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「為替」の読み方は「ためかえ」?「かわせ」?正しい読み方と意味をサクッと解説

「為替」の読み方は「ためかえ」?「かわせ」?正しい読み方と意味をサクッと解説 勉強・資格

ニュースやビジネスシーンで頻繁に見かける「為替」という言葉。「ため……かえ?」と読んでしまい、自信を持てなかった経験はありませんか。

結論からお伝えすると、「為替」の正しい読み方は「かわせ」です。

「ためかえ」と読みたくなる気持ちはとてもよく分かりますが、実はこれ、日本語特有の少し変わったルールのせいで読み間違えやすい漢字の代表格なのです。この記事では、なぜ「かわせ」と読むのかという理由から、言葉の本来の意味まで、大人の教養として分かりやすく解説します。

「為替」は「かわせ」と読むのが正解!「ためかえ」はNG

冒頭でもお伝えした通り、「為替」は「かわせ」と読みます。パソコンやスマホで「ためかえ」と入力して変換キーを押しても、正しい漢字が出てこないのはそのためです。

しかし、漢字の「為」は「行為(こうい)」の「い」や、「為(ため)」と読みますし、「替」は「交替(こうたい)」や「着替え(きがえ)」のように使われます。素直に読むと「ためかえ」となってしまうのは、決して不思議なことではありません。

実はこの「為替」という言葉は、漢字一文字ずつの読み方(音読み・訓読み)を組み合わせたものではなく、「熟字訓(じゅくじくん)」という特別な読み方が当てられているのです。

なぜ「ためかえ」と読んでしまう?熟字訓の不思議

「熟字訓」とは、2文字以上の漢字の組み合わせ(熟字)に対して、その意味に相当する日本語(訓)を当てはめた読み方のことです。つまり、漢字単体の読み方とは関係なく、セットで初めて読み方が成立します。

「為替」もこの一つです。「為=かわ」「替=せ」と読むわけではありません。このルールを知らないと読めない難読漢字は、私たちの身の回りに意外と多く存在しています。

よくある熟字訓と、つい間違えてしまいがちな読み方を比較表にまとめました。

漢字(熟字)正しい読み方(熟字訓)よくある誤読や本来の音訓
為替かわせためかえ
土産みやげどさん
吹雪ふぶきすいせつ
七夕たなばたしちせき

このように並べてみると、「為替」だけが特別に難しいわけではないことが分かりますね。理屈ではなく「このセットでこう読む」と暗記してしまうのが一番の近道です。

そもそも「かわせ」の語源とは?由来をチェック

では、なぜ「為替」という字に「かわせ」という読みが当てられたのでしょうか。これには古来の日本語の意味が深く関係しています。

「かわせ」の語源は、動詞の「交わす(かわす)」です。中世以降、遠隔地との取引において、現金の代わりに手形などを組み合わせて決済を行うことを「為替(かわし)」と呼んでいました。

時代が進むにつれて発音が変化し、「かわし」が「かわせ」になったと言われています。つまり、「(手形などを)交わす」という意味合いから「かわせ」という言葉が生まれ、そこに「為(な)し替える」という意味を持つ漢字「為替」が当てられたという説が有力です。

漢字の意味から読み解くと、「あるものを別のものと交換する(為し替える)」というニュアンスが含まれており、決済の仕組みを上手く表現した漢字と言えるでしょう。

現代における「為替」の2つの意味

読み方が分かったところで、言葉の意味についても整理しておきましょう。現代社会において「為替」という言葉が使われるシーンは、大きく分けて2つあります。

遠隔地への送金手段(内国為替)

本来の意味に近いのがこちらです。現金を直接輸送することなく、銀行などを介して資金の移動を行う仕組みを指します。

例えば、銀行振込や郵便為替などがこれに当たります。「現金を送る」と「資金を受け取る」という行為を、手形や証書、データ上で「交わす」ことで完了させる仕組みです。国内で行われるものは「内国為替」と呼ばれます。

異なる通貨の交換(外国為替)

ニュースや新聞でよく目にするのは、こちらの意味でしょう。日本円と米ドル、ユーロとポンドなど、異なる国の通貨を交換することを指します。

一般的に「為替レート」や「円安円高」といった話題が出る場合は、この「外国為替」を指しています。海外旅行に行く際に空港で日本円を現地通貨に両替するのも、身近な外国為替取引の一つです。

まとめ

「為替」の読み方について解説してきました。ポイントを振り返ってみましょう。

  • 正しい読み方は「かわせ」。「ためかえ」は誤り。
  • この読み方は「熟字訓」によるもので、漢字単体の読み方とは異なる。
  • 語源は「交わす(かわす)」が変化したもの。
  • 意味は「現金を直接使わずに資金移動すること」や「異国通貨の交換」を指す。

「ためかえ」と読んでしまうのは、漢字の知識があるからこその間違いとも言えます。しかし、ビジネスシーンで誤読してしまうと少し恥ずかしい思いをするかもしれません。

これを機に「為替(かわせ)」とスマートに読めるようになり、ニュースの為替情報の意味もさらに深く理解できるようになると素敵ですね。

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