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「+881」から始まる電話番号は詐欺?危険性と正しい対処法を解説

「+881」から始まる電話番号は詐欺?危険性と正しい対処法を解説 生活の知恵

スマートフォンに見慣れない「+881」から始まる着信履歴が残っていて、「どこの国だろう?」「もしかして詐欺?」と不安に感じていませんか。

心当たりのない国際電話は、つい気になってしまいますよね。

しかし、その電話に安易にかけ直すのは少し待ってください。何も知らずに折り返すと、思わぬトラブルに巻き込まれる可能性があります。

この記事では、「+881」から始まる電話番号の正体と、詐欺の具体的な手口、そしてあなたの身を守るための安全な対処法を分かりやすく解説します。

+881から始まる電話番号の正体は?どこの国でもない特殊な番号

「+881」という番号を見て、多くの方が「どこの国の国番号だろう?」と疑問に思うかもしれません。

実はこの番号、特定の国や地域に割り当てられたものではありません。これは「国際移動通信網」、具体的にはインマルサットやイリジウムといった衛星電話サービスに使われる特殊な番号なのです。

私たちが普段使っているスマートフォンは、地上の基地局を介して通信しています。一方、衛星電話は宇宙空間にある人工衛星を経由して通信を行うため、山奥や海上など、通常の携帯電波が届かない場所でも通話できるのが大きな特徴です。

つまり、「+881」からの着信は、特定の国からかかってきたわけではなく、衛星通信サービスを通じて発信された電話ということになります。この「どこからか分からない」という特殊性が、残念ながら国際的な詐欺に悪用される一因となっているのが現状です。

なぜ+881から着信が?目的は高額請求を狙った国際ワン切り詐欺

では、なぜ自分のスマートフォンに衛星電話から着信があるのでしょうか。

もしあなたに衛星電話を使っている知人がいないのであれば、その目的はほぼ間違いなく国際ワン切り詐欺(国際コールバック詐欺)」だと考えてよいでしょう。

この手口は非常にシンプルです。

まず、詐欺グループはコンピュータープログラムなどを使い、無作為に選んだ電話番号へ一斉に電話をかけます。そして、呼び出し音を1〜2回鳴らしただけですぐに切断します。これが「ワン切り」です。

彼らの狙いは、着信履歴に残った番号を見た私たちが、「大切な要件かもしれない」「誰からの電話だろう?」と親切心や好奇心から電話をかけ直すこと(コールバック)です。

この詐欺に使われる電話番号は、私たちがかけ直すと非常に高額な通話料が発生するように設定されています。衛星電話はもともとの通話料が高額なため、詐欺の温床になりやすいのです。犯人たちは、私たちが支払った通話料の一部を通信事業者からキックバックとして受け取ることで、不正な利益を得ています。

+881の電話番号から着信があった場合の正しい対処法

見知らぬ番号からの着信、特に国際電話となると不安になるものですが、仕組みさえ知っていれば冷静に対処できます。万が一の事態に備え、正しい対処法を3つのステップで確認しておきましょう。

鉄則は「徹底的に無視」そして「かけ直さない」

最も重要かつ効果的な対処法は、完全に無視を貫くことです。

一度や二度かかってきても、決してかけ直さないでください。着信があっただけ、あるいは留守番電話にメッセージが残っていただけで料金が発生することはありませんので、その点は安心しましょう。

相手は無差別に電話をかけているだけなので、こちらが何の反応も示さなければ、やがて次のターゲットへと移っていきます。「知らない国際電話は無視する」という姿勢を徹底することが、何よりの防御策となります。

不安なら着信履歴を削除し着信拒否設定を

着信履歴に不審な番号が残っていると、何かの拍子に間違って発信ボタンを押してしまうリスクがゼロではありません。

こうした人的なミスを防ぐためにも、履歴のリストから番号を削除してしまうのがおすすめです。スマートフォンの機種によっては、特定の番号からの着信をブロックする「着信拒否設定」も可能です。

設定しておけば、同じ番号から再度かかってくるのを防げるため、より安心して過ごせるでしょう。設定方法は各携帯キャリアの公式サイトなどで確認できます。

もし出てしまった・かけてしまった場合の対応

万が一、うっかり電話に出てしまったり、かけ直してしまったりした場合は、慌てずに、そして無言ですぐに電話を切ってください。

相手が何か話してきても、決して応じてはいけません。会話が長引けば長引くほど、高額な通話料がかかってしまいます。

その後、念のため契約している携帯電話会社のサポートページ(My docomo、My au、My SoftBankなど)で通話明細を確認し、不審な高額請求が発生していないかチェックしましょう。もし被害に遭ってしまった、あるいは請求内容に不安がある場合は、一人で悩まずに最寄りの消費生活センター(消費者ホットライン「188」に相談することをお勧めします。

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+881以外にも!注意すべき国際電話番号の例

国際ワン切り詐欺で悪用されるのは、「+881」だけではありません。過去には、日本人に馴染みの薄い、さまざまな国の番号を使った手口が報告されています。

以下に、特に注意が必要な国際電話番号の例をまとめました。これらの番号から心当たりのない着信があった場合も、「+881」のケースと同様に無視するのが賢明です。

国番号国・地域名特徴・注意点
+247アセンション島南大西洋に浮かぶイギリス領の孤島。人口も少なく、通常ここから電話がかかってくることは考えにくい。
+252ソマリア「アフリカの角」と呼ばれる地域にある国。情勢が不安定な地域として知られる。
+676トンガ南太平洋に位置する王国。過去にこの番号を利用したワン切り詐欺が多発し、大手キャリアが注意喚起を行った。
+685サモア南太平洋に位置する国。トンガと同様に、詐欺目的での利用が報告されている。
+882国際ネットワーク(グローバル・モバイル・サテライト・システム等)「+881」と同様、特定の国ではなく、国際的な通信サービスに割り当てられた番号。
参考:総務省|電気通信番号指定状況

これらの番号に共通するのは、多くの日本人にとって馴染みがなく、通常の生活で連絡を取り合う可能性が極めて低い地域である点です。自分の知らない国際電話番号には、好奇心で応答しないという姿勢が大切になります。

まとめ:+881からの不審な着信は無視して身を守ろう

今回は、「+881」から始まる謎の国際電話の正体と、その危険性、そして身を守るための具体的な対処法について詳しく解説しました。

最後に、この記事の最も重要なポイントをもう一度おさらいしておきましょう。

  • 「+881」は特定の国ではなく、衛星電話などに使われる特殊な番号である。
  • その目的のほとんどは、高額な通話料を狙った「国際ワン切り詐欺」と考えられる。
  • 最も安全で確実な対処法は、「無視する」「かけ直さない」「履歴を削除する」の3つ。

見知らぬ番号からの着信は、誰しも不安にさせられる手口です。しかし、その仕組みと正しい対処法を知っていれば、冷静に対応し、被害を未然に防ぐことができます。

この記事が、あなたの安全なデジタルライフを守る一助となれば幸いです。

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