「+38」や「+388」といった、見慣れない番号から着信があり、不安に感じていませんか?
特に、出てみると中国語の自動音声が流れてきて、すぐに電話を切ったという方も多いかもしれません。
この記事では、そんな不審な国際電話の正体から、巧妙な詐欺の手口、そして私たち自身でできる安全な対処法まで、分かりやすく解説していきます。万が一の時のための相談窓口も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
「+38」「+388」はどこの国の電話番号?その正体を解説
まず、電話番号の先頭にある「+」は、国際電話であることを示す記号です。それに続く数字が「国番号」であり、発信元の国や地域を表しています。
では、「+38」や「+388」は、具体的にどこの国なのでしょうか。
「+38」から始まる番号の正体
「+38」自体は国番号ではなく、「+38X」という形でヨーロッパの国々に割り当てられています。
- +380: ウクライナ
- +381: セルビア
- +382: モンテネグロ
- +385: クロアチア
- +386: スロベニア
- +387: ボスニア・ヘルツェゴビナ
- +389: 北マケドニア
このように、「+38」で始まる番号は、東ヨーロッパやバルカン半島周辺の国々から発信されていることを示唆します。しかし、これらの国に知り合いがいない場合、詐欺や迷惑電話である可能性が非常に高いと考えられます。
「+388」から始まる番号の正体
一方で「+388」は、少し特殊な番号です。これは特定の国ではなく、ヨーロッパで共同利用される特殊な国際番号です。主に、欧州全域で利用されるフリーダイヤルサービスや、特定の国際サービスのために使われています。
一般の個人間で使われることはまずないため、もしこの番号から着信があった場合は、発信元が偽装されているか、詐欺目的で悪用されている可能性が極めて高いと言えます。
注意!表示されている番号は偽装されている可能性も
近年では、発信者番号を偽装する技術も巧妙化しています。そのため、画面に表示されている「+38」や「+388」といった番号が、本当の発信元とは限らないケースも少なくありません。全く別の国や、国内からかけられているにもかかわらず、これらの番号が表示されることもあります。いずれにせよ、見慣れない国際電話には警戒が必要です。
中国語の自動音声が流れる詐欺電話の典型的な手口
「+38」や「+388」からの電話に出てみると、突然中国語の自動音声が流れてきて驚いた、という経験を持つ方は少なくありません。これは、国際的な詐欺グループが使う典型的な手口の一つです。
彼らの主なターゲットは日本に住む中国人の方々ですが、電話番号を無差別に収集して発信しているため、日本人にもかかってきます。その手口は巧妙で、私たちの不安を巧みに煽ってきます。
代表的な手口は以下の通りです。
- 大使館や領事館を騙る手口「中国大使館です。あなた宛に重要書類が届いていますが、受け取りがないため強制送還の対象となります」などと脅し、本人確認と称して個人情報を聞き出そうとします。
- 国際郵便や宅配業者を騙る手口「国際郵便です。あなたの荷物が税関で止まっています。違法なものが見つかったため、すぐに連絡してください」といった内容で不安を煽ります。
これらの自動音声の最後には、決まって「詳細はオペレーターに繋ぎますので9番を押してください」といったアナウンスが流れます。ここで番号を押してしまうと、詐欺グループのメンバーに直接繋がり、言葉巧みに個人情報や金銭をだまし取ろうとしてくるのです。
【危険】「+38」「+388」からの電話に出てしまった・かけ直した場合のリスク
見知らぬ番号からの電話には、つい出てしまったり、後からかけ直してしまったりすることもあるかもしれません。しかし、「+38」「+388」から始まる電話に関しては、その行動が大きなリスクに繋がる可能性があります。
行動 | 主なリスク |
---|---|
電話に出る | ・「有効な番号」と認識され、迷惑電話が増える可能性 ・オペレーターに繋がり個人情報を聞かれる危険性 |
折り返し電話する | ・高額な通話料が発生する可能性がある ・特殊な有料サービスに接続される危険性 |
無視する | ・最も安全な対処法 |
「通知不可能」の電話に出てしまった!その正体と今すぐできる対策を徹底解説
電話に出てしまった場合
もし電話に出てしまっても、すぐに切れば高額な通話料が発生することはほとんどありません。焦らずに電話を切ってください。
ただし、一度でも応答してしまうと「この電話番号は現在使われている」と詐欺グループに認識されてしまいます。その結果、あなたの電話番号がリスト化され、今後さらに多くの迷惑電話やSMSが送られてくる可能性が高まるので注意が必要です。
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折り返し電話をしてしまった場合
最も危険なのが、不在着信を見て親切心から折り返し電話をしてしまうケースです。これは「国際ワン切り詐欺」と呼ばれる手口の可能性が非常に高いでしょう。
犯人は、わざとワン切りで着信を残し、相手からの折り返しを待ちます。折り返した電話が、意図的に高額な料金設定がされている国際通話サービスや、特殊な有料サービスに接続されてしまう危険性があります。その結果、意図せず高額な料金が発生してしまう被害に繋がるため、絶対にかけ直さないでください。
「+38」「+388」からの不審な電話への正しい対処法
では、このような不審な国際電話から身を守るためには、どうすればよいのでしょうか。最も効果的で簡単な対処法は、以下の4つのステップです。
ステップ1: 絶対に出ない、かけ直さない
基本にして最も重要な対策は、「完全に無視する」ことです。見慣れない国際電話番号が表示されたら、応答ボタンも拒否ボタンも押さず、そのまま着信が切れるのを待ちましょう。もちろん、不在着信が残っていても、絶対にかけ直してはいけません。本当に重要な用件であれば、必ず留守番電話にメッセージが残るはずです。
ステップ2: 着信拒否設定を活用する
何度も同じような番号からかかってくる場合は、スマートフォンの着信拒否機能を活用するのが有効です。特定の電話番号を拒否するだけでなく、お使いのキャリアが提供する迷惑電話ブロックサービスを利用すると、より広範囲の不審な番号をまとめてブロックできます。
- iPhoneの場合: 「設定」→「電話」→「着信拒否した連絡先」から設定できます。
- Androidの場合: 「電話アプリ」→「設定」→「ブロック中の電話番号」などから設定可能です(機種により異なります)。
ステップ3: 「不明な発信者を消音」機能も効果的
より強力な対策として、スマートフォンに標準搭載されている「不明な発信者を消音(サイレンス)」機能の利用もおすすめです。この設定をオンにすると、連絡先に登録されていない番号や、最近発信したことのない番号からの着信は、着信音が鳴らずに通知センターに表示され、留守番電話に送られます。これにより、不意な着信に惑わされることなく、詐欺電話をシャットアウトしやすくなります。
ステップ4: 留守番電話を確認する
もし、万が一知り合いからの電話だったらと心配な方は、留守番電話サービスを設定しておくことをお勧めします。詐欺グループがわざわざ留守番電話にメッセージを残すことは稀です。メッセージが残されていなければ、無視して問題ない電話だと判断できます。ただし、留守番電話に吹き込まれた自動音声を信じてかけ直すことのないよう、注意してください。
万が一、被害に遭ってしまった場合の相談窓口
もし、詐欺グループの口車に乗せられて個人情報を教えてしまったり、金銭を支払ってしまったりした場合は、一人で悩まずに専門機関へ相談してください。迅速に相談することで、被害の拡大を防げる可能性があります。
- 警察相談専用電話「#9110」
詐欺かもしれない、トラブルに巻き込まれた、といった場合に相談できる警察の窓口です。緊急の事件・事故ではないけれど、警察に相談したいことがある時に利用できます。 - 消費生活センター「188(いやや!)」
商品やサービスの契約トラブルなど、消費生活全般に関する相談ができます。不当な請求を受けた場合など、専門の相談員が公正な立場でアドバイスをしてくれます。 - 利用している携帯電話会社
身に覚えのない高額な請求が来た場合は、まず利用している携帯電話会社のカスタマーサービスに連絡し、状況を説明して指示を仰ぎましょう。
不安な気持ちになるとは思いますが、冷静に行動することが大切です。これらの窓口は、あなたの味方になってくれるでしょう。
まとめ
今回は、「+38」「+388」から始まる不審な国際電話について解説しました。
- 「+38」「+388」からの電話は、詐欺の可能性が極めて高い
- 中国語の自動音声は、大使館や宅配業者を騙る典型的な手口
- 対処法は「出ない」「かけ直さない」「着信拒否する」が基本
- 万が一被害に遭ったら、すぐに警察(#9110)や消費生活センター(188)へ相談
見知らぬ番号からの着信は不安になるものですが、その正体と対処法を知っておけば、冷静に対応できます。この記事が、あなたの安心・安全なスマホライフの一助となれば幸いです。
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