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【注意】「+1」から始まる電話番号はどこ?国際電話詐欺の手口と対処法を徹底解説

【注意】「+1」から始まる電話番号はどこ?国際電話詐欺の手口と対処法を徹底解説 生活の知恵

スマホの画面に表示された「+1」から始まる見慣れない電話番号。「これってどこの国?」「出たら高額請求される?」と不安になって検索された方も多いのではないでしょうか。

結論からお伝えすると、「+1」はアメリカやカナダの国番号ですが、その正体のほとんどは国際電話を使った詐欺です。

心当たりがない限り、絶対に出てはいけませんし、折り返し電話も厳禁です。

この記事では、なぜ今「+1」からの着信が急増しているのか、万が一出てしまったらどうなるのか、最新の詐欺手口と身を守るための具体的な対処法を分かりやすく解説します。

「+1」から始まる電話番号はアメリカ・カナダ!詐欺の可能性が高い理由

「+1」という番号は、国際電話における国番号(国を識別する番号)で、主にアメリカ合衆国とカナダに割り当てられています。

通常、海外にいる知人や企業から電話がかかってくる場合、この国番号が表示されます。しかし、日本に住んでいて海外とのやり取りに心当たりがない場合、それは十中八九、詐欺グループからの自動音声電話や「ワン切り」です。

実は近年、詐欺グループが使用する電話番号に変化が起きています。

以前は身元の特定を避けるため「050」から始まるIP電話が多く使われていましたが、2024年4月1日から「携帯電話不正利用防止法」に基づく本人確認義務が厳格化されました。これにより、身元特定を恐れた詐欺グループが、規制の緩い海外の電話番号(国際電話)を悪用する手口へと移行しています。

つまり、「犯人は日本国内にいるが、海外の番号を経由してかけてきている」可能性が高いのです。

ただし、2024年4月より前に契約された050番号など一部例外もあるため、050からの着信がすべて安全というわけではありません。引き続き注意が必要です。

以下に、特によく見られる危険な番号のパターンを表にまとめました。

電話番号の始まり番号の意味・特徴危険度
+1 (844) / 844トールフリー(着信課金番号)。日本のフリーダイヤルに相当。企業を装う際によく使われます。
+1 (855) / 855こちらもトールフリー番号。正規のカスタマーサポートを装う詐欺での悪用が目立ちます。
+1 (200) / 200実在しない、または特殊用途の番号。偽装された番号である可能性が極めて高いです。
+1 (700) / 700通信事業者が使う特殊番号や、パーソナル通信サービス用。一般人が使うことはほぼありません。

このように、一見するとアメリカの企業からの電話のように見せかけていますが、番号自体を偽装表示させるツールを使っているケースも多々あります。「アメリカからの電話だ!」と興味本位で出るのは非常に危険です。

なぜ自分の携帯に?電話番号が漏洩している2つの原因

「なぜ私の番号を知っているの?」と怖くなる方もいるでしょう。詐欺師があなたの電話番号を知っている主な理由は、大きく分けて「ランダム発信」と「個人情報の流出」の2つです。

1つ目のランダム発信(機械的な総当たり)は、プログラムを使って「090-0000-0000」から順番に無差別に電話をかけ続ける手口です。この場合、あなた個人が狙われているわけではありません。「数千件かけて、誰か一人でも引っかかればいい」という数撃ちゃ当たる戦法ですので、過度に怖がる必要はありません。

2つ目は、残念ながらどこかのサイトやアプリから個人情報が漏れているケースです。SNSのアカウント乗っ取りや、フィッシング詐欺サイトにうっかり電話番号を入力してしまった履歴が、名簿業者を通じて詐欺グループに渡っている可能性があります。

どちらのケースであっても、相手はあなたの顔や名前までは特定できていないことがほとんどです。しかし、電話に出てしまうと「この番号は現在使われていて、持ち主は電話に出る人物だ」という「優良カモリスト」に登録されてしまうリスクがあります。

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国際電話に出てしまったらどうなる?高額請求のリスク

もし「+1」からの電話に出てしまったり、折り返し電話をしてしまったりした場合、どのような実害があるのでしょうか。

まず、着信に出るだけであれば、基本的に通話料は発生しません(日本国内で受ける場合)。「出ただけで何万円も請求される」というのは誤解です。ただし、海外渡航中に着信に出た場合は着信料が発生するので注意が必要です。

最も危険なのは、着信履歴を見て「折り返し電話」をしてしまうことです。

これこそが「国際ワン切り詐欺」の狙いです。国際電話の通話料は非常に高額で、30秒で数百円かかることも珍しくありません。詐欺グループは、通話時間を引き延ばすことで、通信キャリアからキックバック(報酬)を得る仕組みを作っている場合があります。

また、電話に出ると以下のような詐欺トラブルに巻き込まれる可能性があります。

  • 架空料金請求: NTTファイナンスなどを名乗り「未納料金がある」と脅される。
  • 投資・ロマンス詐欺: 片言の日本語や英語で親しくなり、投資話を持ちかけられる。
  • 更なる迷惑電話: 「カモリスト」に載り、昼夜問わず電話が鳴り止まなくなる。

「出ても無料なら大丈夫」と油断せず、徹底して無視を決め込むのが最善の防御策です。

近年横行している国際電話詐欺の代表的な手口

敵の手口を知っておけば、いざという時に冷静に対処できます。ここでは、2024年から2025年にかけて特に被害が多い、代表的な3つの手口を紹介します。

国際ワン切り詐欺

数秒だけ呼び出し音を鳴らしてすぐに切る手口です。ターゲットが「大切な電話かな?」と気になって折り返すのを待っています。折り返すと、英語の自動音声や無音の通話が続き、その間ずっと高額な国際通話料が発生し続けます。

架空料金請求詐欺(自動音声)

電話に出ると、「こちらはNTTファイナンスです。法的措置に移行します」といった自動音声が流れます。「オペレーターにつなぐ場合は1を押してください」と誘導され、指示に従うと詐欺師に繋がり、コンビニで電子マネーを買うよう指示されます。実際には未納の事実などありません。

サポート詐欺・還付金詐欺

「パソコンがウイルスに感染している」という警告画面から電話をかけさせる手口や、自治体職員を装って「還付金がある」とATMへ誘導する手口です。これらにも国際電話番号が使われるケースが増えています。特に「010」から始まる番号や「+1」が使われることが多くなっています。

参考:統計(警察庁Webサイト)

「+1」着信への正しい対処法と拒否設定

もし「+1」から着信があった場合、あるいはすでに出てしまった場合の対処法をまとめました。焦らず、以下のステップで対応しましょう。

基本は「無視」と「着信拒否」

身に覚えのない国際電話は、100%無視してください。着信音が鳴り止むのを待ち、履歴に残っても絶対にかけ直さないでください。

その後、スマホの機能でその番号を着信拒否設定しましょう。iPhoneやAndroidには、個別の番号をブロックする機能が標準で備わっています。

一括で国際電話を拒否する(推奨)

個別にブロックしても、敵は番号を変えてかけてきます。海外と電話する予定がない方は、キャリアのサービスを使って国際電話自体を一括で拒否する設定を行うのが最も効果的です。

  • docomo: 「国際電話着信拒否」の設定(My docomoから設定可能)
  • au: 「国際電話着信拒否」機能(My auから設定可能)
  • SoftBank: 「国際電話着信拒否」機能(My SoftBankから設定可能)

固定電話の場合も、「国際電話不取扱受付センター(0120-210-364)」へ申し込むことで、国際電話の発着信を休止できます。

アプリで自動ブロックする

Whoscall」などの迷惑電話対策アプリを導入するのもおすすめです。これらは、詐欺に使われている番号のデータベースを共有しているため、着信時に「迷惑電話の可能性があります」と警告を表示してくれます。

警視庁防犯アプリ「デジポリス」新機能|国際電話ブロックシステムの設定と仕組み【詐欺電話を遮断】

万が一被害に遭ってしまった場合の相談窓口

もし、電話の相手にお金を振り込んでしまったり、クレジットカード番号を教えてしまったりした場合は、一刻も早い行動が必要です。時間が経てば経つほど、お金を取り戻せる可能性は低くなります。

金銭的被害が出た場合

すぐに最寄りの警察署、または警察相談専用電話「#9110」に連絡してください。「振り込め詐欺救済法」により、詐欺に使われた口座が凍結されれば、被害額の一部が戻ってくる可能性があります。同時に、振込先の金融機関にも連絡を入れましょう。

参考:振り込め詐欺等の被害にあわれた方へ(金融庁)

カード情報や暗証番号を漏らした場合

直ちにクレジットカード会社や銀行に連絡し、「詐欺被害に遭った可能性がある」と伝えてカードの利用停止手続きを行ってください。また、住所やパスワードなどの個人情報を伝えてしまった場合は、関連するサービスのパスワード変更を行い、不審な郵便物などが届かないか警戒する必要があります。

一人で抱え込まず、公的な窓口や家族に相談することが、被害回復への第一歩です。

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まとめ:「+1」は出ない・かけ直さないが鉄則

「+1」から始まる電話番号について、その正体と対処法を解説しました。

最後に重要なポイントを整理します。

  • 「+1」はアメリカ・カナダの国番号だが、その多くは詐欺。
  • 電話に出ても通話料はかからないが、「カモリスト」に載るリスクがある。
  • 折り返し電話は高額な通話料が発生するため厳禁(ワン切り詐欺)。
  • 海外と連絡を取る予定がなければ、キャリアの設定で「国際電話着信拒否」をオンにするのが最強の対策。

詐欺の手口は年々巧妙化していますが、「知らない番号には出ない」「お金の話が出たら詐欺を疑う」という基本を守れば、被害は防げます。

この情報を家族や友人とも共有し、大切な資産を守りましょう。

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