ケンタッキーフライドチキン(KFC)のサイドメニューの中でも、ひときわ異彩を放っていた「カーネリングポテト」。
あのクルクルとした独特の形状と、スパイスの効いた衣のカリカリ感は、一度食べたら忘れられない美味しさでしたよね。
しかし、2019年に突如としてメニューから姿を消して以来、実に6年以上が経過しました(2025年現在)。
「なぜ一番美味しいポテトをなくしたの?」
「復活する予定はないの?」
そんな疑問を抱き続けているファンのために、今回はカーネリングポテト終了の真相と、気になる復活の可能性について深掘りしました。
結論から言うと、終了の主な理由は「原材料コストの高騰」と「調理オペレーションの複雑さ」にあると考えられます。
当時の背景や現在の状況を交えながら、分かりやすく解説していきます。
ケンタッキー「カーネリングポテト」とは?人気の秘密
まずは、多くのファンを虜にしたカーネリングポテトがどのような商品だったのか、その特徴を振り返ってみましょう。
ただのフライドポテトとは一線を画す、そのスペックの高さが人気の理由でした。
独特な形状と食感のコントラスト
カーネリングポテト最大の特徴は、なんといってもその見た目です。
皮付きのジャガイモをひねりを加えたような「渦巻き状」にカットしており、見た目のインパクトは抜群でした。
この形状のおかげで、衣がつく面積が広くなり、食べた瞬間の「カリッ」という食感が際立ちます。
一方で、ジャガイモ自体も厚切りであるため、中は「ホクホク」とした素材の甘みを感じられる仕上がりになっていました。
この「外はカリカリ、中はホクホク」というコントラストこそが、多くのリピーターを生んだ最大の要因です。
通常のポテトとの違い【比較表】
当時のカーネリングポテトと、一般的なフライドポテト(現在のKFCポテト含む)の違いを比較表にまとめました。
| 項目 | カーネリングポテト | 通常のポテト |
|---|---|---|
| 形状 | ひねりのある渦巻き状(大きめ) | ストレートなスティック状 |
| 衣・味付け | 厚めの衣+特製スパイス | 衣なし〜薄衣+塩味がメイン |
| 食感 | 重厚なザクザク感&ホクホク | サクサクまたはしっとり |
| 満足感 | 1個の食べ応えがある | 本数で楽しむスナック感覚 |
こうして比較すると、カーネリングポテトがいかに手間のかかった、プレミアムなサイドメニューだったかが分かりますね。
カーネリングポテトの歴史:登場から終了まで
「気づいたらメニューから消えていた…」という方も多いのではないでしょうか。
実は、カーネリングポテトは最初からレギュラー商品だったわけではなく、その人気によって定着し、そして惜しまれつつ終了したというドラマチックな経緯があります。
期間限定からレギュラーへの昇格
カーネリングポテトが日本に初めて登場したのは2015年7月23日のこと。当初は「夏限定商品」としてのデビューでした。
その個性的でおいしいポテトは瞬く間に話題となり、その後2016年、2017年と期間限定での復活を繰り返します。
ファンの熱い要望に応える形で、満を持してレギュラーメニューへと昇格しました。
「最初からずっとあった」と思われがちですが、実は実力でレギュラーの座を勝ち取ったエリートポテトだったのです。
2019年春の「サイレント終了」
レギュラー化して安泰かと思われた矢先、2019年4月22日頃を境に販売を終了してしまいます。
公式から「〇月〇日で販売終了します!」という大きなアナウンスがなかったため、店舗を訪れて初めて事実を知り、ショックを受けるファンが続出しました。
SNSでは、「今日ケンタに行ったら普通のポテトになっていた」「嘘だと言ってくれ」という悲しみの投稿が溢れかえったのを覚えています。
店舗によって終了時期に差があった理由
一部のファンからは「私の近所ではもっと早くなくなった」「5月に入っても売っていた」という声も聞かれました。
これは、各店舗の在庫状況によるタイムラグが原因です。
カーネリングポテトは専用のカット済み冷凍ポテトを使用していたため、店舗ごとの在庫が尽き次第、順次新しいポテト(現在のボックスポテトに近い形状)へと切り替わっていきました。
この「徐々に消えていく」感じが、ファンの喪失感をより高めてしまったのかもしれません。
なぜ終了したのか?考えられる3つの理由
KFC公式から詳細な終了理由は語られていませんが、飲食業界の動向や当時の状況を分析すると、以下の3つの要因が重なったことが濃厚です。
ジャガイモ価格の高騰と「ポテトショック」
最大の理由は、原材料であるジャガイモの調達難と価格高騰です。
日本のファストフード店で使用されるポテトの多くは、北米などからの輸入品に頼っています。
実はカーネリングポテトが終了した前後(2018年〜2019年頃)、北米での天候不順によるジャガイモの不作や、世界的な物流コストの上昇が問題視されていました。
カーネリングポテトは特殊なカットで皮付きのため、通常のポテトよりも原価率が高かったと推測されます。
「コストを抑えて安定供給するためには、メニューを見直さざるを得なかった」というのが、企業としての苦渋の決断だったのではないでしょうか。
調理オペレーションの手間と提供時間
2つ目の理由は、店舗での調理効率(オペレーション)の問題です。
カーネリングポテトはその形状ゆえに、揚げる際にくっつきやすく、均一に火を通すのに技術や時間を要したと言われています。
また、厚めの衣がついているため、揚げ油の劣化が早まるというデメリットも考えられます。
ファストフード業界全体で人手不足が深刻化する中、「より早く、より簡単に提供できるメニュー」へのシフトチェンジが必要だったのかもしれません。
現在のポテトが比較的シンプルな形状であることからも、効率化への意図が見え隠れします。
メニュー構成の最適化とターゲット層
3つ目は、売上と客層のバランスです。
熱狂的なファンがいた一方で、「フライドチキンにはシンプルなポテトの方が合う」という保守的な意見も一定数ありました。
カーネリングポテトは味(スパイス感)がしっかりしていたため、主役のオリジナルチキンと味が喧嘩してしまうという側面もあったのでしょう。
「チキンの引き立て役」としてのポテトに回帰するために、あえて個性の強いカーネリングポテトを終了させたというマーケティング的な判断も考えられます。
カーネリングポテト復活の可能性はあるのか?
終了から数年が経った今でも、復活を望む声は絶えません。
果たして、再販の可能性はあるのでしょうか?
レギュラーメニューへの復帰は厳しい
残念ながら、レギュラーメニューとして完全復活する可能性は低いと言わざるを得ません。
理由は以下の通りです。
- 現在の「ポテト」がすでに定着しており、再び生産ラインを切り替えるコストが膨大であること。
- 昨今の円安や原材料高の影響で、以前よりもさらにコスト管理が厳しくなっていること。
今のKFCの戦略を見る限り、定番商品の座を奪還するのはハードルが高いでしょう。
「期間限定」での復活には希望あり
しかし、完全に望みがないわけではありません。
ファストフード業界では、過去の人気商品を「期間限定」や「復刻キャンペーン」として再登場させる手法がよく取られます。
実際に他社のバーガーチェーンでも、数年ぶりに人気メニューが1ヶ月限定で復活するケースは珍しくありません。
KFCでも「創業記念パック」や「ファン感謝祭」などのタイミングで、サプライズ的に復活する可能性は十分に残されています。
また、カーネリングポテトに似た形状のポテト(ツイストポテトやカーリーフライ)は、輸入食品店や業務スーパーなどで冷凍食品として販売されていることがあります。
「どうしてもあの味が忘れられない!」という方は、自宅で揚げたてを再現して、特製スパイスを振ってみるのも一つの楽しみ方かもしれません。
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まとめ:カーネリングポテトは伝説のメニューへ
カーネリングポテトの終了理由と復活の可能性について解説しました。
最後に要点をまとめます。
- 終了時期: 2019年4月22日頃にサイレント終了。
- 終了理由: 原材料高騰、調理の手間、メニュー戦略の見直しが主な要因。
- 復活の可能性: レギュラー化は難しいが、期間限定での復刻は期待できる。
ファンにとっては寂しい現実ですが、それだけ記憶に残る素晴らしい商品だったということでもあります。
もし奇跡的に復活キャンペーンが開催されたときは、絶対に逃さないように情報をチェックしておきましょう。
それまでは、現在販売されているポテトとオリジナルチキンの組み合わせを楽しみつつ、KFCの新しい挑戦に期待したいですね。

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