「+883」から始まる見慣れない番号からの着信に、戸惑っていませんか?
「どこの国からの電話だろう?」
「出てしまっても大丈夫?」
「もしかして、詐欺電話…?」
突然の知らない国際電話は、不安になりますよね。
結論からお伝えすると、その電話、安易に出てはいけません。
この記事では、「+883」から始まる電話番号の正体、詐欺の手口、そしてかかってきた場合の正しい対処法まで、誰にでも分かるように詳しく解説します。最後まで読めば、不審な国際電話への不安が解消され、冷静に対処できるようになります。
+883はどこの国の電話番号?その意外な正体
「+883」という番号を見て、多くの人が「どこの国の国番号だろう?」と考えるかもしれません。しかし、実は+883は特定の国に割り当てられた番号ではありません。
この番号は、国際電気通信連合(ITU)が管理する「国際ネットワークサービス」のために確保されているものです。主にIP電話(VoIP)などのインターネットを利用した電話サービスで使われており、衛星電話もその一部に含まれます。
これらのサービスは、特定の国に縛られず、世界中のどこからでも(あるいはどこへでも)かけられるのが特徴です。例えば、インターネット回線を通じて通話するIP電話や、地上の電波が届かない場所で使われる衛星電話などがこれにあたります。
そのため、この電話は地球上のどこか特定の国からではなく、国際的な通信網を通じて発信されている、ということになります。心当たりがない限り、知人からかかってくる可能性は極めて低いと考えてよいでしょう。
なぜ+883から電話が?考えられる詐欺の目的
では、なぜ自分の電話に国際ネットワークサービスから着信があるのでしょうか。残念ながら、そのほとんどは詐欺を目的としたものと考えられます。主な手口は以下の通りです。
目的①:高額請求を狙う「国際ワン切り詐欺」
最も可能性が高いのが、この「国際ワン切り詐欺」です。犯人は、わざと着信履歴だけを残す「ワン切り」を行い、相手からの折り返しを待ちます。
もし、あなたがこの番号に折り返してしまうと、国際ネットワークサービスへの高額な通話料金が発生します。犯人グループは、その通話料の一部がキックバックとして自分たちに支払われる仕組みを利用して、利益を得ているのです。
通常の国際電話よりも通話料が高額に設定されているケースが多く、ほんの数分話しただけで数千円、数万円といった法外な請求が来てしまう危険性があります。着信履歴だけを見て、安易に折り返してしまうのは絶対にやめましょう。
目的②:個人情報を盗む「フィッシング詐欺」
もし電話に出てしまった場合、自動音声や片言の日本語で話しかけられるケースもあります。
「有料サイトの未納料金があります」
「あなたの個人情報が漏洩しています」
などと偽りの内容を告げて不安を煽り、氏名や住所、クレジットカード番号、銀行口座情報といった重要な個人情報を聞き出そうとします。これは「フィッシング詐欺」と呼ばれる手口の一種です。少しでも「怪しい」と感じたら、相手の言うことを鵜呑みにせず、すぐに電話を切ることが重要です。正規の事業者が、このような特殊な番号を使って連絡をしてくることはまずありません。
+883の電話に出てしまった・折り返した場合の対処法
「つい電話に出てしまった」「間違えて折り返してしまった」という場合でも、慌てる必要はありません。以下の手順で冷静に対処しましょう。
すぐに電話を切り、何も話さない
万が一電話に出てしまっても、相手が話し始める前にすぐに切れば、被害を最小限に抑えられます。特に、個人情報などを聞かれても絶対に答えないでください。無言で電話を切るだけで十分です。相手に何も情報を与えなければ、それ以上の被害に発展する可能性は低くなります。
通話料金を確認し、携帯キャリアに相談する
もし折り返し電話をしてしまった場合は、すぐに契約している携帯電話会社のマイページなどで通話履歴と料金を確認しましょう。ドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルといった各キャリアでは、国際電話の利用状況を確認できます。
もし身に覚えのない高額な請求が発生していたら、すぐにカスタマーサービスに連絡し、事情を説明して相談してください。詐欺の可能性があると判断されれば、請求の取り消しなど、何らかの対応をしてもらえる場合があります。諦めずにまずは相談することが大切です。
消費者ホットライン(188)や警察に相談する
金銭的な被害に遭ってしまった場合や、個人情報を伝えてしまい不安な場合は、公的な窓口に相談しましょう。
- 消費者ホットライン:「188(いやや!)」
- 商品やサービスの契約トラブルなど、消費生活全般に関する相談ができます。専門の相談員が、今後の対応についてアドバイスしてくれます。
- 警察相談専用電話:「#9110」
- 緊急の事件・事故ではありませんが、詐欺などの犯罪に関して不安なことがある場合に相談できる窓口です。
一人で抱え込まず、専門家の力を借りることで、適切な解決策が見つかるはずです。
「通知不可能」の電話に出てしまった!その正体と今すぐできる対策を徹底解説
今後のために!不審な国際電話への鉄壁の予防策
今後、同じような不審な電話に悩まされないために、効果的な予防策を知っておきましょう。
知らない国際電話には「出ない・折り返さない」
最もシンプルで効果的な対策は、これに尽きます。「+」から始まる知らない番号には、絶対に出ない、そして折り返さないというルールを徹底してください。海外にいる知人や取引先から連絡が来る可能性がある場合でも、事前に電話番号を確認しておくか、SNSやメッセージアプリなど別の手段で連絡を取り合うようにすると安心です。
迷惑電話ブロック機能やアプリを活用する
より積極的に対策したい場合は、スマートフォンや携帯キャリアが提供するサービスを利用するのがおすすめです。それぞれの特徴を理解して、自分に合った方法を選びましょう。
対策方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
スマホの着信拒否機能 | 無料で、すぐに設定できる。特定の番号をピンポイントで拒否したい場合に有効。 | 番号ごとに手動で登録する必要があり、新しい番号には対応できない。 |
キャリアの迷惑電話撃退サービス | 迷惑電話番号のデータベースを元に、不審な電話を自動でブロックしてくれることが多い。 | 月額料金(数百円程度)がかかる場合がある。 |
迷惑電話防止アプリ | 発信元の事業者名などを表示してくれる機能があり、電話に出る前に判断しやすい。 | アプリの信頼性や、個人情報の取り扱いには注意が必要。無料版と有料版がある。 |
これらのサービスを組み合わせることで、不審な電話がかかってくるリスクを大幅に減らすことができます。まずはご自身のスマートフォンの設定や、契約しているキャリアのサービス内容を確認してみてはいかがでしょうか。
まとめ:+883からの電話は無視して、冷静な対応を
この記事では、「+883」から始まる電話番号の正体と、その危険性について解説しました。
- +883は特定の国ではなく、IP電話などを含む国際ネットワークサービスの番号
- 目的は高額請求を狙ったワン切り詐欺の可能性が非常に高い
- 対処法の基本は「出ない・かけ直さない」の徹底
- 万が一出てしまっても、慌てずすぐに切り、必要なら専門機関に相談する
見慣れない番号からの着信は不安なものですが、その正体と手口を知っていれば、冷静に対処できます。この記事で得た知識を活かして、巧妙化する詐欺からご自身の身と財産を守ってください。
コメント