「PCのメモリを増やしたいけど、高くなってて手が出ない……」
「いつも買っていたCrucial(クルーシャル)のSSDが見当たらない!」
2026年、PCパーツ市場は大きな混乱の中にあります。
AI需要による世界的な半導体不足でメモリ・SSDの価格が高騰し、さらに自作派・BTO(受注生産)派の頼れる味方だった「Crucialブランド」が市場から撤退してしまったからです。
「じゃあ、これからはどこのメーカーを買えばいいの?」
「高いお金を出して失敗したくない」
そんな不安を解消するために、この記事では2026年版・メモリとSSDの「失敗しない選び方」を解説します。
信頼できる代替メーカーや、高騰時代における「容量のコスパ分岐点」を知り、賢くPC環境を整えましょう。
本記事は2025年12月23日時点の市場予測に基づいた2026年モデルの解説記事です。
パーツ価格の変動や在庫状況は日々変化します。購入の際は必ず最新の販売ページで価格とスペックをご確認ください。
さようならCrucial。これからの「新・定番」メーカーはどこだ?
まずは最大のトピック、Micron社の「Crucial」ブランド撤退についてです。
コスパと品質のバランスが良く、迷ったらこれを選べばOKという存在でしたが、2026年2月を目処にコンシューマー市場から姿を消します。
これからは、以下のメーカーが「新・定番」として選択肢の中心になります。
BTOパソコンのカスタマイズ画面や、Amazonで探す際の参考にしてください。
SSD(ストレージ)の信頼できる代替メーカー3選
データの保管場所であるSSDは、安さよりも「信頼性」が命です。自社でNANDチップ(記憶素子)を製造している大手メーカーを選ぶのが鉄則です。
| メーカー | 特徴 | おすすめ度 |
|---|---|---|
| Samsung (サムスン) | 性能・信頼性No.1。 少し高価だが、速度低下や故障が少なく、プロユーザーからの支持が厚い。「990 PRO」などが有名。 | ★★★★★ |
| Western Digital (WD) | バランスの王者。 「WD Black(ゲーム向け)」と「WD Blue(一般向け)」の住み分けが明確で選びやすい。 | ★★★★☆ |
| KIOXIA (キオクシア) | 安心の旧東芝メモリ。 日本メーカーとしての品質管理に定評がある。価格も比較的良心的で、Crucial難民の受け皿として最有力。 | ★★★★☆ |
メモリの信頼できる代替メーカー3選
メモリは相性問題が出やすいため、実績のある大手ブランドを選びましょう。
| メーカー | 特徴 | おすすめ度 |
|---|---|---|
| Corsair (コルセア) | ド定番。 ゲーマーや自作ユーザーに人気。少し高いが永久保証などのサポートが手厚い。 | ★★★★★ |
| Kingston (キングストン) | 世界シェアトップクラス。 法人PCにも多く採用されており、安定性が高い。「FURY」シリーズが有名。 | ★★★★☆ |
| ADATA / XPG | コスパ優秀。 セールで安くなりやすい。Crucialに近い価格帯で探すならここ。 | ★★★☆☆ |
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価格高騰時代の「メモリ」の選び方|16GB vs 32GB
2026年、メモリ価格は上昇傾向にありますが、「高いから容量を減らそう」というのは危険な判断です。
OSやアプリの進化により、必要なメモリ量は年々増えているからです。
結論:将来性を考えると「32GB」が望ましい
かつては「8GBあれば十分」「ゲームなら16GB」と言われていましたが、その常識はもう古いです。
- 16GB (8GB×2):
- 用途: 事務作業、Web閲覧、軽いゲーム。
- 現状: Windows 11を起動してブラウザを開くだけで半分近く消費します。ゲーム中にDiscordや攻略サイトを開くとカクつく可能性があります。
- 32GB (16GB×2):
- 用途: 【推奨】 ほとんどのゲーム、動画編集、AI生成。
- 現状: 2026年のスタンダードです。これだけあれば、裏でYouTubeを見ながら重いゲームをしても快適です。
- 64GB以上:
- 用途: 4K動画編集、3DCG、本格的なAI学習。
- 現状: クリエイターなら必須ですが、一般ゲーマーにはオーバースペックです。
後から増設するのは、初心者にはハードルが高く(相性問題など)、スロットの空きがない場合もあります。
BTOパソコンを買う際は、カスタマイズで真っ先に投資すべきなのがメモリ32GB化です。
DDR4 と DDR5、どっちを選ぶべき?
PCのメモリには規格があります。2026年は世代交代の過渡期です。
- DDR4: 安いが、対応するCPU・マザーボードが古い(Intel 第14世代以前など)。
- DDR5: 高速だが、価格も少し高い。最新CPU(Core Ultra, Ryzen 9000など)は基本こちら。
これから新品を買うなら、将来性を考えて「DDR5」対応モデルを選びましょう。
今DDR4搭載PCを買うと、将来CPUを交換する際にメモリも買い直しになってしまいます。
価格高騰時代の「SSD」の選び方|1TBがコスパの境界線
SSDも値上がりしていますが、こちらは「容量を削ってクラウドに逃がす」という選択肢があります。
迷ったら「1TB」を選ぼう
- 512GB: OSと主要なゲームを2〜3本入れたら一杯になります。最近のゲームは1本で100GBを超えることもザラです。すぐに容量不足で悩むことになります。
- 1TB: 【推奨】 OS、主要アプリ、ゲーム5〜10本を入れても余裕があります。価格と使い勝手のバランスが最も良いラインです。
- 2TB以上: 動画編集をする人向け。価格が跳ね上がるので、データ保存用なら外付けHDDやクラウドストレージ(Google Driveなど)を活用する方が経済的です。
Gen4 vs Gen5|速度の違いは体感できる?
最新のSSDには「Gen5(PCIe 5.0)」という超高速規格がありますが、非常に高価で発熱もすごいです。
ゲームのロード時間やWindowsの起動速度において、普及価格帯の「Gen4」とそこまでの体感差はありません。
2026年の時点では、コスパの良い「Gen4 (PCIe 4.0) のNVMe SSD」を選べば十分快適です。
自分で増設・交換にチャレンジする人へ
「手持ちのPCのメモリを増やしたい」という方は、以下の点に注意してください。
- 規格の確認: DDR4とDDR5に互換性はありません。自分のPCがどちらに対応しているか、タスクマネージャーや仕様書で必ず確認してください。
- ノートPCの空きスロット: 薄型ノートPCの場合、メモリが基盤に埋め込まれていて交換できない(オンボード)機種が増えています。
- Crucial混在問題: 既存のメモリがCrucialで、増設分を他社製にする場合、相性問題が起きる確率はゼロではありません。できれば「同じメーカー・同じ型番」で揃えるのが安全ですが、入手困難な場合は、仕様(クロック数・レイテンシ)が近い大手メーカー製を選びましょう。
【2026年版】ゲーミングPCおすすめの選び方|RTX 50シリーズ対応・予算別スペックを解説
まとめ|安物買いの銭失いを避けるために
2026年のメモリ・SSD選びのポイントをまとめます。
- メーカー: Crucialの代わりに Samsung, WD, KIOXIA, Corsair を選ぶ。
- メモリ: 高くても 32GB (DDR5) が今の基準。16GBだと寿命が短い。
- SSD: 1TB (Gen4) がベストバイ。データ倉庫はクラウドへ。
パーツ価格の高騰は痛いですが、PCの快適さに直結する部分です。
特にメモリ不足はPC全体の動作を重くし、作業効率を著しく低下させます。
ここだけはしっかりと予算を割いて、ストレスのないPCライフを手に入れてください。

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