「昨日までは普通に見れていたのに、急にPDFのプレビューが出なくなった」
「エクスプローラーでファイルを探す時、いちいち開かないと中身が分からなくて不便…」
業務中にこんなトラブルに見舞われて、イライラしていませんか?
実はこれ、2025年9月30日にリリースされたWindows 11 25H2や、それに続く10月の更新プログラム(KB5066835)による仕様変更が原因であるケースが急増しています。PCの故障ではなく、新しいセキュリティ機能によるものなので、焦らなくても大丈夫です。
この記事では、最新のWindows環境で発生している「PDFプレビューが表示されない問題」の正確な原因と、誰でもできる具体的な解決策をステップ形式で解説します。
結論から言うと、多くの場合「プレビューウィンドウの再有効化」や「ファイルのブロック解除」でサクッと解決できますよ。
なぜ急に?2025年10月の更新とプレビュー不具合の関係
これまで問題なく使えていた機能が、ある日突然使えなくなると不安になりますよね。
特に2025年10月のPatch Tuesdayで配信された更新プログラム「KB5066835」を適用したPCで、この現象が多く報告されています。
単なるバグかと思いきや、背景にはマイクロソフトによる「新しいセキュリティ制限の導入」があります。
インターネット取得ファイルのプレビューが自動無効化された
Windowsには以前から、インターネットやメールから取得したファイルに「Mark-of-the-Web(MOTW)」という、「これは外部から来たファイルですよ」という目印(タグ)を付ける機能がありました。
従来はこのタグが付いていても、警告が出る程度でプレビュー自体は表示されることが一般的でした。
しかし、KB5066835の適用以降、エクスプローラー(File Explorer)の挙動が変更されました。ウイルス感染のリスクを減らすため、「外部から取得したファイル(MOTWが付いたファイル)のプレビュー表示を自動的に無効化する」という新しい制限が適用されています。
つまり、不具合で表示されないのではなく、Windowsが「安全のためにあえて表示していない」可能性が高いのです。
【初級編】まずはここから!基本設定の確認ステップ
原因がわかったところで、さっそく直していきましょう。
難しい操作をする前に、まずは「うっかり設定がオフになっていないか」を確認するのがトラブル解決の近道です。
ステップ1:プレビューウィンドウのオン・オフを切り替える
Windows Updateのタイミングで、エクスプローラーの設定がリセットされてしまうことがあります。まずはキーボード操作で確認してみましょう。
- エクスプローラーを開く。
- キーボードの [Alt] + [P] を同時に押す。
これで右側にプレビュー画面が表示されれば解決です。もし反応がない場合は、以下の手順で設定メニューを確認してください。
- エクスプローラー上部の「表示」メニューをクリック。
- 「表示」サブメニュー内の「プレビューウィンドウ」にチェックが入っているか確認する。
ステップ2:フォルダーオプションの詳細設定を見直す
プレビューウィンドウ自体はオンになっているのに中身が出ない場合、さらに奥にある「ハンドラー(表示プログラム)」の設定がオフになっている可能性があります。
- エクスプローラーの「…(もっと見る)」ボタンなどから「オプション」を開く。
- 「表示」タブをクリック。
- 詳細設定のリストから「プレビューウィンドウでプレビューのハンドラーを表示する」を探す。
- チェックが入っていなければチェックを入れ、「適用」を押す。
ステップ3:PDF閲覧ソフト(Acrobat/Edge)の設定を確認
WindowsでPDFを表示する役割(ハンドラー)は、主に「Adobe Acrobat Reader」か「Microsoft Edge」が担っています。
Adobe Acrobat Readerの場合
- メニューの「編集」→「環境設定」を開く。
- 「一般」カテゴリを選択。
- 「Windows ExplorerでPDFのサムネイルのプレビューを有効にする」にチェックを入れる。
もし既にチェックが入っている場合は、一度外してOKし、再度チェックを入れてOKするという「入れ直し」操作も効果的です。
【中級編】セキュリティブロックを解除する方法
基本設定を見直しても直らない場合、前述した「KB5066835による新仕様」によってファイルがロックされている可能性が高いです。
特に、インターネットからダウンロードしたばかりの資料が見られない場合は、この手順を試してください。
ステップ4:ファイルの「ブロック解除」を行う
特定のファイルだけプレビューできない場合は、そのファイルについた「外部からのファイル」という目印を手動で外します。
- 見れないPDFファイルを右クリックし、「プロパティ」を選択。
- 「全般」タブの一番下に注目。
- 「セキュリティ:このファイルは他のコンピューターから取得したものです…」という表示があれば、「許可する」にチェックを入れる。
- 「OK」をクリック。
これでWindowsがそのファイルを「安全」と認識し、プレビューが表示されるようになります。
ステップ5:サムネイルキャッシュを削除してリフレッシュ
「プレビューが真っ白」「画像が崩れている」といった場合は、PC内に保存されている「縮小版(キャッシュ)」データが壊れているかもしれません。
- スタートメニューで「ディスククリーンアップ」と検索して起動。
- Cドライブを選択してOK。
- 削除するファイルのリストから「縮小版」にチェックを入れる。
- 「OK」を押して削除を実行し、PCを再起動する。
【上級編】それでも直らない場合の強力な助っ人
ここまでやってもダメな場合、Windows標準の機能と相性が悪くなっている可能性があります。
そんな時は、Microsoftが公式に配布している便利ツールを使って、強制的にプレビュー機能を追加する方法がおすすめです。
ステップ6:PowerToysでプレビュー機能を強化する
Microsoft製の無料ユーティリティツール「PowerToys」には、強力なPDFプレビュー機能が搭載されています。これを使うと、AcrobatやEdgeの不具合に関係なく、スムーズにプレビューできるようになります。
- Microsoft Storeから「Microsoft PowerToys」をインストール。
- PowerToysを開き、左メニューから「ファイルエクスプローラーのアドオン」を選択。
- 「ポータブルドキュメント形式(PDF)のプレビュー」をオンにする。
※注意点
PowerToysのPDFプレビュー機能を有効にすると、稀にOutlookでのPDFプレビューと競合して表示されなくなるという報告があります。もしOutlook側で不具合が出た場合は、この設定をオフに戻してください。
【解決】スマホでPDFが開けない?原因と対処法を5つのステップで解説
まとめ:設定を見直せばPDFプレビューは復活できる
2025年9月のWindows 11 25H2リリースや、10月の更新(KB5066835)以降、セキュリティの壁が高くなり、PDFプレビューなどの便利な機能に制限がかかることが増えています。
しかし、これはPCを守るための仕様変更であり、以下の手順で対処可能です。
対処法の優先順位まとめ
- [Alt] + [P] でプレビューウィンドウをオンにする。
- フォルダーオプションでハンドラー表示を確認する。
- ファイルのプロパティから「ブロック解除(許可)」をする。
- PowerToys を導入して、プレビュー機能を上書きする(Outlookとの競合に注意)。
特に、最近の傾向としてPowerToysの導入が最も手っ取り早く解決策になりつつありますが、まずは基本の設定とファイルのブロック解除から試してみてください。
快適なPC環境を取り戻して、サクサク仕事を進めていきましょう!

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