「Password」をメモ書きしたり、資料作成で項目名を縮めたりしたいとき、どんな略語を使えばいいのか迷ったことはありませんか?
結論から言うと、世界的に最も一般的な略語は「PW」です。
日本では「PASS(パス)」と書くことも多いですが、実は英語圏では通じにくい場合があるのをご存知でしょうか。ITの現場や日常会話など、シチュエーションによって適切な略し方は異なります。
この記事では、プロのWebライターが「Password」の正しい略語と、場面ごとの使い分けについて分かりやすく解説します。
Passwordの主な略語4選とそれぞれのニュアンス
「Password」の略語として使われる言葉は、主に以下の4つがあります。それぞれ使われる頻度やニュアンスが少しずつ異なるため、相手や場面に合わせて使い分けるのがスマートです。
【PW】世界共通で通じるスタンダードな略語
もっとも無難で、どこでも通じるのが「PW(ピーダブリュー)」です。英語圏のWebサイトやアプリのUI、ドキュメントなどでは、この表記がデファクトスタンダード※となっています。
※デファクトスタンダード:公式な規格ではないが、市場での競争や普及によって事実上、業界の標準として広く受け入れられている基準や技術
大文字で「PW」と書くこともあれば、小文字で「pw」と書くこともあります。どちらでも意味は通じますが、デザインや前後の文脈に合わせて統一されていれば問題ありません。海外の方とやり取りする場合や、システム設計書などで変数名を付ける場合も、基本的にはこれを選んでおけば間違いはないでしょう。
【PWD】IT業界や開発現場で好まれる表記
エンジニアやプログラマーの間では、「PWD」という表記もよく見かけます。これは単純に「Password」を短縮した慣習的な表記として定着しています。
データベースのカラム名(項目名)や、プログラミングの変数名として好んで使われる傾向があります。ただし、Linuxなどのサーバー操作において「pwd」は「Print Working Directory(現在のディレクトリを表示せよ)」という全く別のコマンドを指すことがあります。文脈がはっきりしない場所で使うと誤解を招く可能性があるため、少し注意が必要です。
【PASSWD】UNIX系システムに馴染みがある形式
少し長いですが、「PASSWD」という略し方もあります。これは古い歴史を持つUNIX系OSの認証ファイル名(/etc/passwd)や、パスワード変更コマンド(passwd)に由来しています。
一般のユーザー向けに使われることは稀ですが、サーバーエンジニアやインフラ担当者にとっては非常に馴染み深い文字列です。「PW」や「PWD」よりも具体的で、パスワードそのものを指していることが明確になるため、技術的なドキュメントではあえてこの表記を使うケースも見られます。
【PASS】日本独自の略し方?英語圏での注意点
私たち日本人がもっとも馴染み深いのは「PASS(パス)」ではないでしょうか。「スマホのパス教えて」のように、会話でもよく使われますよね。
しかし、英語で単に「Pass」と書くと、「通行証(Boarding pass)」や「合格する」、「通り過ぎる」といった意味の単語として捉えられる可能性が高いです。「Login Pass」のように前後に言葉があれば通じますが、単体で「Pass: ****」と書くと、ネイティブスピーカーには少し違和感を与えてしまうかもしれません。
【比較表】PW・PWD・PASS・PASSWDの使い分けまとめ
紹介した4つの略語について、推奨される利用シーンや特徴を表にまとめました。迷った際はこちらを参考にしてください。
| 略語表記 | 英語圏での認知度 | 日本での認知度 | おすすめの利用シーン |
|---|---|---|---|
| PW | ◎(一般的) | ○ | Webデザイン、メモ、一般的などの場面全般 |
| PWD | ○(技術系) | △ | データベース設計、変数名(コマンドとの混同に注意) |
| PASSWD | △(専門的) | △ | Linux/UNIX系の技術ドキュメント |
| PASS | △(誤解の恐れ) | ◎ | 日本人同士のチャット、国内向けメモ |
表を見るとわかるように、グローバルな視点では「PW」がもっとも安全な選択肢と言えます。一方で、国内の親しい間柄であれば「PASS」の方が直感的に伝わりやすいこともあるでしょう。
IDやユーザー名の略語もあわせてチェック
パスワードとセットで使われることが多い「ID」や「ユーザー名」についても、略語を知っておくと便利です。
ID(Identity / Identification)
「ID」はそれ自体がすでに略語(Identity DocumentやIdentificationなどの略)として定着しています。これ以上短くすることはなく、英語圏でもそのまま「ID」で通じます。
ただし、システム開発の現場では、ユーザーIDを「uid」と略すことがあります。これはUNIX系システムでの慣習的な表記です。一般向けの画面表示では「User ID」または単に「ID」とするのが親切でしょう。
User / Administrator
ユーザー名を略す場合は「Usr」と母音を抜いて表記することがあります。ディレクトリ名(/usr)などで見たことがある方もいるかもしれません。
また、管理者を表す「Administrator」は長いため、「Admin(アドミン)」と略すのが世界共通のルールです。システムの管理画面への入り口を「Admin Panel」と表記するのは、Web制作の現場では常識となっています。
シェ(Chez)の意味とは?フランス語で店名につく理由やシェフとの違いを解説
まとめ
英語の「Password」の略語について解説しました。記事のポイントを振り返ってみましょう。
- 基本は「PW」を使えば世界中どこでも通じる
- IT現場では「PWD」も使われるが、コマンドとの混同に注意
- 「PASS」は日本国内では通じるが、英語圏では「通行証」などの意味になる
- 技術的な文脈では「PASSWD」が使われることもある
手帳にメモをする時や、Excelで管理表を作る時など、スペースを節約したい場面では「PW」と書くのがもっともスマートで誤解がありません。用途や相手に合わせて、最適な略語を選んでみてくださいね。

コメント