ビジネスにおける新年の挨拶回りは、単なる儀礼的な行事ではありません。旧年中の感謝を伝え、新しい一年の関係性を強固にする絶好のビジネスチャンスです。
しかし、「いつメールを送ればいいの?」「手土産は何がいい?」と悩む方も多いはず。
この記事では、相手に好印象を与えるアポイントメントの取り方から、絶対に失敗しない手土産のマナーまで、新年の訪問営業を成功させるポイントを網羅的に解説します。
年始の挨拶回り、アポイントメントメールを送るベストなタイミング
新年の挨拶回りを成功させるための第一歩は、適切なタイミングでのアポイントメント打診です。
「年が明けてから連絡すればいいや」と考えていると、相手のスケジュールがすでに埋まってしまっていることも少なくありません。
特に人気のある企業や決裁権を持つキーマンほど、年始の予定は早期に確定します。
そのため、アポイントメントの打診は「年内(12月中旬〜下旬)」に行うのが、実は最もスマートな戦略です。
年末の挨拶メールの中に、「年明け早々に、改めてご挨拶に伺いたく存じます」と一文添えておくだけで、相手も心の準備ができますし、日程調整がスムーズに進みます。
年明けに連絡する場合のマナー
もし年内に連絡ができなかった場合は、仕事始めの当日(多くの企業では1月4日頃ですが、カレンダーにより変動します)の午前中にメールを送るのがベストです。
ただし、年始はメールの受信数が膨大になるため、件名を工夫しないと埋もれてしまうリスクがあります。
「【新年のご挨拶】株式会社〇〇 氏名」のように、ひと目で用件と差出人がわかる件名を心がけてください。
また、訪問時期については「松の内」を意識する必要があります。
松の内(一般的に関東では1月7日、関西では1月15日頃までとされますが、地域や慣習により異なります)を過ぎてからの訪問は「寒中見舞い」となるため、相手先の地域の慣習を事前に確認しておくと安心です。
【コピペOK】状況別・新年の挨拶アポイントメントメール例文
相手の状況や関係性に合わせたメールを送ることで、アポイントメントの承諾率はぐっと高まります。
ここでは、そのまま使える例文をいくつかご紹介します。自分の状況に合わせて適宜調整して活用してください。
既存顧客へ送る基本の依頼メール
最も標準的な、すでにお付き合いのあるクライアント向けの構成です。
ポイントは、相手の多忙さに配慮しつつ、訪問の目的を「短時間の挨拶」に絞ることです。
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件名:新年のご挨拶とお打ち合わせのお願い【株式会社〇〇 氏名】
〇〇株式会社
〇〇部 〇〇様
恭賀新年
旧年中は多大なるご厚情を賜り、厚く御礼申し上げます。
株式会社〇〇の〇〇です。
本年も、貴社の事業発展に貢献できるよう尽力する所存です。
変わらぬご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
さて、本日は新年のご挨拶を兼ねて、短時間でも貴社へお伺いできればと思いご連絡いたしました。
年始ご多忙の折とは存じますが、以下の日程でご都合のつくお時間はございますでしょうか。
(所要時間は15分〜30分程度を予定しております)
【訪問候補日】
・1月〇日(火)10:00〜16:00
・1月〇日(水)13:00〜15:00
・1月〇日(木)11:00〜または14:00〜
上記以外でも、〇〇様のご都合の良い日時がございましたら、お気軽にお申し付けください。
調整させていただきます。
本年も何卒よろしくお願い申し上げます。
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忙しい相手・オンライン面談を提案する場合
最近ではリモートワークが定着している企業も多いため、無理に訪問にこだわらず、オンライン面談の選択肢を提示するのも「気遣い」の一つです。
「訪問」か「オンライン」か、相手が選べるようにしておくと親切でしょう。
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件名:新年のご挨拶と近況につきまして(オンライン可)【株式会社〇〇 氏名】
(挨拶文は省略、上記と同様)
本年も、貴社の課題解決に向けて伴走させていただけますと幸いです。
つきましては、新年のご挨拶と直近の市況共有を兼ねて、一度お話しさせていただけないでしょうか。
ご来社いただく手間を省くため、オンライン(ZoomやTeams等)でも構いません。
もし対面でのご挨拶が可能であれば、私が貴社へお伺いいたします。
ご多忙中恐縮ですが、30分ほどお時間をいただけますと幸いです。
(以下、候補日程)
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柔軟な対応をアピールすることで、「話くらいなら聞いてみようか」と思ってもらえる可能性が高まります。
アポ確定後の返信とリマインドの重要性
日程調整の返信が来たら、速やかにお礼と確定日時の確認メール(返礼)を送りましょう。
このスピード感が、ビジネスマンとしての信頼度を左右します。
確定メールには、以下の要素を必ず盛り込みます。
- 日程調整への感謝
- 確定した日時と場所の復唱
- 当日の緊急連絡先(念のため)
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件名:【日時確定の御礼】1月〇日(金) 15:00のご訪問につきまして
〇〇株式会社 〇〇様
お世話になっております。
株式会社〇〇の〇〇です。
この度は、年始のお忙しい時期に貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございます。
以下の日時にお伺いいたします。
■日時:1月〇日(金)15:00
■場所:貴社オフィス(〇〇会議室)
当日は、新年のご挨拶とともに、先日ご提案した資料の最新版もお持ちいたします。
〇〇様にお目にかかれることを楽しみにしております。
もし急な予定変更等がございましたら、私の携帯(090-xxxx-xxxx)までご連絡ください。 引き続きよろしくお願い申し上げます。
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このように「楽しみにしております」といった感情を表す言葉を一言添えるだけで、事務的な印象が薄れ、温かみのあるメールになります。
絶対に外さない「お年賀・手土産」のマナーと選び方
新年の挨拶には、「お年賀(おねんが)」として手土産を持参するのが通例です。
しかし、何でも良いわけではありません。相手の負担にならず、かつ喜ばれるものを選ぶセンスが問われます。
まず、基本的な選び方の基準を以下の表にまとめました。
| 項目 | 目安・マナー | 備考 |
|---|---|---|
| 相場(金額) | 2,000円〜5,000円 | 高すぎると相手に気を使わせるため注意。 |
| 熨斗(のし) | 紅白の蝶結び | 表書きは「御年賀」が一般的。 |
| 品物の特徴 | 個包装・日持ちするもの | 職場で分けやすく、常温保存できるものがベスト。 |
| 避けるべきもの | 生菓子・要冷蔵 | 相手の手間になるものや、切り分けが必要なものは避けるのが鉄則。 |
熨斗(のし)紙の正しい書き方
ビジネスの場では、リボンラッピングではなく「熨斗」をかけるのが正式なマナーです。
水引は、何度繰り返しても良いお祝い事を意味する「紅白の蝶結び(花結び)」を選びます。
表書きは、松の内(1月7日頃、地域により15日頃)までに訪問する場合は「御年賀」とするのが最も一般的です(「御挨拶」とする場合もあります)。それ以降になる場合は「寒中御見舞」とします。
筆記用具は筆ペンやフェルトペンを使用し、濃い墨色ではっきりと社名(または代表者名)を記載しましょう。
渡すタイミングと言葉
手土産を渡すタイミングは、会議室に通され、挨拶を交わした後、着席する前(または着席直後)がスムーズです。
紙袋から出し、正面を相手に向けて両手で渡します。
以前は「つまらないものですが」という謙遜が美徳とされていましたが、現代のビジネスシーンでは「心ばかりの品ですが」「皆様で召し上がってください」といったポジティブな言葉を添える方が好印象です。
新年の訪問当日に気をつけたいNG行動
せっかくアポイントメントが取れても、当日の振る舞いで評価を下げてしまっては本末転倒です。
年始特有の注意点を確認しておきましょう。
まず、「長居は禁物」です。
年始はどの企業も挨拶回りの対応や、年間の計画策定などで慌ただしい時期です。
アポの際に「1時間」と言われていたとしても、話がひと段落したら早めに切り上げる配慮を見せると、「空気の読める人だ」と評価されます。
次に、名刺の在庫確認です。
新年の挨拶では、担当者以外の上長や役員が同席することも珍しくありません。
「名刺を切らしておりまして…」は最大の失態です。普段よりも多めに予備を持ち歩くようにしてください。
最後に、コートの着脱マナーです。
これは冬場の基本ですが、建物のエントランス、またはオフィスの入り口前でコートを脱ぎ、裏返して腕にかけてから受付に向かいます。
コートを着たまま受付をするのはマナー違反ですので注意しましょう。
まとめ
新年の挨拶回りは、一年間のビジネスの土台を作る重要なプロセスです。
早めのアポイントメント打診、相手を気遣うメール文面、そしてマナーを押さえた手土産の持参。これらを丁寧に行うことで、ライバルに差をつけることができます。
形式にとらわれすぎる必要はありませんが、「親しき仲にも礼儀あり」の精神が、信頼関係をより強固なものにします。
ただし、本記事で紹介したマナーはあくまで一般的なものです。実際に訪問する際は、相手企業の文化や地域の慣習を事前に確認し、柔軟に対応することをお勧めします。
ぜひこの記事を参考に、素晴らしい一年のスタートを切ってください。

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