週に1回くらいの頻度で、突然パソコンの画面が青くなり「Your device ran into a problem and needs to restart.(問題が発生したため、PCを再起動する必要があります)」と表示されて落ちてしまう。
作業中のデータが消える恐怖と、「そろそろPCが壊れるのでは?」という不安でいっぱいですよね。
実はこの「毎日ではないけれど、忘れた頃にやってくるブルースクリーン」は、特定の条件が重なった時にだけ発生する「慢性的な不調」であることがほとんどです。
この記事では、Windows 11で時々発生するブルースクリーンの原因を特定するための具体的な手順と、初心者でもできる対処法を分かりやすく解説します。
闇雲に初期化するのではなく、まずは「なぜ落ちるのか」を知ることから始めましょう。
週1回のブルースクリーンは「故障の前兆」か「相性問題」
毎日起動直後に落ちるわけではないけれど、週に1回程度落ちる。この「微妙な頻度」こそが、原因特定を難しくしている要因です。
ハードウェアの致命的な故障ならPCは起動しないことも多いですが、部分的な故障や初期不良の場合は起動できてしまうため、「なんとなく」使い続けてしまいがちです。
しかし、この状態を放置するのは危険です。頻度が徐々に上がってきたり、ある日突然起動しなくなったりする可能性があるからです。
週1回ペースで落ちる場合に考えられる主な原因は、以下の3つに絞られます。
- 特定の操作をした時だけ発生するドライバーの不具合(ゲーム中、動画視聴中など)
- バックグラウンドで行われる定期処理との競合(ウイルススキャンや自動バックアップなど)
- ハードウェアの初期不良や経年劣化(メモリや電源ユニットなど)
これらを見極めるためには、エラー画面に表示される情報を正しく読み取ることが第一歩です。
ステップ1:青い画面(BSOD)が出た瞬間に見るべき場所
次にあの青い画面(Blue Screen of Death)が出たら、慌てずにスマホのカメラを向けてください。
画面上のQRコードや悲しい顔文字「:(」に目が行きがちですが、一番重要な情報は画面の下部に小さく書かれています。
停止コード(Stop Code)をメモする
画面の一番下、QRコードの横あたりに「停止コード:」または「Stop Code:」という記述があります。
例えば以下のような英単語が並んでいるはずです。
- MEMORY_MANAGEMENT:メモリ関連のトラブルの可能性大
- CRITICAL_PROCESS_DIED:重要なシステムプロセスが終了してしまった
- DRIVER_IRQL_NOT_LESS_OR_EQUAL:ドライバー関連の不具合の可能性大
- WHEA_UNCORRECTABLE_ERROR:ハードウェア(CPUやGPUなど)の物理的なエラー
このコードが毎回同じなのか、それとも毎回違うのかによって、対処の方向性が大きく変わります。
毎回同じコードならその特定のエラーを直せば解決しますが、毎回違う場合はメモリや電源、マザーボードといった根幹部分の不調が疑われます。
ステップ2:信頼性モニターで「落ちるパターン」を見つける
「次に出るまで待てない」「前回のエラーコードを見逃した」という方は、Windows 11に標準搭載されている「信頼性モニター」を確認しましょう。
イベントビューアーよりも視覚的に分かりやすく、エラーの発生傾向を一目で把握できるため、一般ユーザーにはこちらのツールがおすすめです。
信頼性モニターの使い方
使い方はとても簡単です。
- キーボードの「Windowsキー」を押す。
- 検索窓に「信頼性」と入力する。
- 表示される「信頼性履歴の表示」をクリックする。
画面には折れ線グラフが表示され、PCの安定性が10点満点で評価されています。
ここで「赤い×印(重大なイベント)」がついている日付をクリックしてみてください。
エラーの共通点を探す
詳細欄に「Windowsの動作が停止しました」などの記述があるはずです。ここでチェックすべきは以下のポイントです。
- 発生時刻の共通点:毎週決まった曜日の決まった時間に落ちていませんか?
- 直前のイベント:エラーの直前に「Windows Update」や「特定のアプリのインストール」が行われていませんか?
もし「毎週金曜日の20時」のように決まった時間に落ちているなら、その時間にスケジュールされているウイルススキャンやバックアップソフトが悪さをしている可能性があります。
ログ確認ツールの比較
エラーログを確認するツールはいくつかありますが、目的によって使い分けるのが正解です。
| ツール名 | 特徴 | おすすめの用途 |
|---|---|---|
| 信頼性モニター | グラフで時系列が見やすい | 初心者向け。いつ落ちたか、パターンを把握するのに最適。 |
| イベントビューアー | 詳細なログが見られるが複雑 | 中級者向け。具体的なエラーID(Kernel-Power 41など)を知りたい時。 |
| BlueScreenView | ダンプファイルを解析する | 上級者向け。原因となった具体的なファイル名(.sysなど)を特定したい時。 |
まずは信頼性モニターで全体像を把握し、詳細を知りたくなったらイベントビューアーを見る、という流れがスムーズです。
よくある原因別:今日からできる対処法4選
ここからは、週1回のブルースクリーンで特によくある原因と、その対処法を優先度順に紹介します。
費用をかけずにできることから順番に試していきましょう。
高速スタートアップを無効にする
意外と多いのが、Windowsの「高速スタートアップ」機能が悪影響を及ぼしているケースです。
この機能はPCの起動を速くするために前回の状態を保持しますが、古いデータや不具合まで引き継いでしまい、システムが不安定になることがあります。
【手順】
- コントロールパネルを開く。
- 「ハードウェアとサウンド」→「電源オプション」をクリック。
- 「電源ボタンの動作を選択する」をクリック。
- 「現在利用可能ではない設定を変更します」をクリック。
- 「高速スタートアップを有効にする」のチェックを外す。
- 「変更の保存」をクリックし、PCを再起動する。
これで1週間様子を見て、ブルースクリーンが出なくなれば解決です。
グラフィックドライバーのクリーンインストール
画面が一瞬乱れてから落ちる、あるいはゲーム中や動画再生中に落ちる場合は、グラフィックボード(GPU)のドライバーが原因であることが多いです。
単に「更新」するのではなく、一度きれいに削除してから入れ直す「クリーンインストール」が有効です。
NVIDIA(GeForce)やAMD(Radeon)の公式サイトから最新のドライバーをダウンロードし、インストール時のオプションで「クリーンインストール(または工場出荷時の状態に戻す)」を選択してください。
古い設定ファイルがリセットされ、安定性が向上することがあります。
メモリ診断を実行する
「MEMORY_MANAGEMENT」などのエラーコードが出ている場合は、物理メモリの故障や接触不良を疑います。
Windows標準の診断ツールを使ってチェックしてみましょう。
【手順】
- Windowsキーを押し、「メモリ診断」と入力して起動。
- 「今すぐ再起動して問題の有無を確認する」を選択。
PCが再起動し、青い画面でチェックが始まります。完了には数十分かかります。
もしここで「ハードウェアの問題が検出されました」と表示された場合は、メモリの交換が必要です。また、メモリを抜き差し(挿し直し)するだけで直るケースもあります。
【より詳しく検査したい場合】
Windows標準ツールで異常なしと出ても、まだ不安が残る場合は「MemTest86」などのサードパーティ製ツールを試すのも有効です。USBメモリから起動してテストを行うため、より厳密にハードウェアの状態をチェックできます。
システムファイルの修復コマンドを試す
Windowsのシステムファイル自体が破損している場合もあります。
「SFC」コマンドに加え、「DISM」コマンドも併用することで、より強力に修復を試みることができます。
【手順】
- スタートボタンを右クリックし、「ターミナル(管理者)」または「PowerShell(管理者)」を選択。
- まず、以下のコマンドを入力してEnterキーを押します(Windowsのイメージファイルを修復します)。DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth
- 処理が終わったら(数分かかります)、続けて以下のコマンドを入力してEnterキーを押します。sfc /scannow
「破損したファイルが見つかり、正常に修復されました」と出れば、これが原因だった可能性が高いでしょう。
それでも直らない場合に疑うべき「熱」と「電源」
ここまで試しても週1回のブルースクリーンが収まらない場合、ソフトウェアではなくハードウェアの物理的な問題の可能性が高まります。
特にデスクトップPCで盲点になりがちなのが「熱」と「電源ユニットの劣化」です。
PC内部のホコリとエアフロー
PCケースの中にホコリが溜まり、CPUやGPUの熱が逃げなくなっていませんか?
温度が上がりすぎると、PCは部品を守るために強制的に電源を落とそうとします。これがブルースクリーンの原因になります。
一度ケースを開けて、エアダスターでホコリを飛ばしてみてください。
電源ユニット(PSU)の寿命
もしPCを購入(または自作)して5年以上経過しているなら、電源ユニットの出力が不安定になっているかもしれません。
負荷がかかった瞬間に十分な電力を供給できず、システムがクラッシュしている可能性があります。
「Kernel-Power 41」というエラーログがイベントビューアーに記録されている場合、電源周りのトラブルも疑われます。
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まとめ
週に1回程度の「Your device ran into a problem」エラーは、PCからのSOSサインです。
放置せずに、以下の手順で原因を切り分けていきましょう。
- スマホで撮影:次に出たら、停止コード(Stop Code)を必ずメモする。
- パターン把握:信頼性モニターで、エラー発生時の共通点(日時や直前の動作)を探す。
- 基本の対処:高速スタートアップの無効化、ドライバーのクリーンインストール、メモリ診断、DISM→SFCコマンドによるシステム修復を試す。
いきなりPCを買い替えたり初期化したりする必要はありません。
まずは「高速スタートアップの無効化」から始めて、それでもダメなら「メモリ診断」へ進むなど、一つずつ要因を潰していくことが解決への近道です。
原因さえ分かれば、パーツの交換や設定変更だけで、また快適なWindows 11環境を取り戻せますよ。

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