPhoneユーザーにおすすめ:「不明な発信者を消音」
iPhoneには、連絡先に登録されていない番号からの着信を自動的に消音し、不在着信に回す強力な機能があります。
- 「設定」アプリを開く
- 「電話」をタップ
- 「不明な発信者を消音」をオンにする
これを設定しておけば、知らない番号からの電話で着信音が鳴らなくなるため、ワン切り詐欺に気づかずに済み、ストレスが激減します。
ただし、宅配便のドライバーや役所など、連絡先にない重要な電話も通知されなくなる点には注意が必要です。
Android・各キャリアの対策サービス
Androidや各キャリアも対策を提供しています。
- Androidの標準機能:「電話」アプリの設定から「ブロック中の電話番号」→「不明な発信者」をオンにすることで、非通知や不明な番号をブロックできます(機種により名称が異なります)。
- ドコモ:「迷惑電話ストップサービス」で特定の番号を拒否できますが、国際電話の一括拒否はできません。「あんしんセキュリティ」アプリ(有料)の導入が推奨されています。
- au:「迷惑メッセージ・電話ブロック」アプリが利用可能です。
- ソフトバンク:「迷惑電話ブロック」機能が利用できます。
また、固定電話の場合は、「国際電話不取扱受付センター」に申し込むことで、国際電話の発着信をすべて止めることができます。高齢の親御さんがいるご家庭などには特におすすめの対策です。
警視庁防犯アプリ「デジポリス」新機能|国際電話ブロックシステムの設定と仕組み【詐欺電話を遮断】
もし折り返してしまったら…緊急時の対処法
もし、この記事を読む前に折り返し電話をしてしまった場合は、焦らず冷静に対処しましょう。
すぐに通話を切り、着信拒否設定をする
通話中であれば、一刻も早く切断してください。
「相手に失礼かも」などと考える必要は一切ありません。
その後、その番号を着信拒否リストに登録し、二度とかかってこないようにします。
料金明細を確認し、必要なら相談を
後日、携帯電話の料金明細を確認し、高額な国際通話料が発生していないかチェックしてください。
もし、身に覚えのない高額請求があったり、個人情報を伝えてしまって不安な場合は、最寄りの消費生活センター(局番なしの188)や警察の相談窓口(#9110)に相談しましょう。
まとめ:見知らぬ「+」には反応しないのが鉄則
国際ワン切り詐欺は、私たちの「誰だろう?」「重要な連絡かも?」という不安や善意を利用した卑劣な犯罪です。
しかし、仕組みさえ知っていれば怖がることはありません。
国際ワン切り詐欺対策の3ヶ条
- 「+」から始まる見知らぬ番号には絶対に出ない
- 着信があっても絶対に折り返さない
- 心配なら電話番号をネットで検索してみる
「+94」や「+1」などの着信履歴を見ても、まずは深呼吸。「詐欺だな」と冷静にスルーしましょう。
この知識を家族や友人にもシェアして、被害を未然に防いでくださいね。

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