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警察を名乗る電話は9割詐欺!偽警察官と本物との見分け方を比較表で解説【ニセ警察詐欺】

警察を名乗る電話は9割詐欺!偽警察官と本物との見分け方を比較表で解説【ニセ警察詐欺】 生活の知恵

「警視庁の〇〇ですが」

「あなたの口座が犯罪に使われています」

突然、警察を名乗る人物からこんな電話がかかってきたら、誰だって冷静ではいられませんよね。でも、その電話、本当に本物の警察官からでしょうか?

近年、警察官や銀行協会職員などを装い、言葉巧みにキャッシュカードをだまし取る「預貯金詐欺」や「キャッシュカード詐欺盗」が後を絶ちません。

この記事では、偽物の警察官が使う巧妙な手口から、本物との具体的な見分け方、そして万が一のときの正しい対処法まで、分かりやすく解説していきます。この記事を読めば、不審な電話に慌てず、冷静に対応できるようになります。

警察を名乗る電話は詐欺?急増する手口とその目的

「なぜ、警察官を名乗る詐欺なんてあるの?」と不思議に思うかもしれませんね。詐欺グループが警察官を装うのには、ハッキリとした目的があります。それは、私たちの「警察は信頼できる組織だ」という心理を利用し、冷静な判断力を奪うためです。

彼らの最終的なゴールは、あなたのキャッシュカードや現金をだまし取ること。そのために、「あなたの口座が不正利用されている」「詐欺グループのリストにあなたの名前があった」などと不安を煽り、話を信じ込ませようとしてきます。

最近では、最初に役所の職員などを名乗って個人情報を聞き出し、その後「今の電話は詐欺です」と別の警察官役が登場する、劇場型と呼ばれる巧妙な手口も増えています。複数の人物が登場することで、話の信憑性が増したように感じてしまうのです。

しかし、覚えておいてください。本物の警察官が、電話でキャッシュカードの暗証番号を聞いたり、カードそのものを預かりに行ったりすることは絶対にありません。警察を名乗っていても、お金やカードの話が出た時点で、それは詐欺だと考えて間違いないでしょう。

これって詐欺?偽警察官の電話・訪問7つのチェックリスト

いざ不審な電話や訪問を受けると、動揺して正常な判断が難しくなるものです。そこで、冷静に相手を見極めるためのチェックリストを用意しました。一つでも当てはまれば、詐欺の可能性が非常に高いと考え、慎重に対応してください。

電話での見分け方チェック

  • キャッシュカードや暗証番号の話をしてくる
    「カードの交換手続きが必要」「暗証番号を教えてほしい」は100%詐欺です。
  • 警察手帳の所属や氏名を言わない、または曖昧
    こちらから所属と氏名、階級を尋ねても、ごまかしたり、早口で言ったりする場合は要注意。
  • 「捜査上の秘密」と言って誰にも相談させない
    「これは極秘の捜査だから、家族にも言わないでください」と口止めするのは、詐欺師がよく使う手口です。
  • 折り返しの電話を嫌がり、携帯電話の番号を伝えてくる
    警察署の固定電話ではなく、個人の携帯電話にかけさせようとするのは不自然です。

また、電話番号は偽装して表示することもできてしまうので、実在する警察署の番号から掛かってきたからといって、必ずしも本物の警察とは限りません。
参考:ニセ警察詐欺に注意!|警察庁 特殊詐欺対策ページ

【警察?】末尾が0110の電話番号は詐欺?本物との見分け方と対処法

訪問での見分け方チェック

  • 警察手帳の提示をためらう、または一瞬しか見せない
    本物の警察官は、必ず身分を明示します。手帳の提示を求めても拒んだり、すぐに隠したりする場合は偽物です。
  • 玄関先でキャッシュカードを預かろうとする
    封筒に入れさせたり、目を離した隙にすり替えたりする手口が横行しています。絶対にカードを渡してはいけません。
  • 1人で訪問してくる
    重要な捜査や手続きで個人宅を訪問する場合、警察官は複数名で行動する傾向にあります。もちろん、単独での訪問も実際の警察業務ではあり得ることなので、これだけで偽物と判断はできません。あくまで他の項目と合わせて総合的に判断するための一つの参考としてください。

なぜ詐欺師は私の名前を知ってる?個人情報流出のカラクリ

「どうして私の名前や住所を知っているんだろう?」これは、詐欺電話を受けた方が最も不審に思う点の一つです。自分の名前を知っている相手だと、つい話を信じそうになりますよね。

詐欺グループがあなたの個人情報を知っているのには、いくつかの理由が考えられます。一つは、過去に流出した企業の名簿や、同窓会名簿などが「闇名簿」として不正に売買されているケースです。残念ながら、私たちの知らないところで個人情報が出回っている可能性はゼロではありません。

また、別の手口で詐欺を仕掛ける過程で得た情報が、グループ内で共有されていることもあります。例えば、最初は役所の還付金詐欺を装って電話をかけ、家族構成や資産状況を探り、その情報を元に今度は警察官を名乗って電話をかけてくる、といった連携プレーです。

つまり、「相手が自分の名前を知っているから本物だ」という考えは非常に危険です。むしろ、「知らないはずの情報を知っている相手こそ怪しい」と警戒し、冷静に相手の用件を聞き極めることが大切になります。

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本物の警察官との見分け方【比較表】

偽物の警察官と本物の警察官では、その対応に明確な違いがあります。いざというときに見分けられるよう、比較表でポイントを確認しておきましょう。

項目偽の警察官(詐欺師)本物の警察官
用件「口座が危険」「カード交換が必要」など、お金やカードに直結する話をしてくる。事件の聞き込みや情報提供のお願いなど、明確な目的を伝える。お金の話はしない。
個人情報の要求暗証番号、口座残高、家族構成などをしつこく聞き出そうとする。捜査に必要な最低限の情報(氏名、連絡先など)しか聞かない。暗証番号は絶対に聞かない。
金銭の要求キャッシュカードを預かる、または封筒に入れろと指示する。手数料などの名目で現金を要求する。電話や訪問で金銭やキャッシュカードを要求することは絶対にない。
警察手帳の提示提示をためらう、一瞬しか見せない、または偽造された手帳の可能性がある。要求すれば必ず提示し、所属・階級・氏名、顔写真を確認させてくれる。
連絡先の確認携帯電話の番号を伝え、警察署への折り返しを嫌がる。必ず所属する警察署の代表電話番号を伝える。折り返し確認にも応じる。

この表を頭の片隅に置いておくだけでも、冷静に対応できる確率がぐっと上がります。

ニセ警察官が問われる罪とは?詐欺罪だけじゃない重い罰則

警察官を騙る行為は、社会の信頼を揺るがす非常に悪質な犯罪です。このような行為に及んだ場合、犯人は複数の罪に問われる可能性があります。

まず、人を欺いて財物をだまし取る行為として「詐欺罪」が成立します。これは10年以下の懲役に処される重い罪です。また、キャッシュカードをすり替える手口の場合は「窃盗罪」にあたります。

さらに、警察官ではないのに「警察官だ」と名乗る行為そのものが、「官名詐称(かんめいさしょう)」という罪に問われる可能性があります。これは軽犯罪法第1条第15号に定められており、違反した場合は拘留または科料に処せられます。

詐欺師たちは軽い気持ちでやっているのかもしれませんが、その代償は決して小さくありません。彼らが問われる罪を知っておくことで、犯罪の悪質性への理解も深まるでしょう。もし被害に遭ってしまったとしても、泣き寝入りせず、必ず警察に相談することが大切です。

参考:刑法 | e-Gov法令検索

怪しい電話・訪問を受けたときの正しい対処法

もし「これは詐欺かもしれない」と感じたら、どう行動すればよいのでしょうか。パニックにならず、ご自身の安全と財産を守るための具体的な対処法を3つのステップでご紹介します。

ステップ1:まずは電話を切る・ドアを開けない

相手が誰であろうと、少しでも怪しいと感じたら、会話を続ける必要はありません。「家族に相談してからかけ直します」「今は対応できません」などと伝え、毅然とした態度で電話を切りましょう。相手に考える時間を与えないことが重要です。

訪問の場合も同様です。ドアチェーンをかけたまま対応し、絶対に相手を家の中に入れてはいけません。警察手帳の提示を求めても、ドア越しに確認するようにしてください。

ステップ2:警察相談専用電話「#9110」へ連絡

電話を切った後、本当に警察からの連絡だったか不安になるかもしれません。その場合は、必ず自分で調べた警察署の電話番号にかけるか、警察相談専用電話である「#9110」に電話して事実確認を行いましょう。

#9110は、緊急の事件・事故以外の相談を受け付けてくれる全国共通のダイヤルです。どこに相談していいか分からない、といった場合にも、適切な窓口を案内してくれます。緊急性が高いと感じた場合は、迷わず110番通報してください。

参考:警察に対する相談は警察相談専用電話 「#9110」番へ|政府広報オンライン

ステップ3:家族や友人に相談する

詐欺師は「誰にも言わないで」と孤独にさせようとしますが、一人で抱え込むのは最も危険です。不審な電話や訪問があったことは、すぐに家族や信頼できる友人に話しましょう。

第三者に話すことで、客観的な意見をもらえたり、冷静さを取り戻せたりする効果があります。また、家族間で情報を共有しておくことで、同様の手口による被害を未然に防ぐことにも繋がります。

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まとめ:冷静な対応があなたと家族の財産を守ります

警察官を名乗る不審な電話や訪問は、誰にでも起こりうる身近な脅威です。しかし、その手口と正しい対処法を知っていれば、被害に遭うリスクを大きく減らすことができます。

【重要ポイントのおさらい】

  • 警察官が電話で暗証番号を聞いたり、カードを預かることは絶対にない。
  • お金やカードの話が出た時点で、詐欺を疑う。
  • 相手の所属と氏名を確認し、必ず折り返し電話で事実確認する。
  • 怪しいと思ったら、すぐに電話を切り「#9110」に相談する。

詐欺師は、私たちの不安や焦りにつけ込んできます。いざというときに慌てないためにも、日頃から家族と防犯について話し合っておくことが大切です。この記事が、あなたとあなたの大切な家族を守る一助となれば幸いです。

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