「アップデート後、PCの調子がいつもと違う気がする……」
Windows11の更新直後、再起動の挙動がおかしかったり、ネットワーク接続が不安定になったりして不安を感じていませんか？
2025年秋以降、大型アップデート（24H2/25H2）に伴い、SNSや掲示板では様々なトラブル報告が飛び交っています。中には「SSDが壊れる」といった衝撃的な噂も流れましたが、その多くは特定の環境に依存するものや、すでに公式に否定された誤報も含まれています。
この記事では、現在発生している不具合の「正確な事実」と「噂の真相」、そしてメーカー別の傾向や、初心者でも安全に試せるトラブルシューティング手順を解説します。
ネット上の情報に惑わされず、まずは正しい現状を確認しましょう。
Windows11アップデート不具合の現状と主な原因【2025年最新】
2024年から2025年にかけて実施された大型アップデート（24H2/25H2）周辺では、いくつかの技術的なトラブルが報告されています。しかし、すべての報告がアップデートそのものの欠陥とは限りません。
主な原因は大きく分けて以下の3つに分類されます。
更新プログラムとドライバの相性（環境依存）
PCを構成する部品（Wi-Fiアダプタやオーディオ機器など）を動かす「ドライバ」が古いままOSだけが新しくなると、命令がうまく伝わらず動作が不安定になることがあります。これは特定の機種や環境で発生するもので、全ユーザーに起きるわけではありません。
【重要】SSD不具合に関する誤報と真相
2025年夏頃、「更新プログラムKB5063878を適用するとSSDが破損する」という情報が拡散されました。
しかし、これについてはMicrosoftとSSDコントローラメーカーのPhisonが共同で大規模な検証を行った結果、「アップデートとSSD障害の因果関係は認められなかった」と公式に発表されています。
不具合報告の多くは、アップデートとは無関係な偶発的な故障や、試作段階のファームウェア環境などが混同されていた可能性が高いとされています。
参考：BleepingComputer、Windows Latest
高速スタートアップなどの設定干渉
Windowsの起動を速くする「高速スタートアップ」機能が、アップデート後の再起動処理（構成の更新）を阻害し、一時的にシステムが不安定になるケースは依然としてあります。
【症状別】発生中の主な不具合と復旧方法一覧
現在、実際に注意が必要なトラブルと、推奨される解決策をまとめました。
症状と対策の比較表
| 症状 | 主な原因の可能性 | 推奨される対策 | 難易度 |
|---|---|---|---|
| SSD認識エラー （RAW化など） | ・SSDファームウェアの古さ ・BIOS設定の不整合 ※アプデ起因説は否定済 | ・完全シャットダウン ・BIOSで認識確認 ・SSDファームウェア更新 | 高 |
| ネットワーク障害 （Wi-Fi/有線LAN切断） | ・ドライバの不整合 ・省電力設定の誤動作 | ・ドライバの更新/再インストール ・ネットワークのリセット | 中 |
| KB5066835不具合 （回復環境でUSB操作不能） | ・回復環境(WinRE)でのドライバ読込制限 | ・修正パッチを待つ ・通常起動時は影響小 | 中 |
| 再起動ループ （ロゴで止まる） | ・更新構成の失敗 ・高速スタートアップの干渉 | ・放電（完全電源オフ） ・スタートアップ修復 | 高 |
「SSD認識エラー」と「ネットワーク障害」の正しい対処法
ここでは、特に不安の声が大きい2つの症状について、冷静な対処手順を解説します。
あくまでも参考としてまとめていますので、操作においては自己責任でお願いします。分からない設定や不安要素がある操作は無理には行わず、ハードルが低いものから試すと無難です。
SSDが認識されない・RAW化する場合
前述の通り、アップデートが直接の原因である可能性は低いとされていますが、タイミング的に認識不良が起きることはあり得ます。慌てて初期化せず、以下の手順を試してください。
- 完全シャットダウンを行う
「Shift」キーを押しながら「シャットダウン」をクリックし、PCを完全に電源オフにします。その後、数分待ってから起動するだけで、ハードウェアの再認識が行われ解決することがあります。 - BIOS/UEFIで認識確認
PC起動時にメーカー指定のキー（F2やDelete等）を押し、BIOS画面に入ります。ここでストレージが表示されているか確認してください。 - SSDファームウェアの更新
PCメーカーやSSDメーカーが提供している管理ツールを使い、SSDのファームウェアが最新か確認します。古いファームウェアはOSの更新と相性が悪い場合があります。
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ネットに繋がらない・Wi-Fiアイコンが消えた場合
24H2環境などで、Wi-Fiアイコンが消失したり接続が切れる現象は、ドライバ周りのトラブルが疑われます。
- ネットワークのリセット
「設定」→「ネットワークとインターネット」→「ネットワークの詳細設定」→「ネットワークのリセット」を実行します。PCが再起動され、アダプタ設定が初期化されます。 - ドライバの更新
デバイスマネージャーを開き、ネットワークアダプタのドライバ更新を試みます。メーカー製PCの場合は、メーカー付属のアップデートツールを使うのが最も確実です。
メーカー別・機種別の傾向（富士通・Dellなど）
Windows11の不具合は、PCメーカー独自のソフトやハードウェア構成に影響されることがあります。
富士通製PCの傾向
一部のモデルで、アップデート後に無線LANドライバが正常に動作しないケースが報告されています。また、独自の「バッテリーユーティリティ」などがシステムと競合することもあります。
- 対策: 「富士通アップデートナビ」を起動し、メーカーが配信している最新のドライバや修正プログラムを全て適用してください。
Dell製PCの傾向：ロゴ画面フリーズと再起動ループ
DellのInspironやXPSシリーズでは、更新後の再起動時にメーカーロゴで止まってしまう事例があります。これはBIOS設定や帯電が影響していることが多いです。
- 対策: 電源ボタンを長押しして強制終了した後、ACアダプタを抜いて数分放置（放電）してから起動してください。起動時に「F12」キーで診断モード（Diagnostics）を実行し、ハードウェアに異常がないか確認するのも有効です。
参考：DELLロゴ画面で止まりWindows 11が起動しない原因と対処法（CyberSecurity）
アップデート失敗を繰り返す・終わらない時の解決手順
「ダウンロード中 0%から進まない」「インストール失敗」が繰り返される場合は、PC内に溜まった一時ファイル（キャッシュ）が破損している可能性があります。
Windows Updateの一時ファイルを削除する
最も効果的なのは、アップデートのダウンロードデータを一度リセットする方法です。
- サービスを停止する
検索バーに「services.msc」と入力して起動し、「Windows Update」サービスを右クリックして「停止」します。 - SoftwareDistributionフォルダを削除
C:\Windows\SoftwareDistribution フォルダを開き、中身のファイル（DataStoreやDownloadなど）を全て削除します。 - サービスを再開して再トライ
先ほど停止したサービスを「開始」し、再度Windows Updateを実行します。
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予防策：安全にアップデートするために
不具合のリスクを最小限に抑えるため、日頃から以下の準備をしておきましょう。
- 復元ポイントの作成（推奨）
「システムのプロパティ」から復元ポイントを手動作成しておけば、設定変更でトラブルが起きても直前の状態に戻せます。 - 重要データのバックアップ
アップデートに関わらず、PCはいつ故障するか分かりません。大切な写真はクラウドや外付けHDDにコピーしておきましょう。 - 公式情報の確認
SNSの噂を鵜呑みにせず、Microsoft公式サイトや、信頼できるPC関連メディアの検証記事を確認する習慣をつけましょう。
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まとめ
Windows11のアップデート不具合については、SSD破損のような「行き過ぎた噂」も混在しています。
- KB5063878によるSSD破壊説は公式に否定されている
- 不具合の多くはドライバ更新や完全シャットダウンで直る可能性がある
- 不安な情報は一次ソース（公式発表）を確認する
過度に恐れる必要はありません。正しい手順でメンテナンスを行い、快適なPC環境を維持しましょう。
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