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「+870」からの電話は絶対に出ないで!その正体と巧妙な詐欺手口、今すぐできる対処法を徹底解説

「+870」からの電話は絶対に出ないで!その正体と巧妙な詐欺手口、今すぐできる対処法を徹底解説 生活の知恵

ある日突然、スマートフォンに見慣れない「+870」から始まる番号からの着信。

「どこからの電話だろう?」「出てしまっても大丈夫?」「もしかして、よく聞く国際詐欺電話では?」と、不安になりますよね。

心当たりのない国際電話は、出てしまう前にその正体を知っておくことが大切です。

この記事では、「+870」の正体から、そこに潜む危険な手口、そして今日からできる具体的な対処法まで、分かりやすく解説していきます。この記事を読めば、もう見知らぬ国際電話に怯える必要はありません。

「+870」はどこの国の電話番号?その正体とは

「+870」から始まる電話番号は、実は特定の国に割り当てられたものではありません。これは「インマルサット(Inmarsat)」という衛星電話サービスに与えられた国番号(コード)です。

インマルサットは、地上の通信網が届かない海上や上空、砂漠や山岳地帯といった僻地で主に利用されています。例えば、飛行中の航空機や航海中の船舶、災害地の報道機関などが、外部と通信するために使っているのです。

つまり、「+870」からの着信は、日本国内や海外の特定の都市からではなく、地球上のどこか(多くは海上や空の上)から衛星を経由してかかってきている、ということになります。

普段の生活では馴染みのない衛星電話ですが、この特殊な仕組みが、残念ながら迷惑電話や詐欺に悪用される一因となっているのです。通信経路が複雑で発信元の特定が困難なため、犯罪者の温床になりやすい側面を持っています。

なぜ危険?「+870」からの電話に潜む詐欺の手口

では、具体的に「+870」からの電話にはどのような危険が潜んでいるのでしょうか。手口は年々巧妙化していますが、代表的なものを3つ紹介します。これらの手口を知っておくだけで、冷静に対処できるようになるでしょう。

手口1:ワン切りで高額な通話料を狙う

最も古典的で、かつ被害が多いのが「ワン切り」の手口です。

着信に気づいた相手が「誰だろう?」と親切心で折り返しかけてしまうことを狙っています。この番号に折り返すと、インマルサット衛星電話への非常に高額な通話料が発生する仕組みです。

通常の国際電話料金とは比較にならないほど高額で、携帯キャリアによっては30秒あたり数百円というケースも少なくありません。わずか数分話しただけで、数千円から1万円以上の請求が来てしまう可能性もあります。犯人側は、この通話料の一部をキックバックとして得ることで利益を上げています。着信履歴に残った見知らぬ番号には、決してかけ直さないようにしましょう。

手口2:自動音声やメッセージで不安を煽る

電話に出てしまった場合に用いられるのが、自動音声ガイダンスを使った手口です。

「大手通販サイトの未納料金があります」「通信会社の利用料金が高額になっています」といった、実在する企業名をかたって不安を煽る内容が流れます。そして、「詳細は1番を押してください」のように、別の番号へ誘導しようとします。

指示に従ってしまうと、さらに高額な通話料が発生する番号につながったり、巧みな話術で個人情報を聞き出されたりする危険があります。公的機関や有名企業が、衛星電話を使って料金の督促をすることは絶対にありません。少しでも「おかしい」と感じたら、すぐに電話を切ることが重要です。

手口3:国際ロマンス詐欺への発展ケースも

近年、SNSなどを通じて知り合った海外の人物を名乗る相手から詐欺被害に遭う国際ロマンス詐欺が増加しています。

最初は親密なやり取りを重ねて信用させた後、「緊急でお金が必要になった」「会うための渡航費が足りない」など、さまざまな口実で送金を求めてくる手口です。その過程で、「この番号にかけてほしい」と「+870」のような特殊な番号を指定されることがあります。

これは、相手を信用させて高額な通話料を発生させたり、足がつきにくい連絡手段として利用したりするのが目的です。SNSでのやり取りだけで相手を信用しきってしまうのは大変危険です。見知らぬ相手から教えられた番号には、安易に電話をかけないようにしてください。

「+870」から電話がかかってきた時の正しい対処法

もし「+870」から着信があった場合、どのように対応するのが正解なのでしょうか。慌てずに行動できるよう、具体的な対処法を3つのステップで紹介します。

鉄則は「出ない・かけ直さない」

最もシンプルで、最も効果的な対処法は、「とにかく無視すること」です。

心当たりのない国際電話番号からかかってきた場合、応答する必要は一切ありません。留守番電話にメッセージが残されていても、内容を確認せずに削除しましょう。

特に「ワン切り」の場合は、数秒で切れるため出られないことが多いですが、着信履歴に残った番号に興味本位でかけ直すのは絶対にやめてください。これが被害を防ぐための大原則です。友人や知人からの緊急の連絡であれば、必ず別の手段(SMS、SNSのメッセージなど)でコンタクトがあるはずです。

参考1:総務省|第三者によるIP電話等の不正利用に関する注意喚起
参考2:警察庁|みんなでとめよう!!国際電話詐欺 #みんとめ

スマートフォンの着信拒否設定を活用する

何度も同じような番号からかかってきて煩わしい場合は、スマートフォンの着信拒否機能や、携帯キャリアが提供する迷惑電話ブロックサービスの利用が有効です。

  • iPhoneの場合: 「電話」アプリの「履歴」から、拒否したい番号の右にある「i」マークをタップし、「この発信者を着信拒否」を選択します。
  • Androidの場合: 機種により操作が異なりますが、一般的には電話アプリの着信履歴から番号を長押しし、「ブロック」や「着信拒否」といった項目を選択します。

また、ドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルといった各キャリアでは、海外からの特定の番号からの電話をまとめて拒否できる有料・無料のサービスを提供しています。頻繁にかかってくる場合は、これらのサービスの利用も検討してみましょう。

万が一折り返してしまった場合の対応

もし、うっかり折り返してしまった場合は、すぐに通話を終了してください。長電話になるほど通話料は高額になります。

その後、念のため携帯キャリアのマイページなどで通話明細を確認し、不当に高額な請求が発生していないかチェックしましょう。万が一、身に覚えのない高額な請求があったり、詐欺的な被害に遭ってしまったりした場合は、一人で悩まずに、後述する専門の相談窓口に連絡してください。

「+870」だけじゃない!注意すべき国際電話番号一覧

高額請求などを狙った迷惑電話は、「+870」に限りません。過去に総務省などが注意喚起を行った、特に注意すべき国際電話番号が存在します。

以下の表に、詐欺に利用されやすい国番号の例をまとめました。これらの番号から着信があった場合も、「+870」と同様に無視するのが賢明です。

国番号国・地域名特徴・注意点
+870インマルサット(衛星電話)非常に高額な通話料。ワン切り詐欺の代表格。
+881国際移動通信(衛星電話)インマルサット同様、衛星電話サービス。高額請求に注意。
+675パプアニューギニア過去にワン切りによる高額請求の被害が多数報告されている。
+247アセンション島イギリス領の孤島。こちらもワン切り詐欺で頻繁に悪用される。
+1アメリカ・カナダ番号自体は馴染み深いが、自動音声による架空請求詐欺などに悪用されるケースが多い。
+44イギリスアメリカ同様、一般的な国番号だが、国際ロマンス詐欺などの手口で使われることがある。

この他にも、聞き慣れない小さな国や地域の番号は注意が必要です。「+」から始まる番号はすべて国際電話だと認識し、心当たりがなければ出ない、かけ直さないを徹底しましょう。

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被害に遭ったらどこに相談すればいい?

「高額な請求をされてしまった」「詐欺師に個人情報を教えてしまった」など、万が一被害に遭ってしまった場合は、一人で抱え込まずに専門の機関に相談してください。

  • 警察相談専用電話「#9110
    詐欺かもしれない、犯罪の被害に遭ったかもしれないと感じた場合の相談窓口です。緊急の事件・事故ではないけれど、警察に相談したいことがある場合に利用できます。専門の相談員が対応し、必要に応じて地域の警察署への引き継ぎも行ってくれます。
  • 消費者ホットライン「188(いやや!)
    不当な請求や契約トラブルなど、消費生活全般に関する相談ができる窓口です。身に覚えのない請求への対処法など、専門の相談員からアドバイスをもらえます。どこに相談して良いか分からない場合に、まず電話してみる窓口として最適です。
  • 各携帯電話会社の相談窓口
    通話料金や請求に関する疑問点は、契約している携帯電話会社に直接問い合わせるのが確実です。不正な通話と判断された場合に、何らかの対応をしてもらえる可能性もあります。

これらの窓口は、あなたの味方です。少しでも不安なことがあれば、ためらわずに連絡しましょう。

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まとめ:見知らぬ国際電話には冷静な対応を

今回は、「+870」から始まる国際電話の正体と、それに伴う危険性、そして具体的な対処法について詳しく解説しました。

  • 「+870」は特定の国ではなく、インマルサットという衛星電話の番号。
  • ワン切りで折り返しを誘い、高額な通話料を請求するのが主な手口。
  • 対処法の基本は「出ない・かけ直さない・無視する」こと。
  • 不安な時や被害に遭った時は、一人で悩まず「#9110」や「188」に相談する。

テクノロジーの進化は私たちの生活を便利にしますが、同時にそれを悪用する人も存在します。見知らぬ番号、特に国際電話からの着信には常に警戒心を持ち、冷静に対応することが、あなた自身とあなたの大切な資産を守ることに繋がります。

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